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骨髄移植患者の負担金40%軽減へ
 国内の骨髄移植を司る「骨髄移植推進財団」理事会は、2005年6月24日づけの議会で、骨髄移植を受ける患者の負担金を同年7月より引き下げることを議決しました。
 これまで、平均的なケースにおいて患者は1人あたり約45万円を負担していました。今回の4割軽減により、これが27万円程度にまで下がる見込みです。
 差額の負担には、同財団の内部留保する資産約4億7000万円のうちから1億円を当てるとのこと。

骨髄提供、55歳まで制限年齢拡大
 厚生労働省は2005年5月24日、骨髄提供ができる年齢の上限を5歳引き上げることを決定しました。
 これにより、55歳まで骨髄提供をすることが可能になります(かつては50歳まで)。
 同省はこの措置により、5年間で1万5000〜2万人の提供者登録数の増加が見込んでいます。

骨髄提供に給付金の出る保険登場
 2005年4月21日、 <プルデンシャル生命保険> が、国内ではかつてなかった骨髄提供者(ドナー)むけの保険サーヴィスを開始した、と発表しました。
 「骨髄ドナー給付」と呼ばれるこの新サーヴィスは、ドナーが白血病などの患者に骨髄を提供する際、一定額の給付金を得られるというものです。同月22日から、 <プルデンシャル生命保険> の医療保険や入院関連の特約がついた死亡保険で開始されます。
 これに関する情報は、24日づけの読売新聞などでも報じられました。
  <プルデンシャル生命保険> の発表によると、新サーヴィスの開始による保険料の変更などはないそうです。
 なお、入院給付金日額が5000円〜1万円の契約なら、骨髄提供1回に限って10万〜20万円の給付金が支払われる予定。対象はすべての既契約者で、今後の新規契約は2年目から対象に加えるそうです。
 これまで、ドナー側からみた骨髄提供は「治療を直接の目的としない医療行為」として、保険対象外とされるケースが目立ちました。
 とはいえ、骨髄採取には平均して4〜5日間の入院が必要です。全身麻酔などの身体的負担や、入院期間中の収入減など経済的負担もあり、3月に金融庁が保険業法施行規則を改正しました。これによってドナーも給付対象に含められ、今回の新提案の誕生に繋がった模様です。

ドナー登録の年齢制限、下限を20歳から18歳へ
 2005年3月1日から、骨髄バンクにドナー登録できる年齢が、これまでの20歳以上から18歳以上という条件に変更されました。これからは18歳になっていれば、家族の同意を得ることなく、自分の意思だけで骨髄バンクにドナー登録することができるようになりました。
 これは特別に凄いことではなく、日本の常識がようやく世界の常識に近づいてきただけのことです。

骨髄バンクの登録条件、「家族の同意」撤廃
 2004年10月29日、厚生労働省は <骨髄バンク> の登録条件にあった「家族の同意」の項目を撤廃しました。より多くの登録者を確保するのが狙いです。
 ただし、家族の同意が必要なくなるのはデータバンクへ登録するときのみで、実際に適合患者が見つかり、移植をすることになったときの最終確認においては、家族の同意は従来通り必要になります。

臍帯血提供者の白血病発病、99年以降3例確認
 2004年の夏、白血病などの治療法として急速に普及している臍帯血(さいたいけつ)移植で、臍帯血を提供した3人の子供が、提供後に白血病になったことが判明。話題になりました。
 臍帯血というのは、生まれたときに赤子がつけている「へその緒」から取れる血液です。へその緒は普通、ハサミなどで切り取り捨てられます。それを捨てずに保存し、白血病患者などの移植のために使うのが臍帯血移植です。
 1999年以降のデータに限りますが、この臍帯血を提供者が後に白血病になったケースが、国内で少なくとも3例あることがわかったわけです。いずれも移植前に判明したが、使われていれば、受けた患者が新たな白血病を発病する可能性もあり、全国11の臍帯血バンクでつくる「日本さい帯血バンクネットワーク」は、提供者の健康状態を追跡する新たな仕組みの導入を検討しています。

海綿骨に大量の幹細胞を発見
 2004年の7月に朝日新聞が報じたところによると、骨の内部にある「海綿骨」と呼ばれる部分に、幹細胞が大量に存在することを、東京医科歯科大の運動器外科学教室のグループが発見したとのことです。
 幹細胞は血や骨などを作る働きをする大変重要な存在で、白血病などの治療でも中心的役割を担っています。我々が良く聞く <骨髄移植> は <造血肝細胞移植> ともいい、まさにこの種の細胞を患者に移植することを意味しています。
 その肝細胞が、海綿骨からは1度で骨髄からの約100倍も採れ、採取に伴う患者のリスクや負担を減らせる可能性があるといいます。
 海綿骨は、骨組織のうち、内部にあるスポンジ状の多孔質組織。同グループは、海綿骨の表面に付いている細胞を調べ、骨をつくり出す骨芽細胞や軟骨細胞、脂肪細胞などに分化できる細胞を見つけました。結果、骨髄液中の幹細胞とほぼ同じ特徴を備えていることが判明したそうです。
 骨髄液中の幹細胞は、海綿骨から供給されているのではないか――という新しい考え方も出てきています。
 骨髄移植に必要な造血肝細胞を得るには、これまで骨盤に針を刺して何度かに分けて採取する必要がありました。ドナーの少なからぬ負担とリスクの一面になっていたことです。海綿骨からの採取なら、骨盤などから1度で採取できる可能性が高くなります。

幹細胞(臍帯血)バンク本格稼働
 これまでの骨髄移植では、ドナーに全身麻酔をほどこし、腰の骨から骨髄液を抜き取る必要がありました。このためドナーには数日間の入院や、骨髄を抜き取る際の痛みなどの負担が強いられましたが、現在では誰にとっても全く負担のない、極めて安全な骨髄移植の方法が考えられるようになりました。
 それが、赤ちゃんのへその緒の血液(臍帯血=さいたいけつ)を使う、臍帯血移植です。
 この臍帯血を使った移植に関連する「幹細胞バンク」事業が、理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)で、2004年の夏ごろから本格的に始まりました。
 同センターと東京大医科学研究所、全国に11ある臍帯血バンクのうち五つが参加して進めるものです。臍帯血を利用した幹細胞バンクの存在は世界的に見ても珍しく、関係者の関心を集めています。
 これまで、関係機関から集められた臍帯血は、その約6割は医学的な条件が合わないなどの理由で移植に利用されず、廃棄されていると思われます。
 今回のプロジェクトは、移植に使われなかった臍帯血を凍結保存するもので、倫理面などの条件を満たした研究者や研究機関に提供するのを目的としています。赤ちゃんの親からは研究に使うことへの同意を文書で得え、誰から提供を受けたかわからないように匿名化されます。当面は、大学など非営利施設での研究用に限定し、1単位を3万2000円の実費で提供する予定とのこと。

骨髄液採取で女性患者死亡
 2003年11月中旬に兵庫県山崎町の公立宍粟総合病院で、胸の骨から骨髄液を採取する「骨髄穿刺(せんし)」という検査を受けた80代の女性が意識を失い、死亡した――と朝日新聞が報じました。
 骨髄移植とは無縁の事件であり、移植の危険性を語る根拠にもならない情報ですが、白血病など血液難病の患者は良く同じ検査を受けます。
 女性の胸部内に血液がたまっていたことなどから、兵庫県警は、担当医らが過って女性の血管に針を刺した可能性が高いとみて調査を開始。同病院は、外部の医師を含む調査委員会を設置しました。
 病院側のコメントは以下の通り。「一般的な検査手法だった。過って針が血管を刺した可能性もあり、警察に連絡するとともに病院としてもきちんと調べることにした」。公立宍粟総合病院は、ベッド数約200床の総合病院で、血管の状況や骨密度を調べる設備などがあったそうです。

白血病に関連する遺伝子発見される
 2003年7月、慢性骨髄性白血病(CML)の発病にかかわる遺伝子が、京都大生命科学研究科の湊長博教授らによって発見されました。詳細は、米科学誌キャンサー・セルにて発表。
 今回の発見は、細胞の増殖に関係する <SPA1> という遺伝子を特定し、その詳しい働きを研究することによって得られました。この遺伝子が働かないネズミを作ったところ、生後1年を過ぎるころから慢性骨髄性白血病の症状を示し始め、さらに半年ほど経過すると急性骨髄性白血病になったそうです。
 今回の研究は、新しい治療薬の開発に役に立つことが期待されています。


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