風祭文庫・モノノケ変身の館






「おさげ髪の吸血少女」
(最終夜:吸血鬼の野望)

作・編髪(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-309





「うう…、

 う…」

「くくくく」

口をふさがれ、

胴体や両足をしばられて自由のほとんどきかない身になっている結男は、

少女たちに盛んに弄ばれていた。

「苦しんでいるようで、

 本当は嬉しいんでしょ?」

「だぁって、

 しっかりおちんちん、

 こんなおっきくなってんだもんね」

「こんな女の園に一人だけいられる男の子なんて、

 他の男の子が聞いたらきっと妬まれるわよ」

「大丈夫よ。

 わたしたちの言うことさえ聞いてさえいれば、

 恨まれるようなことはさせないわ」

「そうよ。

 わたしたちの大切なおもちゃですものね」

「あら、ちょっとこっちに回ってみたら、

 精液出てきそうよ」

「ほんとだわ。

 うわむいてる」

クジ引きで決まった最初の女子生徒の攻撃を受けた結男は

女子生徒たちにはやしたてられながら大量の精液を出してしまうのだった。

「あー。

 よくもわたしのスカートを汚したわね」

「あ、ダメよ、

 彼の精液をふかせるんじゃなくて、

 あんたも自分の精液を彼の顔に直撃するのよ」

「それはいい考えだわ」

「彼の髪の毛よごさないようにね」

などの会話を交わす女子に結男は責められ、

やがて結男が襲って吸血鬼にしてしまった

藤原悦子・宮野昌子とその姉の暁子が順番に責める番になった。

「お前みたいなキモイ男に襲われて吸血鬼にされるなんて、

 ほんと一生の不覚よ。

 思いっきり恨みを晴らしてやるわ」

と溜め込んでいた鬱憤を晴らすかのように結男の顔に向けて

悦子は大量の精液を吹きかけ、

結男の口元にもその一部が入りかける。

「ほら、

 悦子ちゃんの体から出て来たものちゃぁんと飲むのよ」

「うぐっ」

首根っこを押さえつけられ、

思うように抵抗が出来ない結男はついに悦子の精液を飲み込んでしまった。

「うふふふ、こんどはわたしの番ね」

「うう…」

思えばいま結男は昌子のしている三つ編みのおさげ髪の姿に初めて見て興奮した時から、

昌子のその姿がずっと気になってしかたがなかった。

悦子もめったに三つ編みの姿をやはり最初に見ては興奮していたのであった。

だが、彼女たちはもはや結男にとって恐ろしい悪魔同然であった。

「う…うう…」

昌子にも、

そして昌子の姉である暁子にも、

さらにいちばん最近結男が襲って吸血鬼にしていた雅百合にも責められると、

結男は少女たちの責めを一身に受け続ける。

やがて、夜明けを迎える頃が近づいてくると、

「さあ、みんな。

 今夜はこれくらいにしましょう。

 太陽が出て来るまでみんなしっかり自分の家に戻るのよ」

「はーい」

教室内に少女たちの元気ある返事が返ったとき、

結男は気を失っていたのであった。

「やれやれ、

 世話のやける…」

気を失ったままの結男はが女性教師が運転する自家用車に乗せられ、

自宅まで届けられていたのであった。

「まあ、先生、

 わざわざ結男のことをお届けくださって」

「ちょっと女の子たちもやりすぎたかもしれないけど、

 また彼には楽しみも用意してございますわ。

 新たに女の子をつれて彼に血を吸わせるようにいたしますから。

 ただ、身体や髪の毛、それに着ている服も綺麗にさせないとね」

「おほほほ。

 ご心配に及びませんわ、

 丁度、シャワーの支度が終わったところですわ」

「そうですか、

 それじゃお母様、

 また今夜もひとつよろしくお願いします」

「こちらこそ」

などの会話の後、

気を失ったままの結男はバスルームへとに運ばれていたのであった。

そして夜が来るとまた結男は学校に連れていかれ、

少女たちに責められ続けているのであった。



翌日も…

そのまた翌日も新たな女子生徒がひとり送り込まれると、

女性教師は結男を使って吸血鬼にさせ、

そんなある日の夜、

「結男くん、

 保健室に行くのです」

「はい」

彼女の言われるまま結男は保健室に向かうと、

そこには女性教師が新たにつれてきた小柄な女子生徒が丸いすに座っていたのであった。

結男はセーラー服を着ていつもの女学生のような姿で

二本の三つ編みにまとめていたおさげ髪を背中におろしていた。

「あなたは…

 たしか遠野博子(とおの・ひろこ)さんでしたわね」

「はい」

「この子、こんなに髪の毛長くしているのに

 三つ編みを自分でできないみたいだから教えてあげて。

 この学校は全員三つ編みにするよう校則で決めているんだから」

博子の髪を指さして女性教師はそう言い残すとふたりを保健室に残して出ていってしまった。

「じゃあ。

 博子さん、ぼく…いいえ、わたしが髪の毛をほどいてみるから、

 同じようにやってみてね」

「はい」

「両手首に黒いヘアゴムはめているわね、

 じゃぁこうやって」

「うーん、わかんない」

「そう…

 わたしが左のほうの髪の毛を編んであげるから、

 あなたは同じように右側の髪の毛をやってみて」

「はい」

そう言いながら結男は博子の腰まで届いている長い髪の毛に触った途端、

結男は興奮してしまい、

編んでいる髪の間から見えてきた彼女のうなじに、

すぐにでも牙をたててしまいたい気持ちになってしまったが、

「ここではダメ、まだ早い…」

と結男は必死になって気持ちを抑えたのであった。

「ほら、こうするのよ。

 うふふ、できるじゃない」

ようやく二本の三つ編みに髪をまとめることができた時、

そう褒めながら結男は後ろから博子の肩に牙を立てようとしたが、

不意に博子が丸いすから立ち上がってしまったのであった。

「どうしたの?」

「あ、鏡を見ようと思って」

「そう。

 それならあそこに大きなのがあるわ」

そう言いながら結男も解きかけていた自分の髪の毛を編み直す。

博子を相手にすっかりしぐさも言葉も女っぽくなっていた結男だった。

結男の正体が吸血鬼であることも男であることも知らない博子は、

すっかり安心しきっているようで、

嬉しそうに保健室内に掛かっている巨大な鏡に見入って見せる。

「なんか本当に女らしくなったみたい」

「そうね。

 わたしもこうしていると、

 本当に女の子みたいになったと思ったわ」

「えっ?

 なんかあなたって男の子だったみたいな言い方してる、

 名前なんて言ったっけ」

「あっ、わたしね。

 うふふふ」

含み笑いをしながら結男は博子の肩に手をかけ、

そのまま指を伸ばすと編んだばかりの髪をなでるのであった。

「名前教えてくれないの?」

「わたしと髪の毛を結んだら、

 教えてあげる」

「えっ?

 髪の毛を結ぶって」

「こういうふうに」

戸惑少女に向かって結男は自分の二本の髪の毛先にゆわえていたヘアゴムをそれぞれ少し緩め、

博子の結んだ髪の毛先にも一本ずつ合わせてまた結わえたのであった。

「これで、なかよしのおともだちになったという証拠よ」

「そう…

 じゃあ、名前教えて」

「わたしの名前は”ゆいお”って言うの。

 髪の毛を結う時の結うという字に男って書くのよ」

「ゆいおさん、

 ええっ?

 なんか男みたいな名前ね」

「でしょう。

 わたしね…」

と言いかけたところで言葉を止め、

結男は制服のスカートのホックを外してみせると、

履いていた下着を晒したのであった。

「や、やだ、パンティーが膨らんでいる。

 まさかあなた男の子なの?」

「そうよ、ほら」

「きゃっ」

顔を真っ赤にする博子に向かって

結男は下着をずりおろしてしまうと、

性器を露骨に博子に見せてしまったのであった。

「おほほほ、逃がさないわよ」

驚く博子に向かって結男は口から大きな牙まで光らせてしまうと、

「きゃあーっ!」

「くくくく。

 血をいただくわ。

 あなたも吸血鬼になるのよ」

「いやーっ!」

結男は博子の編んだばかりの三つ編みの髪を、

両手で一本ずつわしづかみにしながら博子の首に牙を近づける。

「ふふふふ、

 嫌がる女の子を襲うのが余計快感だわ」

「やめて、男なのに女のような格好をして、

 女の子の言葉を話すだなんて、

 気持ち悪い!」

博子は嫌悪感を丸出しにして結男を拒絶しようとするが、

しかし結男は博子の首に噛みついてしまうと、

流れ出てくる血を何度もすくい始めるのであった。

「きゃあーっ!」

「くくくく」

やがて血を吸う結男の股間から露骨に晒した性器より、

どくどくっと多量の精液を放れると、

博子は気を失ってしまうが、

しかし、その彼女の口には牙が生えていたのであった。

家に戻っていた結男は、

シャワールームに入って三つ編みにしていた髪を解いて念入りに洗い、

さらに出た後も同じように念入りに自分の髪を乾かすとまたふたつに分け、

各々に黒いヘアゴムを髪にはめて耳もとにしばったツインテールの姿になっていた。

そこへ、結男を吸血鬼にしていた結男の母親が現われた。

「おほほほ、結男は今日は元気ね」

「ええ、ひとり女の子の血を吸ったから」

「じゃあ、今日は結男からたっぷり血を吸えるわね」

「うん。

 ママ、いいよ」

「ふふふふ。

 女の子顔負けのきれいな髪の毛になってつやつやしてるわ」

母親に髪をなでられながらそう言われると

結男は興奮して性器を勃たせたのであった。

その興奮しているところを見た母親は

すぐ結男の首にかみつき始めるのであった。

「ああ…」

「くくくく」

「おほほほほ」

手を口にあてながら不気味に笑うのは、

結男を吸血鬼にさせるために最初に結男の母親を吸血鬼にしていた女だった。

実は、結男が通っている学校の女性教師の正体でもあった。

「もっともっと吸血鬼を増やしていくわ。

 特に彼のような髪の毛を長くしたがる女の子みたいな性格の男の子は狙い目よ」

長い髪の毛は吸血鬼のシンボルともいえるもので、

そのために吸血鬼になった者は

男の子でも女の子のような長い髪の毛になっているのであった。

吸血鬼はあなたのすぐそこにまで近づいているかもしれない。

そして、牙を光らせ機会を狙っているのである。


おわり