風祭文庫・ヒーロー変身の館






「超ムキムキマッチョマン」
(第17話:勇者との一夜)



原作・@wolks(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-358





ここはとある南の島。

お盆休みや正月などの大型連休には日本人観光客でにぎわう場所であり、

多くの芸能人たちも休暇や仕事などで利用する場所である。

その島に一人の女子高生

−それとともに最近活躍しているという謎のヒーロー−

超ムキムキマッチョマンでもある町田友紀が来ていた。

彼女は前回のスモウライダーと

マワシファイターの一件でご褒美にバカンスをもらっていた。

この間、彼女は女性として、

女性物の水着に身を包んで海やホテルのプールを満喫していたのだが、

今日ばかりは勝手が違っていた。

使われていない倉庫と思えしきホテルの一室を

友紀はひそかにこ見つけると忍び込んでいた。

「…ひさしぶりに変身してみるか」

そう呟くと彼女は用意していた男子用の競泳パンツに着替え、

ふんっと力に入れた。

すると、スレンダーな美少女が

たちまちスキンヘッドの筋肉ムキムキな男・超ムキムキマッチョマンに変身する。

「この姿で泳いだら…」

マッチョマンは倉庫を抜け出すとビーチへと向かっていく。

そのマッチョマンがビーチに着くと、

たちまち現地に来ている女性だけでなく、

男性たちもがマッチョマンに注目した。

「凄い体つきね!」

「すげえ…あれがマッチョマンか…」

ビーチで戯れるカップルたちが生で見るマッチョマンに声を上げていると

「(みんなあたしを見てる…あ…いけない…)」

注目を浴びていることを意識したのか、

不意に自分の股間のふくらみが

さらに大きく硬くなっていることに気がついた。

マッチョマンとしてポーズを決め、

ビーチの女の子と写真をとったり、

子供たちに求められて色紙にサインをしながら、

「こんなところでも人気なんだ…」

バカンスにきているはずなのに、

いつもどおりの人気とそれに伴う仕事があることを実感していた。

「ふう…」

マッチョマンが休憩を取ろうと横になったときだった。

ポーーーーーー

シュシュシュシュシュッ!

突然、ビーチに汽笛の音が響き渡ると、

カッ

煌々と前照灯を輝かせながら、

漆黒の列車…

いや、汽車ゴッゴをする隊列が海から上陸してくる。

「なに?」

あまりにも突拍子のないことにマッチョマンは目を見張ると、

ササッ

彼の背後を黒子が行きかい、

ドンッ

『羽合(はわぃ)』

と書かれた駅名標が設置される。

そして、

シュシュシュシュシューーーーーッ

ポーーーーーーーーーーーーーーッ

その目の前に”列車”が到着すると、

某映画の悪役のテーマソングを響かせて、

コーホ…

コーホ…

ビーチの光景に似合わない黒ずくめの男が

マントを翻しながら”列車”から下り立つ。

南国のビーチの空気を南極並に凍てつかせながら、

「久しぶりだな?

 バカンスは楽しんでいるのか?」

と聞き覚えのある声が響く。

その声にマッチョマンは立ち上がると

「…Uプロデューサー…?」

と聞き返した。

マッチョマンの前に現れたのは、

友紀をマッチョマンとして活躍させるにいたった張本人・Uプロデューサーだ。

「バカンスを楽しんでいて、

 別に変身してもかまわないんだが、

 君に会いたいといっている人がいてね」

Uプロデューサーはいささか真剣な面持ちで話をした。

「誰ですか?

 それは?」

「ついてくればわかるよ」

そういうとマッチョマンにUプロデューサーはアイマスクを渡した。

アイマスクをつけたマッチョマンは目が見えないまま、

ポーッ!

シュッシュッシュッ

”列車”に乗せられると、

街外れの競技場へとつれられて行かれた。

そして競技場についたマッチョマンはアイマスクをはずされると、

「さぁ、彼が君に会いたいといっている男だ」

と紹介されたマッチョマンの目の前にいた男、

それはしなやかな肉体をし、

ビキニパンツをはいた男であった、

筋肉はマッチョマンほどはないが

股間のふくらみはマッチョマンよりも大きかった。

「…俺はヌバ族の勇者・ンガニだ」

ンガニは自分の名前を言う。

「普段はこんなものを穿くのは心外だが、

 ここは部族の村ではないから仕方がない」

ンガニは自分が履いているパンツが気に入らないようだ。

「お前が超ムキムキマッチョマンとか言う輩だな?」

ンガニはマッチョマンを見るなりそう質問をすると、

「ああ」

マッチョマンは頷いてみせる。

「俺は部族の最強の勇者だが、

 ほかの人間とも勝負がしたくなったのでな」

ンガニは挑戦的に言うと、

「(なに、この態度は?

  やってやろうじゃないの)」

負けず嫌いだったマッチョマンも、

「受けてたとう。

 で、どのような勝負だ?」

と勝負の方法を問い尋ねる。

「俺の村のようなやり方でやってもらう。

 本来は泥や顔料を塗るのだが、

 ここにはこのようなものはないので

 この液体を体に塗る。

 そして、あそこで格闘で勝負だ」

ンガニが指し示したのは透明ではあるが

非常にべとついたローションのような液体であり、

さらに指し示した場所はまるでローションまみれのリングだった。

「いいだろう」

マッチョマンは一瞬無理だとは思いながらも、

ンガニの挑戦に受けてたった。



二人が自分の体をローションで覆い、

フィールドに立つと、

お互いを向かい合う。

「では、はじめ」

ヌバ族の村ではここで笛のような音がなるのだが、

ここではゴングがカーンっと鳴り響いた。

いくぞ!

二人の屈強な男は、

慣れないローションの足場に脚を滑らせながらも、

お互いに互角に戦って見せる。

しなやかな肉体の割りに強い力を持ったンガニ、

強力な肉体だけでなく、

即効で思いついた技をかけるマッチョマン

そしてそれを押さえつけるンガニという風に応戦は続いていき、

勝負がつかないまま試合は何分も経過した。

その後、

「うっ…」

一瞬の油断で倒れこんだンガニが倒れたところを

マッチョマンがうまく抑えついた。

さすがにこれには勝負があったようだ。

だが、それでもひるまないンガニと再び試合を行い、

何時間も続く死闘の後ンガニが勝つ、

その後も激しい競り合いの後に

どちらかが交互に勝っていくことが続き、

試合は時間切れと言う結末を迎えたのであった。

「見事だったよ」

そういい残してUプロデューサーが去ったのち、

二人はローションまみれのフィールドに仰向けに横になった。

すると、そこにマッチョマンが口を開いた。

「…あんた

 …実は女でしょ…

 戦う前からわかっていたわよ…」

「…やっぱりわかっていたのね…」

図星といわんばかりにンガニは口を開いた。

ンガニは自分が辰巳尚子という女性であったこと、

自分がかつてヌバ族の儀式のせいでヌバ族の勇者に変身したこと、

今の自分の夫の力で元の姿に戻ったこと、

そして自分が美香・勇者ンゴリの母親でもあることを話した。

「美香があなたのようなマッチョマンになりたいというから

 マッチョマンの力がどれほどであるのか見たかったの」

「そうだったの…」

マッチョマンとンガニはお互いを結びつけた。

「さて、第2戦といきますか…」

ンガニは疲れた体を何とか起こすと、

パンツを下げて自分の巨大なペニスを見せ付ける。

「すごく…大きいです…」

「あなたにもこの力を分けてあげますわ。

 こんなに興奮したのは夫以外であなたが始めて」

そういうとンガニは自分のペニスをマッチョマンの尻の中に入れた。

自分の中に厚いものが入ってくると同時に、

何か力がみなぎってきたような感じがした。

そして、二人はお互いのペニスを咥えると激しく交わった。



数時間後、

二人はお互いの姿を元に戻した。

「尚子さん…すごくお若いんですね」

友紀の目の前にいたのは、

ローションと精液にまみれ、

さらにビキニパンツ1枚ではあったが

とても二人の子供の母親とは思えないほど

若々しく、絶大なプロポーションを誇って見せる尚子の姿だった。

「これが若さの秘訣でもありますの。

 あなたも十分にいい体をしてますわよ」

そういえば自分もマッチョマンに変身するようになってから

きれいになったといわれることが多いことを自覚していた。

シャワーを浴びて服を着替えて競技場の外に出ると、

まるで周囲は夜明けの佇まいとなっている。

「あら、もうこんな時間…

 ホテルに戻って寝ないと…」

そういい残して尚子は去っていく。


その日の夕方…

マッチョマンの姿で人気のないビーチで横になっていた友紀の前に、

突然男の声が響いた。

「友紀お姉ちゃん!

 ひさしぶりね!」

そこにいた男…自分と瓜二つの肉体に

青いビキニパンツを着用したスキンヘッドの男だった。

そして、その面影は自分の妹分・美香のものだった。

「あたし、今日からマッチョマン2号として

 友紀お姉ちゃんと働くことになったの!」

突然現れたマッチョマン2号の体を触るマッチョマン1号、

そしてマッチョマン2号は1号の股間のふくらみを触る

「美香…あんたもこんなに立派な筋肉がついて…」

「友紀お姉ちゃんもこんなに立派なおちんちんがついて…」

二人はお互いの再会と成長を喜び、

その姿のまま再び絡み合ったのだった。

数時間が経過し、

美香が自分の家族のところに戻る時間になったころ、

二人は元の姿に戻った。

「絡むのもいいけど、

 あんまりここでやっちゃうと日本に帰ってから持たないわよ」

「わかってるよ!」

二人はこれからの活躍に期待に胸を膨らませていた。



マッチョマンが居る限り、

この世に悪は栄えない!



おわり