風祭文庫・レンタルボディの館
       華代ちゃんの館







「ヒミコ」

HBS研究所編
(第5話:決戦、HBS研究所(前編))

作・風祭玲
(原案者:レンタルボディシリーズ・TWO BIT)
(    華代ちゃんシリーズ  ・真城 悠   )

Vol.034



「RENTAL BODY」シリーズの詳細については

http://homepage2.nifty.com/~sunasan/

を参照して下さい。




「華代ちゃん」シリーズの詳細については

http://www.geocities.co.jp/Playtown/7073/kayo_chan00.html

を参照して下さい。






「よし、祐介っ頑張って行って来い」

と言われて病室から叩き出されたものの、

この格好(バニーガール姿)でそのまま下に降りるわけにも行かず、

さりとて外に出るには他のルートがない。

「んーと…」

俺が思案に暮れていると、頭の上から「おいっ」っと親父が声をかけた。

「なんだ…」

ぶっきらぼうに返事をすると、

「こっちだ」

と言うとヌイグルミの腕が動き非常階段の方を差した。

「親父、こいつ…ロボットなのか?」

と訊ねると

「トトちゃんと呼べ……まぁ、そういうことだ」

とヌイグルミが返事をした。

「ふ〜ん」

感心しながら、

ガコン

っと非常ドアを開けると、

ふわぁ〜

っと吹き込んだ風が俺の髪を揺らした。

「なるほど、

 非常階段なら人目にはつかないか、
 
 親父ぃ、なかなか冴えているじゃないか」

っと俺が階段を下り始めると、

「待てい、階段を下りてどうするんだ?」

親父の声が俺を制止させた。

「どうするって?

 非常階段は降りるものだろう?

 …ってまさか、
 
 おいっ、ここから飛び降りろって言うんじゃぁないだろうなぁ」

と俺が聞き返すと、

「鋭いなお前…」

「断るっ、第一ここから飛び降りたら死んでしまうではないかっ」

俺が怒鳴り声を上げると、

「大丈夫、大丈夫、

 少々のことでは死にゃぁせんって…

 さっ、景気づけにパァ〜っと飛び降りて見っ」

と親父はヌイグルミを通して言う、

「い・や・だ」

と言う俺の返事に、

「そうか、

 じゃぁしょうがないな」

と言ったとたん

ムンズ…

俺の手が勝手に動き出すと、目の前の柵をつかんだ。

「え?」

驚く間もなく俺の身体はさらに身を乗り出した。

「おっおぃ、どうなてんだ?」

さらに脚を柵に掛けると、

「よいしょっ」

と俺は手すりの上に立ち上がった。

ビュォォォォォォ〜っ

吹き上がってくる風に俺の身体が揺れる。

「うわっ、バカッ!!

 なんて事をするんだ!!」

俺が悲鳴を上げると、

「お前が言うことを聞かないんのなら、

 遠隔操作で俺が飛び降りさせてやる。
 
 行くぞぉ!!」

と親父の声。

「やっやめろ!!」

俺が叫ぶ間もなく、俺の身体は宙に舞った。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜」

地面が猛スピードで接近してくるのが目に入ってきた。

「だめだ〜」

そう観念した瞬間、

ピョーン!!

目の前まで接近してきた地面が急速に離れていった。

「え?」

再び接近してくると、また

ピョーン!!

っと離れて行く。

「こっこれは」

「わはは、驚いたかっ

 『兎娘』はウサギさんのように飛び跳ねることができるのだ」

と親父の声が上から降ってきた。

「親父ぃ…あとで折檻だ覚悟しておけ」

俺はそう誓いながら琴美の気配を察知すると、

その方へと向かっていった。

「待ってろよ、琴美っ、いま助けてやるから…」



一方ここはヒミコ(祐介)を待ちかまえているHBS研究所。

「おい、ドールの準備は出来たか」

と言いながら椚が作業場に降りてくると、

「たったいま、終わりました」

作業をしていた長谷部が答える。

「うむ」

満足そうにうなずく椚の前には

ズラリと黒いスーツで身を固め黒眼鏡をかけた筋骨逞しい男たちが並んでいた。

「部長の指示通りに、30体には”キンタロウβ”、

 20体には”ベンケイ”、
 
 残り20体には”ヨシツネα”をインストールしておきました。」
 
と長谷部が説明すると

椚は一言

「そうか」

と返事をして男達を眺めた。

そして、

「よし、それではすぐにこの指示書の通りに配備をしろ、」

と言うとそのまま作業所から出ていった。


「おいっ…いいのか?」

作業員の一人が長谷部に心配そうに訊ねる。

「あぁ…かまわねぇよ

 これから何が起きてもこれは全部部長の責任だから」

と言うとすぐに作業を始めた。

やがて、研究所の中からワラワラとドール達が出てくると

プログラム通りに数人単位に分かれて配置につく。



跳躍を繰り返しながら、俺が研究所にたどり着いたのは

それからしばらく経ってからのことだった。

俺は研究所を見下ろす公園にたどり着くと、

眼下に見える研究所を指さして、

「親父、あそこから琴美の気配がする」

と言う。

「トトちゃんといえ、

 うん?、あそこはHBSの研究所じゃないか、
 
 なるほど…

 人質を捕らえておくにはちょうどいいところだな」
 
とヌイグルミを通して親父が言うと、

「よぉし、これからなぐり込みだ、行けぇ兎娘!!」

とハッパをかけた。

「まったく、人の気持ちも知らないでいい気なもんだ」

俺は半分呆れながら再び跳躍を始めると程なくして研究所の正門の前に立った。

「さて、どこから忍び込むか…」

と考えていると

ニャァ…

と言う鳴き声。

「?」

泣き声がした方に視線を動かしていくと、

そう、そこにはあのブチネコが座り顔を洗っていた。

「てってめぇ、いいところで出会ったなぁ」

俺はツカツカとネコの方へと近づくと、

「この間のお礼はまだしてなかったよなぁ…」

とネコに迫る。

「おっ、おい、祐介、そんなネコはどうでもいい

 はやく、研究所に忍び込め」
 
と親父はせかすが

「やかましいわ、まずはこのネコを血祭りにあげてからだ」

と俺が言ったとたん。

シュタ!!

ネコが逃げ出した。

「むわてぃ、今度は逃がさんぞ」

俺はすかさずネコを追いかけ始めた。

ネコは右へ左へと進路を変えながら、

塀を乗り越えると研究所の中に入って行く、

当然俺もそのネコを追いかけながら研究所の中へ…


一方、研究所では正門前に現れた人影に緊張が走ったが、

突然その人影が消えたので騒ぎになっていた。

「どうした?」

「申し訳ありません、見失いました」

「馬鹿者!!」

「なんとしても見つけるんだ、」

椚の怒鳴り声が響く、


「あれ?、俺ってなんでここにいるんだ?」

追っかけていたネコを見失って、

周囲の状況を改めて確認すると遠くにあった研究所の建物が近くに見えていた。

「まぁ、結果オーライってことで良しとするか」

俺の頭にしがみついていたトトちゃん(親父)が呆れた口調で言う。

とにかく広い敷地の中、琴美の気配がする方へと歩いて行った。

研究所のスグ傍に来たとき、

黒スーツに黒メガネを掛けた男達が

建物の出入り口付近を固めている光景に出会った。

「あちゃちゃ…

 こりゃぁ、とても玄関からは入らさせてもらえそうにもないなぁ」

と俺が呟きながら、

非常階段はどうか?と見て見たが、

そこにも男達がびっしりと固めていた。

「ちっ、非常階段もダメか…

 そうだ…

 親父聞こえるか?」

と頭上のヌイグルミに話しかけると、

「トトちゃんと言えと言っているだろう、で、なんだ?」

「この身体って何mまでジャンプできるの?」

とヌイグルミに訊ねる。

「そうだなぁ〜っ、

 その身体の性能だと10m位が限度かなぁ…」

との答え。

「10m…かぁ」

俺は10m程度の高さで飛び込めそうな窓や空間を探し始めたが、

しかし、なかなか見つからない。

とその時、

「ソコデ・ナニヲシテル」

突然掛けられた声に振り向くと、

あの黒メガネの男が立っていた。

しまった、見つかった!!

俺は、とっさに飛び跳ねそこから逃れたものの、

「侵入者発見!!」

と言う第一報の元、

黒メガネの男達がまるで砂糖に群がるアリのように方々から集まってきた。



「椚部長!!、”ヒミコ”が見つかりました。」

部下が息を切らせながら椚の元に駆け込む。

「よし、何処で見つけた?」

「はぃ、このビルの通用口の近くです」

と言う報告を聞くと椚の顔色は見る見る赤くなり

「馬鹿者!!、真下ではないか、お前達は何処を探していた!!」

と怒鳴り、

「いいか、捕まえられなかったら、ボーナスは無いと思え!!」

と言い放った。

部下は顔を真っ青にすると、スグに退室していった。



俺は極力建物から離れないように、

しかし男達の居ない方へと向かって行ったが、

何回目かの跳躍の時、

ついに片足を捕まれると思いっきり地面にたたきつけられた。

「………っ痛てぇ〜なぁ、女の子はもっと大切に扱うんだぞ」

といいながら立ち上がると、すでに男達に取り囲まれていた。

「げっ、取り囲まれた」

何とか逃げ道を探そうと男達の様子を探ってみると、

奇妙なことに男達からは生気を感じられなかった。

「親父、何だこいつらは?」

頭の上にまだしがみついていたヌイグルミに訊ねると

「…………椚の野郎、ダミーシステムを使いやがったなぁ」

と呟く、

「ダミーって」

俺が訊ねると、

「心を持たないRB・ドールだ」

「そんなの有りかよぉ」

「よし、こうなったら、祐介、バトルモードに変身だ!!」

「変身?」

「そうだ、情報収集の『兎娘』では戦いに不利だ、

 バトルモードに変身してコイツ等を蹴散らすんだ」
 
と息巻く。

「で、変身ってどうすればいいんだ?」

と訊ねると、

「『兎娘』の時と同じように、

 右腕のブレスレットのダイヤルを今度は右側に1回回して『横着』と叫べ」

と言った。

俺は言われたとおりに「横着」と叫ぶと、

再び光が俺を包んだ。

そして、光が収まった時、

俺は肩を露わにした白銀色に輝くの衣装に、

腰からは横に傘のように伸びた短いスカート、

白いタイツに覆われた脚と足下を飾るピンク色のトゥシューズ。

そして、頭には羽根飾りとティアラが飾った、

そう、バレリーナの出で立ちになっていた。

「………親父、一言言っていいか?」

この緊急時に現れた非常識的な衣装に対して俺は妙に冷静になっていた。

「なんだ…」

「普通…バトルと言うのは武道着でするのが常識…だよなぁ」

「ん?、まぁ、そういうのもあるわなぁ」

「俺はてっきり空手着を着させられる。と思っていたんだけど、これはなんだ?」

と言ってチュチュを指さした。

「ふっ、甘いなぁ祐介、

 バレエは舞踏であると同時に格闘技でもあることを知らないのか?」

とヌイグルミは答える。

「ほぅ、バレエが格闘技ねぇ…」

「そうだ、一流の格闘家は一流のダンサーでもある、これは常識だぞ」

と自信満々に答えた。

「ふ〜〜ん、それは知らなかったなぁ……

 …バレエが格闘技だったなんてコトは…
 
 無いだろうがこのボケっ」

俺がそう叫びながらヌイグルミに食ってかかろうとしたとき、

取り囲んでいたドール達が一斉に飛びかかってきた、

「うわっ、来るなっ」

俺が脚を上げた瞬間、トゥシューズがドールの腹部にめり込む。

するとドールは腹部を押さえながら崩れるように倒れた。

「すげぇ……」

「見たか、トゥシューズの破壊力を!!

 一流のバレリーナは熊をも一撃で倒すんだぞ!

 さぁ、祐介っ、必殺技”アトミック・ジュッテ”
 
 を奴らに喰らわせろ!!」

と頭の上ではしゃぐ、

「親父ぃ、嘘はもっとうまくつけ」

俺は呆れた口調で言っていると、

ドール達が怯むことなく次々と飛びかかってきた。

「うわぁぁ〜っ、来るんじゃねぇっ」

俺はそう叫びながらまるでバレエを踊るように舞い、

そして次々とドール達を倒していった。

「どうだ、祐介っバレエが格闘技であることが判っただろう」

ヌイグルミが頭の上で調子の乗る。

しかし、ドールを一通り倒しても、

しばらくすると何事もなかったのように立ち上ると再び襲ってきた。

「くっそぉ、倒しても倒してもキリがない」

俺の心に焦りの色が出始めていた。



「ふっ、ふっ、ふっ、

 いいぞドール達、
 
 そうやってヒミコを消耗させて捕らえるんだ」

研究所のモニタールームに陣取り、

玄関前での戦いをチェックしている椚は笑みを浮かべる。

「やぁミスター・椚、

 戦況は有利そうだねぇ…
 
 どうだい?ここで一息入れては」

ビルが缶ビールを持ってモニタールームに現れた。

パシッ!!

椚は目の前に差し出された缶ビールを手で払いのけると

「ビル君、私は戦争をしているのだよ、

 そのようなくだらない飲み物で大切な時間を台無しにしないでくれたまえ」

と言い、

「それに、いまは勤務時間内だ」

と付け加えた。

「おぉ、コレは失礼した。

 ではコーラを買ってこよう」
 
と言うとビルはモニタールームから出ていった。

「ふん、こういうときは普通オレンジジュースを買ってくるものだ」

椚は呟く。


玄関前の死闘はさらに続いたが、兎娘はなかなか疲れの色を見せなかった。

「くっそぉ……なんで、ヤツを捕まえられない」

椚が臍をかむ。

っとその時、

「お・じ・さ・ま」

と少女の声。

「ん?」

椚が後ろを振り向くと、そこに一人の少女が立っていた。

「だれだ?、お前は…、おい、誰だ子供をココに入れたのは」

と言ったが

モニタールームには椚の他には誰もいなかった。

少女は椚そばに寄って来ると

「はい、これ…」

と言って1枚の名刺のような紙を差し出した。

「ココロとカラダの悩み、お受けいたします 真城 華代」

とその紙には書いてあった。

「ん、悩みの相談だと?

 ふん、そのような者には用はない、さっさと帰れ!!」

と言うと再びモニターを見続けた。

そして、ダンっと机を叩くと、

「何でだ、何であれだけのドールが居ながら”ヒミコ”を捕まえられない」

と叫んだ。

華代は椚の後ろからモニターを眺めると、

一人のバレリーナが華麗に舞いながら、

群がる男達を次々と倒していく様子が映し出されていた。

「なるほど…判りました…つまり彼女に勝ちたいのですね」

と華代はそう頷くと、

「バレリーナと勝負をするとなると、はやりバレエ…

 これは、間違いなく私の出番です…」

華代はそう確信するとモニタールームから抜け出し、

そして研究所の屋上へと向かって行った。

下の騒動が微かに聞こえる屋上に立った華代は大きく息を吸うと、


「いきますよぉ……」

「そぉぉ〜〜〜れっ」

っとかけ声を発した。

すると、

ブワッ!!

っと華代の周りから一陣の風が吹き出した。

風は椚がいる研究所の中を丁寧に吹き抜け、

そして祐介達のところも吹き抜けていった。



ガツン…

バレエを舞いながらドール達を倒していった祐介だが、

一体のドールに捕まると後頭部を思いっきり叩かれた。

「しまった…」

俺は一瞬気を失ったが、

ハッと気が付くと研究所から少し離れた所に居た。

「あれ?コレ…親父がやったのか?」

俺は頭上のヌイグルミに訊ねると、

「なに、言ってる、お前が自分でココまで来たんだろうが」

「え?何で?」

「さっきからお前は何をやっているんだ?」

親父の呆れた声が降ってくる。

すると研究所の方からドール達がワラワラと俺を追ってきた。

「うわっ、来た」

俺はとっさに身構えると、

なぜかドール達の動きが急にピタリと止まってしまった。

「?」

「どうしたんだ?」

俺はドール達の様子を眺めていると、

突如ドール達の胸がムクムクと膨らみ始めた。

「!!」



一方、研究所ではモニタールームでは突然動きが止まったドールについて

「おい、どうなているんだ」

っと椚が長谷部に電話で問いただしていた。

「原因は判りません。

 ただ、ドールの肉体組成に異変が生じていて、
 
 そのためにBIOSが非常停止をかけたようです」
 
長谷部はそう返事をすると椚からの電話を切った。

「くそう、どうなっているんだ?」

長谷部はドールから送られてくるデータに目を通していた。

しかし、その長谷部自身、

自分の胸がムクムクと膨らみ始めていることにまだ気づかなかった。



俺の目の前で起きているドールの変化はさらに進み、

胸は女性の様に膨らみ、

広い肩幅はなで肩へとかわり、

ウエストはくびれ、

変わりにヒップは張り出していった。

見る見るうちにドール達の筋骨逞しい体つきは萎むように

華奢な女性の体つきへと変化していった。

「なっ…」

俺は驚きの余り声が出なかった。

すると、ドール達の変化は次の段階へと進んだ。

ドールが着ていた黒いスーツがみるみる白く変わると袖が消え、

肩が露出し始めた。

ズボンがピッチリを脚に張り付くとそれは白いバレエタイツへと変化し、

履いていた靴はピンク色のトゥシューズへと変わった。

さらに腰から傘のようなスカートが伸びて、スーツがチュチュに変わると、

俺の目の前には、チュチュに身を包んだバレリーナの集団が立っていた。


「祐介、チャンスだ!!」

頭の上から親父の声がする。

「チャンス?」

俺が聞き返すと、

「いいか、祐介っ良く聞け、

 心を持たないドールは常に心の持つ者の支配を受けて動いている。」

「支配?」

「そうだ、恐らくこの連中を操っているのは、

 あの建物の中にいると思うが、
 
 見ての通り、いま連中は混乱していて指示待ちの状態だ、
 
 今のウチに連中をお前の支配下に納めれば、
 
 こいつ等は全員お前の一部になる!!」

と叫んだ。

「俺の支配って言っても、こんなに大勢どうやって指示をすればいいんだ?」

戸惑いながら俺が言い返すと、

「大丈夫、

 お前の”ヒミコ”は最大255体までのドールをコントロールできる能力がある」

と親父は答えた。

「早くしろ、時間はないぞ」

「判った…で、どうすれば俺の手下になるんだ?」

と俺が訊ねると、

「簡単だ、連中の額に手を当てて何かを命令すればいい」

と言った。

俺は、とりあえず目の前にいるバレリーナの額に手を当てると

「眠れ!!」

と念じた。

すると、バレリーナは倒れる様に横になると

アッサリとクークーと寝息を立てながら寝てしまった。

「スゴイ…」

感心するのと同時に俺はスグに行動に移した。

また、支配下に置いたドールを制御して

別のドールもその支配に組み込むことも出来ることが判ると、

たちまちのうちにバレリーナになったドール達は全員俺の支配下に入った。


「よぉし、親父っ突撃だぁ〜っ、しっかりとしがみつけよ」

「トトちゃんと言えぇ……」

もはや、研究所の敷地内には俺の行動を邪魔をする者は居なかった。

俺は再び「兎娘」になると研究所へと突撃していった。

地響きを上げて付いてくる大勢のドール達と共に………



つづく

次回予告
ついに祐介は研究所の中へと突入した。

しかし、研究所の様子に彼は愕然とする。

「親父…ココって…」

次回「HBS研究所編・最終話:決戦、HBS研究所(後編)」お楽しみに


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