風祭文庫・醜女の館






「悪夢」
【後編】


作・風祭玲

Vol.272





「あろぅ、ろこえ…」
(あのぅ、どこへ?)

屈辱的な食事のあと、圭子は龍子に屋敷の奥へと連れて行かれた。

ヨーロッパの古城を思わせる細長く長い廊下を

ひたすら歩かされるとやがて大きな扉が姿を現した。

「さぁ、この扉はあなたが開けるのです」

圭子の後ろに立つ龍子がそう言って圭子に迫ると、

「………」

圭子はチラリと視線を龍子に送り、

そして、扉の取っ手を握った。

ぎぃ…

カギは掛かっていないらしく扉はゆっくりと開いていく、

目の前の景色を二分するようにして中の様子が見えてくると、

「ひっ」

圭子は思わず息を飲み込んだ。

すると、

「あっ、龍子さまっ、

 ご主人様はいつこちらにいらっしゃるのですか?」

扉が開いたことに気づいた女達が一斉に近寄ってくると、

あっという間に圭子の前に人垣が出来た。

「あっあっあっ」

その者達の姿を見て圭子は肝を潰した。

「どうしたの?、そんなに驚いて…

 さぁ早く中に入りなさい」

龍子はそう圭子を促すと、

一歩一歩確かめるように圭子は部屋の中に入っていく、

「なぁに…」

「新しい子?」

「ふぅぅん」

「服なんか着ちゃって…」

部屋の中に入った圭子に女達の視線が一斉に注がれる。

しかし、圭子は見られることの恥ずかしさよりも、

自分を見ている女達のその姿に驚いていた。

女達はみな十代から二十代くらいの者達で、

全員が圭子と同じ髪もない坊主頭で

また身体には何も身につけていない裸体だった。

しかし、その肌には

ある者は全身をペニスに見立てるような模様が施され、

またある者は蜷局を巻く蛇…

さらには、変身ヒーローを彷彿させる絵を施している者もいた。

「おっおれは…」
(こっこれは)

「ふふ、おどろいた?

 そう、ここではご主人様が絶対なの…

 だからみんなご主人様に気に入られたくて、

 こうして全身に刺青を施して奉仕しようとしているのよ」

と龍子は圭子に囁く、

そして部屋の奥に足を踏み入れると、

壁際にもたれ掛かるようにして倒れている数人の女性の姿が目に飛び込んできた。

「見なさいあれを…

 プライドだかなんだか知らないけど、

 ご主人様への奉仕を頑なに拒んだ結果があれよ、

 まぁあなたはそこまで愚かではないと思うから…

 さて、そろそろ片付けた方がいいかもね、

 いい加減臭ってきているみたいだし…」

龍子は軽く鼻を押させながらそう言うと、

圭子をさらに奥へと案内した。

そして、再び現れた扉を開けると、

「コレは龍子様…」

中で待機していた中年の女性が立ち上がると静かに頭を下げた。

「ハルさん、

 新しいキャンパスを連れてきましたよ」

龍子はそう言うと圭子をハルの前に突き出した。

「ほぉ、これはまた美しい…」

圭子よりも頭一つ小柄なハルは掛けていた丸縁のメガネを改めて掛け直すと、

まるで、納品された素材を吟味するかの如く圭子の肌を眺めた。

その様子に圭子は悪寒を感じると、

「彼女が神の技を持つという彫り師よ」

っと圭子に紹介した。

「彫り師?」

「そう、刺青を彫る者…

 あなたがさっき見てきた女達の刺青はすべて彼女の作品よ」

そう龍子が説明をすると、

「ねぇ、ハルさん、

 この子にはどんな絵がいいかしら?」

「そうですねぇ…」

龍子の質問にハルは考え込むと、

「これだけのきめの細かい肌ならどんな絵でも似合うと思いますよ」

ハルはそう言いながら、

戸棚から大きなファイルを開くとそれを広げた。

パラ…パラ…

とハルの手がめくっていくページには、

ある物は毒々しく、

またある物は見た者に吐き気をもよおすような絵が描かれていた。

「うっ」

それらを見た圭子は思わず口に手を当てる。

すると、

「そうだ…いっそ、この子にデザインをさせてみてはいかがですか?」

「デザイン?」

ハルの提案に龍子は考え込むと、

「それも面白いわねぇ…

 自分でデザインした絵の刺青を入れる…

 うん、コレならご主人様も喜ばれるにちがいない」

龍子はそう言うと、

「圭子さん、あなたはどう思いますか?」

と圭子の意見を聞いてきた。

「はぁ…」

逆らうことが出来ないことを肌身を持って教え込まれた圭子はただ頷くだけだった。

「そうですか…

 では、ハルさん、

 彼女の絵は彼女自身が決めると言うことでお願いします」

と龍子がハルに告げると、

「判りました」

ハルは深々と頭を下げ、

「では、これに書いて持ってきてください」

と言いながら圭子のに白紙の用紙を手渡した。

「………」

手渡された紙を圭子は黙ったまま見つめていると、

「では圭子さん、あなたにもぅ一つ見せておく物があります」

龍子はそう告げると、

圭子の手を引き部屋をあとにした。

「ろこへ?」
(どこへ?)

行き先を尋ねる圭子に龍子は無言のまま部屋を出ると、

廊下の反対側にある別の部屋の扉に立った。

そして、龍子自ら扉を開けると、

「ひっ!!!」

部屋の様子を見た圭子は悲鳴を上げた。

「どう、ショックでしょう?」

龍子はそう言いながら、

部屋中に並べられた檻に圭子を連れて行くと、

「この子はねぇ…

 猛烈に強い発毛剤を飲まされてね、

 ほら、全身毛むくじゃらにされちゃったのよ」

「またこの子は、

 ご主人さまの前で自殺しようとしたから、

 両手両足首をオチンチンに整形されて何も出来無くなっちゃった」

「この子はホラっ、

 ラビアを数十倍に拡大されて…」

と説明していく。

すると、

「やっやえてぇぇぇ!!」
(やっやめてぇぇぇぇ)

耳を塞ぎながら圭子が叫ぶと、

「良く聞きなさいっ

 この子達はねぇ…

 ご主人様の逆鱗に触れたためにこんな姿になったのよ、

 そう、この屋敷に踏み込んだ者は皆ご主人様の持ち物…

 言って置くけど、

 契約の1年で出られるだなんて思わない事ね、

 ご主人様の許しを得られなければ1年どころか

 5年も10年も居ることになるわ、

 どう?

 10年もココにいる気?

 もしも早く出たいのであるなら、

 ご主人様に気に入られ、

 契約の1年で出られるように努力する事ね、

 剃髪と抜歯だけで出られるだなんて甘い考えは持たない方がいいわよ」

龍子からそう聞かされた圭子はヨロヨロと1・2歩下がると、

「うわぁぁぁぁぁ!!」

っと泣き叫びだしてしまった。

「ふふ…

 お馬鹿さん…

 今頃になってココの恐ろしさに気づいたの?」

龍子は泣き叫ぶ圭子の後ろ姿を眺めながら呟いていた。



「さぁここがこれからお前が生きていく場所よ」

そう言いながらくすり続ける圭子を龍子が連れてくると、

そこはまるで蚕棚のようにベッドが積み上げられた部屋だった。

「お前はココで生きていかなければならない、

 まぁ、ご主人様に気に入られて、

 そしてお許しを得て外に出られるように頑張るんだね、

 じゃないと、

 さっき見たよう女の様に朽ち果てるか、

 それとも文字通りの化け物にされるかのどちらかの運命が待って居るんだよ

 あっそうそう、

 これ、ご主人様から預かってきたわ

 喋れないんじゃ面白くないってね

 さすがにアイドルだったことあるわ…

 特別待遇よ、あ・な・た」

と告げると龍子は男から預かってきたと言う包みを圭子の前に放り出すと出ていってしまった。

「あっ」

圭子は思わず龍子の後を追おうとしたが

しかし、龍子の姿は既に消えていた。

「………」

一人残された圭子は仕方が無く空いていそうなベッドに腰掛け、

手渡された包みを開くと、

中から出てきたのは入れ歯だった。

カプッ

すかさず圭子は入れ歯を填めると、

「うっうっうっ

 ひどいよぉ、こんなの」

ようやく出せた声で圭子は泣き崩れた。



囚われの女達の朝は男の争奪戦から始まる。

歯を失い、精液の啜ることで食欲を満たす事しかできない彼女たちにとっては、

この争奪戦に負けることは食事にありつけない事を意味していた。

押しのけ払いのけながら、

また、ある時は殴り合いのケンカに勝ち残って、

女達は男のペニスにむしゃぶりつく、

圭子は最初のうちは、

そんな争奪戦には加わらなかったが、

しかし、絶え間なく襲ってくる空腹に負けると、

いつしか、それに参加するようになっていった。

そして、剃られた髪が再び目立ち始めた頃、

圭子は出来上がった絵を持ってハルの所を訪れてた。

「おや、出来上がったかい?」

タバコを吹かしながらハルが尋ねると、

コクリ…

圭子は静かに頷いた。

「ふぅ〜ん、どれ見せてごらん」

ハルはそう言いながら手を伸ばすと圭子はその紙を手渡す。

「ほぅ…

 これはなかなか凄いねぇ…」

紙を広げたハルは圭子が描いた絵を見て驚くと、

「あたし…

 絵は得意でしたので…」

と圭子は返事をした。

「ふうぅぅん、

 頭の上から足の先までまんべんなくか…

 うん、これならご主人様もお喜びになるかもね、

 で、いつから書き始めるつもりかい?」

ハルは圭子にそう訊ねると、

「今からお願いしますっ」

圭子はそう答えると服を脱ぎ捨てた。

プルン…

形のいい乳房が部屋の明かりを受ける。

「なるほどねぇ…

 でも、その前にその頭の脱毛をしないとね」

ハルはそう告げると電話に手を伸ばした。

暫くしてやって圭子の前に姿を現したのは

圭子とあまり年が変わらない女性だった。

「あぁ、忙しいところ済まないけど、

 この子の髪を全部抜き取ってくれない?」

とハルが依頼すると、

「はいっ」

女性はそう返事をするなり機材の準備を始めた。

「判っていると思うけど、

 あんたの毛はあたしの作業の邪魔だからね、

 完全脱毛をして貰うよ」

そうハルが圭子に告げると、

「全部ですか?」

圭子は思わず聞き返した。

「そうさ、頭の毛から下の毛まで全部抜き取ってツルツルにしてしまうのさ、

 イヤなら止めてもいいんだけど」

「ぐっ」

圭子は入れ歯越しに歯の無くなった口をかみしめると、

「おっお願いします」

と頭を下げた。



ジッ

ジジッ

女性の手に握られた器具が再び生え始めた圭子の髪の毛を抓むと、

一本一本毛根を焼き殺しながら毛を抜き取っていく、

そして、その痛みを堪えるように圭子の身体が

ピクンピクン

と動くが、

しかし、圭子はひたすら我慢をしていた。

そして、後頭部の毛がすべて無くなると、

「では、今日はここまでです」

と女性は圭子に告げ道具を片付け始めた。

そして、その姿を見ながら、

「ありがとうございました」

圭子はそう言いながら頭を下げる。

「ない…ツルツル…」

ベッドに戻った圭子は毛髪が無くなった後頭部を幾度も撫でながら

そっと涙を流していた。

こうして、数日に渡る脱毛作業の甲斐あって、

圭子の身体に生えていた毛髪はすべて消え失せてしまった。

「ようし…じゃぁ、こっちの作業に取りかかろうか」

完全に毛を失った圭子にハルはそう告げると、

いよいよ圭子の身体への作業に取りかかった。

チッチッチチチ

細い針が束になっている筆に顔料を乗せ、

ハルは圭子が書いた絵を元に圭子の身体に線画を描いていく、

「クッ…」

肌を刺す激痛に圭子は顔を歪めながら堪えるが、

しかし、圭子の体力では一度に描くことは到底無理だった。

数日掛けてハルは圭子の身体全体に線画を描くと、

今度はその線画の中に色を付け始めた。

ジワジワと圭子の白い肌を侵すように不気味な色彩が広がっていく、

足…

腕…

胸…

そして顔…

かつては大勢のファンを魅了したであろう圭子の肌が徐々に染まり、

「ふぅ…出来た…」

大きく息をつきながらハルがそう告げたとき、

ハルの目の前にある寝台には、

口を耳まで引き裂いた醜悪な悪魔が圭子の身体に絡みつき、

傷つけ、そして犯している。

そんな構図の刺青をした圭子が横たわっていた。

「ありがとうございます」

顔一面に悪魔の顔が描かれた圭子はそう礼を言うと、

「ははは…

 こんなに燃えたのは久々だね…

 さっ、

 早くその身体をご主人様に見せてきな、

 きっとお喜びになるよ」

タバコを吹かせながらハルはそう言うと、

「はい」

圭子は立ち上がった。



「おやっ

 へぇぇ…」

圭子の体全体に施された刺青を見て龍子が関したように頷くと、

「これで…よろしいでしょうか?」

圭子は顔を背けながら尋ねた。

「ふむ」

圭子の言葉に竜虎は大きく頷くと、

「顔を良く見せてごらん」

と圭子に指示をした。

「え?」

「顔だよ顔」

圭子の顔に施された刺青を見せるように再度龍子が指図すると、

「……」

圭子は返事をせずに顔を上げると龍子に自分の顔を向けた。

「なるほど…」

圭子の刺青をじっくり見た後、龍子は笑みを浮かべると、

「でもねぇ…」

と注文をつけた。

「はい?」

龍子の注文に圭子は体を固くすると、

「ふふふ…

 折角の刺青がそのオッパイが台無しね」

と圭子の胸の小ぶりな乳房を指摘した。

「台無しって…」

乳房を庇いながら圭子が聞き返すと、

「見て判らない?

 小さすぎるのよ、

 ご主人様はあなたが気づくだろうと思ってあえて言わなかったけど、

 ロケットの様に飛び出したオッパイが好みなのよ」

と返事をする。

そして、

「ロケットの様に…」

「ふふ…

 知り合いの整形外科医から面白い薬を貰ったんだけど、

 使ってみる?」

困惑する圭子に龍子はアンプルを見せながら提案をした。



「これは…」

困惑する圭子の胸にはまるで壷か砲弾を思わせる乳房が2つ胸から聳え立っていた。

「ふふ…すばらしいオッパイね」

空になったアンプルを片付けながら龍子は圭子の乳房の感想を言うと、

「りゅっ龍子さん…」

高さは50cmを超え、その胴回りは1m近くはありながらも、

垂れ下がらずに突き出したままの姿を維持する乳房に手を当てて圭子は声を上げる。

「軟骨と充血した海綿体が骨格の様に内部から支え、

 垂れ下がらずに型崩れしない究極のオッパイ…

 たしかにあの医者の言ったとおりだわ、

 すばらしいわ」

勃起したペニスのごとく空を睨む乳房の感想を龍子は言い、

「しかも…」

と続けながら、

ギュッ!!

乳首から少し下を強く押すと、

「あうっ」

痛みが走ったのか圭子は呻くような声をあげるのと同時に、

ビュッ!!

パンパンに腫れた乳首の先より小便のように母乳を吹き上げてしまった。

「この胸では服は着られないですね、

 さぁ、グズグズしていないでその体をご主人様に見せてきなさい」

乳房を弄びながら龍子は圭子に向かってそう告げると、

「はい…」

ビンッ

圭子は乳房を勃起させて部屋を出て行った。



「………」

女達はみな一様に押し黙っていた。

そして、女達の視線を一身に受けて圭子はその中を歩いていく、

ビンッ…

胸の乳房は痛いくらいに硬くなり、

タラ…

ガマン汁の様に乳首の先から母乳が滴り落ちる。

「おぉ…」

圭子のその姿を見た男は感嘆した声を出すと、

すっ

圭子は男の元に跪くと靴先にキスをしながら、

「お久しぶりですご主人様…」

と囁いた。

「ほう…

 なかなかの絵を彫らせたな…

 とてもあの”源ひかり”だったとは思えないよ」

男はそう声を掛けると、

そっと圭子の肩に手を乗せた。

「ざわっ」

その様子を見ていた女達は一斉にざわつく、

「ご主人様のために書きました」

圭子は顔を上げ男を見上げながらそう告げると、

「よろしい…

 では私の部屋に来なさい」

男はそう言うと圭子を招くように去っていった。

「はい…」

女達の羨望を浴びながら圭子は部屋を出ていくと、

「大したものね」

と呟く龍子の案内で男の部屋に向かっていった。

チャッ

ドアを開くと、装飾の施されたイスに座る男が圭子を見ていた。

「あっ」

男の視線に圭子は思わず立ち止まると、

「なにをしている、

 早く中に入りなさい…」

と男は告げた。

「はい」

圭子は言われるまま中に入ると、

「ここに立ちなさい」

男は自分の前の空間を指さしてそう告げると、

圭子は言われるままその場所へと進んでいく、

そして、そこへ来ると両手を足にピタリとつけて立った。

「ふむっ

 これは君のデザインって聞いたけど?」

男の質問に

「はいっわたしが考えて書きました」

圭子はそう答える、

「で、どうだ?

 自分の身体が自分が描いた絵のキャンパスになった気分は」

「はっはい、

 とても嬉しいです」

「そうか?」

「はい」

「一生消えないんだぞ」

男の質問に圭子の目頭がジワリと熱くなってくると、

「いえっ…」

とやや泣き声に近い声で圭子は答えた。

すると男は

「そうか」

そう頷きながら、

乳房を勃起させたままの圭子の肉体をつぶらに眺めた後、

「では一つ、問題点を指摘しよう」

と言うと、

ビシッ

圭子の股間を指さし

「そこには悪魔のペニスがあるんだろう?」

と尋ねた。

「はっはい…」

「なのに、全然それらしいのが無いではないか」

「そっそれは…」

男の返答に圭子が窮すると。

「よろしい…」

男は満足そうに告げると、

パチンッ

と指を鳴らした。

カチャッ

「お呼びでございますか?」

外で待機していた龍子が部屋の中に入ってくると、

「あぁ…掃除機を持ってきてくれないか?」

と男は龍子に命じた。

「はい」

深々と龍子が頭を下げ、

程なくして持ってきたのは業務用の円筒形をした掃除機だった。

「………」

圭子は男の意図が判らずにじっと眺めていると、

「龍子っ、君がやりなさい…」

と男は龍子に命令した。

「はっ」

龍子は頭を下げると、

掃除機のコンセントを差し込み、

そして吸い込み口を圭子の股間に近づけていった。

「なっ何を…」

怯えながら圭子が尋ねると、

「ふふ…」

龍子は笑みを浮かべると、

ヒタッ

っと吸い込み口を圭子の女陰に密着させると、

パチン!!

とスイッチを入れた。

ギュォォォォォォォォ!!

猛烈な音を上げながら掃除機は圭子を吸い込み始めた。

「うぎゃぁぁぁぁ!!」

圭子は悲鳴を上げたが、

しかし、その手足は男の手下にしっかりと握りしめられて、

身動き一つ出来なかった。

「やめてぇぇ!!

 中のが出ちゃう!!」

悲鳴を上げながら圭子は訴えるが、

しかし、男はそんな圭子を眺めながら、

グッ

っとグラスに注がれたワインに口を付ける。

「いや、

 で、出ちゃう…

 出ちゃうよぉ

 出ちゃう、

 お願い止めてぇ!!」

体を震わせながら圭子は叫び訴えるが、

しかし、その言葉をかなえてくれる者は誰も居なかった。

ズッ

ズズっ

そうしている間にも、圭子の膣は少しずつ体外へ引っ張られ始め、

そして出てきた部分が長くなるに連れそのスピードは速くなっていった。

「いやっいやっ」

体内の子宮が少しずつ動き始めたのを感じながら

圭子は盛んに首を振った。

すると、

ズルリッ

突如子宮が大きく動くと

ブリュッ!!

表に飛び出してしまった。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

目を剥いて圭子が絶叫すると、

「よしっヤメロ」

男は龍子に命じた。

カチッ

龍子の手が動き、

キュゥゥゥゥゥン…

掃除機が停止すると、

ズルッ…

龍子は圭子の女陰に密着していたノズルを静かに離した。

ノズルの中から赤黒い色をした肉塊が出てくると、

ビタッ!!

圭子の股間に垂れ下がった。

「ほう…

 見事な悪魔のペニスだな…」

男は満足そうに圭子の裏返った膣を掴むと、

グッ

と握りしめた。

すると、

コリッ

膣の中の落ちた子宮が程良い弾力を持って押し返す。

「ふふ…

 立派なチンコじゃないか…」

男はそう言うと、

白目を剥いたまま気絶している圭子の頬にそっとキスをした。



「いやぁぁぁぁ!!」

気がついた圭子は裏返って表に飛び出してしまった自分の性器を

必死になって体の中に押し込もうとしたが、

しかし、子宮まで飛び出してしまった以上

もはや手術以外元に戻す手段は無かった。

「あら、気がついたの?」

圭子の様子に気がついた龍子が声を掛けると、

「お願いです。

 これを中に戻してください」

圭子は龍子にそう訴えると、

「むだよ…

 旦那様はあなたのそのオチンチンを大変気に入ったみたいだわ、

 そうそう、

 医者が言っていたけどあなたの子宮…

 血管も切れることなく一緒に飛び出したのであなたは助かったそうよ、

 もしも血管が切れていたら

 今頃は三途の川を渡っていただろうってね」

そう龍子が告げると、

「酷い…

 オッパイをこんなにした上に、
 
 アソコまでこんなにしちゃだなんて…」

圭子は両手で顔を覆うと泣き始めた。

「まぁ、良く泣く子だねぇ…

 気持ちは判らないではないけどね」

龍子は哀れむような目つきで圭子を見ると、

「そうそう、

 旦那様があなたの目が覚めたら来るようにって」

と告げると、部屋から出ていった。

ヨロッ

条件反射だろうか、

その言葉を聞かされた圭子はよろめきながら立ち上がると、

男の待つ部屋へと向かっていった。

ジンジン…

引きずり出された圭子の性器は腫れ上がると、

まるで紅色の棍棒となってその股間にそびえ立つ。

そして、それを感じながら圭子がドアを開けると、

「さぁ、早くお姉ちゃん返してよ!!」

と聞き覚えのある威勢のいい声が聞こえてきた。

「美和子?」

圭子はその声が妹美和子のものである事を瞬時に理解すると、

「だっダメっここに来ては!!」

と叫びながらへ部屋に飛び込んた。

「なっなに?」

圭子の妹・美和子は突然飛び込んできた、

不気味な刺青を全身に施した女性の登場に飛び上がった。

「なっなに、これ…女?なの」

まるで汚物を見るような視線で美和子は圭子を見ると、

「ふふ…

 何を言っているのだ?
 
 君が会いたがっていたお姉さんだよ」

と男は圭子を紹介した。

「え?、コレが

 あのお姉ちゃん?」

まるで信じられないような目で美和子が圭子を見つめると、

圭子はなんて言っていいのか判らずに俯いてしまった。

「お目覚めですか、圭子さん…

 どうですか?、

 新しいオチンチンの感触は」

優しく男に尋ねられて圭子は更に俯くと、

「きゃぁぁぁ…」

圭子の股間にそびえたつ肉棒を見て美和子が悲鳴を上げた。

「見ないで…美和子…

 見ちゃダメっ」

圭子は両手で肉棒と化した膣を隠すと、

「ほっ本当にお姉ちゃんなの?」

震える手で圭子を指さしながら美和子が尋ねた。

「ふふ…そうだよ…

 圭子さんは自ら私に尽くすためにその身体になったんだよ」

男は優しく美和子に告げると、

「そんな…

 お姉ちゃんが…」

美和子の表情は見る見る困惑してくると、

「さぁ、折角姉妹が会えたんだ…

 そうだ、圭子さん、

 そのオチンチンで妹の味を見ては如何かな?」

と言った。

「え?」

肉棒を隠しながら圭子が聞き返すと、

「そのオチンチンで妹を犯すんだよ、圭子さん…」

男は畳みかけるように圭子に告げた。

「はい…」

その途端、圭子の身体はゆっくりと美和子に近づいていく、

「おっお姉ちゃん?」

怯えるような表情で美和子は圭子を見据えると、

「ばっ馬鹿なことはやめてよ」

伸ばしてきた圭子の手を払いながらそう言うが、

ついに美和子は壁際に追いつめられると、

ダッ!!

っと走り出すと閉じているドアにしがみついた。

そして、

ガチャガチャ

っとノブを回したが、

しかし、幾らノブを回しても扉は開くことはなかった。

スッ

その美和子の背後に圭子が忍び寄ると、

ガッ

圭子の両手が美和子の両肩を掴み上げた。

「やっ止めて、お姉ちゃん!!」

声を上げる美和子に圭子は無理矢理キスをする。

「ん?

 んん?」

ぷはぁ

「お姉ちゃん…歯がない…」

圭子の口に歯がない事に気づいた美和子はそう言うと、

「そう、見ての通り歯も髪の毛も無くなったの…

 でも、ほらっ

 オチンチンは出来たわ…」

圭子はそう囁くと、美和子の手を自分の裏返った膣に触らせた。

「こっコレって…」

圭子の肉棒を表面にペニスには存在しないヒダヒダの感触を感じた美和子は

驚きながら圭子を見ると、

「そう、このオチンチンはオマンコが裏返って出来たのよ」

とそばに立った龍子が囁く。

「そんな…お姉ちゃん」

見る見る美和子の表情は恐怖から哀れみへと変わる…

「見ないで…

 そんな顔であたしを見ないで!!」

圭子はそう叫ぶながら美和子を押し倒すと下着をはぎ取った。

「はぁはぁ…」

美和子の陰毛に覆われた女陰を眺めながら、

「憎い…

 そんなに綺麗なオマンコを持つヤツが憎い!!」
 
圭子は声を荒蹴ると、

「止めて、お姉ちゃん!!」

悲鳴を上げる妹に圭子はのしかかると、

彼女の膣の中に自分の裏返った膣を押し込んだ。

「あぁ…いぃ…」

見る見る圭子の顔に描かれた悪魔の顔が和む。

「ははは…

 見なさいっ、

 女が自分のオマンコで女を犯す、

 こんな素敵なシーンはそう滅多に見れるものではないよ」

男は圭子姉妹が演じる醜態を喜びながら眺めていた。

「あっあっあっ!!

 あぁ締まる…

 あたしの子宮が潰されるぅ」

愛液を流しながら圭子は無我夢中で腰を動かしていた。



「ほっ本当にひかりちゃんは戻ってくるのでしょうか?」

1年後…

”源ひかり”復活記念コンサート会場の控え室で

マネージャは未だ現れない圭子の姿に焼きも気をしていた。

「会場はほぼ満員でーす」

スタッフの腕章をつけた女性がそう叫びながら飛び込んでくると、

「はぁ…ひかりちゃぁん…」

マネージャはグイッと胃薬を飲み込んだ。

「しかし、1年休業していたと言っても

 相変わらず凄い人気ですね…源ひかりは…」

外の廊下で圭子の登場を待ちかまえている芸能記者たちも噂をするが、

「知っているか?

 源ひかりの休業の本当の理由…?」

と言う囁き声がすると、

「あぁ、それは1年前にも色々言われたよなぁ…

 妊娠したって話もあったし

 果てまたはスランプに陥って精神科に通っている。

 なんて話もあったよなぁ…」

思い出しながら記者が呟くと、

「実はな、

 都内で開かれていた某マフィア系のカジノに行って、

 そこで大負けしたらしいよ」

「マフィア?

 そんな話は聞いたことは無いなぁ…」

記者は首を捻ると、

「ふふ…そこでひかりは色々な目にあったらしいよ」

「例えば?」

「さぁ?、

 それを確かめに俺はここに来て居るんだよ。

 何でもひかりはカジノで負けて1年間マフィアの奴隷にされていたって話だし」

「おいっそれは本当かよ」

「おっといけねっ、これは企業秘密だった」

話をしていた記者は口をつぐむと、

そそくさと立ち去っていった。



そのころ、コンサート会場の傍に一台のリムジンが停車すると、

「さぁ、圭子さん…着きましたよ」

と男は隣に座る圭子に話しかけた。

「………」

その言葉に圭子は何も返事をしないと、

「ちゃんと返事をしないかっ」

業を煮やした龍子が怒鳴ると、

スッ

男は手を上げ、

「今日はあなたの誕生日でしたよねぇ…

 本当はあなたを失うのは偲びがたいのですが、

 しかし、あなたは光の中に居るのがふさわしい…

 さぁ、ここから飛び出して行きなさい…

 私からのささやかな誕生日プレゼントです」

と言うとリムジンのドアを開けた。

とっ!!

刺青が彫り込まれた細い足がクルマの外に出ると、

ゆっくりと会場に向かって歩いていく、

「いいのですか?

 本当に開放しても…」

そう龍子が男に尋ねると、

「えぇ、手塩を掛けただけに手放すのは惜しいですが、

 でも、彼女よりも素晴らしい素材を手に入れました」

「妹…ですか?」

「えぇ…彼女は永遠に私の手元に置いておきます。

 そうですよね…美和子さん」

男がそう呟くと、

「はいっ」

剃髪と抜歯、

そして全身に刺青を施された、圭子の妹・美和子が

男のペニスをしゃぶりながら返事をした。



トクン…

「そう…」

トクン…

「あたしは自由になったんだ」

トクン…

「もぅあそこに戻ることはないんだ」

圭子はそう思いながら一歩一歩コンサート会場へと向かっていく、

全身に施された刺青も、

股間で揺れている肉棒も

そして、砲弾のように勃起し、母乳を噴出す乳房も、

圭子にとっては過去のものだった。

「あたしは帰ってきたんだ…

 あれは…そう、夢よ

 悪夢よ…

 でも、もぅ見ることは無い悪夢よ…」

そう言いながら圭子は口から入れ歯を外すと、

クシャッ!!

顔をつぶし、ファンが待ちかまえる舞台へと向かっていく、

「え?ひかりちゃんが来たって?

 直接舞台に向かった?

 それどういうこと?」

次々と入る情報にマネージャは翻弄されると、

楽屋を飛び出していった。

「圭子さん…

 お勤めご苦労様でした。」

男はそう呟くとリムジンを出させた。



圭子が向かった舞台は明かりが消され、

真っ暗な向こうには圭子の登場を今か今かと待ちかまえるファンの吐息が

圭子を1年前に引き戻していた。

「ふぁえっれひやんら(帰ってきたんだ)

 あらひは(あたしは)

 あほあふむはら(あの悪夢から)…」

圭子はそう呟くと全身に明かりを受けた。

醜く変わり果てた姿を晒して…



おわり