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まじかる☆アンティーク  Leaf

 結構すぐにプレイしたのですが、スフィーで満足しちゃって他のヒロインのシナリオをプレし始めたのは3週間くらい経ってから(^^; あとは最難関のみどりさんが残ってますが、それはそれとして・・・・。

 親父の気まぐれから大学を休学にされ稼業の骨董品屋を一人で切り盛りすることになった健太郎。そんな彼がひょんな事から魔法の国からやってきた女の子と暮らすことになって・・・という話。魔法の国からやってきた女の子「スフィー」は実年齢21歳ながら、ある事情から子供の姿に。さらにある事情から健太郎と離れられない関係に。またさらにある事情から半年間この世界にとどまることに。とりあえず話を聞けば色々な設定はなるほどとは思うものの、この状況を作るためにやたらと無理な設定を作っているような気がする・・・・まぁ、その話はあとでするとして、まずはゲーム本体の話。

 ゲームの本質は骨董品屋経営シミュレーションです。こみパに続いてのシミュレーションですが、こみパと同様に骨董品の仕入れ、商品のメンテ、売値設定、店のメンテなど基本的な部分は押さえています。さらにスフィーの魔法、月毎の目標設定、イベントに関係する骨董品などゲームを盛り上げる要素もあります。ゲームの難易度は基本的にはそこそこにやっていてもクリア出来る程度ですが、一部のシナリオは店を繁盛させる必要もありますし、シナリオには影響しないものの店のパラメーターによって生じる独立イベントもあります。プレイは右クリックでアニメシーンを加速すれば、結構スピーディーに手軽にゲームを楽しめます。1ゲームは慣れれば大体2〜3時間ってところでしょうか。

 プレイした感じでは、やはり骨董品屋にはアイテムや魔法というものがぴったりあいますね。イメージ的には「マリーのアトリエ」とかに近いかな?アイテム集めの要素もあるし。んで、このゲームの物語ってのは、魔法使いのスフィーと主人公が骨董品や魔法をからめながら色々な事件を解決しながら骨董品屋を経営していくってのが理想的な本筋だと思うのですが・・・・・

 キャラクターについては脇役におじさんキャラが沢山出てくるのが良い。基本的におじさんたちはちょい役なんですが、ちょい役なりにイベントに絡んだりしてきていい味出してます。
 ヒロインたちも今回は5人と抑えめなため、幼なじみ、メガネの良い子、お姉さん、謎の美少女などと棲み分けも出来ており良いのではないでしょうか。表情も非常に豊かで、特にスフィーなどは楽しいくらい表情が変わり、立ちCGなぞは服装違いなども含めると200枚くらいあります。ボイスが無くても表情を見ているだけで楽しくなります。
 メインヒロインのスフィーも実年齢を忘れさせる「お子さまな性格」で傍若無人な馬鹿っぷりが本当にも〜〜〜可愛いったらありゃしない!! 妹のリアンもおとなしい性格の眼鏡っ娘の良い子という売れ線キャラなのですが、個人的にはいつも見ていないと何するか判らないようなお馬鹿なスフィーの方が可愛いんですよ〜〜〜。おまけに触覚キャラだし〜〜〜〜(#^^#)
 さらに対する主人公の健太郎は歴代Leaf主人公の中で一番アクティブでポジティブな性格かもしれません。嫌みはないが、かといって無個性ではない。自らを芸人といい、凶悪な蹴りを繰り出す結花をわざわざ挑発するという、無害そうな顔からは想像のつかない恐るべき性格。好きな女の子には素直に好きと言える。なかなかこの手のゲームには出てこない好男子だと私は思います(^^)

 最後はシナリオについて。このゲームの場合は、骨董屋経営とそれに関わる小さいイベントの集合であるため、ノベル系のゲームのような起承転結のある読ませる全体を通してのシナリオってのは必要ってわけではないのですが、沢山の独立したイベントの積み重ねでひとつの物語を形成できるような構成は必要だと思います。しかし残念ながら全体としてはいまいちイベントの密度感が弱く、軽いイベントが散発する印象がありました。
 特にスフィーシナリオは後半らぶらぶな雰囲気に浸れるものの、エンディングは思いの外さっぱりしたものです。これはこれでいいのですが、メインヒロインなんですからもっと演出過剰気味に盛り上げて貰いたかったです。その他のヒロインに関してはそこそこの出来。なつみシナリオなどは過剰気味にがんばってるんですけど、やはりスフィーの扱いが軽いんですよねぇ。どう考えてもこのゲームのメインヒロインはスフィーです。魔法の国から来た女の子とその他の普通のヒロインが同じ扱いになるわけがありません。東鳩のマルチとあかりの関係とは違うのです。たとえ主人公が他のヒロインと結ばれようと、とにかくスフィーが大活躍してみんなを幸せにしちゃう!ってくらいのパワーが欲しかったです。しかし残念ながらそこまでパワーのあるイベントってのはありませんでした。他のヒロインの話でも、それなりにシナリオに絡んでは来るものの結局、スフィーは脇役になっちゃうんですよねぇ。でもまぁリアンシナリオでは、やはり扱いは軽いものの、スフィーの妹思いのお姉さんの面がちょっと見れて満足。

 またシナリオ設定の無駄遣いとしては、健太郎とスフィーを結びつける重要なアイテムである腕輪があります。なんとこれについてのイベントは一回きり。すこしほろりとさせるような展開ながらも、冷静に考えると実は他のヒロインへの分岐のリミッターの役割でしかなかったんじゃない?と思ったり。普通だったらもっと健太郎とスフィーの特殊な関係をもとにいろんなイベントが考えつくと思うんだけどなぁ。ある意味、同人誌のネタにどうぞってこともあるかもしれないが、まずは単独でしっかりしたものを作ってもらいたいです。雫以降でゲーム本編で完結しているのって雫とこみパくらいしかないし〜(^^;

 しかし、全体としては必要以上の修羅場もなく純粋にキャラクターに萌萌できる気持ちの良いゲームだと感じました。スフィーのころころ変わる表情や、後半のらぶらぶした雰囲気などはまさに癒し系。痛いゲー、泣きゲー、馬鹿ゲーに代わり、これからのトレンドは癒し系だと思うですよ!!

 ということで結論からすると、設定はおいしい、ゲーム性はまずまず、キャラクターは魅力的、雰囲気の良いイベントもあるが、イベントの数が少なくて残念って感じ。これでイベント盛りだくさんだったらもっと楽しいものになったと思うんだけどなぁ。でもまぁ、とにかくスフィーが可愛いので許す! (00.5.24)

 

 追加。
 まじ☆アンって、いわゆる藤子不二雄的設定なんだなぁ〜と思ったり。ドラえもんとかオバQとかクロベエとか。異世界からやってきた特殊な力をもった等身大ヒーロー。突然あらわれて居候を決め込み、助けられたり、助けたり、喧嘩したり、仲直りしたり、そんな1話完結の小さなイベントを繰り返していくうちに、二人の間に堅い絆が生まれる。そして別れ。でもまた予定調和のように絆に導かれて再会を果たすのだ。なんて単純な物語!
 ドラえもんの最終回だって前後編に別れるような壮大な話ではなかった。最終回に至る沢山のエピソードがあれば凝った話はいらない。まじ☆アンのエンディングもこれで十分なのだ・・・ただエンディングに至る沢山の思い出があれば。短編エピソードはLeafの得意分野なだけにそれが量的に物足りないのが返す返すも残念。スフィーの魔法とマジックアイテム的骨董品、それぞれでエピソードは作れるし、さらに事件を魔法で解決するか、骨董品で解決するかをプレイヤーが選ぶことによりスフィーの成長をコントロールするというゲーム性も出てくる。もしコンシューマに移植されるようなことがあれば、そこんとこを見直して欲しいと思う。ある意味、コンシューマ移植前提みたいなゲームだしね(^^;

 もうひとつ。
 前回、リアンエンドでのスフィーの話を書いたけど、その他にも各エンディングでスフィーのポジションってやつが、微妙に変えられているところが気持ちよかったり。恋人だったり、パートナーだったり、妹思いの姉だったり、魔法使いだったり。全部、スフィーの1面を表しているのだ。やっぱりスフィーって面白いキャラだよね(^^)  (00.5.27)

 

評価:79

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