あらすじ：記憶というのは厄介なものである。一つ思い出すとすぐに次の事を思い出してしまう。僕にはかつて姉さんがいた。そして、その姉さんには…

キャラクターを固定化させたくなかったため、
あえて、名前は伏せた形で話を進めました。

姉が樹になって植わっていた山が伐採され、巨大なショッピングモールになってしまったという描写に切なさを感じましたが、終盤になって明かされた姉弟の真実に「え？」と驚きました。
姉が樹となる原因を作ったのは弟だったのか、と。
前半は姉と弟の切ない禁断の愛みたいな話なのかなと思って読んでましたが、後半になって明かされた真実を読んで、この話は実の弟に人生を捻じ曲げられた女性の話だったんだな、と感じました。

いやぁ”素直でいい話に”纏めようとしたのですが、
つい悪いクセが出てしまい。
”おいおい”な結末になってしまいました。

禁断の愛を期待されて読まれたとしたら、
もうしわけないっす。

姉の樹になっていく描写がとっても刺激的です。
口から根を吐いて逆さ立ちになり顔が割れる。
根が地中に潜り込む段階では抵抗を試みるも敵わず、
顔が割れるときにはくぐもった声での悲鳴が上がる。
そして四肢は樹として伸び柔肌はその樹皮へと変化する。
いいですね。いいですね。こういう少しスプラッター的な要素、ツボです。
悪趣味ですが、眼球を排除しながら眼窩から根が出るのも想像してしまいました。

それから樹になった後、樹の股が湿ったり女性器に戻ったりするのもなかなかですね。
樹の股とそこによじ登った男の男根の交わりは倒錯的でした。

姉弟愛、別れ、伐採を前にした禁断の妊娠願望、森の樹として死ぬ願望、森の開墾。
ところどころ切ないのが味わい深いです。
木の実は特異な種類の植物に成長しそう。

それにしてもこの姉弟、頻繁に交わっていたばかりか、
調教の関係にあったことに驚きました。
最後のオチですが樹化さえプレイとは天晴れです。

口から根を吐く。というのは
樹の生態から見ればこれが正解じゃね？と思って書いてみましたが、
実際に書いてみると結構スプラッタ的な情景になってしましました。

樹からの部分的な戻りについても、
後述の”プレイ”的な要素を自然に見せるため、
取り入れてみたのですが、
これも結構よさげでしたね。

樹化プレイ。
ナイトの２代目には是非やっていただきましょうか。