風祭文庫・黒蛇堂の館






黒蛇堂奇譚

〜第17話〜
「淫乱ルージュ」



作・風祭玲


Vol.563





クリスマスを目前に控えたとある冬の夕方。

キィ…

重厚な黒蛇堂のドアが乾いた音を上げて開くと、

コト…

スーツ・ネクタイ姿の男性が興味深そうに店内へと入ってくる。

『いらっしゃいませ』

闇に溶け込んでしまいそうなエキゾチックな衣装を翻し、

一人の少女が男性の前に立つと、

『ようこそ黒蛇堂へ…

 わたくしはこの店の主・黒蛇堂と申します。

 ここは悩み戸惑う者に手を差し伸べるところ…

 さぁ、あなたの悩みを私にお話ください』

と男性に告げる。

「あっいやっ」

黒蛇堂と名乗る少女のその透き通った紅の瞳を見ながら男性は戸惑い、

そして、

「ちょっと寄っただけだよ、

 うんっ

 じゃっ」

と言い残して店から去ろうとすると、

『付き合っている女性とのことでお悩みなんですね』

古風な手鏡を眺めつつ黒蛇堂は指摘した。

「え?」

その言葉に男性は驚くと、

『どうやら

 その女性との性格の不一致で悩んでいる様に見えますが』

驚く男性に黒蛇堂はさらに細かく指摘した途端、

「なっ何で判るんだ!!!」

男は黒蛇堂に詰め寄り声を荒立てた。

すると、

『はい、私共は貴方様がそのような悩みを解決するために、

 貴方様の前に姿を現したのです』

と黒蛇堂は落ち着いた表情で告げると、

「そうか…

 じゃぁ、

 わたしの必要としているものは何だ?

 君にはすぐにわかるんだろう?」

そう男は皮肉めいた口調で言う。

『はいっ

 しばしお待ちください』

男の皮肉にもかかわらず黒蛇堂はそう返事をすると、

静かに腰を上げ、

店の奥に向かって伸びる商品棚へと足を運んだ。

待つこと5分後…

コトッ

『これを…』

そう言いながら黒蛇堂が男に差し出したのは一本のルージュだった。

「ん?

 ルージュじゃないか…

 それもまた…

 随分昔のに見えるが…」

差し出されたルージュを訝しがりながら男が尋ねると、

『はいっ

 でも、普通のルージュではありません。

 しかし、このルージュを女性の口に塗りますと、

 その女性は男性なしには居られなくなります』

と黒蛇堂は吸い込まれそうな赤い瞳で男性に向けながら説明する。

「うっ」

その瞳に男性は本能的におびえると、

「わっ判ったっ

 試してみよう。

 いっいくらだ?」

懐より財布を取り出しながら値段を尋ねたが、

『いえ、

 お代はいただきません。 

 ただし、貴方様の心が満たされた時、

 その心を対価分いただきます』

と黒蛇堂は男に告げた。

「え?

 あっあぁ…

 代金が要らないとは変な奴だな…」

黒蛇堂の申し出に男は財布を懐にしまうと、

ルージュを手に取り、

「じゃぁ

 これ、頂いていくよ」

と言い残して去って行こうとした時、

『一つ、禁忌があります』

男に向かって黒蛇堂が言う。

「禁忌?」

『はい、

 女性の唇にだけ付けてください。

 またルージュが肌についた場合はスグに洗い流してください。

 それを怠りますと、大変なことになります』

と黒蛇堂は注意事項を告げた。

「あぁ判ったよ」

その忠告に男は返事をすると店を後にした。

そして、

「不思議な店だ…」

黒蛇堂を出た男性・加藤真一は

一度振り返った後、

クリスマスのイルミネーションが光る街へと消えると、

スー…

そこに存在した黒蛇堂もまた夜の闇の中へと消えていく。



「なに?

 このルージュ…

 見た目も古臭いし、

 それに色も全然あたしの好みじゃないわ」

カップルでにぎわうレストランの中、

真一は付き合っている女性・大野明美に

クリスマスプレゼントと言って

黒蛇堂で貰ってきたルージュを差し出していた。

「まぁそういうなよ、

 どうだ、付けてみないか?」

食事が終わった頃を見計らってルージュを差し出した真一はそういうと、

「えぇ?

 いまここで付けるの?」

明美は困惑したような台詞を言う。

「だって、食事でルージュが取れているだろう?

 ちょうど良いじゃないか…」

拒否をしようとする明美に真一は拝みこむようにして頼むと、

「もぅ…」

明美は膨れながら席を立ち、トイレへと向かっていく、

そして、

「なんで…

 あたしが…

 あんな奴の趣味に合わせなくっちゃならないのよ」

そんな文句を言いながら真一からもらったルージュを口に付けると、

「ふーん…

 なんか”お水”みたいな色ね…

 まぁいいわ、

 アイツとは今夜限り、

 終わりにしましょう」

と明美は今宵で真一と別れることを決めるとテーブルへと戻っていく、

そして、

チラ

あのルージュを付けた明美が真一を見た途端、

ドクン!!

「うっ」

明美の胸の奥が大きく鼓動し、

ムラムラムラムラ!!!

一気に性欲が高まってくるのを感じた。

「あっ

 なっ何かしらこれ…

 体が…

 まるで、燃えるみたい…」

体全体が男を求め始め出したことに明美は驚き、

そして、

ハァハァ

ハァハァ

見る見る呼吸が荒くなっていくと、

フラッ

「あっ」

席で自分を見上げている真一のところに倒れこんでしまった。

「おっおいっ」

しばらく自分を見つめた後、

いきなり倒れこんできた明美に真一は驚くと、

「ねぇ…

 あたしを…

 抱いて…」

真一に抱きつくようにして明美は囁き、

片手が真一の股間をまさぐりだす。

「ちょちょっと、

 いまここでか、

 それはまずい」

周囲の反応を気にしながら真一は驚き、

そして、明美を介抱するようにして立ち上がると、

請求書をひったくった。



「だっ大丈夫か?」

レストランを出た後、

真一は荒い息をする明美を抱えながら夜の公園へと向かうと、

「あっあっちに…」

明美は震える手で公園の中にある公衆トイレを指差した。

「えぇ!!」

それを見ながら真一は驚くが、

「がっ我慢ができないの…」

明美はそう囁き、

真一の股間をまさぐる仕草をする。

「わっ判ったよ」

切羽詰った明美の様子に真一は決断をすると、

周囲に誰も居ないことを確認した後、

明美と共に空いていた個室の中へと入っていく。

そして、個室の中に入った途端、

チュッ!!

いきなり明美は真一の顔を寄せると、

濃いキスをはじめだした。

「うっ

 なんだ…」

突然のキスに真一は戸惑うが、

しかし、明美からのキスを拒否するわけはなく、

長い時間二人は唇を重ね合わせる。

やがて、ゆっくりと唇が離れていくと、

「うふっ」

明美は真一の唇に移ってしまったルージュを眺め、

そして、その間に明美の指が真一のズボンのチャックを下ろすと、

いきなり腰を下ろし、

ヌプッ!!

いきり立つ真一の逸物を口に含んだ。

「あっあぁ」

自分の肉棒に絡みつく明美の舌業に

真一はすべてを奪われてしまったかのように立ち尽くし、

頭を左右に振る。

すると、

ヌプヌプヌプ

明美は頬を膨らませたり萎ませながら

さらに真一の肉棒を責め続けていくと、

「うぉぁぁぁぁ…」

体を絡め取るかのような快感に真一は喘ぎ声を上げた後、

ビュッ!!!

瞬く間に果ててしまった。

しかし、明美の責めはそれで終わることなく真一を責め続ける。

そして、その責めに真一は黒蛇堂からの忠告をすっかり忘れてしまっていた。

やがて、1時間が過ぎようとしたそのとき、

ジュッ!!!

口紅がついた真一の口の中に突然酸っぱい愛液の味が広がっていくと、

トロ…

開いた真一の口からそれが滴り落ち始めた。

「あぁ…

 なに…

 くっ口が…

 変だ…」

口の中の変化を感じながらも、

しかし、真一はそれを確かめることはできなかった。

その間にも真一の口から歯が消え、

また、舌も萎縮してしまうと、

歯の消えた歯茎はビラビラへと姿を変え、

また、口腔内が肉厚になりながら狭まっていくと、

膣へと変化していく、

そして、

ププッ

ピチュゥ!!

声を失った真一の口はさらに変化していくと、

プリュ!

ついに、真一の口は赤いルージュを塗った女の局部

オマンコへと姿を変えてしまった。

一方、その下では硬く勃起する真一のペニスを咥えながら、

明美が一心不乱に首を振っていると、

ヌプッ!!

「!!!」

股間からの快感に痺れながら真一はオマンコ化した自分の口に指を入れ、

愛液が溢れる口の中をかき回し始めた。

ヌプヌプヌプ

ピュッ!

プチョ

ピュッ!

個室の中に隠微な音が響き渡る。

そして、明美が真一の陰嚢にルージュを付けると、

ルージュが付けられた陰嚢はその真中より裂け、

ドロ…

裂け目より愛液が垂れ流し始める。

すると、明美は口をペニスから離すと立ち上がり、

真一の体に幾つものキスマークを付け始め、

付けられたキスマークの真ん中が次々と裂けると、

愛液を流し始める。

「(なっなんだ…

  かっ体が…

  あぁ、

  おっ俺…

  オマンコになっていく…

  あぁ…

  ホシイ…

  男のチンポが欲しい…)」

わきの下から手のひらまで、

体中、無数のオマンコを開き、

そして、幾筋もの愛液を流しながら

真一はその中に挿入させる肉棒を求め始めた。



「なぁ…あのカップル

 トイレに入ってから時間経っているよな」

「そうだな…」

その頃、公衆トイレの近くでは公園で屯する少年達が

手に棒を持ち近寄っていた。

そして、

「ここの鍵は半分壊れているんだ、

 どうせ気づいてないだろう、

 俺が合図したら一気にドアをコジ開けるぞ」

真一と明美が入った個室の前で一人が声を上げると、

バンッ!!

閉まっていたドアをコジ開け、

「オラッ!!」

の掛け声を共に持っていた棒を振り下ろした。

ところが、

ヌプッ!!

幾つものオマンコが口を開ける腕がその棒を振り払うと、

ユラリ…

個室の中より真一が表へと飛び出した。

「なっ

 なんだ?」

「うわっ!!

 なんだよ、こいつ!!」

「口が…オマンコになっている!!」

「口だけじゃなよっ

 体中オマンコだらけだ」

「ばっ化け物!!」

「うわぁぁぁ!!!」

無数のオマンコを体中に付けた真一の姿に少年達は腰を抜かすと、

慌てて逃げ始めるが、

しかし、そのうちの数人が真一に捕まると、

ヌプッ!!

彼らの肉棒が真一の体の中に挿入される。

そして、

「助けてぇぇ」

「うわぁぁん

 ママぁぁ…」

オマンコの化け物と化した真一に犯される少年達の泣き叫ぶ声が

イブの夜空に響いていった。



『…………』

パタン…

『どうしました、黒蛇堂様…

 いきなり遠見の鏡を伏せられて…

 それに顔が大分お赤いですが…』

『なっ何でもありません』

『そうですか、

 さて、先ほどの男性はいかがな結末になりましたか』

『…さぁ……知りません』

『は?』

『何をしているのです、

 準備は終わりましたか?』

『あぁ、はいっ

 どうぞ…

 今夜の準備はしっかりと整っております』



おわり