この2,3日気になってる事。
先日の日曜日に朝のテレビを見てました。関口宏の司会での
ワイドショウです。
唐突な話です。
ロシアの原潜が沈没した事故がありましたよね。
そのコメントに合わせて、コメンテイターの一人が突然に
太平洋戦争時の戦艦大和について話し始めたんですけど、
これは沈没した原潜と大和を、ともに無用の長物と言いたかったんでしょう。
航空戦の時代に大和は無駄な軍艦であると注釈までつけてです。
で、それをずっと考えてました。
大和は無用の長物ですか?
大和を造るのなら、1000機の航空機を造れ、と言ったのは、実は山本五十六
です。彼がそう平然と言ってたので、当時の海軍の将校連中、特に航空畑の将校は、
世界の3大馬鹿のひとつだと公言までしてました。
有名な話の大和ホテルに武蔵旅館です。
豪華な軍艦なのに役に立たないという意味です。
ところで、当時そう言われ、現在のコメンテイターにまでテレビで公言されて
いますけど、これ、不思議なんですよ。
山本さんは1000機の航空機を作れと言いますけど、1000機の航空機の
乗員を作るシステムは当時の日本にないですよ。
乗員というのは熟練した乗員のことです。
熟練した乗員でないと戦力にはなりません。
或いは、戦艦ではなく、母艦にしろ、という話もありますけど、
母艦にしたところで、当時の正規空母が6隻から7隻に増えるだけの話で、
搭載機の数量が60数機増えるだけのことです。
日本が5年の間に作ったゼロ戦の総数は10000機を少し越えた数です。
余分に1000機のゼロ線があったとしても10%の増大に過ぎません。
どちらにしろ、つまり大和を母艦にしようが、1000機の航空機にしようが
戦力的には、対米戦に関しての兵力としては無駄なのですよ。
大和を母艦にしようが、航空機にしようが、戦争に勝つことは
出来なかったんですから。
山本さんにしろ、航空将校にしろ、現在のコメンテイターさんにしろ、
大和を、武蔵を別の何かにすれば、戦争に勝ったとでも思っていたんでしょうか?
僕はむしろ、大和を造るだけの技術が日本にはあるという意識とか知恵が、戦争
以後の日本を救ったんではないかと思うのです。
昭和10年代のそうした技術的な試みが、それが成功し、技術を確立する
事で、敗戦以後の日本の貧困を日本の裕福に変えたと思ってるんですよ。
大和は無用の長物ではなく、大和建造は日本を救った今世紀唯一の作業かも
知れないと密かに思うのですよ。
[2000年8月30日 13時52分26秒]