はじめの一歩

第4章 ラバージグの基本

 さて、今回からはラバージグの基本について説明します。
このラバージグ(以下ラバジ)は様々な形状のジグヘッドにラバー(糸状のゴム)を巻いた、一見、「全く釣れそうな気の起きないルアー」なのですが、1.季節を選ばない。2.ポイントも選ばない。3.昔からビックフィッシュGET率も高い。と言われてきた出来の良いルアーです。

実際、私自身の記憶を思い出してみても・・・
1.河口湖・山中湖・芦ノ湖・琵琶湖・北浦・霞ヶ浦・桧原湖・野尻湖・亀山湖・丹沢湖etcの様々なタイプの湖でバスを釣ったルアー


2.春夏秋冬全ての時期に多用するルアー。(真冬の出番も多い)

3.ラージマウス・スモールマウス・ギル・ナマズ・ライギョ・パイクと色々な魚種も釣れます。

4.ブレイク・葦原・ウィード・リリーパッド・オダ・岩盤・浚渫跡etc シャローからディープ、オープンウォーターからヘビーカバーまで対応出来るルアー。

5.ホームが河口湖なので(苦笑)ラバジで釣ったデッカいバスの記憶は少ないのですが(爆)
ワームを使って釣れるサイズよりも、ラバジで釣った方が一回り大きなバスが釣れてきた経験は何度もあります。

近年はノーシンカーやワッキーリグの台頭でオープンシャローウォーターでのラバジの出番が減った感はありますがラバジにしか出せないアクションと万能性は欠かせないものですし、このルアーを使いこなす事によりバスのいる水深やバスの状態をいち早く見出す事もできるものだと思っています。

さて「ラバージグの基本」の第1回はラバージグの種類やタックルについて説明します。


ラバージグの種類

1:フットボールジグ
 その名の通りフットボール型のジグヘッドにラバーを巻いた物です。
ガードが付いている物もありますが、このタイプのラバジの基本は「オープンウォーター(障害物の少ないエリア)のシャローからディープまでを根掛かりが少なく使えてフッキングが良いノーガード」というのが大前提だと思います。
その為、ショートシャンク(フックの部分の長さが短い)なタイプのジグを選ぶ必要があります。

フットボールジグなら何でも良いと言うものではなくて根掛かりを最小限度に抑え、フッキング性能の良いバランスの取れたラバジを選ぶ必要があるという事です。実際、購入した物でパッケージには「ショートシャンクで根掛かりも少ない」と書いてありながら、全くショートシャンクではなく一発で根掛かった物もありました。

★おすすめなのは元祖のキャリルラバージグやケイテックのカスタムラバージグでしょう。
元々フットボールジグが有名になったのはキャリラバ作成者の沢村プロ・ケイテックを立ち上げられた林プロのお二人のお陰ですからね。これを揃えておけば間違いないでしょう!

★ラバージグで重要なのがウェイトですが基本は1/4oz・3/8oz・1/2ozの3タイプです。
ちなみにこのウェイトによりロッドも変わってきます(あとで説明します)

そんな事もありフットボールジグに関してはかなりこだわって自作しています。
ヘッドの形はキャリルラバージグの物でフックはがまかつ製の物を微妙に曲げて適度なバランスに仕上げた自信作でした。



2:アーキーヘッドジグ
 砲弾型など、障害物をすり抜けやすい形状とブラシガードの付いたタイプです。

すり抜けの良さとウィードガードによって障害物をタイトに狙っていくスタイルに使用します。

オダやウィード中でも果敢に攻められますし、葦の奥を狙うフリッピング・ウェッピングにも使用します。

このタイプのラバージグも選択が難しい部分があります。
フリッピングでは葦奥を狙って太いラインと剛竿を使いますからガードが多少強固であっても良い(というかガードが強固じゃないといけない)ですがオダやウィードの障害物の釣りになった時は「根掛かりしないウィードガードの強さ」と「フッキングするウィードガードの強さ(弱さ)」という相反する部分が必要とされます。以前は強固なガードを切ったり抜いたりして好みの硬さに調整していました。
最近の傾向はウィードガードは若干弱くフッキング性能がよくて、根掛かりはガードで防ぐものではなく、すり抜けの良さで対応している様です。

★おすすめはケイテックやエバーグリーンです。ケイテックはすり抜け抜群です!
ちなみにフリッピングの時はスタンレーというオーソドックスなタイプの1ozを使います。

★カバーの濃さで変わりますが1/8oz〜1/2ozが基本です。フリッピングの時は1ozが基本です。


3:ラウンドヘッドジグ
 近年のハイプレッシャー化に伴い「軽くてコンパクト」「ライトリグ的な感覚で使用するラバジ」が登場してきました。

形は若干の違いはありますが基本はジグヘッドのラウンド(丸型)を使用しノーガードか軽めのウィードガードが装着されています。

ラバジ本来のリアクション的な使い方よりもワーム感覚でゆっくり攻めるのに向いたジグと言えます。
軽いウェイトが主でスピニングで使用することも多いです。

多少のカバーでもガード付を使えば十分に使用できます。
葦際(際ですよ中は無理です)では十分使えます。また野池でも活躍してくれるジグといえるでしょう。


★おすすめは個人的な好みもありPDLの元気玉が好きです(まだ売ってるかな?)あとはハンハンジグもオープンウォーターでは使います。

★ウェイトは軽めの物がメインだと思っていますので(1/4ozを超えるなら普通のジグを使った方が良い気がします)1/16ozや1/8ozがあればOKでしょう!

4:トレーラー
 ラバージグフィッシングにおいて結構大切でしかも面白いのがトレーラーです。
ラバージグはそれ単体で使われる事はほとんどありません。トレーラーと組合すことによって釣れる気にさせてくれるコンビネーションルアーといえます。
おそらく単体でも釣れるでしょうが個人的には単体では全く釣れる気がしません。使う気にもならないです。

さて、トレーラーにも様々あります。








1:グラブ・・・テールがあるのでフォールさせたり横に引いてくる時にはグラブ自身の効果が+される。

2:ポーク・・・豚の皮で作られた物でゴムの素材では出せない動きが演出出来る。
(説明しづらいのですがワーム素材の物がラバージグのアクションに機敏に反応するのに対してポークは少し遅れて反応すると言ったら良いでしょうか?
ワームがジグ着底で「フワッ」と動くとしたら、ポークはジグ着底後ワンテンポ遅れて軟体動物のように「フニャ〜」とアクションします。

これがポークのキモであり冬の低活性時にポークが効果があると言われる理由だと思われます。ただし!弱点もあり、天然素材なので商品にバラツキがある(一瓶4個の内、良いのは1個くらいでしょう)それと水分が無くなり乾燥させてしまったら使えないという弱点もあるので雨の日以外の夏場には不向きです。

3:各種ワーム・・・ポークの形をしたワームやクロー型のワーム・ダブルテールグラブ・ブラッシュホグに代表されるホグ系のワームなどもトレーラーとして使用されます。
最終的には好みもあると思います。

★個人的なトレーラー使い分け
・フットボールヘッドの場合:夏場はグラブで冬はポーク その他の時期はカスタムトレーラー
(夏はフォールなどのアクションに反応しやすいのでグラブを使います。その他の時期はポークを使いたいのが本音ですが日差しが強いと乾燥してしまうので天候と相談してポーク&カスタムトレーラーを使用します)

・アーキーヘッドの場合は:夏場はクロー&カスタムトレーラーで冬はポーク その他の時期はカスタムトレーラー
(アーキーヘッドの場合はカバーを釣る事が多いのでグラブは「テールがちぎれてしまう」トラブルが多く不向きなのでクローやカスタムトレーラー・ポークを天候によって使い分けます)

・ラウンドヘッドの場合は:小型のグラブか小型のワーム(フロッグレッグ他)を使います。
(ラバージグというよりもワーム感覚で使うことが多いので全体のシルエットを考えて小型のワームやグラブを使います)

★ラバージグ・トレーラーのカラーについて
「これでなければいけない」という決まりはありませんが、ジグとトレーラーのカラーは近似色を使った方が釣れる気になります。

○:黒のラバジ+黒のポークorワームグラブ・黒&茶のラバジ+茶か黒のポークorワームグラブ・黒&紫のラバジ+紫か黒のポークorワームグラブ

×:黒のラバジ+白のワーム・黒のラバジ+赤のワーム

※これはあくまで私個人の意見ですが・・・私自身はポークが一番好きなのですがそれはポークを購入して使用するまでに、1:柔軟材を入れてポークを柔らかくする。2:ポークのテール部分を叩く等して動きを良くする。といった手間隙を掛けていて「釣れそうだ」という自信や愛着があるからです。苦労して仕上げたポークだから釣りたい!釣れそうだ!と思わせてくれるのが私にとってポークなのであります(笑)


5:タックルについて

ラバージグのタックルは使用するウェイトや形状・使用場所によって変わってきます。個人的な使い分けを以下にまとめてみました。


形状 使用場所 ウェイト タックル
フットボール オープンウォーター
のオールマイティ
1/4oz Mクラスの6フィート前後のベイトロッド

M〜MHクラスの6フィート前後のスピニングロッド
3/8oz M〜MHクラスの6フィート前後のベイトロッド
1/2oz MHクラスの6フィート前後のベイトロッド
〈解説〉 オープンウォーターでの使用でキビキビとしたアクション重視の為6フィート前後のショートロッドが向いています。

形状 使用場所 ウェイト タックル
アーキーヘッド 障害物周り
ウィード・オダなど
1/4oz Mクラスの6〜6.6フィートベイトロッド
3/8oz M〜MHクラスの6〜6.6フィートベイトロッド
1/2oz MH〜Hクラスの6〜7フィートベイトロッド
葦中やヘビーカバー 〜1oz H以上のフリッピングロッド
<解説>フットボールに比べて長いロッドを使うのはカバー周りで使うことが多く、ヘビーカバーではないですがフリッピングを使用することも考えて6.6〜7フィートのロッドを使います。
最近のフリッピングスティックは非常に軽量で使用感が良いので上の表にあげた全ての状況に対して使えてしまう物もあります。(例:ダイワのバトラーシリーズのハリアー)
形状 使用場所 ウェイト タックル
ラウンドヘッド オールマイティ
ヘビーカバー以外
1/16oz ML〜Mクラスのスピニングロッド
1/8oz ML〜Mクラスのスピニングロッド

ML〜Mクラスのベイトロッド
<解説>ウェイトが軽くてもウィードガードが付いている。もしくは若干のカバーでの使用を考えるとパワーのあるスピニングロッドが向いていると思われます。


※馬鹿正直にロッドをルアー別に揃えていくと上の表のラバージグだけで6フィートM・MHのベイトロッド(2本)、6.6フィート〜7フィートのM〜MHのベイトロッド(1本)、フリッピングロッド(1本)、ML〜Mクラスのスピニング<1本)と5本が必要になっていますね(笑)
恐ろしい世界です(笑)
しかしフリッピングロッドはともかく、この位のクラスのロッドは他のルアーへの流用性も高いので揃えられるなら他のルアーや使用状況によって揃えてしまった方がいいのかも?しれませんね。
次回はフットボールジグの使用方法を説明したいと思います。

 


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