ペンシラー☆カナ Ripe美少女ゲーム会社の原画マンをしている鼎(かなえ、20歳、男、結構美形)が仕事に追われて徹夜している所に突如現れた謎の妖精モナモナ、彼女とぶつかって気絶をして目覚めてみると鼎は美少女(推定12歳、女、当然美形)に変身していた。そしてペンシラー☆カナとしての非日常的な日常が始まる・・・・。 変身といえばカフカかウルトラQってところですが、モルフォ蝶の鱗粉で巨大化ってのと、羽の生えた妖精とぶつかって美少女化ってのはある意味似ているかも。違っているのはウルトラQではそのままアンバランスな世界に行っちゃいますが、ペンシラー☆カナはそのまま何事もなく(多少の変化は有れ)日常を過ごしている点でしょうか。 ということで、この作品はペンシラー☆カナとなった鼎がモナモナと一緒に魔法のカードを集めたり芸能界に入ったり魔法の力で色々な事件を解決したりして世界を救っていく〜〜ってな話ではなく、ペンシラー☆カナとなっても今まで通り原画マンとして仕事に追われる日常をそのまま描いたものです。前作のすぃ〜とじぇみに〜も特にストーリーらしいものもなく、突然出来た妹たちとの(ちょっとHな)会話と日常を楽しむコミュニケーションゲーというようなものでしたが、本作のシステムもそれの延長線上にあります。ゲーム構造としては2つにわけられ、ひとつはプレイヤーによるどのくらい影響しているんだかイマイチわからない行動によるランダム性の強いイベント探し、もうひとつはバックグラウンドストーリーというか自動的に毎日進行していく物語、となっています。 さて、前述の通り日常といってもカナはあくまでも原画マンであり、平日は会社で原画マンとしての仕事をしています。カナの所属する会社は、本作の製作会社であるRipeをモデルとしたもので、職場の背景はたぶん実在の職場のイメージでしょう。まぁ、妙に片づいているところは美化されているんでしょうし、女性ばっかりのスタッフってことも無いかも。また、職務内容、製作の進行などの描写には省略・誇張などはあるでしょうが、ゲームやCGなどに関する何気ない技術的・職業的な会話や、実在ゲーム雑誌の取材など不思議なリアリティを持っています。それらは内輪ネタというよりも、「あぁ、ゲーム製作って(美化はされてはいるだろうが)こんな感じなのね」といった風で楽しめました。 さてさて、このゲームのポイントは外見は美少女で中身は男の子ってところでしょうね、やはり。ただし、中身が男といってもむさい男ではなく、元々ほわほわした感じの可愛い感じの男の子。違和感は全然ありません(^^) カナの可愛さは、絵柄もあるけど声の要素も大きいですね。メインキャラ+αの声は一部のイベントを除いてフルボイスなんですが、前作よりもボイスの量は確実に増えています。声の質は全体的にのほほ〜んとしたのんびりムードで、人によっては少々うざいという感じをうけるかもしれませんが、ウィット(?)に富んだ日常会話は不思議な魅力がありスキップすることなく楽しめます。声的にはちょっと素人っぽいところがあるのですが、その辺が逆に日常っぽさを強調しているようでもありますし、またそれぞれのキャラの特徴というものを的確に捉えているようでもあります。特にカナと妖精のモナモナの声は印象深いです。 あと、今回はOPとEDにボーカル曲が使われています。OPの方はいまいちなんですが、EDの方の曲は80年代ポップスというか、え〜〜っとEPOとか谷山浩子とか、まぁそんな感じの優しい曲で良い感じ。私は昔っぽい曲が好きなんですよ〜〜〜〜。 ところで全然関係ない話ですが、こないだ自分につけた名前が悪いとして親を刺したって事件があったんだけど、その男の以前の名前が「鼎」・・・。その後、漢字が難しいからとして「要」と替えたそうだけど、カナは大丈夫だったのかなぁ。くらげさん、刺されたりしないかなぁ(^^;(00.10.1) 評価:80 |