にがうりは、はっきりした場所は特定出来ませんが、インドを中心とした熱帯アジア、及びアフリカが原産だと考えられています。原産地周辺ではいつ頃から食されていたのかは不明ですが、その後中国を経て、沖縄に渡ってきたようです。渡ってきた正確な時期は不明ですが、1713年の「琉球国由来記」という文献には、苦瓜の名称が記されているので、その頃にはすでに琉球国に存在していたと思われます。 また、1600年代〜1700年代(江戸時代)のいくつかの書物に「苦瓜」の名称が見られるので、琉球国より先に江戸時代の日本国に先に入ってきたことも考えられます。ただし、この場合は食べ物というより「薬」として利用されていたという考え方が有力のようです。

 しかし、にがうり(ゴーヤー)と言えば、沖縄。その暖かい沖縄地方で一般的になったのは、熱帯地方原産の植物とあって、生育環境が適していたからでしょう。しかも、沖縄地方では日中の日差しが強いので、繁った葉が日よけにちょうど良いという事もあって、一般家庭に浸透していったのではないでしょうか。似たような植物にヘチマ(ナーベーラー)がありますが、これも沖縄では一般的に食されている野菜です。

 にがうりは、現在、沖縄や九州で本格的に栽培されていて、全国に出荷されていますが、これはここ5〜6年の事で、それまでは彼の地に行かないと購入が困難でした。今は、各地の家庭菜園などでも栽培されたり、急速に一般的になってきています。あと何年かすれば、キウリやトマトなどのようになるのでしょうか?

 


家庭菜園で育てられているにがうり(東京世田谷区)


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