風祭文庫・異形変身の館






「ユーセーより愛を込めて」


作・風祭玲

Vol.649





時は西暦20XX年、怪獣や宇宙人の襲撃が多発し地球では

それに対応する為に国連の外部組織【地球防衛軍】が組織され、

その任に当たっているのだが…



無限に広がる大宇宙…

ズドォォォォォォォォォン!!!!

突如、漆黒の宇宙空間を切り裂いて、

巨大な閃光が光り輝いた。

銀河系・ナガタチョー宙域。

太陽系にほど近いこの場所で発生した爆発は地球各地でも観測され、

かつてその場所にあった双子星雲、

シュウギイン星雲・サンギイン星雲のうち、

シュウギイン星雲が消滅してしまったのであった。



そして、それから程なく経った初秋の夕暮れ、

「はぁ、すっかり遅くなっちゃった…」

セーラーのタイを秋風に靡かせ、

日ノ本学園・女子高等部のコイズミ・ジュンコは自宅に向かって歩いていた。

「まったく、オカダさんってば

 なんであんな態度をするのかしら、

 ラクロス部の練習方針をみんなで決めよう。

 ってあたしが提案すると、

 黙っちゃって、自分の意見を言わないし、

 仕方なくあたしが決めると、

 強引だ。

 勝手に決めるなっ。

 って、文句を言ってくるんだら、

 さらに立青国のグラウンドで練習となると、

 今度は中乃華学園の許可を貰ったのか、

 なんてことまで言い出すし、

 なんで、あたし達の練習に

 よその学校の許可を取らなくっちゃならないのよ、

 それどころか”ネクスト部長”って勝手に名乗ちゃって、

 いまの部長はあたしよあ・た・しっ

 神崎さんの助け船でなんとかまとまったけど、

 ホント困った人だわ」

ラクロスのラケットを振り回しながらジュンコは文句を言う。

そして、通学路の途中にある東支那公園近くを通ったとき、

「ちょっと、近道しちゃおうか」

とジュンコは公園の中に入った時、

スーッ!

夕焼けの空に流星が走った。

「あっ流れ星…

 そう言えば最近、

 流れ星を良く見るけど、

 今日は特にすごいわ」

あかね色に染まる空を次々と走る流星を見上げながらジュンコはそう呟くと、

「あっそうだ、

 流れ星に願いをすると、

 願いが叶うって恵子が行っていたわよね」

と更衣室の中で同じラクロス部の竹中恵子が言っていた言葉を思い出しすと、

空を走る流星に向かって

パンパン!

ジュンコは柏手を打ち、

「えっえーと、

 今度の試合で勝てますように…

 それから、

 今日のおかずはあたしの大好きな…」

と言う案配で願いを唱えはじめた。

そして、一通り言い終わって

ふと顔を上げてみると、

シュォォォン!!

空を流れる流星の一つがジュンコに向かって真っ直ぐ飛んでくるのが目に入った。

「え?

 ウソッ

 ちょっとこっちにって、

 そんな…

 まっマジ?」

見る見る近づいてくる流星にジュンコはパニックに陥り、

思わずラケットやバッグなどを放り出し、

「ひぃぃぃ」

その場に蹲り、頭を庇う。

そして、その直後、

カァァァァン!!

鐘を叩いたような乾いた音が響き渡ると、

カンッ

カン

カッ

カッ

ジュンコの周囲でなにがか弾かれ、

繰り返し跳ね返る音が響く。

「うっ

 なに?」

なかなか止まない音にジュンコが顔を上げた途端、

カッ!!

そのジュンコの真下で跳ねる音が響き、

その直後、

ゲシッ

「うごぉ!!」

ジュンコは顎の下から強烈なアッパーを食らうと、

大きく宙を舞った。



ドサッ!

「ぁ痛たぁ!!!」

宙を舞い、

ものの見事に仰向けにひっくり返されてしまったジュンコが、

顎と頭を押さえながら起きあがると、

コロン!

そんな彼女の傍に長さ6cm、

幅3cm程の楕円形ながらも一見ケータイを思わせる物体が落ちていた。

「痛たたたた…

 あん、なにこれ?」

深い緑色をし六角形の模様が入るその物体を拾い上げて、

ジュンコはシゲシゲと見つめると、

「(ハッ!)

 まさか、これって、

 ナントカの園ってところから、

 伝説の戦士を捜しに来たヘンな生き物で、

 そして、あたしがその伝説の戦士になって、

 悪い奴らを倒したりするようになって…」

と最近評判になっているアニメ番組のことを思い出した。

「え?

 うそっ

 そんなぁ

 あっでも、

 あたし、ラクロスやっているし、

 髪はショートだし、

 それに勉強よりも運動が大好きだし。

 でも、いきなりそう言われても、

 だって、あたし、高校生だよ。

 あれって中学生じゃないと…

 それに第一、あたしの学校ってバカばかりだから、

 髪が長くてウンチクを垂れる秀才なんて居ないよぉ

 どっどうしよう…」

拾い上げた物体を手にしながら、

ジュンコは湧いてくる妄想に困惑していると、

ムクッ

ジュンコの手にある物体がいきなり蠢いた。

その途端、

「キャッ!」

ジュンコは小さな悲鳴を上げ、

手にしていた物体を思わず放り出すと、

カコン!

ジュンコの手を離れた物体は軽い音を響かせ転がっていく。

「なっなに?

 やっぱり、あれって生き物だったの、

 じゃぁあたし…」

変な期待を込めながらジュンコは

落ちているラクロスのラケットを拾い上げ、

その先で転がっている物体を突っつくと、

ムクムクムク!

物体の四隅が動き出した。

「きゃっ、

 動いた」

ムクムク

ムクムク

小刻みに動く物体をジュンコは興味深そうに見ていると、

ポンッ!

突然、物体から小さな音が響き、

ジャキ!

その四隅から手足のような物が飛び出すと、

グィッ!

四隅の短辺の一つから頭のような物が伸び、

その反対側の短辺からは尻尾のような物が伸びる。

「はぁ?」

流星として落ちてきた物体が

よく知っているある生き物へと変化していく様子を

ジュンコは唖然としながらみていると、

『よいしょ』

手足を伸ばした物体は徐に立ち上がり、

『ぷはぁぁぁ!!!』

と大きく深呼吸をした。



「……亀だ…」

その物体を見ながらジュンコはポツリと呟くなか、

キラッ

左右に伸びる物体の手の片方に何かが光り、

物体はそれを顔と思える出っ張りに掛けると、

徐に振り返りながら、

『ふむ、小娘よっ

 一つ尋ねたいのだが、

 ここは、ヒロシマロックと言うところではないのか』

とジュンコに尋ねた。

「かっ亀が喋った…」

『亀だと、

 なにを言うっ

 わしは亀ではない。

 シズカと言う立派な名前があるのだ。

 まっ、皆には”シズカちゃん”と呼んでもらっているがな。

 わはははは』

驚くジュンコに向かって自らをシズカと名乗った亀は豪快に笑う。

「はぁ…」

『ふむっ

 どうやら、

 伝説の地、ヒロシマロックではなさそうだが、

 小娘よ、良く聞くがいい。

 いま世界は危機に瀕しておるのだ』

とシズカは演説を始め出す。

「危機ですか?」

『そうだ、

 凶悪な宇宙マフィアをもひれ伏してしまう

 ”ド突くゾーン”の邪悪王・コイズミは、

 この銀河宇宙の聖なる力である。

 カンポとユーチョを我が物にせんと、

 光の園・ユーセーにその刃を向けたのだよ。

 無論、コイズミの野望を阻止せんと我々は抵抗勢力として、

 クィーンの元に結集をしたのだが、

 しかし、コイズミの圧倒的な力は光の園を次々と蝕み、

 窮地に陥った我々はコイズミに一矢報いるべく、

 ミンエイカ・ヒケツを行ったのだが、

 しかし、そんな我々に向かってコイズミは

 光の園があるT21・シュウギイン星雲を破壊したのだよ。

 よいか、ユーセーは文字通り危機に瀕しておるのだ。

 そして、ユーセーを救うため、

 わしはユーセーに伝わる伝説の戦士を求め、

 ここ虹の園に来たのだ』

とシズカはメガネを忙しく拭きながら、

ジュンコに宇宙で起きている異変について説明をした。

「はぁ…」

『ふむ、

 まぁよい、

 見たところ、

 お前は正義感に燃える若人と見た。

 よし、お前を見込んでコレを授けよう』

そう言いながらシズカが出したのは

両サイドに”〒”マークが付いている一足の長靴であった。

「(どっどこから出したのかしら?

  でも…)

 なにこれぇ?

 ださーぃ!!!」

シズカが差し出した長靴を見てジュンコは思わずそう言ってしまうと、

『なっなにを言うのかねっ、

 これは聖なる力・カンポとユーチョの長靴っ

 雨の日や雪の日は郵便屋さんはこの長靴で働いているのだよ』

と言って聞かせるが、

「ちょっとぉシズカさん

 もっとマトモなのはないの、

 せめてケータイとかさ、

 プリ○ュアに変身するとしてもこれじゃぁ」

とジュンコは疑念を持った目でシズカを見つめ抗議する。

ところが、

『はぁ?

 何を言っておるのかね。

 君が変身するのはウルトラ…』

とシズカが言ったところで、

ズーン!!

突如、空が暗紫色に染まり、

公園にいた人々が次々と倒れ始めた。

「なっなんなのよっ

 これはいったい」

突然のことに驚いたジュンコが声を上げると、

『こっこれは…

 バトルフィールド・ソーセンキョ!!

 おのれっ、

 コイズミめっ、

 もぅわしの居所を掴みおったかっ、

 娘よ、気をつけろ、

 コイズミの刺客が来るぞ!』

ジュンコに向かってシズカは声を上げた。

「え?

 なに?

 刺客って、

 そんなぁ」

シズカの説明にジュンコは困惑していると、

『フォフォフォフォフォ』

公園の中に異様な雄叫びが上がり、

バババ!!

閃光が瞬き始める。

「きゃっ」

『来るぞ』

既に逃げ腰のジュンコに対してシズカは身構えた。

すると、

『シュツバー!!!』

の声と共に

ヌォォォォッ!!

バトルフォールドに覆われた公園に巨大な影が現れる。

『来たなっ

 コイズミの刺客・ホリゑモン!!!』

影に向かってシズカは叫び、

そして、ジュンコを見上げると、

『いまだ、変身だ』

と嗾ける。

「え?

 えぇ?

 そんな変身だなんて

 いきなり言われても…

 まだ心の準備が」

シズカの指示にジュンコは戸惑う。

しかし、

『えぇいっ

 なにをしているっ

 さっき、変身アイテムを渡したではないか。

 それを使って変身をするんだ』

とシズカは叫んだ。

「変身アイテムって

 こっこの長靴ぅ?」

『それしかないだろう。

 早くするんだ!!』

「あぁん、

 なんでこんなのを穿かないといけないのよっ」

『つべこべ言わずにサッサとするんだ』

長靴を履くことを拒むジュンコにシズカは苛立ってくると、

ついに、

『えぇいっ

 こうするんだ!!』

シズカは怒鳴り、

そして、ジュンコを押し倒すと、

さっき手渡した長靴にジュンコの足を入れる。

すると、

ビクッ!

ジュンコの身体に電撃に似た衝動が走り、

「うっ」

思わず声を漏らした。

「なっなにかしら…

 これ…
 
 あぁっ
 
 かっ身体が熱い…」

ドクン

ドクン

脚から急速に火照ってくる身体に

ジュンコは性的な興奮を覚えると、

その心臓は高鳴り、

ジワッ

股間が湿り始めた。

そして、

「あっあぁ…」

ギュッと閉じていたジュンコの口から、

思わず声が漏れてしまうと、

クチュッ

ジュンコの手はいつの間にか股間を押さえ、

そして、小刻みに動き始めていた。

「あぁっ

 あぁっ、
 
 いやっ
 
 いつもの一人エッチよりも感じちゃう…」

クチュクチュ

淫靡な音を響かせながら

ジュンコはさらに激しく股間に刺激を与えていると、

胸の奥からある言葉がこみ上げてきた。

「うっうそっ

 こっこの言葉を言わなければいけないの、

 でっでも…

 これって…」

顔を赤らめながらジュンコは抵抗をするものの、

しかし、衝動はさらに強くなり、

そして、ついにジュンコの口がかすかに開いてしまうと、

「ジュワッ!」

ジュンコの口からその声があがってしまった。

すると、

キーン…

ジュンコが穿かされた長靴の〒マークが光り輝きながら、

真っ赤に染まり、

シュワァァァ…

ブカブカ気味だった長靴が急速に萎むと、

ピッタリと脚に張り付いてしまった。

そして、

シュルルル…

その長靴の口が上へと伸び始める。

「なっなに?」

突然始まった長靴の変化にジュンコは戸惑うが、

しかし、次第に脚が覆われていく感覚に、

「あぁ…

 いぃ…
 
 なんで、こっこんなコトがなんで気持ち良いの…」

ジュンコの身体は総毛立ち、

さらに強く感じてしまっていた。

「んくっ、

 きっ気持ちいい…」

長靴の赤に自分の脚を覆われながらも、

ジュンコは股間に差し込んだ手を放さず、

さらに激しく刺激を与え続ける。

クチュクチュ

クチュクチュ

ジュンコが奏でる淫靡な音はさらに響き渡り、

それに合わせるように長靴は上へ上へと伸びていく。

そして、

「あっ」

ついに股間のジュンコの手を押しのけて

長靴が彼女の股間で繋がってしまうと、

バリッ!

穿いていた制服のスカートを破り、

ヒップを覆ってしまう。

「あぁ…

 なっなんなの…これは…」

ギュッ!

上気した顔のまま、

ジュンコは赤い光沢を放つ下半身を見つめていると、

『変身はこれからが本番だ』

とシズカの声が上がった。

「これからが本番?」

その声にジュンコが振り返ると、

シュワァァァ!!!

勢いを貯めていた赤は一気にジュンコの上半身へと進み始め、

ウェストを駆け上がり始める。

「え?

 やっやだ

 やだやだ、

 やめてやめて!!!」

瞬く間にヘソの下を真っ赤に染めて、

ジュンコは悲鳴を上げるものの、

さらに長靴の赤は駆け上がり、

ついにはジュンコの胸を覆ってしまうと、

バリバリバリ!!

今度は制服の上着が引き裂けてしまった。

「きゃっ!」

胸元を赤く輝かせながらジュンコは胸を隠すが、

しかし、赤はそこで止まることなく、

さらに両腕へと浸食してゆくと、

瞬く間にその両腕を包み込み、

肩をも包み込んでしまうと、

首を駆け上がり始めた。

「いっいやぁぁぁ!!!

(このままだと顔も覆われちゃうよぉ)」

変身していく自分の姿にジュンコはニュースなどで見た

あのウルトラナインの姿を一瞬重ね合わせた途端、

「(あんな顔になるのは)

 いやぁぁぁぁ!!!」

思いっきり悲鳴を上げる。

すると、

ピタッ!

ジュンコを覆っていた赤はそこで止まってしまった。

『ん?

 止まってしまったか…』

ジュンコの変身が途中で止まってしまったコトに

シズカは訝しがりながら携帯を取り出すと、

『あぁもしもし、ワタヌキちゃんか、

 わしじゃ。

 いま、例の長靴を使ってみたんだが、

 変身が途中で止まったぞ、

 どういう事だ?』

と問い合わせた。

『あぁ?

 現時点での仕様だって?

 そんなものでソーセンキョを戦えるのか?

 なに、

 サービスパックをユーパックで送るからそれまで辛抱だとぉ、

 早くしろ、

 コイズミの刺客はもぅわしの所に来て居るんだ』

シズカは早口でまくし立て電話を切ると、

首から下を赤く輝かせるジュンコを見上げ、

『いいかっ、小娘っ

 まもなく、変身の第二段階が始まる。

 だが、残念ながら顔までは変身できないのだよ。

 しばらくはその顔で闘ってくれ』

と声を上げた。

「え?」

シズカの声にジュンコは髪を頬に貼り付けながら振り向いた途端、

メリッ!

ジュンコの股間が突っ張り始めた。

「うっ

 なにこれぇ」

彼女の人生の中で感じたことの無かった突っ張りを慰めようとして、

ジュンコは股間に手を伸ばしてみると、

ビンッ!

彼女の股間には姿が見えないものの、

棒のようなモノが聳え立っていた。

「うっ」

ビクン!

それに手が触れた途端、

さらに強い衝動が走るが、

しかし、ジュンコはその棒を握りしめると、

シュッシュッ

と無意識に扱き始めた。

「あぁ…

 いいよっ
 
 なんだか、
 
 感じちゃうの…
 
 あぁ、
 
 いい、
 
 いいよ」

髪を振り乱し、

股間から生える見えない棒を扱いていると、

ボコッ!

ボコボコボコ!

今度は長靴の赤に覆われながらも女性のラインを見せていた身体に、

凹凸が姿を見せた。

「あぁ…

 いい…
 
 いい…」

肌を覆う赤を輝かせながら、

腕、

脚、

腹、

ジュンコの体中で筋肉が盛り上がり、

そして、それによる変化でスルリをしたラインが崩れていく、

「あはっ

 あはっ
 
 あぁ」

身体が変化してゆくにもかかわらず

ジュンコは一心不乱に棒を扱き続ける。

そして、

モリモリモリ!!

大きな胸板がジュンコの胸に出現すると、

赤い肌を突き破って銀色の装甲が飛び出し、

また、鳩尾から稲妻を思わせる白線が脚に向かって伸びて行く。

「くはぁ…

 はぁはぁ
 
 はぁはぁ」

棒を強く握りしめ、

ジュンコは虚ろな顔をするが、

シュルルルル…

胸に大きく聖なる印である「〒」マークが姿を見せると、

ムクムクムク!!!

その身体が巨大化始めだした。

「あぁ…

 あたしが…
 
 あたしが…
 
 大きくなっていく…」

周りの景色が小さくなっていくことに、

ジュンコは自分の身体が巨大化していくのを感じ取るが、

しかし、股間を扱くことに夢中になっているために

その様なことには驚かず、さらに激しく腕を動かした。

そして、

『あぁっ

 何かが溜まる…

 うぅ、暴れているよぉ

 あぁんっ

 でっ出るぅ』

身体を巨大化させたジュンコは

喘ぎ声を上げると、

『あっあぁぁ…

 いっイクぅぅぅ!!』

ズーン!!

その声と共に絶頂とは違う何かが身体の中を突き抜けた。

『はぁはぁはぁ…

 あぁ…

 気持ちよかった…

 って、

 え?

 なっなに?

 これ?』

身体の中に溜まっていたパワーを放出し尽くした脱力感を味わいながら、

正気に戻ったジュンコが周囲を見ると、

ジュンコの周囲にはミニチュアサイズになった街の風景が広がっていた。

『え?

 これって…
 
 え?
 
 え?』

突然代わってしまった周囲の様子にジュンコは困惑しながら、

『しっシズカさん、

 あたし大きくなっちゃったの』

と訴えるが、

『何当たり前のことを言っておるのだ、

 大きくならなくては戦えないではないではないか』

と足下のシズカは取り合わなかった。

『そんなぁ!!』

シズカの突き放した態度にジュンコは呆然とするが、

『前にも言ったようにお前には2つのパワーが備わっている。

 ユーチョとカンポだ。

 コイズミはそのパワーを狙って居るんだ。

 さぁ、邪悪なホリゑモンを倒すのだ』

とシズカは目の前にそびえるジュンコを嗾ける。

すると、

ユラリ…

目の前に立つホリゑモンがゆっくりと動き出すと、

次第にその姿を見せ始めた。

『うっうううう…

 なんで、ウルトラナインなんかに…

 どうせなら、プリ○ュアの方が良かったよぉ…』

迫るホリゑモンに横目で見ながらジュンコは涙を流すと、

『何を言うかねっ

 いまのお前はウルトラナインなどではないっ、

 ユーセーを守るウルトラ・ポストだ!』

と声を張り上げた。



頑張れジュンコ。

闘えジュンコ。

コイズミの刺客・ホリゑモンを蹴散らしユーセーを守るのだ。

地球防衛軍に頼れない中、

ユーセーの未来は君の双肩に掛かっている。

そう、ジュンコの闘いはいま始まったばかりなのだ。



おわり