風祭文庫・ヒーロー変身の館






「鮮血のアーシラ」
(第2話:アーシラ誕生!)

作・あむぁい

Vol.T-121





「おいっ沖田、

 お前包茎だよな?」

びゅぼ。

斉藤のその一声と共に僕は飲んでいたシェイクを一気にふき出した。

部活帰りの夕方のマクドナルド。

隣の女子高生がこちらを見てひそひそ話している。

「おい。

 ななな、何の…」

竹刀が入った皮袋を抱きしめながら僕は取り乱すと、

「恥ずかしがる事無いさ。

 知っているか?

 日本の成人男性の実に7割が包茎なんだ。

 いや、いい先生がいてよ。

 はい、これ」

などと言いながら斉藤は一枚の名刺を僕に差し出した。

「ココロとカラダの悩み、お受けいたします 真城…」

名刺を眺めながら僕はそう読み上げると、

「おっと間違えた、こっちだった」

との斉藤の声と共に

シュパッ!

いきなりその名刺が姿を消すと、

別の名刺が僕の指間に挟まれた。



「あなたのカラダの悩み、お受けいたします 医学博士・土方響子」

「ん、さっきの名刺とどこが違うんだ?」

Vサインをした美女のプリクラが貼ってある名刺を眺めながら僕はそう呟くが、

しかし、このプリクラのなんだか冷たい目にVサインがアンバランスで、

なんてゆうか。

萌えを感じてしまった。

すると、

「サービスがすごいんだよ」

ひそひそ声で斉藤が言う。

斉藤武・こいつとは小学校からの悪友で、

同じ高校に同じ剣道部といつも俺の隣にはこいつがいる。

でもこいつの言う事を聞いては碌な目にあってないのだが、

しかしなぜか憎めない、そんな間柄だった。

「サービスって?」

ちょっと期待を込めてひそひそ声で確認すると、

「まあ、行ってみなよ。

 学校そばの壬生医院。

 明日土曜日だから、13時から予約しといた」

「おい、勝手に…

 第一、金とか保険証とか」

「只でしてくれるって。

 あぁ…

 お前のことをその土方先生に話したらすごく興味を持ってな、

 是非にと…」

「は?」

「先生、剣道部の男子を見ると萌えてしまうんだってよ、

 特に沖田という苗字は昔付き合っていた彼氏を思い出すとかで、

 ふふっ

 この果報者めっ」

ニヤケながら斉藤は肘で僕を突付く、

「そっそうか?」

斉藤の言葉に僕は顔を赤くしながら返事をすると、

「あっそうそう

 手術に慣れてないんで練習がてら…

 ということだそうだ」

と付け加えた。

「れ、練習…?」

それを聞いて僕はちょっと怖くなった。

「大丈夫。

 簡単な手術だし。

 こんな美人な先生がお前のあれを触ったりしてくれるんだぞ」

「う…」

「じゃ、頼んだからな」

斉藤は言うだけ言うと去って行こうとしたとき、

「おいっ、

 斉藤」

僕は奴を呼び止める。

「なんだよっ」

「ひとつ質問していいか?」

「あん?」

「なんで、一介の男子高校生であるお前が、

 その、土方先生のこと詳しく知っているんだ?」

「あははははは…

 まぁ細かいことはいいじゃないか、

 人生いろいろ、
 
 改革なくして前進はなし。
 
 いいか、沖田。
 
 これはお前の構造改革でもある。

 一皮剥けて来い、
 
 バラ色の未来が待っているぞ、
 
 では、健闘を祈る」

とすき放題言った後、斉藤は俺の前から立ち去っていった。

勝手な奴…ま、いいか。



「ふぅぅん、君が沖田君ね、

 斉藤君から聞いていたわよ、

 待っていたわ、

 初めまして、土方です」

「あ、よろしく」

誰かに見られないかとひやひやして入ったが、

病院では待たされずすぐに入れた。

「そのサングラス、変装なの?」

僕の変装を見た土方先生はぷっと吹き出すと、

「あ、いえ…」

僕は頭を掻く。

「そんなに恥ずかしがらないでいいのに。

 でも、可愛いから特別にサービスしちゃおっかな」

特別サービスの言葉に僕はどきんとする。

「じゃ、先ず、全部脱いで」

え?

「全部ですか?」

「大丈夫。

 ここには可愛い娘しかいないから」

確かに土方先生をはじめ看護婦さんも可愛い子ばかりだ。

ピンクのナース服…うっ萌え。

僕はどきどきしながら裸になる。

「じゃ、これにおしっこ取って来て」

「は、はい」

なんで脱ぐ必要があったのだろう。

ちょっと僕は首をかしげる。

「ここでしたい?」

「い、いえ…」

僕は真っ赤になってトイレに行き、

そこでおしっこを取った。

「はい。

 どうぞ」

「じゃあ、次は血を採って、それから…」

結局、全裸で採血、性格診断、問診、レントゲン、と色々いじられて…直腸触診…

「ん〜異常ないですねえ」

僕のおちんちんはずっと前から勃ってしまって、

異常な恥ずかしさの中、

早く検査を終わらせようと先生の言いなりに動くしかなかった。

「さてと。

 それじゃあ」

ようやく検査が終わるのかと思うと僕はほっとした。

大体、なんで包茎手術にこんなに検査がいるんだ…

「手術をしたら、1週間はオナニー禁止。

 先生の言う事聞けるかな?」

「はいっ」

僕は真っ赤になって頷く。

こんなにちんぽ勃てては全く説得力が無い。

「偉いぞ。

 沖田くん。

 じゃ、これはわたしがなんとかして、あ、げ、る」

僕の頭をなでながら土方先生はそういうと、

優しく、僕のおちんちんを手で包む。

ああ。

ほんとにこんな展開あったんだ。

武、有り難う!

しゅる。

しゅる。

しゅる……

しゅる…しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる。

しゅるしゅるしゅるしゅる…

……

…どぴゅ。

あ、早い…、

「んー、早いわね」

「す、すいません」

これまでに味わったことのない恥ずかしさを感じながら僕はうつむく。

「溜まってるみたいだから、もう、2、3回抜いときましょ。

 その代わり、さっき言ったとおり1週間はオナニー禁止よ。

 約束を守れたら、1週間後の抜糸の時にもっと良いサービスをしたげるから」

「は、はい。

 約束します!」

先生のその言葉に僕は飛び上がるようにして誓った。



はあ…、

はあ…、

僕はぐったりしてしまった。

結局、5回も出しちゃっただろうか…良かった。

「だいぶ、サンプル取ったし。

 もういっかな。

 じゃ、手術を始めますね」

最後には半裸になって僕を励ましてくれた土方先生が再び白衣を着て言う。

「はい」

ベッドに寝かされ、腕に点滴が入れられる。

「これは?」

「ああ。

 急に様態が変化したときとかにすぐに薬を使えるようにしとくの。

 手術の基本ね」

へえ。

そうなんだ。

疲れたからか、急に眠気が襲ってくる。

「ああ、寝てるうちに終わりますよ。

 寝てるうちに…」

優しい土方先生の顔を見ながら、僕は眠りに落ちる。

先生の夢が見れるといいな…



ん…あれ…僕は…

「あら、起きちゃったの?」

土方先生…

「あの…」

あれ、声が変…

「良い子だから、もうちょっと寝ててねー」

先生は点滴に何か薬を追加する。

すると、僕は又眠くなって…



「はい。

 手術は成功です。

 おめでとう」

「え?

 あっありがとうございました」

目が覚めた途端言い渡された手術終了の言葉に

僕は慌てながら先生にお礼を言う。

「じゃあ、薬を出しますから、受け取って帰って下さい。

 あと、1週間はオナニー禁止。

 来週の土曜日にまた来てね。包帯を取りましょ」

「はい」

僕のおちんちんは包帯でまかれている。

ちょっと腫れているのか、一回り大きくなったようだ。

「えーっと、これが消毒液で毎日消毒してください。

 お風呂はしばらく控えて下さい。

 熱が出た時はこれを。

 体がだるい時はこれ。

 むしゃくしゃしたりかっとなった時はこれ。

 オナニーが我慢できなくなった時はこれ。

 眠れないときはこれ。

 それから…」

僕は山のように薬をもらって帰途についた。



家に帰ると母さんと父さんに無断外泊とさぼりについて怒られた。

今日はもう月曜日らしい。

おかしいな。

あんまりうるさかったので、

先生方もらった親に怒られたときの為のスプレーを使ってしまった。

すると、両親は一瞬きょとんとした顔をしたが、怒るのをやめてくれた。



消毒するとおちんちんが焼けるように痛かったが、

でも、我慢して塗り続けたが

結果としてさらに腫れあがってしまった。

大丈夫なのかな…

ふと心配になる。



水曜日の夜には高熱が出て大量の汗が出た。

でも、薬があったから大丈夫、なんとかなった。

金曜日にはオナニーがしたくて仕方無くなった。

でも、薬をばりぼり食べて、頑張った。

土方先生との約束だし。

明日まで我慢したら、土方先生に褒めてもらえて…そして…

土曜日、待ちきれなくて僕は朝8時半から病院の開くのを待っていた。

早く先生に会いたい。

僕はもう気が狂いそうだ。

ズボン越しでも勃っているのがわかるぐらいに僕の股間ははちきれそうだった。

「もう、来てたの?」

「土方先生…」

私服の先生が後ろから声を掛けてくれた。

清楚な感じ。

シャンプーの匂い。

「じゃ、入りましょう」

先生は裏口から僕を入れてくれた。



「変わった事は無かった?」

僕はありのままをぺらぺら話したが、心はうわのそらだった。

「それで、オナニーは我慢できたのね。

 偉いわね」

「はい。

 先生の言いつけですから」

先生の言いつけを守るのは何より大切だ。

僕はズボンを脱ぐ。

かなり腫れあがっている。

先生は包帯を取り外す。

「順調ね。

 じゃ、注射を打つわね」

「え?」

土方先生はアルコールで消毒すると、

僕のおちんちんの根元に注射を打つ。

すごく痛かったし、また一段と腫れが増えた気がする。

泣きそうな僕の顔を見て土方先生は言う。

「良く我慢したわね。

 ご褒美よ」

先生の指が優しく僕のおちんちんを刺激する。

い、痛いけど、でも気持ち良い…

ぼくの鼓動がどんどん早くなる。

ああ。

出るっ。

射精と同時に僕の頭は真っ白になり、そのまま僕は意識を失った。



気がつくといつの間にか僕はベッドに寝かされていた。

先生はパソコンに向かって何か作業をしている。

僕の体には電極が取り付けられていた。

「あの…」

僕が声を掛けると、先生は振り向いて優しく笑う。

「んー、基本的には大丈夫なんだけど。

 射精すると、気を失っちゃうみたいね」

「そんな…」

ぜんぜん大丈夫じゃない。

僕は愕然とする。

それだとオナニーもまともにできないじゃないか。

「大丈夫。

 先生が責任をもって治療するわ。

 明日から毎日、ここにいらっしゃい。

 射精しても気を失わないように、いっしょにがんばりましょう」

え?

それって、毎日先生がしてくれるって事?

ラッキー。

僕は真っ赤になった。

「だから、勝手にオナニーしちゃ駄目よ。

 先生の言う事を良く聞いてね」

「はい」

僕は土方先生と指きりをして別れた。

既に10時をまわっていた。

また、たくさんの薬をもらった。



次の日から毎日土方先生のところへ通った。

毎日僕は注射を打たれて、先生に抜いてもらった。

僕は射精するたびに意識を失ってしまう。

そして何時間後かに目覚めるのだ。

そして大量の薬。

サプリメント。

時々、すごく不安になるのだが、

土方先生と遭えるだけですごく幸せで、

こんな生活もまんざらではないのかもしれないとも思う。

昨日は夢の中で土方先生が出てきて、責任を取って結婚してくれる、

なんて言われて舞い上がってしまった…まさかね。

いつまでも、こんな事ばっかりしている訳にもいかない。

受験もあるし、勉強もしないと。

僕は朝早起きして勉強する事にした。

なんとか、成績も中の上をキープして、

公務員試験を通って安定した生活を築きたい。

父さんみたいな凡庸な公務員になって、

可愛いお嫁さんをもらって…

ああ、土方先生がなってくれたら…、

そのためには、ちゃんと今勉強しないと。

でも、先ずはおちんちんを治さないと…

しかし、僕のおちんちんはますます腫れあがり、

付け根のほうから黄色い膿のようなものが出ている。

先生は大丈夫って言うけど…

本当に大丈夫なんだろうか。

そういえば最初はひどく痛かった注射も最近はほとんど痛みを感じない…



土曜日、僕はベッドに寝かされて、土方先生の診療を受けていた。

「もう、ぼちぼちいいかしらねえ」

「何がですか、先生?」

「ん〜、あきらくん、

 ちょっと大の字になってくれる?」

「こっこうですか?」

先生のその言葉と同時に僕が大の字になると

カシャっと音がしてあっという間に手足が拘束されてしまった。

「あ?

 あの?

 先生?」

「大丈夫。

 痛くない…訳ないか。

 ま、どっちかっつーと気持ちいいから」

困惑する僕に先生はそう言いながらおちんちんに顔を近づける。

もちろん僕のおちんちんはいつものように勃っている。

ところが先生の手には針のようなものが握られており、

つんつんと僕のおちんちんをつついた。

やめて、痛い…あれ、痛くない。

「痛い?

 沖田くん?」

「いえ…」

「ふむ。

 じゃあ」

先生は僕のおちんちんの根元をにぎると、

そのままねじり始める。

90度。

180度。

360度…、

い、痛い…、

ぶちぶちと嫌な音がする。

「せんせい…」

僕は涙目で講義する。

先生はねじるのを止めない。

おちんちんの根元からは血が流れている。

「こんなもんかな」

そう言いながら先生が手を離しても、

僕のおちんちんは捩れたままだ。

ああ。

僕のおちんちんは一体…

先生が優しく僕の方を見る。

「先生、僕のおちんちんは…」

「こうなっちゃったの」

先生はにっこり笑うと、

僕のおちんちんを思いっきり上に引き上げた。

ずぼっ。

え?

先生の手には僕の体から離れた大きなおちんちん!

ああっ!

そんなっ!

「大丈夫。

 大丈夫。

 これはほんの皮だから。

 皮を取りにきたんでしょ」

ああっ。

有る!

良く見ると、僕の下腹部には未だおちんちんがある。

一回りか二回りちっちゃくてピンク色をしてるけど、

立派なおちんちんだ。

あぁ良かった良かった…

「さてと、沖田くん。

 あなたには説明してなかったけど。

 実はあたし、医師免許もってないの」

「えええええっ!」

「そんで、さらにとある秘密組織の一員」

「えええええっ!」

先生のその言葉に僕が驚きの声を上げると、

スッ

土方先生はゆっくりと立ち上がり、

チャッ

白衣のポケットから携帯電話のようなものを取り出すと、

手際よく一枚のカードを通す。

「?

 何やっているんだ?」

先生の行為を僕はきょとんとして見ていると、

さっ!

先生はそんな僕にお構いなく右手を上へと掲げ、

そして、何かを叫んだ。

すると、

パァァァッ!!

土方先生が掲げた手の先より閃光がほとばしると、

瞬く間に先生の姿は光の中へと消えて行く。

「うわっ

 なんなんだぁ!!

 いったい!!」

突然の閃光に僕は目を瞑りながら思いっきり叫ぶと、

「ふふっ

 お待たせ!」

程なくして先生の声が僕の耳元で響いた。

「え?」

その声に僕は目を開けると、

ブルーを基調にしたちょっとHなドレスに身を包んだ女性…

いや、土方先生がそこに立っていた。

「え?

 なっ

 は?」

いきなりの変身に僕は目を白黒していると、

「ネオ新撰組の隊士・蒼雹のジーナス…

 うふっ

 それがあたしの名前…

 それでね、沖田君にはあたしと共に

 ネオ新撰組の隊士をやってもらおうかなってね」

「あああああっ」

大ピンチだ!

僕は文字通りとんでもない組織にとっつかまって裸で大の字に拘束されているのだ。

うわあああん…

しかも、勃起したまま。

「実はあなたの改造はこれまでで9割9部終わってて、

 後は最後の仕上げだけなの」

「うそだ!

 土方先生!

 僕を騙して遊んでるだけなんでしょ?」

「土方先生じゃないわ、

 ジーナスよ、

 ジーナス」

土方先生、いや、蒼白のジーナスは僕にそう言い聞かせると、

腰のそばに腰を下ろすとすっごく楽しそうに笑う。

そして、

「この新しいおちんちんはねえ。

 変心回路になっているの。

 起動すればあなたはネオ新撰組の隊士アーシラとして覚醒するの。

 もう既にあなたの頭の中には色々インストール済みだし」

「うわあああん」

「そんで、最初に変心回路が起動した時、

 あなたはそれを起動させた人の命令には絶対逆らえなくなるの。

 楽しいでしょ」

「楽しくあるかぁ!」

ジーナスの言葉に僕は思いっきり叫んだが、

しかし、このシチュエーションにもかかわらず

僕のおちんちんは爆発寸前の状態になっている。

なんでだ!

「さあーって、いつまで我慢できるかなぁ。

 ちなみにこのおちんちん、感度は今までの3倍になってまーす」

と言いながらジーナスの指の先が僕のおちんちんに触れるのと同時に、

あっ。

ピュッ!!

僕は射精してしまい、その精液がジーナスの顔を直撃してしまった。

ふええええーん。

これで僕はジーナスの奴隷になっちゃったのか…

自分の不幸な身の上を嘆いていると、

とっくん。

とっくん。

胸が高鳴ってきた。

ジーナスの顔から目が離せない。

あぁ駄目…

「あんたねえ。

 せっかく2週間かけて、あたしが演出したお楽しみをものの1秒か2秒で…」

うわっお、怒ってる。

何故だか怒ってるよ。

「えぇいっ

 沖田あきらっ、

 あんたは今後一生オナニー禁止!

 あたしの命令があった時とあたしが見てる時を除いてね」

ああああ。

駄目だ。

言葉が頭から離れない。

「返事と復唱!」

「はい…僕は一生、ジーナス様の命令があった時と見ている前以外では、

 決してオナニーを致しません…

 ああ…ひどい…」

僕は涙を流して抗議する。

ひどすぎる…

「何言ってんの。

 これはあなたの為を思っての命令なんだから。

 やたらと変心したらこまるでしょ」

「変心…」

ああああ。

なんだか下半身がむずむずする。

僕のおちんちんの先がぱっくり二つに割れる。

そしてくるくる丸まった先端はカールして体の中に入ろうとする。

一方、付け根のほうはじりじりと脈動し盛り上がりつつ膣口を形成して行く。

それがすごく気持ち良い。

ああああ。

程なく僕のおちんちんは完全に消失し、代わりに女性器が出現した。

「さあ、目覚めよ!

 ネオ新撰組最強の隊士!アーシラ!」

ドクン

ドクン

女性器から広がる波動が僕の全身を変える。

胸が膨らむ。

お尻が膨らむ。

盛り上がる筋肉。

伸びる身長。

全身に力がみなぎり、闘志がたぎる。

気分が晴れやかになる。

あたしを拘束していたさまざまなしがらみ。

それらが一気にぱあッと消える。

志半ばで倒れた者の為に!

そして、フューラー様の為に…

(ってフューラー様ってだれ?)

燃え盛るような闘志を抱きながら’あたし”は軽く手を持ち上げ拘束を強引に外す。

そして、ベッドから降りたとき、

ガチャッ!!

これまで硬く閉じられていたドアが開き、一人の男性が入ってきた。

年は20代後半、アイボリーのジャケット軽く着流し、

一見優男に見える男だが、

しかし、その目は冷たい視線を放っている。

「あっフューラー様…(え?あんたが?)」

男性を見た途端、あたしは彼をフューラー様と呼び、

即座に跪いた。

「フューラー様。

 アーシラの改造。

 すべて完了いたしました」

「…よくやった…

 では、その成果を見せてもらおうか…

 戦え…

 戦うのだ!

 アーシラ!」

その声が響き渡ると同時にフューラー様の背後よりネオ新撰組のTソルジャー。

サムソンとコナンが前に出てきた。

「はい?」

突然の展開にあたしは一瞬、目を白黒させるが、

しかし、

「!!

 ふん、そういう事か」

たちまちフューラーの意図を読み取ると、

闘志が湧き、あたしは立ち上がり構える。

その途端、あたしに向かって突っ込んでくるサムソン。

遅い!

余裕を持ってあたしはサムソンをよけると

様子を見ていたコナンに近寄り、

右手を取り、ぽきりと折る。

そして、そのままその腕を毟り取り、

サムソンへと投げる。

避けようとしてバランスを崩すサムソンに

ダッシュして正面から締め上げる。

サムソンの顔が変色し始める。

「おぉ、さすがネオ新撰組の最強隊士!

 よいかっ

 改造人間・アーシラ!

 おまえの敵はただひとつ、

 この日本国を意のままに操る長州だ!!

 ゆけ…

 ゆけ、アーシラ!

 阿修羅となり、
 
 その体内に組み込まれた変心回路を存分に使え!

 日本を飲み込んだ長州が吐き出すまで追い詰めろ!!」

フューラー様の声をバックにあたしは既に半ば落ちているサムソンの腹に膝蹴りを叩き込む。

2発。

3発。

骨の折れる音が心地良い。

後ろから片手で襲い掛かるコナンに回し蹴り。

これで、左も使い物になるまい。 

「ははははは…

 それでいいのだ!

 それでいいのだ、アーシラよ!!」

「そこまでにしてあげなさいアーシラ。

 Tソルジャーと言えども死んでしまいます」

ジーナスの制止にしぶしぶあたしは腕を止める。

まあいい。

こいつらは別に敵じゃない。

Tソルジャーたちの変身が解ける…

あっあの看護婦たちだ。

「アーシラよ、最後の仕上げは私自ら行おう。

 お前の子宮の奥深くにある変心回路。

 これを起動させねばならん。

 そしてそれが起動した時、お前は完全なネオ新撰組の隊士となるのだ!」

フューラー様のその言葉が響き渡ると、

ポン

ポン

フューラー様の両脇に小さなまん丸の耳を振りかざす赤と青のネズミが破裂音と共に姿を見せ

『あぁ、もし太平の世が続いていたのなら、
 
 フューラー様はこの日本をお導きになる尊い地位にお付になるはずなのに…
 
 いいですかっ、
 
 アーシラ!!
 
 にっくき長州を倒し、
 
 ジーナスと共にフューラー様にこの日本を献上するのですよ。

 さぁアーシラ、

 フューラー様より洗礼を受けるのです』

と声をそろえて僕に告げた。

なっなんだ、こいつら…

まるで異星人を見るような視線で’あたし’はネズミたちを見ていると、

「ほらっ

 アーシラ、

 フューラー様はお待ちかねよ」

とジーナスがそっと囁いた。

「え?」

ドキン

心臓の音が高鳴る。

戦いの時よりずっと緊張している。

ああ、もうすぐ、フューラー様の…

「四つんばいになって尻を上げろ」

「はい…」

ひどいよ…

いきなり、こんな体位で。

あたしは変心回路が起動したら完全なフューラー様の奴隷になっちゃうのに。

フューラー様のお顔を見ながらイって、

フューラー様の奴隷になりたいのに…

こんな。

フューラー様の手があたしのお尻をぺちぺち叩く。

「もっと高く上げて。

 手で入れやすいようにぱっくり開け」

ああん。

あたしは、言われた通りにお尻を上げておまんこを拡げる。

今でもこんなにフューラー様の言いなりなのに、

変心回路が起動したらどうなっちゃうんだろう…

あたしは期待に胸を振るわせる。

ずんっ。

下腹部に衝撃が走る。

いきなりフューラー様のものが入って来たのだ。

痛い…鮮血がお尻を伝う。

「すべりが悪い。

 もっと、濡らせ。

 うれしく無いのか?」

「す、すいません」

ああっ。

折角、フューラー様の寵愛を受けているのに!

こんな痛みぐらいで…

あたしは一生懸命いやらしい事を考える。

フューラー様のちんぽ。

犯されるあたし。

フューラー様のちんぽ。

犯されるあたし。

フューラー様のちんぽ。

犯されるあたし。



「その調子だ。良くなって来たぞ」

「有り難うございますっ!」

良かった。

濡れて来た。

はんっ。

フューラー様に、

はんっ。

見捨てられたら、

あたしは、

あはんっ。

どうしたらいいの。

あうん。

この体も力も、フューラー様の為にあるのに、

ああっ。

もう少し。

しかし、フューラー様のおちんちんは抜けてしまう。

ああん。

ここっ。

ここですっ。

あたしのおまんこはここですっ。

あたしは思いっきりおまんこを拡げる。



「変心回路が見えているぞ」

「ああん」

「これが作動すれば、お前は一生俺に逆らえない」

「早く作動させて下さいっ!」

「ふむ。

 お前の顔が見たくなった。

 仰向けに寝っ転がって、足を上げろ」

「は、はいっ」

やった。

フューラー様の顔を見ながらイかせてもらえる。

なんて優しいんだろう。

あたしはいそいそと姿勢を変えて、フューラー様が入ってくるのを待つ。

「早く、早く来て下さいっ!」

「良い顔だ。

 どうしてそんなに欲しいのだ?」

「あたしはフューラー様に抱かれて初めて完成するのですっ!

 早くっ!」

「見事な手際だな。

 ジーナス」

「まあ、お手本がありましたから」

「くくく。

 では、アーシラよ、その身を捧げよ」

「はいっ。

 フューラー様っ!」

ずぶぶっ。

フューラー様が再びあたしに入ってくる。

うれしい。

あたしはもうすぐ完成するのだ。

フューラー様の顔。

フューラー様の息遣い。

フューラー様の匂い。

フューラー様の温もり。

「さあ、私を受け入れその心に私を焼き付けるのだ」

ああっ。

早く、あたしをフューラー様のものにして下さいっ。

ああ。

ああああ。

あたってる。

あたしの変心回路に当たっている。

ああっ。

作動。

作動しちゃう。

ああん。

ああっ。

カチッ。

いくーっ。

はあっ…幸せ…、

なんてあたしは幸せなんだろう…

僕はとても満たされていた。

腕をまわして、フューラー様にキスをする。

ああっ。

フューラー様。

「いつまで抱きついてんのよ。

 はいっ。

 これで終了。

 アーシラ完成」

「あああ…」

ジーナスの声と共に僕は愕然とする。

僕は今、アーシラになっていて、

フューラー様のものにすごくなりたくて…

なっちゃった。ああ…

「あ、フューラー様。

 もう良いです。

 ご苦労様でした」

すぽっ。

フューラー様のものが引き抜かれ僕は強い喪失感を味わう。

「あっ、待って…」 

僕は起き上がり、思わずフューラー様を追いかけかける。

「フューラー様のあれが欲しければ、

 せいぜいがんばってスペックに見合う活躍をして頂戴

 言っておきますが、あたしの足を引っ張ったら承知しないから」

「はい…」

ジーナスの言葉に僕は思わず返事をしてしまう。

「それから、今、国民年金には入っているの?」

「は、はい。確か」

長州の指図で10歳以上の日本国民は国民年金への加入が義務になっている。

確か、両親が払ってくれているはずだ。

「即刻、入金を止めなさい」

「ええーっ!」

「命令です」

「くく…はいっ」

なんて事だ。

僕は将来年金がもらえないかもしれない。

それどころか、年金の未加入がばれたら公務員試験に悪影響が出るかもしれない…

ああ、僕の人生設計が…

「ったりまえでしょ。

 年金を崩壊させ、あたしと共に長州からこの日本を取り戻そうって言うんだから、

 その組織の一員が年金払ってどうすんのよ。

 ちったあネオ新撰組の隊員としての自覚を持ちなさい!」

げしっ、ジーナスの蹴りが入る。

「す、すいません」

そんな事言われても…

「あと、これ、アーシラの衣装だから」

真っ赤なレオタードを渡される。

「常に服の下に着とくように。命令」

「あうう…」

「返事は、はい」

「はい」

とんでも無い事になった。

僕はため息をつく。

こんなのカッターシャツの下とかでも丸分かりじゃあ…

僕はジーナスに耳をつねられる。

「さっさと着てみなさい」

「は、はいっ」

あの…局部露出してるんですけど…

僕は上目遣いでジーナスを見る。

ジーナスはにっこり僕を見つめる。

とほほ。

僕はレオタードを着込む。

う…その時、僕の下腹部にうずきが生まれ。

だんだんと膣口が閉じていき。

僕のおちんちんがひだのあたりの肉を使って形成される。

良かった。元に戻れた…

元に…僕は涙が出てきた。

レオタードを着て…

ジーナスとフューラー様の奴隷で…

女の子に変心して…

年金も、公務員の夢も…

ひくっ。

ひくっ。

徐々に体が元に戻る。

でも心は戻らない…

「泣くな、

 泣くな、沖田あきら。

 良いじゃん。

 こんな可愛いあたしやカッコいいフューラー様の奴隷なんだから。

 胸をはれ。

 命令」

「はいっ」

そうだ。

ジーナスもフューラー様も顔だけは良いし…

変な人の奴隷になるよかはよっぽど良い…のか?そうか?

「笑え。

 命令」

「あはははは」

僕は、思い切り笑った。

もう笑うしかない。

涙が止まらないけど。

「あんただけが不幸な訳じゃないわよ。

 明日からきりきり働いてもらうんだから」

「はいっ」

これからの事を考えると、もう笑うしかないのだった。



つづく



この作品はあむぁいさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。