ラレンティア 熱情の都 にくきゅう父の遺言を受けて傭兵になることにした主人公は、すでに傭兵として名をあげている従姉を頼ってラレンティア地方の港町ジェノアに移り住む。そこで仲間の傭兵を始め様々な人たちと知り合い、そして傭兵としての腕も上げてゆく。物語の骨子はこんな感じで、最高3年間のジェノアでの傭兵生活が描かれます。また舞台設定は中世北イタリアをモデルにしているようです。 ゲームシステムとしては傭兵組合であるアルト(他ではよくギルドって呼ばれてますね)で任務を斡旋してもらい、その任務を達成することで報酬を得、さらに傭兵としての評価があがっていきます。任務によっては戦闘が行われることもあり、その戦闘はリアルタイムの多人数格闘戦でコマンド入力により必殺技も使えます。イメージとしてはプレイしたことはないんですがサターンで出ていたなんたらガーディアンっていうマルチプレイの格ゲーに近いかもしれません。で、この戦闘ではお金はもらえるものの、戦闘で使われる体力や腕力、剣技などのパラメータはあがらず、前述のアルトでお金を払い訓練することによりあがります。 ヒロインは5人、傭兵の従姉カレン、魔法の研究をする少女アリエッタ、そのメイドをしている魔族ヴィヴィ、旅の異国の少女いさな、異種族コボルトの少女チェスカ。で、彼女たちとHappy Endを迎えることがとりあえず目的となりますが、いくつかのフラグを逃さなければ、100個もセーブできる、個々の女の子の登場時期やエンディングにつながるイベントの時期がずれている、ほとんど自動的に発生するイベントを無難にこなしていれば女の子たちの好感度が自動的にあがっていく、などにより一回のプレイのセーブデータを活用してヒロインのコンプは可能です。さらに彼女たちのイベントでいくつか戦闘をするものがあるのですが、そこそこの強さがあれば問題なくクリアできます。ということで、実は大して傭兵としての仕事をしなくても、町中でぶらぶらしてヒロインたちのフラグを立てて、あとは自宅で寝て過ごせばOKだったりします。 ではこのゲームの楽しみは何かというと、傭兵としてのジェノアでの暮らしに他なりません。アルトで斡旋される任務は店番、家出人捜索のようなものから対人警護、街道警備までいろいろ、さらに傭兵としての評価が高まればさらに様々な任務が用意されます。傭兵といってもきな臭さはなく、どちらかというと腕の立つ何でも屋って感じでしょうか。まぁ、展開によっては裏稼業もできますが。 しかしヒロインたちのエンディングは結構あっさりしており、「え?それで終わり?」ってな感じでちょっと拍子抜け。全体としてひとつの物語を楽しむものではないので、そんなものなのかもしれませんが、思いの外しんみりと落ち着いたエンディングだけに最後のイベントにもう一回戦闘を加えて盛り上げるだけでだいぶ変わるのではないかと思います。ほとんど戦闘しないでもクリアできるとはいっても、戦闘がこのゲームのゲームたる部分だと思いますし。 最後にキャラの原画はアニメーターの西村博之氏だそうですが、背景やキャラデザインなどに落ち着きがあり、生活感のあるゲーム全体の雰囲気とあっていて良いと思います。ヒロインたちが任務に赴く時以外は普段着を着ているところが新鮮。特に普段鎧を着ているカレンがオフのときに部屋でピンクのドレスを着て料理をしているところなど萌え萌え。あと和装のいさなもかなりいいですが、照れた顔が可愛いアンリエッタもいいです。(00.2.27) 評価:80 |