風祭文庫・人魚変身の館






「パーティ」


作・風祭玲

Vol.718





「ねぇ山田君、

 明日の土曜日にあたしの別荘でパーティーを行うんだけど、

 参加してくれない?」

金曜日の昼休み、

自席で新聞社のサイトを見ていた俺の脇に一人の人影が立つと、

そう話しかけてきた。

「え?」

その声に俺は顔を上げると、

「もちろん

 都合がよければで、いいんだけど…」

と総務課の鎌谷光恵が

口元に拳を軽く当てるしぐさをしながら尋ねる。

すると、

「あっ僕なら、時間空いてますよ」

「俺も…」

横で話を聞いていた同僚が次々と言い寄ってくるが、

「何を言っているのっ

 あ・た・しは山田君に聞いているのっ

 あなた達には関係は無いのよっ

 あっちに行って!」

光恵さんは命令調で怒鳴るようにして言い返す。

「いっ

 いや、

 まっまぁ、

 俺は構いませんが…」

そんな彼女を見上げながら俺はそう返事をすると、

パッ

いきなり光恵さんの表情が明るくなり、

「ホント?

 嬉しい」

と満面の顔に笑みを浮かべると、

「じゃぁ

 明日の待ち合わせ場所については

 後でメールを入れるね」

軽くウィンクをしてそう言うなり

立ち去っていってしまった。



「いつもながら強引なんだから…」

そんな彼女の後ろ姿を見ながらそう思っていると、

「おいっ、

 山田ぁ」

「判っているだろうなぁ…」

光恵さんにふられた形になってしまった同僚達が

一斉に俺の周りを取り囲むなり、

警告をしながら小突き始める。

「しっ仕方が無いだろう、

 鎌谷さんの指名なんだから」

小突かれることに抵抗しながらも俺は言い返すと、

「ちっ

 仕方がないかっ」

「おいっ

 判っているな」

と念を押され、

「あぁ、判っているよっ

 紳士協定だろう?」

その言葉に俺はそう返事をすると、

「まったく、

 わがままお嬢様の気まぐれか、

 あぁやって一人を強引に贔屓して、

 俺達の反応を見ているんだぜ」

と一人が悔しそうに小声でつぶやいた。

そして、

「おいっ、

 あまりそういうことを言うなよ」

それを聞いていた別の同僚がすかさず注意をすると、

「はいはい、判っていますよ、

 お姫様には逆らえませんよ、

 というわけで、山田君。

 お姫様のパーティの内容については報告書を提出すること、

 以上」

と事務的な口調で言い残すなり、

「行こうぜ」

「あぁ」

俺の周りに集まっていた同僚達は一斉に解散していった。



俺、山田透(24)。

この商社に勤めて2年目なのだが、

総務課に居る年齢では一つ上になる

鎌谷光恵という女性に翻弄されてばかりだ、

実は彼女、

この会社を興した創業者の家系の娘で、

俗に言うお嬢様、という奴だ。

本来なら秘書室かそのあたりに居て、

俺達とは交友が無いはずなのだが、

親(要するに、この会社の社長)の一般社員達の苦労を知るように…

と言う方針かなにかで一般事務職とて勤めている訳なのだが、

それが問題なのである。

例え一般事務職のOLと言えども、

あくまでも”お姫様”。

そんな彼女の存在に周囲は何かと気兼ねをし、

また、彼女もそれを知ってか知らずか、

あまり表立っては見せないが、

ハッキリ言ってわがままのし放題なのである。

そして、そのお姫様が格好のおもちゃとして目をつけたのが、

まさに俺であり、

まったく迷惑な話なのである。



ところで、紳士協定というのは、

一般事務職に創業者のお嬢様が居るということは…

まぁ、逆玉も夢ではないということであり、

くれぐれも抜け駆けをしないようにと、

男性社員たちの間で交わされている協定である。

まぁ、お嬢様を煙たがっている俺には関係の無い話なのだが…



そして迎えた土曜日の昼前。

俺の頭の上には雲ひとつ無い快晴の空が広がっていた。

「で、

 ここは一体何所ですか?」

南国ムードあふれる空港の滑走路で僕はお姫様…

もとい、光江さんにいま居る場所を尋ねると、

「うふっ

 何所だと思う?」

菜の花をイメージしたらしいワンピース姿の光恵さんは

俺を見て笑いながら問いかけをしてきた。

待ち合わせ場所の調布の飛行場から

自家用飛行機で約2時間、

まぁ日本の近くであることは間違いは無いと思うけど、

はてさて、彼女からの問いかけに答えるべく、

俺は滑走路から見える雲を抱く山を見上げた。

高さは千メートルをゆうに超えるのであろう、

その巨大な独立峰を見上げる俺の脳裏に

ある島の名前が浮かび上がった。

「十畳島か…

 また随分と遠くに…」

即座にその島の名前を告げて、

俺は呆れ返ると、

「ピンポーン!

 さすがは営業2課の期待のホープ!」

と光恵さんは俺を誉めるのだが、

でも、なんか馬鹿にされているみたいで

あまり気持ちは良いものでは無かった。



ザザザザッ

キッ!

空港より光恵さんと俺を乗せたリムジンが停車すると、

俺の目の前には白亜で統一された豪邸が目の前に聳え建っていた。

「はぁ…

(こんだけの金が余っているなら、

 こっちの給料も上げろよ)」

割り切れない思いを抱きながら俺は豪邸を見上げていると、

「山田君っ

 こっちよ、

 みんなお待ちかねよ」

と薄手のスカートをふわりと翻して

光恵さんは既に人が来て居ることを告げる。

「みんな?

 誰か来ているんですか?」

その言葉に俺は聞き返すと、

「うふっ」

光恵さんは小さく笑い。

「あたしのお友達…

 山田君と会うのを楽しみにしているのよ」

っと小悪魔のような微笑を見せながら返事をした。

「俺に会うのを楽しみ?

 なんで、俺のことを知っているのですか?」

そんな彼女にまた聞き返すと、

「それは…

 会ってのお楽しみ…」

何か不気味な含みを持たせつつ、

光恵さんはさっさと屋敷に入っていくと、

俺もその後についていく。

それにしてもここは暑い…

まぁ、無理も無い、

だって、東京は冬の真っ只中なのに対して、

ここ十畳島は初夏の陽気なのだから無理はないか…



光恵さんに案内されて、

俺は広大な屋敷の中を歩いていく。

一体建坪は幾らなのか、

そんな野暮なことなどどうでも良くなってしまうくらい広い屋敷の中を歩き、

そして、更衣室と書かれた部屋の前に案内されたとき、

「山田君、

 言ってなかったけど

 実は今日開かれるのは仮装パーティーなの」

と光恵さんは振り返り言ってきたのであった。

「(やはりな…)」

それを聞かされたのと同時に俺はそう思うと、

「あっ、

 でも、テーマあるのよ、

 どんなテーマなのかは言えないけど、

 でも、山田君にぴったりと合う衣装を用意してあげたから、

 それを着てね」

と俺に告げると、

「じゃぁ、わたしは先に着替えて待っているわ」

そう言いながら更衣室のドアを開けるなり、

俺を中へと押し込んだ。



「うわっ!」

半ば強引とも言える手法で俺は更衣室へと放り込まれてしまうと、

パタン!

俺の背後でドアが閉まる音が響いた。

「おっおいっ」

閉じられたドアを俺は叩きながら声を上げるが、

だが、いくら声を上げても返事は無く、

また、ドアも頑丈に作られているらしく

仮に蹴っても蹴り破ることは難しい様子だった。

「ったくぅ…

 仕方が無いか…」

大した説明も無しに更衣室に放り込まれたことに、

俺は文句を言いつつずらりと並ぶロッカーの一つを開け、

着ているものをその中へと押し込んでいく、

そして、

「あっ」

下着一枚になったとき、

着替えるモノを持ってきてないことに気づくと、

キョロキョロと周囲を見回した。

すると、

「山田君へ」

入り口のドアのそばに俺の名前が書かれた紙とともに、

ハンガーに下がった肌色と朱色のツートンカラーの物体が目に入った。

「これに着替えろと?」

それを見つけた俺はハンガーに近づき、

そして、手にとって見ると、

「なんじゃこれは?」

と思わず声を張り上げてしまった。

なんとそれは…

うーん、何て言っていいのか…

まぁその、強いて言えば着ぐるみ…

だが、着ぐるみと言ってしまうには

あまりにも生々しいモノであった。

「うーん、

 これって、

 どう言っていいのか…」

肌触り、

質感、

重さ、

まるで生きているモノから強引に剥ぎ取ったかのような

そのものの姿に俺は困惑していると、

ハラリ…

一枚の紙がそれの中から零れ落ちた。

「ん?」

紙に気づいた俺が拾い上げると、

『これは当社・技術開発部が開発した新素材変身スーツです。

 衣服をすべて脱ぎ、

 素肌の上から着用すると、

 あなたはあっいう間に人魚姫に変身です。

 使い方は…』

とそのものの説明と着用方法が書かれていたのであった。

「おいっ、

 人魚姫になれます。ってサラリと書きやがって、

 第一、これってうちの会社の製品じゃないかよ。

 技術開発部ってこんなもん作っていたのかよ」

手にしたものの思いがけない素性に俺は驚くが、

「とはいっても、

 お姫様はこれを俺に着ろ。と言うのか、

 やれやれ、

 男の俺が人魚姫もないだろう」

と俺は怪しく光り輝く人魚スーツを手に困惑していた。

そして、

「仕方が無い…」

諦めにも似た気持ちで俺は下着を脱いでしまうと、

紙に書かれた方法で人魚スーツを広げ、

足を通し始めた。

ススッ

ススススス

キュッ!

ギュゥゥゥゥ…

「うーん、

 男と女とでは元が違うんだから

 無理があるんじゃないか?

 それに、足を通せって…

 人魚なんて足が無いだろう」

足先が尾びれのため、

このまま立って着るわけには行かないので

俺は床の上に座り込むと、

全身汗だくになりながらスーツを引き伸ばし、

引き上げていく、

すると、どういうことだろうか、

スーツの尾びれの方に無理やり突っ込んだ足が、

小さくなっていくような感覚がすると、

ピタッ!

っと密着してきたのであった。

「え?

 なんだ?」

その不思議な感覚に俺は困惑しつつもスーツをさらに引き上げ、

そして、腕の部分に手を通すと、

キュッキュッ

キュッ!

何とか人魚スーツを着ることが出来た。

「ふぅ…

 何とか着られたな」

朱色の鱗が覆う足を見つめながら俺は一息入れるが、

だが、

グニュッ

グニュグニュ

その鱗が覆う足が

まるで粘土細工を弄るみたいに形が変わり始めると、

グググググググ…

スーツの中で俺の脚は一本へとくっつき始め、

形も魚のような流線型へと変化していくではないか。

「うわっ

 なんだこれは!」

表面を覆う鱗一枚一枚からの感覚も通じてきたことに俺は驚くと、

プルン!

胸で膨れる乳房が重さが感じるようになってきた。

「ひっ!

 なっなんだなんだ、

 おっオッパイが…」

胸元で揺れる乳房の頂点に立つ

乳首もまた敏感に感じるようになり、

ちょこっと腕が当たるだけでも、

ビクッ

っと体が反応するようになってくると、

「おっおいっ

 これじゃぁ、

 本物の人魚姫になってしまうじゃないかよ」

スルスルと伸びてくる髪に体を覆われながら、

俺は透き通る声を上げ、

こみ上げてくる欲求に突き動かされるように

床の上を這いずりだし始めた。



「水…

 水ぅ…

 体が乾くよぉ…」

いつの間にか意識の中まで人魚姫になってしまっていた俺は

乾きから逃れようと水を求めていたのであった。

そして、

チャプン…

広い更衣室の向こう側、

そう、入り口の反対側に来たとき、

水を求める俺の鼻に求めていた臭いが漂ってきた。

「!!っ

 水ぅ!」

その臭いに導かれるように俺は這いずり続け、

そんな俺を誘惑するかのように湿り気を帯びているドアが姿を見せると、

「ハァハァ

 ハァハァ」

俺はドアノブに飛びつき、

全体重をかけてそのドアを開け放った。



ドボーン!

ドアの向こうには何も無かった。

いや、無いわけではない。

コントの一シーンのように俺は宙を舞うと、

そのまま、数メートル下で波を打つ海の中へと

落ちてしまったのであった。

ザバーン!!

ゴボゴボゴボ!!

瞬く間に俺は海水の中へ取り込まれ、

そして、深く、

さらに深く落ちていく。

『はぁ、

 気持ちいい…』

溺れることへの心配よりも、

全身に染み込んでくる水の快感に俺はしばし我を忘れ、

海の中を漂っていた。

『はぁ…

 何て気持ちいいんだろう…』

長く伸びた髪をたなびかせ、

朱色の鱗を輝かせながら俺は漂っていると、

コツン!

いきなり頭が叩かれ、

『遅いぞ!』

と光恵さんの声が響いた。

『え?』

その声に俺は我に返ると、

『山田君っ

 着替える時間がかかりすぎよ、

 一体いつまで待たせるの?』

っと怒り顔の光恵さんが僕に迫る。

『あっいや…

 すみません。

 って…

 一体なんですかっ

 これは!!!』

反射的に謝ってしまったものの、

だが、すぐに我に返った俺は抗議をすると、

『なんですかって。

 なによ?』

っと光恵さんはしらばっくれる。

『なにって、

 なんで、俺が人魚にならないと…

 って、あれ?

 鎌谷さん…

 その格好は?』

その時になって俺は光恵さんもまた人魚になっていることに気づくと、

『うふっ』

『うふふふふっ』

『くすくす』

いつの間にか俺の周りには

光恵さんと同じ人魚達が取り囲んでいることに気づいた。

出るところは出て、

引っ込むところは引っ込んでいる

プロポーションの良い人魚達を見ながら俺は驚くと、

『紹介するわ、

 みな、わたしのお友達よ』

っと光恵さんは人魚達を紹介し始めた。

『お友達って…

 この方達って。

 みんな光恵さんのお友達ですか?

 って、みなさんお嬢様で?』

光恵さんの言葉に俺は

何所ぞの令嬢かと思って聞き返すと、

『うふっ、

 そうよ』

光恵さんはあっけらかんと答えた。

『うひゃぁぁ…

 これはひょっとして、

 うまくいくと逆玉も夢ではないかも、

 だって、ここに居る男は俺だけだし…』

それを聞いた俺はある野望を胸に抱くが、

『うふふふ…』

『ふふふ…』

最初は遠巻きにしていた彼女達が次第に俺に近づいてくると、

サワッ

サワッ

次々と俺の体にタッチしてきた。

『ひゃっ』

敏感に感じてしまう彼女達のタッチに俺は飛び上がってしまうと、

『うわぁぁ、

 敏感っ』

『とっても可愛いわ』

彼女達はそうつぶやき、

そして、

『ねぇ、

 ここはどうなっているの?』

の言う声とともに、

誰かの手が俺のへその下あたりを触ると、

ススッ…

クンッ!

クニッ

っと何か探し当てると”それ”を大きく広げた。

『あっ

(ビクンッ!)』

と同時に俺は全身で感電をしたかのように硬直してしまうと、

『うふっ、

 大丈夫!

 ちゃんとあるわよ』

”それ”を確認した彼女は手を大きく振りながら声を上げると、

『クスクスクス』

『クスクスクス』

俺の周りに小さな笑い声が響き渡った。

『いっ一体何が…』

体を痺れさせながらも響き笑う笑い声に俺は不安になると、

ピトッ

光恵さんが俺の背中に体を摺り寄せてきた。

フニッ

彼女の乳房の感触が俺の背中に広がっていくのを感じながら、

『光恵さん?』

恐る恐る尋ねると、

『うふっ

 とっても綺麗よ、

 山田君。

 やはりわたしの見立てどおりね。

 あなたはあたし達の人魚姫…』

と囁く。

『?』

彼女のその声の意味を探ろうとすると、

ツン!

ツンツン!

今度は尾びれの後ろ側で何か棒の様なものが突っつきだした。

『なに?』

幾度も突っついてくるそれに俺は振り返ると、

『うふっ』

ニョキッ!!

なんと恥らうようにして笑う光恵さんの下腹部あたりから、

一本の棒が延びている様子が目に入った。

『ひっ!』

それを見て俺は悲鳴を上げると、

『うふふふっ』

『うふふふふ…』

ニョキッ

ニョキッ

ニョキッ

なんと俺を取り囲んでいる人魚達の下腹部からも、

次々と肉の棒が聳え立ったのであった。

『うそっ

 なんだそれは!!!』

まるで男のペニスの如く彼女達から伸びる肉棒を指差して俺は声を上げると、

『なにって、

 オチンチンよ、

 山田君だって持っていたでしょう?』

と肉棒を硬く勃起させながら光恵さんが言う。

『おっオチンチンって、

 なんで、鎌谷さんたちが…

 じょ、女性なんでしょう?』

そんな光恵さんたちに俺は言い返すと、

『うふふっ、

 人魚スーツはいろいろカスタマイズできるのよ、

 これまでわたし達、人魚になっていろいろ遊んだんだけど、
 
 でも、女の子同士じゃぁ燃えなくてね。

 それで、男の人を女の人魚に、

 わたしたちは姿は女だけど、

 でも、あそこだけは男になって襲ってみようってことになったのよ』

と光恵さんは企みを話した。

『そんな…』

衝撃の告白に俺は驚いていると、

『ねぇ、あたしのここ、

 こんなに硬くなっているの』

『いっぱつ、ヤラせて』

と耳元で囁かれる。

『ひっ、

 いやぁ!!!』

彼女たちのその言葉に俺は言いようもない恐怖感を感じてしまうと、

まるで女のような悲鳴を上げてしまった。

ところが、

『あぁ…いいわっ

 その声…
 
 なんだがオチンチンが余計硬くなっちゃわ』

俺が上げた悲鳴が彼女たちを刺激してしまったらしく、

ビクン!

下腹部から聳え立つ肉の棒が一回り大きく膨れあがった。

『ひぃ…!

 来るなっ
 
 来るなよ』

人魚達を振り払いながら俺は逃げようとするが、

だが、多勢に無勢。

『つーかまえた』

の声と共に俺は瞬く間に捕まってしまうと、

『ふふっ、

 じゃぁ、先陣はわたしから』

の声が聞こえるのと同時に、

グニュッ!

彼女達の指によって大きく開かれた割れ目より、

硬く太い肉棒が俺の体内へと挿入された。

『いやぁぁぁ!!』

深く澄んだ海の中に俺の泣き叫ぶ声が響き渡っていく。

そう人魚の肉体にされた上に、

女と男が入れ替わり、

さらに、強姦同然に犯される…

俺にとってこの事態をどう説明して良いのか判らない。

ただ、俺の股間…いや、下腹部に開いているオマンコ目がけて、

チンポを持った人魚達が代わる代わる交代で己のチンポを挿入し、

次々と精を放って行くのである。

そして、彼女たちの宴が終わったとき、

精液で腹を膨らませた俺は海の底で漂っていたのであった。



「おはよーっ」

月曜日の朝。

いつもと変わらない出勤風景が繰り広げられていた。

「あれ?

 鎌谷さん。
 
 山田君は?」

時間ぎりぎりに出勤してきた光恵に向かって、

未だ出勤してこない山田透について問い合わせが来た。

すると、

「あぁ、山田君ね。

 ちょっと、別の作業をお願いしたから、

 暫くこっちには出勤しないわ」

その問い合わせに光恵は笑みを浮かべそう答える。

そして、

十畳島の別荘近くの海底では、

『あふんっ

 んっ
 
 あふっ』
 
プリュッ

プリュッ

プリュプリュッ

巨大な腹を抱えた人魚が一人。

喘ぎ声を上げながら

産卵を始めていたのであった。



おわり