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Pure Mail  OVERFLOW

 子供の頃のトラウマで現実での人間関係に絶望しネットの世界に生きる主人公が、ネット初心者のEVEと知り合いチャットを続けるうちに、EVEがクラスメートの女の子であることがわかり・・・・・というADVです。

 前作らーじPONPONも好評でデモのクオリティも高く、発売後の評価もまずまずといった感じだったのですが、私としては普通の恋愛ゲーはイマイチ惹かれるものでなかったので手を着けないでいました。しかし実は鬼畜ゲーだったということがわかり発売後2週間くらいたってから購入。他に積んであるゲームが文字通り山ほどあるのにね。
 で、そんな状況でプレイしたこのゲーム、結論から行っちゃうと部分的には非常に良くできていますが、しかし全体としてみるとバランスが悪く中途半端な印象を受けます。スタッフの基本的な考え方が私と違うからなのかもしれませんが、もっと煮詰めればおいしくなるだろうに、イマイチ何をやりたいのかってのがよくわからないような、そんな感じ。

 まずシステムについては至れり尽くせりで、テキストの自動送りやテキストスキップ、メッセージ履歴、キャラ毎のボイスのオンオフ、アンダーヘアの有無などなど何でここまでというほどに細かく設定できます。まぁ、そこまで必要なのか?ってのものありますが。
 一方、ゲームシステム自体はオーソドックスな選択式ADVですが、いくつかのシナリオについては初回からは見ることが出来ず、特定のエンディングを見ることにより新たな展開が生じることになります。しかしこの辺の事と、選択肢自体の多さ、そしてフラグの厳しさはゲーム自体の難易度を無意味なほどに上げる結果となっているのが残念。この辺については後ほど。

 さて、このゲームは一見普通そうに見えてかなり妙です、っていうかやばいです。純愛ゲーの様に見えて実は鬼畜、主人公達は中○生。最高ですね。中○生で純愛&鬼畜というとMelodyのコレクターがあるんですが、それとは違って本作は明らかに確信犯というか、悪意があるところが楽しいですね。
 主人公は子供の頃のトラウマで人間不信なネットオタクで、盗撮ヲタク男しか話しかけてくれる男友達もなく、放課後も誰と遊ぶでもなし女の子をストーカーするのみで、趣味はパソコン。でもなぜか妙に学園でもトップクラスの女の子達に一方的に気に入られる・・・・・う〜〜〜ん、普通じゃないようで、実は普通のゲーム主人公ですな。
 そんな彼が好意を持つのがネットで知り合い、実はクラスメートだと判ったメインヒロインの奈川碧。主人公は現実の碧=ネットでのEVEということを知っているが、碧は恋いこがれているネットの君(^^)が主人公と同一人物であることは知らない。この辺のすれ違いがゲームの肝になると思っていたのですが、ネットと現実での主人公に差が無いので、ネットと現実の二面性という面白味が出ていない気がするんですよねぇ。たとえばネットでは愛想も良く親しみやすい人柄でEVE(碧)も一目惚れって感じだけど、現実の主人公は無愛想で口べた人間不信全開でネット人格の助けがないと現実の女の子と仲良くなるなんて夢のまた夢なんて状況だと楽しいんじゃないかな。なのに本作では現実の主人公がちょっと教室でコンピュータ雑誌を読んでいただけでヒロインと仲良くなっちゃうし、ちょっと気まぐれで仕事を手伝っただけで女の子に好意を持たれたり、何もしないでも以前から主人公のことを好きだった女の子がいたり・・・・ずいぶんいい目にあってるな!
 そんなヒロインの碧はどんな娘かというと・・・・結構性格が悪いです。子役でならしていたほどの美少女で、学園でもトップクラスの学力を持つ才色兼備な娘なのですが、どうも場の空気を読むのが苦手で、さらに過去にいじめをうけた経験からか保身性が強い自己中心的な性格で、友達のいない寂しいやつです。そして主人公の行動次第で、どんどん碧の人生はひねまがっちゃうんですが・・・いや、どちらかというと地味ながらも慎ましく暮らしていた主人公の人生が碧に振り回されてどんどん狂っていくという気がするなぁ・・・・。自分より低い立場の人間にはやたら強気だし、碧って。
 ちなみに他のヒロインは結構普通ですね。極端な性格の人はいませんし、どの娘も好感が持てると思います。しかし鬼畜な展開はあまりないのでイマイチ盛り上がりに欠けますが。(と、いっても実は純愛系のシナリオはほとんどやっていませんけど、私(^^;)
 あ、特殊なキャラというと小○4年生くらいの女の子が出てきますね。伏せ字になっていることから判るとおり、出来ます!しかも孕みます!世間では10歳で子供を産むという事例もあるそうですが・・・・・・。それはいいとして、この娘の背中からお尻にかけてのカーブが最高です。

 で、シナリオなんですが、ゲーム期間は休み直前の40日で毎日学園へ行って帰宅して仮眠してテレホタイムからチャットするというルーチン的生活で進行します。そのため特に前半は代わり映えのしない地味な展開で飽きます。後半になると碧との関係がぐちゃぐちゃになったり、他の娘と仲良くなったりで面白くなってくるものの、前半でのフラグ立てが十分でないと、ある程度シナリオが進んだところで止まってしまいます。で、このフラグ立てがやたら難しい。少なくともゲーム期間が半分の20日くらいならば苦にはならなかったのでしょうが、私は繰り返しプレイして地道に攻略していくのをこういうゲームの楽しみとは思っていないので、すぐに攻略情報に頼っちゃいました。
 ゲーム的に同時攻略出来そうな感じなのに基本的にオンリープレイじゃないと攻略できないってのもずるい。もっと前半の早い時期にわかりやすい選択肢で各女の子のシナリオに分岐するようにしておけば良いと思うのだけど。攻略不可能な状態になっているのに、中途半端にイベントが生じるのは精神衛生上良くないよ。

 シナリオ後半は、無事にフラグが立っていれば、各女の子のシナリオが本格的に始まります。特に鬼畜系では傷心の主人公が小○生に心のよりどころを求めたり、ヒロインに邪な感情を抱いたりなかなか楽しい展開になります。そこに至る登場人物達の心の動きも、ちょっと唐突ながらきちんと描かれており好感が持てます。しかしシチュエーション的に楽しいことが起きているのですが、CGのバリエーションが少なく、面白味がない。状況が違うのに同じCGの使い回しなので達成感がないんですよ。あとヒロインが他の男としちゃうような状況なのに、説明だけでCGがでなかったりして残念。一応、盗撮男にお口でするシーンはありますが、もっとやってほしかったなぁ。まぁ、ヒロインが他の男にとられるようなのは嫌いな人が多いようなので仕方ないかもしれませんが、私はそういうのが大好きなんですよねぇ・・・・妊娠しちゃった時もCG欲しかったなぁ・・・・前作がそういうゲームだったんだし、本当に残念です。シナリオ自体も鬼畜な展開になっても、あまり鬼畜っぽくないように綺麗にまとめようとしていう風でもあり、その辺をきっちり濃く描いていれば85点くらいになったのにぃ〜〜。

 全体的なところでは今時のネット環境という物を色々と出してきているのですが、イマイチそれがシナリオにとけ込んでいないのが残念。碧以外はネットやメールというものを無理矢理シナリオに入れ込んでいる気がします。碧以外のヒロインもネットと現実の二重構造になっていれば、また面白かったと思います。最近発売されたBlessってのもやはりチャットをテーマにしているのですが、特にネット上で互いに誰だか判らない状況で幼なじみの女の子を捜すという部分は本作よりも面白そうだったり。

 ところで、このゲームの主人公が使っているOS、CLAVISのOS7.7だそうですが、会社名、メニューバーの存在とSpecialというメニュー、ドライブアイコンが右上にあることなどから、MacOSを意識した物のようです。ゲーム中でもマイクロソフトのOSをけなすシーンがあるようですが、それならMacOS版を作ってくれよ〜〜〜、難易度下げて鬼畜度上げてさぁ〜〜(^^) (00.9.16)

 こないだふとローティーンのやりたい盛りの頃に女の子とHしてたら自分の人生変わっていただろうなぁ、っと思ったり。当時からしていた人の話を聞くとたいそう気持ちよく、学校のトイレとか階段の裏とかでやりまくっていた(言葉は悪いが)そうです。やっぱりハイティーン以降とは違って歯止めが利かないと言うか、一歩間違えると暴走しちゃいそうなところもあったんでしょうねぇ。
 まぁ、今時は小中学生で初体験なんてのはかなり一般的になっちゃってるでしょうが、私らの頃はまだまだセンセーショナルなところもありましたから。なんせドラマのネタになるくらいだからねぇ。

 で、ピュアメールも○学生の主人公の危うさというか、ちょっとしたボタンの掛け違いでH無しのプラトニックな恋愛からどろどろとした肉体関係まで動いてしまうのが表現されているのかなぁ、と改めて考えたわけです。
 それだけに○学生の主人公の若さ(幼さ)ゆえの暴走ってのをもっと激しく出して欲しかったなぁ。つまるところHシーンをもっと充実させてくれってことなんだけどね(^^;

評価:77

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