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豹型サイボーグ
1003
: 2007/04/29(Sun) 20:59:43
Dr.J

特撮モノのノリで、こういうのはいかがでしょう。

 峠道で交通事故を起こし、瀕死の重傷を負った若いキャリアウーマン。
 意識を取り戻した時、彼女は、悪の秘密結社の基地にて、医療カプセルに入れられていた。
「サイボーグ化して生き長らえさせてやるから部下になれ」と言うボスと幹部たちに対し、「さっさと殺しなさい」と拒否する彼女。

 ところがボスは、鷹揚にも、「悪事に荷担しなくても良いという条件でなら部下になるか」と問う。
 迷った末に彼女が承諾すると、「では、まず新型ロボット開発用のプロトタイプになってもらう」と言われる。
 次に目覚めた時、彼女は豹型のサイボーグに改造されていた。

 科学者たちの話によると、彼女は、獣型ロボット開発のデータ収集用プロトタイプなのだという。
「人間と四つ足の獣では動きが全く違うので、そのためのソフトウェアを全く新しく造らねばならない。しかし人間の脳は、新たな身体の動かし方を自分で習得出来る。それをデータ化して利用すれば、ソフトウェア開発の手間を大幅に軽減出来る」と言うのだった。

 その後1年近く、彼女はその新たな身体を酷使させられた。凸凹道を全力疾走させられたり、岩山を飛び回らされたり、木の枝の上を走らされたり───。疲れることはなく、崖から落ちても痛みも感じない身体とはいえ、楽なことではなかった。

 プロトタイプとしての役目を終えた後、彼女はボスの屋敷へと送られる。新たな役目は、対抗組織からボスの妻子を守ることであった。
 意外にも、ボスの妻は善良な女性であった。彼女の話によると、ボスは十数年前『正直者が馬鹿を見る』目に合わされてすべてを失い、それ以来悪事に手を染めるようになったのだという。

 ボスの妻は、なんとか夫に悪事から手を引かせたいのだが、今のところそのすべが無く、協力してくれる相手もいない。同情した彼女は、豹の姿のまま、孤独なボスの妻の友人となり、子供たちの遊び相手となる。
 しかしやがて、彼女が本来の役目を果たさねばならない時がやってくる。対抗組織のサイボーグ相手に、彼女はボスの子供たちを守って奮戦するのだが───。

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