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タイトル 竜になった王女
投稿日 : 2014/03/02(Sun) 22:48:25
投稿者 にしなさとる
参照先
 舞台は、ヨーロッパ風のファンタジー世界。
 とある小国が、近隣の大国に、理不尽な形で滅ぼされる。
 王女は側近たちと共に、とある山中へと逃れるが、雨の中、供とはぐれてしまう。(ただし王女と言っても、華奢な美少女ではない。20歳±2歳くらいの、ナイスバディな美女)
 幸い洞窟を見つけた彼女。雨宿りしようと入り込むが、そこには一匹の赤竜(日本の竜ではなく、翼の生えた西洋風のドラゴン)が居た。

 おびえる王女だが、意外にも竜は敵意を示さず、中年女性の声で彼女に語りかける。
 自分が数百年前からここに住んでいる火竜であること。人間には、べつに敵意は無いこと。自分をおびやかさない限り、戦うつもりは無いことを。
 気を取り直した王女は、すぐに気づく。『この竜を味方に付けることが出来れば、国を取り戻せるかもしれない』と。

 そのことを申し出る彼女だが、竜は興味を示さず、「人間同士の争いに関わる気は無い」と言う。
 報酬として、自分と国が提供出来るものなら何でも提供すると言うが、人間が提供出来るような物に、竜が欲しがる物など無いと言う。
 それでも食い下がる王女に、竜はついに、うんざりしたように言い出す。「お前自身がどうなっても良いのなら、方法は有る」と。

 どういう意味かと問いただす彼女に、竜は問い返す。「竜になる気は有るか」と。
「自分は人間同士の争いに関わる気は無いが、お前自身が竜になって、国を取り戻すことは可能だ」と。

 さすがに驚き、迷う王女。それでも決心して、「それで国を取り戻せるのなら、自分は竜になってもいい」と言う。
「ならば、今ここで裸になれ」と言い出す竜。「え……」と戸惑いながらも、すべてを脱ぎ捨てる王女、そして……。



変身のパターンは、2つ考えています。

1.竜は洞窟の隅を指し示す。そこには、目の前の竜にそっくりだがずっと小さい、人間より少し大きいくらいの竜(のようなもの)が、寝転がっていた。しかしよく見ると、それは中身の無い脱け殻のような物だった。驚いて目で問う王女に、竜は、それが事実自分の脱け殻であること、裸になってその中に入ると、かつての自分と同じ力を出せることを話す。ただし力を使いすぎると、二度と脱げなくなり、本当の竜になってしまうことも……。意を決してその脱け殻に入る王女。二度と人間には戻らない覚悟で……。


2.竜はおのれの股間を開き、「自分の胎内に入れ」と言う。驚く王女に、竜は、竜が卵生でなく胎生であること、竜には、雄竜と雌竜がつがって生まれた者、すなわち最初から竜だった者と、人が雌竜の胎内に入り、竜として再誕した者が居ることを話す。その違いとして、最初から竜だった者は、人の姿になることが出来るが、かつて人だった竜は、それが出来ないことも。「お前は私の子供になるのだ」と言う竜。二度と人には戻れないことを承知の上で、竜の胎内に入って行く王女。意外にもその中は、暖かく快適だった。竜の胎内で眠りにつく王女、そして……。



 数年後、滅びた小国の元都に、一匹の竜が現れる。身体は小さく、まだ幼体のようであるが、明かな火竜だ。身分や立場を問わず、恐れる人間たち。
 ところが竜は、その地を占領していた大国の軍勢を追い払うと、脅える人々に、少女の声で語りかける。「恐れなくとも良い、私は味方だ」と。
 しかし、竜が特定の国に味方するなど、聞いたことも無い。不審に思って問いただす人々に、竜はこう答えるのだった。

「数年前、親から独り立ちして間も無かった私は、獲物が捕れずに餓死しかけていた。そんな時思いがけず、死にかけの人間を見つけた。飢えに負けて喰らいつこうとした私に、その人間が言ったのだ。自分が滅びた国の王女であること。どうせもう助からない以上、自分を食べても良いことを。その代わり、自分に悪いという気持ちが有るなら、自分の国を再興するのに、力を貸して欲しいことを……。その人間に私は約束した。自分が生き延びて、力をつけたらそうすると……。その遺体を食べることで、私は生き延びることが出来た。そして、ある程度は力もつけた今、こうして約束を守りに来たのだ。」

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