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黒姫  SPD

 キャンプをしに出かけたものの、道に迷ってしまった6人の男女。彼らの前に突然現れた洋館。突然の地震に気を失った彼らが目覚めるとそこは洋館の中だった。彼らが来ることを予想していたかのように置かれた人形、罠、そして謎の少女「摩夜」。彼らは無事にここから脱出することができるのか?

 というように、非常にわかりやすい内容です。ゲームシステムは洋館をマップ移動し、そこでいくつかの選択肢が発生、移動する毎に時間が経過し、48時間経過したところで強制的にエンディングに向かうというもの。1回エンディングを見た後ではシナリオ・イベントの分岐マップが表示されるので未見CG・エンディング回収はやりやすいです。ただし、イベント発生条件に時間要素があるため、コンプするのはなかなか大変です。
 キャラは姉妹ブランドZONEの紅蓮などと同じくスレンダーなボディラインが魅力的。服装など全体的に地味な感じではありますが、小振りな胸(全員貧乳というわけではない)が大変いい感じです。ただしデザインもそうですが、CG塗りも幾分か地味で、ファンタジー色の強い紅蓮などとはまた違った印象があります。

 結論を言うと、甘いというか物足りない。まずイベントと時間の関連性はゲームとして面白いと思うのだが、エンディングについては48時間以内に特定のエンディングに達しないとき、有無を言わせずにデッドエンドになるだけで面白味無し。48時間経過した時点での状況しだいでそれなりの展開があるものだと思っていたので、これは肩すかし。

 次にHイベントですが、内容が内容だけに全部陵辱系で数も多くありそれはそれで満足なのですが、ぬるい。というか燃えない。テキストがあっさりしているというのもありますが、CGの地味さも影響していると思われます。CGの描き込みもたりません。例を挙げるならば、女の子がミミズ風呂に落とされるシーンがあるのだけど、ミミズの密度が非常に薄い。ミミズが数え切れないほどいる、という状況はテキストに書かれているのだが、CGはすぐに数えられる程度の密度でスカスカ。一部、他ではあまり見られないような構図があり良いところもあるのですが、全体的に綺麗(シンプル)にまとめすぎているきらいがありますね。

 CGについてはHシーン以外でも物足りない。特に立ちCGは1種類しかなく、泣いても笑っても(笑うシーンは無かったが)同じCG。さらに服を脱いでいても同じCG。テキストで「なんて格好をしてるんだ!」と驚いてもCGはいつもと同じ。ついでに、この立ちCGが話し手が変わるたびに切り替わるためうざったい。代わり映えのしないCGをわざわざ切り替えて表示することにどれだけの意味があるのか・・・。
 イベントCGはともかく、通常CGがこんなに無味乾燥なのにシナリオはほとんど台詞のみで構成されています。CGは誰がしゃべっているかの情報しか与えないのに、更に台詞だけでシーン描写が無いので、何が起きているのかさっぱりわからず。乱闘シーンなぞは、かけ声だけ話が進みますからね。なんか画面消して映画見てる感じ(^^;

 物語自体もよくある話なんですが、ヒロインとその他の人間関係が物語の鍵になっている割に、その辺の描写がまるでなし。実は彼は彼女のことが好きだったとかいっても、それらしい描写はまるでなかったじゃない(^^; 遺作のように、事件が起こるまでの日常部分がしっかり描かれていれば、それなりの人間ドラマが見れたでしょうに。かといって、館からの脱出をメインにしているわけでもなく、ただ館を歩き回ってHイベントを探すだけのゲームとなってしまっています。あの絵でダーク系ってことで、結構期待してたんですけどねぇ・・・・ (00.12.23)

評価:54

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