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SPARK!  Cat's Pro

 実は私、このゲームは雑誌の紹介などではサッパリ要領を得なかったのであまり興味がなかったのですが、原色バリバリでポップな広告を見た瞬間、このセンスは唯者ではないな・・・っとほとんど衝動買い。こういう色づかいをうまくまとめるのって最近はやりのハイエンドっぽいデザインよりも難しいと思います。

 海の近くで田園風景が広がって観光地でもないのにファンシーな店がならぶ田舎町「磯町」の「学園」を舞台にした「のーてんき」で「ラブピース」な「純情学園アドベンチャー」です。えっ?訳がわからんって?(^^; まぁストーリーを書けば『行方不明の天使を追って転校してきた人界管理局エージェントの女の子に「夢で天使を見る」能力を買われた新聞部部長が主人公の「のーてんき」で「ラブピース」な純情学園物語』・・・・ってやっぱりわからんな(^^;
 実際のところ、エージェントの女の子と天使を探しまわるってな展開にはなりません。そのエージェントの女の子にしても自分では天使を見ることはできないので特にすることもなく学園生活をエンジョイしてるし、主人公にしても天使にあえるのは夢の世界だけなのでやっぱり学園生活をいつも通り「のーてんき」に送っています。期限は無制限、いつもと変わらない、それでいて時たま「火花」みたいなきらめきのある、「ポップ」で「キュート」な「」と「現実」が交差したような、なんとも不思議な学園生活を気ままに過ごす。これがSPARK!の世界なのです。

 う〜〜む、これはプレイしてみないと訳がわからないですね。ストーリーを楽しむ普通のADVとは違い、これはSPARK!ワールドを楽しむゲームなのです。姉妹ブランド「メロディ」のメロディ〜恋のメッセンジャーガール〜に似た感じでしょうか? まぁシステム的には、メロディは時間制限があり、その時間内で歩き回りフラグを立てまわるというものでしたが、SPARK!は毎日放課後に行く場所を決めて、それが無制限の日数繰り返すというものなので、やはりメロディのコレクターに近いかもしれません。ノリ的にはPILのMAID in HEAVENに近いものがあるかな?
 ちなみにスキームを書くとこんな感じ↓。

           目覚め←−−−−−−
            ↓        ↑
           朝のイベント    |
            ↓        |
          (昼休みのイベント) |
            ↓        |
           放課後のイベント  |
            ↓        |
           帰宅        |
            ↓        |
           (夢)−−−−−−→

 夢については日中のイベントでキーワードとなる言葉に出会うと発生します。このキーワード=イベントを見つけ出すのがこのゲームの目的ってことになるのかな?
 1ゲームの終わりは女の子と結ばれてから1週間後。毎日のイベントもショートショートというか短編というか詩というか短いものですし、Ctrlキーで飛ばせるので短編集とか詩集をランダムに読むように気楽に楽しめます。(ただし未読テキストまで飛ばすのはなんとかしてほしかった(^^;)
 こういうゲームはチャートとか作って攻略目的でプレイするよりも何も考えないでその時の気分でプレイするのが良いかも、少なくとも最初のうちは。このゲームは何度も初めから繰り返しする必要性があるため、未見のイベントが少なくなってくると当然のことながら何度も同じイベントを見ることになります。だから、後半はある程度のチャートなりメモは必要になりますからね。

 ところでこのゲーム、純情学園アドベンチャーとなっていますが、基本的に複数攻略OKです。女の子にあってひたすら好感度をあげていけば自然にというか唐突にそういう関係に。この時点から1週間がゲーム期限なのですが、その間に他の女の子とのHも全然問題なし。浮気とかそういうものじゃなくって、その時その時で心が通じればOK!純情なのか、純情じゃないのかよくわからないんですが、とりあえずノープロブレム?肩肘張らずに気楽に行きましょう(^^)

 さて、このSPARK!の世界なんですが、何度も書いているように「のーてんき」で「ラブピース」、蛍光色ばりばりでカラフル。皆が着ている制服もそれぞれが改造というか自分に合わせているので同じ制服には見えないくらい。キャラの表情もころころにかわり、会話だってのーてんきでノリノリで意味不明、そのうえシーンの切り替えのときには「授業中〜」とか「おはよう!」とかの字が踊る。途中の夢のシーンのタイトルなども表示の仕方も一つ一つ違っていたりして丁寧。なんかアニメを見ているような錯覚に陥るんですよ、静止画なのに動きがあって。
 キャラデザインは前作「微熱情熱」でデビューの福永ユミさんなんですが、絵が全然違うぞ。線が洗練されたというか、かなりの技術向上が見られたようです(偉そう(^^;)。女の子もみんなかわいくていいっすね〜。音楽は例の如くPANDA氏と泣く子も黙る音楽集団MUSE。明るくポップな曲や不思議な曲、落ち着いた曲と硬軟使い分けてSPARK!の世界を演出しています。

 ということで結構お気に入りのこの作品。これもフォークソングとかと同じく統一コンセプトによる雰囲気ゲーっていっていいのかもしれませんが、個人的にはのーてんきな馬鹿げーっぽいノリが好きです。店頭で黄色いパッケージにピピンと来たひと、試してみてはいかがっすか?(99.12.12)

評価:82(パッケージにピンと来たら)

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