酔っ払い

彼女は意識がなくなるほど酔っ払うとなんでも持ってきてしまう。
三角ポストや工事現場のランプ、店の看板、フライドチキンのおじさん・・・
女がひとりでどうやって？と思うかもしれないが
酔っ払ったときは普段出来ないようなことができてしまうものだ。

だがしかし、その朝はちょっと違った。　いや、かなり違っていた。

＊＊＊

・・・ん〜・・・朝ぁ？・・・アタシの部屋だよね・・・裸で寝ちゃたんだ・・・
・・・！！　
アタシまた何かやっちゃったかなぁ・・・
寝ぼけた目で部屋の中を見回したが特に変わったことは、変わった『物』はないようだ。

「だいじょぶだったみたいね…ふぅ…（あ、トイレ トイレ）」
あわててトイレに駆け込んで便座に座り膀胱を緩める。
（ンひゃっ）股間に何かが触れたような感触がして思わず声が出る。
下に開放されるはずの感覚が前の方に勢い良く伝わったと思うと
床を濡らす音がする。

「何？　？？　　！！！！！！！なにこれぇぇぇ！！！！！」
ナマコのような、大きな芋虫のようなものが股間に喰い付いている。
反射的に手で払うと痛みが走る。が離れる様子はない。
透明な液体を噴出している”何か”を意を決してギュッと握る。
すると同時に握られたような感覚。



「・・・これ、おちんちん？　アタシのおちんちん？」


便器のフチに大きなアタシのオチンチンがのっていた。


＊＊＊


なんでアタシにこんなモノが、思い出せアタシ、
昨日何をやった、誰のチンチンだコレは。
きのうは夕方から会社の新人歓迎会だったんだよね。
乾杯してビール飲んで日本酒飲んで焼酎飲んで古酒飲んで
ウオッカ飲んで飲んで飲んで飲んで
ビール飲んでビールのんでびーるのんで…
その辺からあやしいな。う〜ん。
そうそう新人の高橋くん。かわいくって初々しくていいなぁって。
そんでもってお持ち帰りしちゃっていただいちゃおうかと思ったんだよね。
他のメンバー撒いて飲みなおして、え〜とそれから何したんだっけ。
２人ともビール飲みまくってたんで彼が公園で立小便はじめてぇ
それを横からのぞいて、
かわいい顔してるくせに立派なもの持ってるなあって。
そのあと高橋くんベンチで寝ちゃって起きないし
アタシはトイレが見つからなくて…
チャックからはみ出してる高橋くんのアレを見て…
アレがあれば便利だなぁって思って…
ちょっと借りちゃおうと思って…

借りちゃった？

コレって高橋くんの？！えっ、ど、どうやったんだっけ？？
あぁ肝心のとこが思い出せないよお。



その時、携帯が鳴った。
（うっ、高橋くんからだ…）

（中略）



「あたしだって返せるものなら返してるよ。でも、どうやれば返せるのよ。」

「どうやれば って、憶えてないんですか？」

「ごめん、そのへんの記憶が無い。全然無い。」

「そんなぁ　水野センパイが持ってたんじゃないですか。
何とかしてくださいよぉ。（クスン）」

「泣くな。それでも玉付いてんのか！　…あ、ゴメン。」

チンチンはアタシが持ってるんだっけ、、
アタシだってこんな体では嫁にいけない玉の輿にのれないじゃないか。
いや、ひとの趣味は色々あるし、これはこれでいけるか？
いやいや駄目駄目ダメダメえぇぇ、そんなマニアックな男は願い下げだ。



「さあ、の　む　わ　よ！！」



高橋はこんな時に飲む気になれないと言っていたが
他に方法が思いつかないのだから昨日の状況を再現するしかないだろう。



（中略）



…うぅ…頭痛い
…
あれっ　高橋？
…
あぁ　そうだ…体戻ったかな。　
…
…
…
見るの怖いなぁ。
…
…
…
見なきゃいけないのはわかってるんだけどね。
…
…
…
そういえば高橋の家って古くからの名家だって言ってたけど
金持ちなのかなぁ。
…
…
…
もし、もし仮に、元に戻らなかったらコイツでもいいかな…


勢いよく布団をまくった。

≪酔っ払って物を持ち帰ってしまう人の話≫で何か出来ないかと思ったんですが取りとめも無くなってしまったです。


他にも

鏡を見ると青い目　とか

大きなお腹＞赤ちゃん？＞何かの生き物？　とか

朝起きると別人、他人の家＞他人の脳をお持ち帰りしてた　とか