風祭文庫・ヒーロー変身の館






「超ムキムキマッチョマン」
(第8話:試練の祠)



原作・@wolks(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-265





ある地方の村では、このような言い伝えがあった。

「113年に一回、

 大男を狭い石室に入れ、

 長時間変化が無ければ次の113年は安泰になる…」

だがその地方は過疎化が進み、

屈強な若者などは一人もいなかったという。 

途方にくれた村長は、全国各地に応援を求めたのだが、

どんなに屈強な若者とはいえ、

そのようなことが出来る人間などほとんどいなかった。

…たった一人のある男を除いては…


―ここはある地下室。

ここには約数週間にわたり、一人の男が閉じ込められていた。

体の色は黒く、隆起した全身の筋肉を見せ付けるスキンヘッドの男、

そして股間は青いビキニパンツを大きくもっこりさせていた。

しかし、顔をよく見るとどこか少女のようにも見えなくも無かった。

「…うおおおおおおおおおおおおおおおお…」

突然男は雄たけびを上げると、

パンツの中から黒く巨大なペニスを取り出すと、

勢いよくしごき始める。

彼は超ムキムキマッチョマン。

彼を雇っている男の命令によりいろいろと動く以外は

ここでペニスをしごいたりする程度の楽しみしかない。

彼がここに入所してからやく3週間が過ぎようとしていた。


事の起こりは3週間前

「…そんな元に戻らない…」

と超ムキムキマッチョマンはその漆黒の顔を真っ青にしていたのであった。

実はこの直前、

真夜中に坂道を転げ落ちると言う離れ業を演じた超ムキムキマッチョマンだが、

その坂の特殊な効果によりなぜか何時間も経過しても元の姿に戻らなくなってしまったのであった。

恐らくその坂が持つ特殊効果に可逆的な変化を不可逆的なものにする作用もあったらしいのだが、

いくら調べてもマッチョマンを本来の姿である町田友紀という一人の女子高生に姿に

戻す方法は見当たらなかったのである…

「俺のチンポ…

 こんなにでかくなってきやがったぜ…

 へへへ…」

男の体での快楽すらも覚えてしまった友紀、

もはや彼女はこの姿のまま生きていくことを受け入れなければならないのだろうか?

そう思っていた矢先、

雇い主であるUプロデューサーが地下室にやってくると。

「仕事があります…今日は外での仕事です」

と話しかけてきた。

「外か…3週間ぶりだな」

久々に娑婆に出たというような超ムキムキマッチョマンだったが、

アイマスクと両手を檻の中に入れられてしまうと、

そのままヘリコプターで遠くまで輸送されてしまった。

彼が運ばれてきたのはひとつの伝統が残る村―射干玉(ぬばたま)村だった

「おお…屈強な若者が…」

マッチョマンを見て一人の老人が歓声を上げた。

「ちょ…こんなところまでつれてきて…なにをするつもりだ…」

と超ムキムキマッチョマンは疑問に感じると、

それを感じ取ってか村の村長が説明をはじめた。

「実はこの村では113年に1回、

 大男を狭い石室に入れるという儀式を行っており、

 長時間変化が無ければ

 次の113年は安泰になる…というものなのじゃが、

 なにせこの村には屈強な若者がおらん…

 しかし儀式が成功せねばこの村、

 いやこの世界が大変なことになるかもしれん」

と説明をする村長の切実な眼差しを見て

超ムキムキマッチョマンは

「わかった…引き受けよう。

 俺をその儀式の場所まで案内してくれ…」
 
と告げた。

村長は村からさらに10キロほど離れた山のなかに案内すると、

「あの崖の真ん中にある洞窟は”射干の祠”といって、

 あそこに屈強な若者を一人はいればよいのだ…」

と言う。

それを見た超ムキムキマッチョマンは断崖絶壁をなんとか登り、

穴に入るとそこには不思議な光景が広がっていた。

「狭そうに見えたのに随分と広いな…」

そう言って関心をするマッチョマンの目に前には広い洞窟が広がっており、

その奥にはひとつの像が建っていたのであった。

超ムキムキマッチョマンはその像に近づくとアレコレと調べ始めてみる。

すると…

「わが体に触る者は誰か…」

と言う声が響いたのであった。

「像が喋った…?」

突然のことにマッチョマンは驚くと、

喋る像、だがよく見れば裸の男のようであった

すると、

「われにそなたの穴を差し出せ…」

と男は話しかけ、

「穴を…?」

それを聞き、

しばらく考え込んだ超ムキムキマッチョマンだったが…

なんと自分のパンツを脱ぎ、

尻の穴を銅像に差し出したのであった。

しかし男はマッチョマンの行いに驚くことは無く、

なんとマッチョマンの尻の穴にその巨大なペニスを思わせる棒を押し込んだのであった。

「うおおおおおおお…うお・・・・・・気持…気持いいぜ」

マッチョマンは今までに感じたことのないものとともに、

なにやら熱いものが注入されてゆくのがわり、

たちまち絶頂を迎える。

そして、

「たまには男に掘られるってのもいいもんだな…まるで…女に…」

と熱いものが注入されてゆくうちに、

彼の頭の中に「女…」という単語が浮かんでゆく

すると、

「女…女…あれ…でも俺…いや…あああああああ」

彼の体は少しずつ崩れ、

「女…そう…あたしは女…

 女子高生…町田友紀…

 そう…もとはそれだった。

 今は変身してるけど…」

そう呟きながらマッチョマンの中で封印しようとしていたものが溶け始めてゆく…

そして…

「ああああああああああああああああああああああああああ」

彼女が再び絶頂が訪れると体は徐々に縮み、

ペニスや睾丸が消失して縦の溝が刻まれ、

尻や胸のふくらみは戻り、

体の色は白くなり、髪も生えて長くなり、

そのまま地面に倒れこんでしまったのであった。


それから数時間後、

村長の家で寝巻きを着せられて寝ていた友紀が目を覚ました

「元に…戻っている…でもなんかお尻が痛い…」

「おお、目が覚めたか。

 いやあ、像に尻を刺されていたあんたを見つけたんでな。

 これで儀式は成功、村は安泰、

 ありがとうございますじゃ」

と村長に感謝された友紀は少し照れていた。

そして、この試練を乗り越えた友紀はUプロデューサーから新たなことを聞かされる。

「え…好きに変身して好きに戻れるんですか?」

「ええ。今回の試練を乗り越えたことであなたは

 いつでもあの姿になっていつでも戻れるようになりました。

 これからの活躍に期待しています!」

こうして友紀は新たなる成長段階に突入することとなったのであった。



おわり



この作品はに@wolksさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。