風祭文庫・レンタルボディの館






「ヒミコ」

HBS研究所編
(第4話:ヒミコ・ヒトの作りしもの)

作・風祭玲
(原案者・TWO BIT)

Vol.033



「RENTAL BODY」シリーズの詳細については

http://homepage2.nifty.com/~sunasan/

を参照して下さい。






「それはだな…

 簡単に言うとお前のRBに使われているBIOSが、
 
 普通使われている”ナデシコ”ではなく”ヒミコ”と言う、
 
 特殊なBIOSが使われているせいだからだ」

親父から意外なセリフを聞いた俺の思考しばし停止した。

「”ヒミコ”……って、

 確か北条が言っていた極秘開発されていると言われるRB用BIOS…
 
 そして…俺の夢に出てくる女性…

 親父っ…”ヒミコ”って極秘開発されているBIOSのことだろう…

 なんでそんなもんが俺に使われているんだ?」
 
と訊ねると親父は意外そうな顔をして、

「ほぅ、お前が”ヒミコ”の話を既に知っていたとは意外だったなぁ…」

と言う。

「昨日、友達から聞いた…」

「全く、昨日のウィルス騒動といい情報管理部は何をやっているんだか」

親父は呆れたような顔つきで俺を見ると、

「ってコトは、”ヒミコ”のこれまでの経緯は大方判っているな」

と親父に尋ねられ、俺は頷いた。

「そうだ、

 ”ヒミコ”は米国の連中によって潰された”イザナミ”のリベンジとして
 
 極秘裏に開発を進めてきた、純国産のRB用BIOSだ。」

「国産のBIOS…?」

「あぁ、米国産のBIOSが幅を利かせている今のRBの状況に風穴をあけるためのな」

「そっ、それにしてもなんで民間企業のシェア争いごときでこんな騒動になるんだよ」

俺が訊ねると、

「それはだな…

 RBは表向きでは一応医療用の器具として使われているが、

 その一方では、
 
 まぁ大声では言えないが『軍事』という一面も持ち合わせていてな…」

「え?」

「とまぁ、ココまで言えば想像力豊かなお前のことだ、

 何がどうなってこうなったか位の想像はつくだろうし、
 
 現実にそういう道を辿ってきた」

と言う親父の答えに俺は呆気にとられた。

そして、次の質問を見つけると、

「じゃぁ俺が見る夢は一体なんだ?」

「夢?」

「あぁ、いまさっきも見たし、

 この身体にされたときも見た
 
 野原に佇む高貴そうな女性…
 
 あれって、ヒミコなんだろう」

俺がそう問いただすと、親父は

「そうか…ヒミコからのイメージ画像を見ているのか」

と感心しながら言う。

「イメージ画像?」

「まぁな…シンクロ率が高くなると、

 ヒミコがお前の意識にコンタクトし始める

 その際にお前はヒミコをあるイメージで認識するんだ」

「…ってことは、俺が見たヒミコは

 文字通りこのRBのBIOSが実体化して見た。ってことなのか?」

親父の説明に俺はそう返事をすると、

ニヤリ…

「まぁ…そうだな…」

親父は意味深な笑みを浮かべた。

「?」

親父が浮かべたその笑みの意味に俺は首をかしげながら、

「ところで親父…」

と切り出すと、

「なんだ?」

一人でウンウン頷きながら親父は俺を見た。

「親父ってRBメーカーに務めているとはいえ

 一介のサラリーマンなんだろう?

 それなのに
 
 なんでこんな危なっかしいことに詳しいんだ?

 それに、俺のこのRBに”ヒミコ”なんて言う
 
 危なっかしいBIOSが使われている理由もまだ聞いていないぞ」

と俺が尋ねると、

「ふっふっふっ、それはだな…

 何を隠そう、私がこの”ヒミコ”の開発責任者だからだ。
 
 わははははは!!!」

と親父は胸を張って答えた。

「はぁ?」

「思えば長い道のりだった…、

 私の青春はまさにヒミコと共にあったようなものだった」

涙をハラハラと流しながら親父は自分の青春時代とヒミコの開発とをオーバーラップさせ、

そして

「失敗を乗り越え再起をかけ開発をしていた”イザナミ”がHBSのアホ共よって潰され、
 
 その悔しさをバネにBIOSとしての”ヒミコ”の開発に全力を投入した日々…、
 
 その憎っくき、HBSの連中が”ヒミコ”に脅威を持ったなんて。
 
 あぁ…まさに技術者冥利に尽きる話ではないか

 それに、
 
 こんなに早くお前がヒミコ本体にコンタクト出来るようになるとは…
 
 さすがは私の娘だ、ははははは!!」

と親父が笑ったた瞬間。

スパン!!

病室に響きのいい音がこだました。

「つぅ〜っ」

「こら祐介っ、父親に何をするっ」

頭を押さえながら親父が怒鳴ると、

「おいっ、

 ま・さ・かと思うが、
 
 俺がRBを借りるようにし向けたのは親父か?」

俺は最大の疑問を親父にぶつけた。

「馬鹿者!!、何を言っておるっ

 お前の事故と”ヒミコ”とは無関係だ!!

 ただ…」

「ただ?」

俺が聞き返すと、

「ただ、

 ようやく実用試験にこぎ着けた”ヒミコ”のモニターを捜していたときに、
 
 たまたまお前が事故を起こしたので、
 
 お前にモニター役をやってもらっただけだ。

 まぁ、開発責任者の身内なら、
 
 もしもの時には諦めがつくからな」

そう襟を正しながら親父が言うと、

「てめぇ、じゃぁ何か?、

 俺をモルモット替わりしたって訳か?」

俺の質問に、

「ピンポーン!!」

と親父が答えた瞬間、

パカーン

再び病室に音がこだました。

「お父さん、それってどう言うことですか」

これまで黙って聞いていたお袋が口を挟んだ。

「かっ母さん」

「いくら、仕事のためとは言っても、

 実の息子をモルモット代わりにするなんて

 あたしは許しませんよ」

「いっいや、それは…」



さて、そのころ…

「あれ?、あたし…どうしたんだろう?」

琴美は気がつくと天井で点灯している蛍光灯を眺めた。

「うっ寒っ」

ゾクっ

と寒気がしたので自分が着ている物を確認してみると

新体操の練習で着ていたレオタードのみの姿だった。

「やだ、あたし、レオタードのままじゃない」

起きあがって部屋の様子を見ると、

6畳ほどの無機質な部屋にベッドとトイレがあるだけの

まるで独房のような部屋だった。

「なっなによココは」

琴美は混乱しながらも直前までの記憶を辿っていった。

「えっと…

 確か…
 
 新体操の練習が終わって…
 
 体育館を出たら…
 
 変な連中に取り囲まれて…

 そしたら………

 ってぇことは何ぃ?、
 
 あたし…
 
 ひょっとして拐われちゃったの?

 じゃぁ、このままどこかに売り飛ばされて、
 
 あんな事やこんな事させられて…

 で、最後には親にもみせられない身体にされてしまって…

 いやぁ……
 
 そんなのいやぁ…
 
 ちょっとぉ誰か居ないの?

 あたしをココから出しなさいよ!!」

と大声を上げてドアを叩いたが、

しかし、それに返事をする者は誰も居なかった。

一方でそんな琴美の様子を部屋に仕掛けられたモニターで見ている男がいた。

男は呆れながら、

「なんだ、あの女は…

 私が連れてこいと言ったのは、この女だと言ったはずだ」

一枚の写真を黒ずくめの男たちに写真を見せる。

そこにはRB姿の祐介が写っていた。

「モウシワケアリマセン」

男たちはそう言うと頭を下げた。


「やれやれドールに実行部隊をやらせたのが失敗だったな、ミスター・椚」

椚と言われた男の背後に、いつの間にかもう一人の男が立っていた。

「なんだ、笑いに来たのか?ビル」

ジロリと椚がビルを一別すると、

「いやぁ、なかなか面白い見せ物なのでね」

とビルはおどけてみせる。

「ところでミスター・椚、遊ぶのは結構だが、

 君には”ナデシコ”のバグの改修と言う大仕事があるのでは?」

そうビルは言うと、椚はビルをにらみながら、

「判っている」

と答えた。

「いやぁ、あまりにもキミが楽しそうに遊んでいるから、

 すっかりそのことを忘れてしまったのかと心配したよ」

「ふん」

「で?、今回のオペレーションについは米国本社の許可を取っているのかね?」

ビルが鋭い眼光で尋ねてくると、

「しらんなぁ…

 いちいち米国の連中のご意見伺いなんてやっている暇は私にはないよ」

と言う椚の答えに

「おや、これは驚いた。

 と言うことは君は誰の許可なく勝手に動いたってことかね」

「何とでもいえ」

「私には本社への報告義務があるのだが…」

「好きにしろ、

 そのかわり私にもしも事があれば、自動的に君の横領が発覚するのだが、
 
 それでもよろしければご自由に」
 
と椚が言い放つとビルは肩をすくめるとその場から立ち去って行った。

「けっ、本社の犬がっ

 ”ナデシコ”のバグ修正だってぇ?

 元々の”アリス”がバグだらけの癖によく言うよ、

 俺が持ってきた”イザナミ”の方が遙かに優れたBIOSなのに、

 ここの連中と来たら”アリス”が一番だと思いこんでいやがる。

 まぁいい、
 
 私が”ヒミコ”を手に入れれば”ヒミコ”でこのHBSを乗っ取ってやるわ」

椚はそう独り言を言うと、

モニターに映し出されている琴美の姿を見て、

「こうなったら、彼奴を餌に”ヒミコ”を釣ってやるか」

と呟いた。



「かっ、かぁさん、分かった、この通り」

親父は床にひれ伏していた。

肩で息をしながらお袋は、

「今度こんなことをしたら、どうなるか分かっていますね」

と言うと、

「わかった、この間お前が欲しい。

 て言っていた、水色のカーテガン買ってあげるから許してくれ…」

と親父が言うと、お袋はコロっと態度を変え

「あら、お父さん、あのカーテガン買ってくれるの?、

 だったらお揃いのスカートも買ってくださる?」

と交渉を持ちかけてきた。

「分かった、何でも買うから…だからなぁ」

そう言う親父を見たお袋は、

「じゃぁ、許してあげる」

とあっさりと引いてしまった。

「おっおい、お袋っ、俺はカーテガンよりも格下なのかよ」

とそのとき、親父の携帯電話の音が鳴った。

「あっ、もしもし、鳥羽ですが」

と応対した親父の顔が急に真顔になった。

『………』

「久しぶりだな、椚…」

『………』

「あぁ、元気だよ」

『………』

「ほぉ、囚われの姫は無事なんだな」

『………』

「なに?、取り引き?」

『………』

「うれしいねぇ、

 うちの”ヒミコ”をお前がそこまで高く評価してくれるなんてなぁ」

『………』

「ほぅ…明日の2時か」

『………』

「ふん…あぁ、判った」

と言ったところで親父は電話を切った。

「親父っ」

俺が駆け寄ると、

「あちらさんから、お前と取り引きをしたいとさ」

「取り引き?」

「あぁ、琴美君をこちらに返す替わりに、お前の”ヒミコ”をよこせってな」

「ふっざけやがってぇ」

「椚の野郎は昔っからそう言う奴だ、

 テメエは大して苦労しない癖に人が作ったのを横取りして、自分の手柄にする。

 そもそも”イザナミ”が転けたものも、
 
 椚の奴が”イザナミ”を勝手に持ち出してHBSの連中と取引をしたのが
 
 そもそもの原因だったじゃねぇか…あぁ思い出しただけでも腹が立つ」

悔しそうな親父の顔を見ていると、なんだか俺も無性に腹が立ってきた。

「親父っ、明日まで待っていられない、いまから乗り込んでくる。」

そう言って部屋を出ようとしたとき。

「おい、待て、琴美ちゃんの居所は分かっているのか?」

「あっ」

「そら見ろ、それにその格好で街中に飛び出すわけにも行かないだろう」

「え?

 あっ、そう言えば」

と言って自分の姿を見ると青い色のレオタード姿のままだった。

「全く、ほらこれを受け取れ」

と言うと親父はさっきスーツ姿の男が持ってきた袋を俺に放り投げて渡した。

「何これ?」

袋を開けると中には2個のブレスレットが入っていた。

俺がブレスレットを取り出すのを見た親父は

「祐介…それを両腕に填めて見ろ」

と言った。

「両腕?」

カチ…

カチ…

俺は言われたとおりブレスレットを両腕につけると、

それを見た親父が、

「よぉしつけたな、

 そうしたら右腕につけたブレスレットにダイヤル型のスイッチがあるだろう、
 
 それを左側に2度回して、スイッチを押せ」

と命令した。

「?」

不思議に思いながら俺が言われたとおりの操作をすると、

「やったか?」

と親父が尋ねてきた。

「あぁ…」

俺の返事に

「そしたらその右腕を高く挙げて『横着』と叫んで見ろ。」

と言った。

「はぁ?」

「いいから、言うとおりにしろ」

俺は、恥ずかしさを我慢しながら、言うとおりに『横着』叫ぶと、

パァッ

っとブレスレットが光り輝きその光の中に俺は埋もれていった。

しばらくして恐る恐る目を開けて見ると、

「なっ、なんだ?」

俺が着ている服装がレオタードから別のに替わっていた。

胸元より上がなく肩が露出した衣装に、

ハイヒールに網タイツ、

そしてお尻には可愛い尻尾がちょこんと乗り頭の上には大きな耳が2本。

そう、俗に言う「バニーガール」の衣装だった。

「親父ぃ……まさかこの格好で行けっていうのか?」

カツン!!

ハイヒールの音を響かせながら俺は親父に迫ると、

「何を言っている祐介。ウサギさんを馬鹿にしてはいかんぞ」

「はぁ?」

「ウサギさんの耳はなぁ、情報の収集にもっとも優れたレーダーだ」

「ほぉ〜っ」

「嘘だと思うのなら琴美クンのコトを念じて集中してみろ」

胡散臭さを感じながらも、

俺は言われたとおりに琴美のことを考えて精神を集中してみた。

すると、微かながら彼女の気配を感じた。

「!」

「感じたようだな、いいか祐介、それが”ヒミコ”の能力だ」

と親父は満足そうに言う。

「え?」

俺が驚くと、

「それだけではないぞ、

 ”ヒミコ”にはそれ以外にも様々な能力がセットアップされているし、
 
 また、お前がいま使っているRBも”ヒミコ”の能力を十分に発揮できる
 
 特別仕様になっている」

と説明した。

「この身体が?」

「そうだ、さぁ行くんだ、行ってHBSの連中にお前の勇姿を見せてこい」

と一人で盛り上がっている親父を後目に、

「じゃぁ、お袋、行って来る」

と俺は言うと、

「気をつけるんだよ」

「あぁ、判っている」

「あっ、それから琴美ちゃんにあったら母さんからよろしくっていっといてね」

と付け加えた。

「おっお袋、それはちょっと違うんじゃないかな…」

そう思いながら俺が病室から出ていこうとしたとき、親父が、

「ちょっと待て祐介」

と呼び止めると、

「これを持っていけ」

と言って、1体の縫いぐるみを差し出した。

「なに?これ」

と俺が言うと

「魔法少女には”お付き”がいるのがお約束だろう」

「はぁ?」

「これは”トトちゃん”と言ってな、

 必ずお前の役に立つ、
 
 一緒に連れていくがよい」

と言いながら俺に手渡した。

渡されたのを見てみると、

どうみても電子メールを配達するあのピンク色のヤツの出来損ないにしか見えない。

「親父、コレ本当に役に立つのか?」

と訊ねると

「失礼な奴だな」

と突然縫いぐるみがしゃべりだした。

「げっ、しゃべったぞ、こいつ」

「オッス、俺が”トトちゃん”だ、まぁよろしく頼むわ」

とヌイグルミは喋る。

「おっ、親父、何だ?こいつぅ」

と言って親父を見ると、親父はいつの間にかインカムをつけていた」

「おいっ、何のまねだ?」

親父に迫りながら言うと、

「何って、俺に文句があるのか?」

インカムを通してヌイグルミが喋る。

「当たり前だろうが」

「あはは、バレてしまったか」

頭が痛い、

「そんなにがっかりすることはない、

 この”トトちゃん”には高性能ビデオカメラと
 
 常時接続の双方向通信システムが仕込んであるから、
 
 どんなに離れていてもお前との会話が出来る」
 
言いながら俺の頭に乗せると、

「よぉしぃ、祐介っ頑張って行って来い」

と言うと俺を病室から叩き出した。

「なぁ…俺って、すっごく間抜けに見えないか?」

俺はそう思いながら廊下を駆けていった。


一方、ここはHBS研究所、

その最上階のオフイスでイスに座り、

じっと目を閉じ瞑想をしていた椚がカッと目を見開くと、

おもむろに電話をかけた。

「あぁ、長谷部くんか、ドールをあと70体追加する。

 早急に人数分のダミーシステムを準備してくれたまえ」

「なっ、70体分ですか?」

電話の向こうで悲鳴に近い声が聞こえる。

「そうだ、70体だ、急げ」

「部長、それは無茶です。すでに30体ものドールが稼働しているのに、

 さらに70体も追加しては、暴走したとき手に負えなくなります」

電話の向こうの男がそう言うと、

「なぁに、128体までなら稼働に問題がないことは分かっている、

 早急にやるんだ。

 いいな、私に2度同じ事を言わせるな」

と言うと電話を切った。



「ちょちょっと、」

「あぁ切れちゃった」

「いくら128体までの稼働が確認されているからって言ってもなぁ…

 動くのと使えるのとでは違うんだよなぁ、
 
 とにもぅ…」

長谷部が愚痴をこぼすと、

「ん、椚部長からの電話か?」

「あぁ、ドールを70体追加するんだとよ」

「えぇ?、また無茶なことを」

「しゃぁない、何かあったら部長に全責任をとってもらおう」

長谷部はそう言うと冷凍保管庫に保管している70体のRBに

ダミーシステムのインストールを始めた。


「”ヒミコ”は今夜来る。

 そう、そしてキミは僕のものなる…ふはははは」

椚の高笑いが研究所内に響きわたっていた。



一方場所は変わってココはそのHBSの研究所を見下ろす丘の上にある公園…

一人の少女がブランコに揺られながら研究所にそっと耳を傾けていた。

「聞こえます……心の寂しい方からの悩みの声が…」

やがて少女はブランコから降りると、

「判りました、早速そちらに向かいますわ」

そう呟くと陽炎のように少女の姿が公園から消えた。



一方、祐介は

「待っていろ…琴美ぃっいま助けに行くからなぁ…」

全速力でHBS研究所へと跳んでいった。



いよいよ、決戦の時、迫る。



つづく

次回予告
HSB研究所に単身乗り込んできた祐介の前に押し寄せるドールの大群

「親父、何だこいつらは」

「ちっ、椚の野郎、ダミーシステムを使いやがったなぁ」

「ダミーって」

「心を持たないRBだ」

「そんなの有りかよぉ」

「よし、こうなったら、祐介、バトルモードに変身だ!!」


そして調子に乗る椚の前に現れた一人の少女

「はいこれ」

「なんだ?」

「ココロとカラダの悩み、お受けいたします 真城 華代」


さぁて、HBS研究所編最大の山場

次回「HBS研究所編・第5話:決戦、HBS研究所(前編)」お楽しみに


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