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蒼き新宿  日本プランティック

 ゲーム付きの書籍シリーズの第六弾。異常気象と地盤沈下で海中に沈んだ新宿を舞台に「情報」のサルベージを生業とする情報屋ディック、彼のもとに来る謎の依頼とコールドスリープ状態の少女・・・というような感じのハードボイルドタッチの近未来ADV。SFタッチではあるものの、SFというほどSFしておらず、イメージとしては近未来の探偵物ってところか。

 2500円のゲーム付き書籍ってことでゲームとしてのボリュームは期待していないのだけど、話的に盛り上がりに欠けるのが残念。謎の妨害者があらわれ話もここから盛り上がるのか?と思ったとたんにエンディング。あっという間に落ちが付いてしまい肩すかしを食らってしまいました。CGの枚数を増やせとは言わないが、もう少し本筋の話を盛り上げて欲しかった・・・(^^;

 ぶっちゃけた話、ゲーム自体は前述の通りシナリオボリュームに物足りなさを感じたが、書籍の方は原画も豊富でゲストイラストやサイドストーリー、など内容は豊富。ゲームと合わせて2500円ならまずまずか。

 で、ゲーム本体の方に話は戻るが、キャラCGについては最近「ODEON」やカードゲームなどで目立って来た白亜右月氏が原画。独特のタッチで「東京九龍」の目黒三吉氏に似てるなぁと思ったら、蒼き新宿の書籍の方に目黒氏自身がイラストを描いていた。お友達なのかな?

 背景は実写と3Dモデリングを組み合わせたもので、これにキャラCGを重ねています。この辺は普通なのですが、CGの見せ方がちょっと凝っていて、普通の通常画面がキャラのバストアップCGで表情が変わり、イベントで一枚絵のCGといった風ではなく、台詞の合間に全身CGからアップのCGに切り替わったり、ズームで寄ったり、移動シーンに地下路を走る車の3Dアニメーションが入ったり。特にバストショットの絵から顔のアップにズームするところはこの手のゲームでは見られない演出で、少ないCGを有効に使えていると思います。動かない一枚絵のCGでもズームやパンを使うことにより動きを与えることが出来るってことはビデオクリップ系のマッドビデオで実証済みですので、他のメーカーでも活用して欲しいです。(99.9.19)

評価:57

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