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みらくる☆ツインズ future

 普通の女の子がちょっと大人に変身できる魔法の力を与えられてマスコットキャラと共に日常の事件を解決していくというクリーミーマミなどに代表される魔法少女ものは漫画、アニメの定番となっておりますが、ゲームにおいてもパロディというかネタとして結構使われている気がします。まじかるカナンとかえ〜んじぇるなどがその代表ともいえますが、まじかるカナンは設定自体は魔法少女ものといえますが、その役割は魔法戦士というものでありセーラームーンやポワトリンに近いかもしれません。え〜んじぇるも人助けというものが目的ではありますが、痴漢や変質者の退治などの戦闘がメインになっています。女の子の恋愛をメインにしたクリーミーマミ的純魔法少女ものは恋愛ゲーとしては良いネタとなると思うのですが、ゲーム的に戦闘があった方がメリハリがつくという事と、主人公を男性キャラにするという制約のため、ゲームでは前述のような魔法戦士(ヒロイン)とそのサポーター(主人公)という構図になるようです。

 さて、本作も普通の女の子が突然変身できる力が与えれるという点で魔法少女的ですが、マスコットキャラはいないし、正義の味方として悪の組織と戦うということで魔法戦士というかスーパーヒロイン系に分類されるかも。長々とした前振り全然関係ありませんでしたな。

 で、簡単にあらすじを書けば、「大根の万引きなどせこい犯罪を繰り返し世間を騒がす「氏ね氏ね団」を退治する謎の美少女「ガーディアンエンジェル」が巷で大人気。それとは全く関係なく女性問題で閑職に左遷された主人公は居候の従妹の「かなた」と一緒に屋上で弁当を食べる毎日。しかしひょんなことからかなたがガーディアンエンジェルに変身する力を得て、さらに本家ガーディアンエンジェルの正体が元家庭教師の教え子の「愛実」だったことがわかり、そしてさらに主人公もガーディアンエンジェルのリーダーとして氏ね氏ね団と戦うはめになる」というもの。
 全7章からなるADVで、毎回氏ね氏ね団とのジャンケン形式の戦闘を行い、負けるとGAME OVER。選択肢は多くなく、かなたと愛実のどちらが戦うかで最終的なエンディングが変わります。各章も主人公を狙う悪人(女)、それをHで返り討ちにする主人公、さらにガーディアンエンジェルと悪人の戦闘、悪人のお仕置き(場合によっては主人公もお仕置き)と大体パターン化されております。

 さて、この手の話だと変身する女の子がメインになり、主人公は狂言回し的なサポート役にまわることが多いのですが(少なくともまじかるカナンではそうだったな)、本作では主人公が大活躍します。
 主人公は、それなりの大学を出て、それなりに大きな会社に入ったが、元来の女好きの性格が災いして研究開発課という仕事もない部署に左遷され、妙になよなよとした後輩(男)の山田にまとわりつかれて、毎日会社でやる気のない生活。さらに、そんな生活をしている所為か、現実逃避的に思索にふけトリップしてしまう空想癖というか妄想癖あり。これらの設定はうまくシナリオに組み込まれて主人公がちゃんと主人公しており、その存在感が非常に濃くなっています。また、主人公が慕ってくる2人のヒロインの事も憎からず思って、ちゃんと気を遣ってあげているところも、妙につっぱってヒロインを邪険にするゲームにありがちな主人公とは違っていい感じです。

 その主人公を慕う2人のヒロインはどちらも18歳の同級生という設定ですが、元祖ガーディアンエンジェルの愛実の方が真面目でお姉さん的で、元気で積極的な主人公の従妹のかなたは妹分という感じ。でも2人とも18歳は無理があり(というか自主規制だが)、13歳に頭の中で変換するといい感じ。まぁ、13歳でも不相応の幼い外観と言動なので、初めから11歳くらいに変換しても良いのですが、それだといまいち面白味無し。13歳なのに幼いというのがポイント。「ロリ」ではなく「おさない」。男女の機微がちゃんと(主人公よりも)判っているのに幼いというのが○。キャラデザインは服装も含めて「おさない」って感じで、すごく柔らかそうな絵柄と塗りも個人的に好み。多少、地味な絵柄ではありますが、実際のゲームの雰囲気にはあっていると思います。
 そんな彼女たちも変身すると体は大人っぽくなるのですが、かなたはファミレス系(というか魔法少女系)でツインテールだし、愛実はバトントアラー風でたまらんって感じ。バトントアラーってのはゲームではあまりないデザインですが、ベレー帽にカチッとした正装的なトップにひらひらした短いスコートにブーツというのは萌え萌えですよ。バトントアラー万歳!あぁ、俺のバトンを〜〜〜
 んで、Hもそれぞれ変身前と変身後でちゃんと出来る上、さらに展開によっては2人一緒にという素晴らしいシチュエーションもあり。美少女2人並べて重ねて交互にってのはあまりにも素敵。ちなみに話的にも2人ともってのが一番きれいにまとまっていた気がします。お薦め。

 その他のHを担当するのが氏ね氏ね団の役に立たない悪人のみなさま。毎回主人公をたらし込もうとして返り討ちにあって、Hシーンを盛り上げてくれます。3悪人のそれぞれは姉御肌でまともな言動のリーダー、おっとりてしていつつキツイ言動の童顔巨乳、テンション高めで行き当たりばったりな言動のロリ少女とバラエティに富んでおり、その会話も怪しい日本語が飛び交い楽しいのですが、シナリオ的に毎回おなじような作戦でおもしろみがないのが残念。

 そもそも氏ね氏ね団という組織が、せこい組織という設定だけで適当に描かれているため、正義の味方と悪という構図がはっきりしていません。毎回単純な色仕掛けばかりで、悪の組織らしい仰々しくもせこい作戦というものもなく、部下はせこいにしても親玉が影でもっと大きな悪事をたくらんでいる、というわけでもなく空回り気味。またガーディアンエンジェルも、マスコミでも取り上げられキャラクターグッズまで発売される存在でありながら、戦いの場が主人公の会社の中という人目のつかない場所ばかりであり、マスコミに正体がばれそうになるとか、熱心なファンにストーカーされるというようなネタも無し。もっと設定を生かしたメリハリのある話の展開も欲しかったと思います。
 しかし、本作のメインは2人のヒロインと主人公のやりとりにあります。はじめからヒロインは主人公に好意を持ち、正義のためというよりは主人公と一緒にいたいから、主人公を助けたいからガーディアンエンジェルになるという構図は萌え萌えであります。かなたがガーディアンエンジェルとして戦うまでの過程や複雑な愛実の生い立ちなどがしっかりと描かれており、なによりもその日常会話が楽しく飽きさせませんでした。

 日常会話というか悪人とのやりとりも同じなのですが、日本語の言い回しや慣用句などの誤用の指摘合戦が会話の多くを占め、笑わしてくれます。しかし制作進行がきつかったのか、後半になると突然シナリオのネタ以外の本当の誤字・脱字・誤用、果ては台本の脚注の消し忘れ、まともに変換されていないタイプミスまで出てきて、「なんでこの誤用には主人公はつっこまないんだ?」と思うような場面もしばしば。まぁ、それまでのネタが正しい日本語だっただけに、テキストの間違いもあきれるを通り越して笑いになってしまいました。特にヒロインとのラブシーンでの編集ミスは雰囲気ぶちこわしで大笑い。そのうち修正パッチが出ると思いますが、テキストのあら探しをするのもまた別の楽しみということで・・・
 ただしスクリプトミスだと思いますが、ヒロインとのHシーンでCGが間違って表示されるのは許せません。これだけは早急に直してもらいたいと思います。

 ということで後半、仕事のアラがやたら目立って商品としてかなり問題があるとは思いますが、その辺を差し引いても登場人物達のやりとりは楽しく、女の子は萌え萌えだったので、その辺は評価できます。結構、甘い評価ですが・・・・(01.10.3)

 テキストの誤字脱字の修正とCG表示修正のパッチがでました。またこれでプレイしてみますか。(01.10.10)

評価:78

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