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本作"THE LASK -ENDLESS DUAL-"は、2000年4月にその連載が開始されました。現在、2004年7月。完結までに4年の歳月を要した計算になります。
ですがこれは、執筆に何年もの歳月を必要とする超大作の類ではありません。プレーンテキスト(.txt)にすると250キロバイト強、原稿用紙に換算しても390枚程度にしかなりませんから、まあ文庫本1冊程度の文量だったことになります。
ではなぜ、完結までに4年間もかかったのか。それはひとえに、著者が主人公に負けず劣らずの怠け者であったからにほかなりません。毎日最新話を公開していた時期もあれば、更新が滞り年単位で新作がリリースされなかった時期もあったりと、非常にムラっ気の目立った作品でもあります。
こうした体たらくにも関わらず、最後まで気長にお付き合い下さった読者諸兄には感謝の念に絶えません。
――読者で思い出しましたが、脇役の時田青年(そう、彼はまだ27歳。社会ではまだ青年に相当する年齢なのです)に意外な人気がついたことは著者にとっても驚きでした。
原作に登場する時田というのは、1話限りの出番しか与えられなかった典型的なゲストであり、主人公サイドとは半ば対立する位置関係にあった少し嫌なキャラクターとして描写されていました。
そうした時田をそこそこのポジションにまで持ち上げ、徹底した不遇のキャラクターとしてコミカルに描いたことが読者には新鮮に映ったのかもしれません。
かく言う私も、主人公と時田君とのやり取り(漫才)は書いていてとても楽しかったですし、思い入れもあります。
あまりにも長いこと放置しておいたおかげで、頭の中にあったプロットやストーリィを忘れて困ったり、執筆期間が長かったせいで前半と後半とで筆力に明らかな違いが出たりと決して満足できる出来とは言えませんが、一部の根強いファンに支えられた格好でこの長編もようやく完結の運びとなりました。
ようやく時田君の亡霊から解放されて私も、文字通り肩の荷がおりた気分です。
連載を始めた頃は続編の構想まであったはずなんですが、今ではもう忘却の彼方です。ふとした弾みで思い出すことでもあれば、もしかするともしかするかもしれませんが……
名残惜しいけれど、とりあえず今回はこれでお別れ。
しかし時は流れているので、それもしばしのことです。
「――バイバイ、きっとまた会えるわ。」
see you...
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and Based upon and incorporating the GAINAX animation "EVANGELION".
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