風祭文庫・人魚変身の館






「女の魚」


作・風祭玲

Vol.955





真上から照りつける初夏の日差しの下。

ピッ!

プールサイドにホィッスルの音が響き渡ると、

タッ!

競泳パンツ姿の男子水泳部員達が横一直線になってスタート台より撥ね、

静かに揺らめく水面へと向かっていく。

そして、

「いけーっ」

「根性見せろぉ!」

程なくして上がった水しぶきに向かって

プールサイドを取り囲んでいる競泳パンツ姿の男子部員から声援が上がるが、

そんな盛り上がりを他所に

男子水泳部を率いるキャプテン・三輪省吾は放心状態で立っていた。

「こんにちわ、

 三輪さん…あっあれ?」

日が西に傾いた頃、

競泳水着にTシャツ姿の水元美那が姿を見せ、

省吾に向かって挨拶の声をかけるが、

だが、

「………」

省吾の口は半開きになったまま返事は返ってこなかった。

「あらまぁ

 これは困ったものですねぇ…」

放心状態になっている省吾の顔前で掌を左右に動かしつつ美那は驚いて見せると

「あっ!」

美那に気づいたのか競パン姿の部員が慌てて駆け寄り、

「キャプテン、

 キャプテン、

 しっかりしてください」

と叫びつつその頬を2・3回叩いた。

すると、

ハッ!

ようやく我に返ったのか省吾は辺りを見回し、

美那を見つけると、

「よっよぅ」

と挨拶代わりに片手を挙げて見せるが、

「すっかり呆けちゃって…

 そんなに柏葉君が抜けたことがショックだったんですか?」

と美那が省吾がこうなった原因を口にする。



…それはひと月前のことだった。

 昨年秋のアクシデントから見事立ち直り、

 健在振りを見せた柏葉勝俊だったが、

 練習中、突然体調の不良を訴えると

 逃げるようにしてプールから飛び出し、

 そのまま帰宅してしまったのであった。

 あまりにも突然の出来事に皆は呆気に取られたが、

 更に驚かされたのは、

 翌日、なんと勝俊が退部届けを出し転校をしてしまったのであった。

 急な状況の変化に男子水泳部は蜂の巣を突っついたような騒ぎとなり、

 一体、勝俊に何があったのか、

 コーチや省吾の指導に問題があったのでは?

 と省吾は皆から無神経に勘ぐられ、責められたのであった。



「当たり前だろう、

 柏葉の奴、

 俺にも相談しないで転校だなんて、

 第一、いきなりだったんだぞぉ、

 いきなり胸を押さえながらプールから飛び出して消えていったんだ。

 はぁ、

 何か一言でも相談でもしてくれれば俺も手を打ったのに…

 これじゃぁ、俺は悪役のままだよ」

やり場の無い気持ちをぶつけるようにして省吾は胸のうちを話すと、

「クスッ」

美那は小さく笑う。

「なんだよぉ、

 水元も”俺が悪い”って言うのかよぉ」

彼女のその笑いに省吾は不機嫌そうに噛み付くと、

「いいえ、

 違うんですよ、

 そこまで部員のことを心配しているんだなぁ…ってね」

省吾に向かって美那は笑った理由を話す。

すると、

「で、なんだ?

 俺に何の用か?」

少し機嫌を持ち直した省吾は腕を組み美那に用件を聞き返すと、

「あっ

 えぇ…

 女子水泳部に新入部員が入りましたので紹介を、

 と思いまして…」

そう美那は言いながら、

プールの外に向かって手招きをし、

タタタッ

瞬く間に競泳水着姿の一人の少女が駆け寄ってくると、

「きっ今日、転校してきた水元夏希ですっ。

 よっよろしく」

と恥ずかしげに挨拶をしながらちょこんと頭を下げて見せる。

「ん?

 水元?

 親戚か何か?」

美那と同じ苗字であることに省吾は美那との関係を尋ねると、

「うーん、

 当たらずも遠からず…ってとこでしょうか」

と美那は曖昧な返事をする。

「なんだそれは?」

その言葉の意味に省吾は小首を傾げると、

「うふっ、

 では、失礼します」

その質問には答えず美那は意味深な笑みを浮かべると、

夏希を連れて去っていった。

そして、プールから出て女子水泳部の部室へと向かい始めたとき、

「どうでした?

 ひと月ぶりの学校は?」

と尋ねると、

ビクッ!

一瞬、夏希は身体を強張らせ、

「はっはい…」

俯きながら返事をする。

「ん?

 それだけでは判らないわ、

 もっと具体的に聞かせてくれない?」

俯く夏希に向かってイジワルそうに美那は聞き返すと、

「そっそれは…」

の言葉と共に夏希の口が止まってしまう。

そんな夏希を横目に見ながら、

「じゃぁ、この中で詳しく聞きましょうか?」

と言いながら女子水泳部の部室前に立った美那はドアを開けると、

「さっどうぞ…」

先に夏希を入れ、

その後、自分が入るなりピシャリとドアを閉めたのであった。

そして、

「あはっ

 あぁん…」

女子水泳部の部室に艶かしい少女の声が響き渡るのと同時に

ピタンピタン

ピタンピタン

ウロコが覆う魚の尾びれで床を叩きながら半人半魚の女魚となった美那が

下腹部より伸ばした輸卵管を夏希の秘所に挿入し小刻みに身体を震わせると、

「あぁっ

 あぁん」

美那が身体を震わせる毎に股を開いて彼女を受け入れている夏希は

その両肩をきつく握り締めながら喘いでいた。

「んぁぁぁ…

 でるぅ」

ピクンと身体を大きく震わせ美那は産卵が近いことを告げると、

ギュッ!

夏希の膣が引き締まるの同時に

「あぁぁっ!」

美那は声を上げ、

ジュルッ!

半透明の輸卵管の中を赤紫色をした小さな隗が夏希へ向かって動いていく。

そしてそれが夏希の体内へと消えていくと、

その途端、

「あぁぁぁぁぁ、

 あがぁぁぁ!!」

美那に卵を産み付けられた夏希は身体を激しく震わせながら白目を剥き、声を張り上げる。

すると、

ジワジワジワ…

彼女の下半身をウロコが覆い始めだしていくと、

「うんっ」

それを見た美那は息を殺して成り行きを見るが、

だが、

夏希の下半身を覆っていくはずのウロコの速度は見る見る落ちていき、

シュワァァァァ…

まるで雪が溶けていくように消えていってしまっていく。

「またダメですのぉ」

腰の周りを軽く覆うだけの状態になって行く夏希のウロコの姿に

美那はガッカリとして見せると、

「ダメじゃないの夏希さん。

 わたし、あなたにはいっぱい卵を産みつけてあげたのに、

 なんでまだ女魚になってくれないの?」

と恨めしそうに尋ねる。

「すっすみません…」

股間を大きく開いて余韻を感じていた夏希はあわてて起き上がり、

美那に向かって手をつき頭を下げるが、

「はぁ…

 男の子から女の子になって、

 そして、女魚の特徴がいくつか出ては来たけど、

 でも、完全な女魚にはなってくれない…

 うーん、なんででしょう」

水掻きが張る手の指を顎下に当てながら美那は考え込み、

そして、チラリと夏希を見ると、

「何所から見ても女の子なんですけどね」

膨らんでいる胸、

括れかけたウェスト、

ムチッと張り出したヒップ、

そして、女の秘所が口を開く股間をを舐めるように眺め呟いた。



そう、美那に女魚の卵を産みつけられた夏希こそかの柏葉勝俊であった。

あの日、この部室で美那に卵を産み付けられた勝俊は身体は徐々に女性化していくと、

ひと月前に水泳部の練習中に一気に女性へと変身してしまったのであった。

さらに女性化だけではなく、

掌に水掻きが張り、

腰や足にウロコが生えると、

下腹部からは男性器ではなく卵を産む管・輸卵管も突き出して、

次第に人魚・女魚へと変身して行ったのだが、

勝俊の変身はそこまでだった。

体から突き出していた輸卵管は表に出なくなり、

ウロコも徐々に消えてしまうと、

腰の周りだけに残るだけとなってしまった。

そして、いくら美那が卵を産み付けても

勝俊の変身は一瞬進むだけですぐに後戻りしてしまうのであった。

女魚になれない女魚…

その原因を男としての感情が残っていたため。

と判断した美那は思い切って勝俊を女魚の里へと連れて行き、

彼の心を女性化させるべく名を夏希と改めさせ、

さらに自分の縁者の養女としたのであった。

その甲斐あって勝俊の心の女性化は進み、

生活態度面では普通の女子とは変わらなくなったものの、

しかし、それでも肉体の変身は起こらなかった。

それを見た美那は次の計画として、

女子生徒としてこの学校に戻ってきたのである。

過去を捨て去り、身も心も完全な少女として自覚すれば、

夏希は女魚へ変身すると期待したのである。



「うーん」 

自分に向かって秘部を晒している夏希を見ながら美那は困惑したように返事をすると、

「仕方が無いですね、

 今日はここまでにいたしましょう」

と言うと、

スーッ!

魚の尾びれとなっていた下半身が見る見る二つに分かれていくと人間の両足となり、

同時に体からウロコを消した美那はゆっくりと立ち上がる。

そして、脱いでいた競泳水着を身に着けながら

「さぁ、夏希も水着を着なさい」

と指示をすると、

「はい…」

夏希も立ち上がり女子水泳部の水着を身に着けていった。



翌日、

美那と共に女子の制服姿で夏希が登校すると、

男子達から舐めるような視線を一斉に投げかけられた。

「なっなに…

 このチクチクする感覚って…」

勝俊だった頃には全く感じたことが無かった視線の力に夏希は不安になりながら周囲を見るが、

その視線は授業としての水泳の時間にMaxとなっていく、

そして、スタート台に夏希が立った途端、

無数の槍が突き刺さったかと思うほど強烈なものを感じたのであった。

「うーん…

 胸、よし、

 括れ、よし、

 ヒップ、よし、

 足、よし」

一般の男子達にとって

見る機会が殆どない女子水泳部の競泳水着を来た女子の存在はある意味貴重であり、

さらに、女子とは言っても逞しい肉体を持つ夏希の身体は競泳水着とあいまって

天空より舞い降りたワルキューレを髣髴させる神々しさを感じさせていたのであった。

モリッ!

その夏希が放つオーラを感じ取った男子達の股間はそそり立ち、

そのために

「男子っ、

 何時まで座っているんだ!」

業を煮やした体育教師が怒鳴り声を上げても、

立つことが出来るものは誰一人として居なかったのである。



「水元さぁーん」

放課後の部活動、

間もなく始まる女子部の練習の準備をしている夏希に

男子水泳部に所属する1年の内田崇が声をかけてきた。

「!!っ

 崇…」

彼のその言葉に顔を上げた夏希は懐かしそうに崇を見る。

「?

 どうかしましたか?」

目の前の夏希が勝俊であったことに気がつかない崇は小首を傾げながら、

男だった頃の思い出に浸る夏希に声をかけると、

「うっ、

 うぅん、

 何で無い。

 で、あたしに何か用ですか?」

夏希は小さく首を横に振り、

崇が声をかけてきた理由を尋ねる。

「いっいや、

 なんか一人で居るから」

その問いに少し恥ずかしげに崇は返事をすると、

「ありがとう…」

と夏希は答え小さく笑って見せた。

男子水泳部に所属していた頃

学年が違うこともあって夏希は崇とあまり話したことは無かったが、

しかし、フィーリングが合ったのか二人は取り留めない話を続けるが、

「あれ?

 水元さんって…

 ウチの学校に転校してきたばかりですよね」

突然、崇はそう指摘をすると、

「え?」

彼のその言葉に夏希は慌てはじめた。

すると、

「いや、

 なんか随分とウチの学校の事情に詳しいし、

 それに、昔のことも…」

夏希との会話の中に長く居たものでないと知り得ない事柄があることを指摘する。

「うっ、

 それは、

 ほらっ、

 キャプテンから色々と…」

と夏希は取り繕い誤魔化すように笑みを見せた。

「そうですか、

 やっぱり、女子はコミュニケーションが活発なんですね」

それを聞いた崇は感心したように頷き、

「まっまぁね」

思いつきで言った誤魔化しが通用したことに夏希は安堵をすると、

「おーぃ、

 内田ぁ!

 そんなところで何をしているんだぁ

 女子と交代だぁ」

と男子部員の声が響き渡った。

「あっいけねっ

 さて、男子の時間はおしまい、

 これからは女子の時間ですね、

 では」

と爽やかに言い残し、

崇は腰を上げると男子更衣室へと向かって行く。

「はぁ…」

穿いている細い競泳パンツを夕日に光らせながら、

去っていく崇を夏希は眺めていると、

「あたしも…

 アレを穿いていたんだよね」

と呟きながら身体を覆う競泳水着を眺める。

しかし、夏希が知らないところで美那の触手は次なる贄へと伸びていたのであった。



「あっ、内田君」

夏希と別れ男子水泳部の部室の前に来た崇を呼び止めることが響くと、

「はい?」

崇は立ち止まり振り返ってみせる。

すると、競泳水着姿の女子水泳部員が二人並んで立っていて、

「内田君、

 ウチのキャプテンが内田君に用事があるんですって、

 だから女子水泳部の部室に来て欲しいんだけど…」

と話しかける。

「僕に…ですか?」

二人の女子部員を見ながら崇は聞き返すと、

「えぇ、そうよ。

 あっ別に着替えなくても良いから…

 って言うか、その格好で来て欲しいの」

崇に向かって女子部員はそう言うと、

「判った…」

崇は女子部員と共に女子水泳部の部室へと向かって行った。



ザバッ…

「ふぅ…」

夕闇が迫るプールの水面に夏希が顔を出すと、

ゆっくりと平泳ぎでプールサイドへと向かっていく。

その一方でプールの中には女魚の姿になった他の女子部員達がめいめい泳ぎ、

下腹部から下を覆うウロコをキラキラと光らせている。

「はぁ…

 なんで女魚になれないんだろう…」

水掻きが張る自分の手を見ながら夏希はそう呟いていると、

一人の女子部員がプールサイドに駆け寄り、

「夏希さんっ」

と声をかけてきた。

「はい?」

彼女の言葉に夏希はプールの中から振り返ると、

「キャプテンが呼んでいるわ、

 部室まで来て」

と告げる。

「キャプテンが…

 なんだろう…」

彼女の言葉に夏希はわずかながら胸騒ぎを覚えると、

「うん…」

スグに水から上がり部室へと向かって行き、

そして、

「なっ夏希ですが」

そう声をかけながら女子水泳部のドアを開けると、

「あぁぁん、

 あぁぁん」

部屋の中に少女を思わせる喘ぎ声が響き渡り、

「うふっ、

 内山君。

 ちゃぁぁんと女魚になれたわねぇ」

美那の声が淫靡に響いたのであった。

「内山?

 きっキャプテン!」

その声に夏希は慌てて奥を見ると、

腰から下を魚の尾びれへと姿変えウロコを輝かせる女魚が二人絡み合いっている様子が見え、

夏希に気づいたのか一人が身体を起こすなり、

「ほら見て御覧なさい、夏希さん。

 彼、

 いや、彼女は立派な女魚になってくれましたよ」

嬉しそうにそう言いながら、

グッタリとしているもぅ一人の女魚を抱き起こし夏希に見せる。

「あぁっ、

 みっ見ないで…」

抱き起こされた女魚は顔を背け、

夏希に向かって水掻きが張った手を開いて差し出して左右に振るが、

「内山…」

夏希にはこの女魚が崇であることは一目瞭然だった。

「なっなんで…」

2時間ほど前に会った時は競泳パンツを穿いた男子スイマーだった崇が、

半人半魚の女魚となって自分の目の前にいることが夏希は信じることが出来なく、

そして、

キッ!

崇を抱き起こす美那を見据えると、

「これは…一体どういうことですか」

と語気を荒げながら詰め寄った。

「あら…

 どうしたのですか?

 そんな怖い顔をして」

詰め寄る夏希に美那は小首を傾げて聞き返した。

「怖い顔って、

 お前っ

 何をしたのか判っているのかっ!」

そう怒鳴りながら美那を掴みあげて夏希は怒鳴ると、

ムッ!

さっきまで温和な顔をしていた美那の顔が見る見る不機嫌になっていくと、

「その汚らしい手を離しなさいっ

 この”なりそこない”が!」

と夏希を睨みつけ命令する。

「うっ」

美那の視線に夏希は反射的に手を離してしまうと、

次の瞬間、美那の体が浮き、

ヒュッ!

美那の尾びれが物凄い勢いで飛んでくるなり、

バシーーン!!!

夏希の頬、

いや、首から上全体に強烈な衝撃を受けるや否や

そのままの勢いで吹っ飛んでしまうと、

ドダン!

夏希は部室の壁に叩きつけられ、

崩れるように倒れ落ちる。

「うぐぐぐ…」

真っ赤に腫れあがってしまった顔の半分を手で押さえ夏希はうめき声を上げていると、

ズルッ

ズルズル

床を這ずって美那が迫り、

そして上半身を起こすと、

「お前がさっさと女魚にならないからコイツを代わりに女魚にしたんだろうが。

 それなのに親であるわたしに向かってお前呼ばわりするとは…よくも…」

憎しみに満ちた顔で夏希を見下ろした。

「ひぃぃ」

それを見た夏希は美那が見せる恐怖感に怖気づき、

「もっもしわけありません」

と必死に許しを請う。

すると、

「………」

美那は無言で崇を眺め、

「崇っ、

 お前の卵でこの”なりそこない”を犯せ」

と命令をしたのであった。

「!!っ」

美那が下した命令に夏希は驚くが、

「はい」

一方の崇は素直に頷き、

身体を引きずりながら夏希に迫ると、

「うふっ、

 美那さまに逆らうなんて、

 おバカさんなんだから」

そう呟きながら夏希に抱きついて見せる。

「やっやめろぉ!」

競泳水着の肩紐を外し、

脱がせにかかってきた崇から逃れようと夏希は暴れるが

だが、見る間に夏希は水着を脱がされ、

そして、その裸体を晒してしまうのと同時に崇に唇を塞がれる。

「んっんんっ〜っ」

唇を塞がれながらもなおも夏希は暴れようとするが、

クチュッ!

股間に伸びてきた崇の指が夏希の秘所を責め始めると、

「うっ」

急に夏希は頬を赤らめ身体をピクピクと震えさせ始める。

「うふっ、

 感じるんでしょう?」

それを見た崇は夏希の耳元で囁くと、

「女魚ってとっても感じるんだって、

 美那さまが言っていたわ。

 夏希は”なりそこない”なんかじゃなくて立派な女魚よ、

 だた、女魚になるのを怖がっているだけ、

 さぁ、あたしが夏希を本当の女魚にしてあげる」

と続け、

クリッ

右手の指で夏希の秘所を大きく広げた。

「やめて、

 お願い…」

ピンク色の肉襞を見せながら夏希は崇に懇願するが、

「だーめ」

崇は意地悪そうに囁き、

「んっ」

空いていた左手で自分の下腹部を押すと、

ニュッ!

っと輸卵管を突き出し、

そして、

「さぁ、

 あたしの卵を受け取って」

そう囁きながら突き出した輸卵管を夏希の体内へと挿入したのであった。



「あぁぁんっ

 あぁぁんっ」

女子水泳部の部室に夏希の喘ぎ声が響き渡り、

ピチピチ

ピチピチ

と尾びれで床を叩いて、

崇がその身体を震わせている。

「あぁ…

 締まるぅ

 とっても締まるわぁ、

 夏希ぃ」

自分の輸卵管を締め上げてくるその快感に崇は上気していると、

ゴロン!

いきなり二人は転がされ、

「あたしも混ぜて」

その言葉と共にこれまでじっと見守っていた美那が

下腹部から突き出した輸卵管を扱きつつ夏希を背後から犯し始める。

「にっ二本なんて無理!」

既に挿入されている崇の輸卵管に割り込むようにして挿入される感覚に夏希は悲鳴を上げると、

「ふふっ、

 これはお仕置きよ」

美那はそう告げ、

ピチピチ!

と尾びれを動かしながら強引に挿入をする。

「いっ痛い!!」

秘所に二本の輸卵管を挿入された夏希は悲鳴を上げるものの、

「あぁぁ、

 さらに締まるぅ」

「うんっ、

 きついけど、

 でも、感じちゃう」

輸卵管で夏樹を犯す崇と美那は喘ぎ声を上げ、

夏樹を前と後ろから挟み込むようにして身体を振るわせ始めた。



「あひぃ

 あひぃ

 あひぃ、

 死んじゃう、

 死んじゃう」

首を左右に振り夏希は悲鳴を上げると、

「あはっ」

「うんっ

 生まれるぅ」

「あっあたしもぉ」

彼女を犯す二人の女魚はさらに身体を小刻みに動かし、

「あっあっ」

「あぁぁぁん」

同時に声を上げると、

ジュルッ!

ニュルッ!

夏希に挿入している二本の輸卵管の中を卵が移動して行く。

そしてその卵を夏希が受け取った途端、

ビクン!

「うぐっ!」

夏希は目を剥き、

大きく跳ねると、

ジワジワジワ…

腰から足にかけてウロコが湧き出すように生え、

さらに挿入されている輸卵管を押し出し始めると、

ニュクッ!

一度は体の中に引っ込んでしまった夏希の輸卵管が再び突き出してきた。

「まぁ!」

半透明の夏希の輸卵管の姿に美那は目を輝かせると、

「あぐぅぅぅ!!」

さらに夏希は声を上げ、

その声にあわせて、

彼女の足は癒着していくと、

美那や崇と同じ魚の尾びれへと変化していった。



「くはぁ

 はぁはぁはぁ」

ピチッ

ピチピチッ

苦痛に満ちた変身を終えた夏希は

ウロコが光る尾びれで床を叩きながら、

床に這い蹲り肩で息をしていると、

「おめでとう」

と美那の声が響いた。

「え?」

彼女のその言葉に夏希は驚くと、

「夏希ぃ、

 あなたはもぅ”なりそこない”なんかじゃないわ、

 立派な女魚になったのよ」

と崇は声をかけ、

優しく抱き上げた。

「あたしが女魚に…」

それらの言葉をかみ締めながら夏希は自分の下半身を見ると、

そこには流線型をした魚の尾びれと化した下半身が見え、

それを覆うウロコが妖しく光り輝いていた。

「あはっ

 あはは…

 女魚に…

 あたし、女魚になれたんだ…」

ウロコを幾度も撫でながら夏希はそう呟くと、

「よかった…」

と何時までも呟いていた。



パシャッ!

夕暮のプールに人の姿をした魚達が次々と飛び跳ねる。

そして、それらの姿を見ながら

「さてと、

 これで男子水泳部を陥すことが出来るわ、

 ふふっ

 水泳部はみんなわたしのものになるのね、

 三輪君。

 あなたも女魚にしてあげるからねぇ」

そう美那は呟くと、

「さぁみんな、

 聞いて頂戴」

と声を上げたのであった。



おわり