風祭文庫・モノノケ変身の館






「おさげ髪の吸血少女」
(第三夜:次の獲物)

作・編髪(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-247





「くくくく」

ふとんの中がごそごそしていることに気づいた暁子は睡眠から目覚めると、

自分の胸を何者かが後ろより脇の下を通して手で揉んでいることと、

同時に自慢の長い髪の毛をひっぱられていることに気が付いた。

「きゃあーっ、

 だっだれ?」

響き渡ったその悲鳴に隣のベッドで寝ていた妹の昌子も目覚め、

慌てて姉の方を見ると

赤く光る目と白く輝く恐ろしい牙が暁子の上に漂っているのに気づいた。

「おねえちゃん、

 きゃあーっ!」

それを見て昌子は悲鳴を上げると同時に

ポニーテールを挙げた暁子のうなじに牙が刺ささると、

そこから血が流れ始めるとさかんにそれをすくってみせる。

長い黒髪をばっさり姉の肩にかけつつ襲っているその吸血鬼の正体が、

同じクラスにいる男の子であることに昌子は気づいていない。

「で、電気をつけなければ…」

それを見た昌子は慌ててベッドから降り、

扉の近くにあるスイッチを押そうとしたが、

だが、後ろから何者かがその腕を掴んでみせる。

その腕の主はなんと姉の暁子だったのである。

「その必要はないわ」

「おねえちゃんどうしたの?

 いまベッドで…」

思いがけない言葉を言う姉に向かって昌子は驚きながら聞き返すと、

昌子の背後から暁子を襲ったばかりの結男が吸血鬼の姿で昌子に襲いかかろうとする。

「きゃあーっ!」

昌子の悲鳴が部屋に響き渡るが、

「何を騒いでいるの、

 ほら、おまえもこの子に血を吸ってもらうのよ」

とその昌子を嗜める暁子の声が響いた。

「血を吸うって、

 おねえちゃんは…

 いやぁぁ!」

昌子は思いっきり暁子の身体を振り払うと、

扉を開け部屋の外へと逃げるが、

「うふふふ、

 どうやってこの家から逃げられるのかしら」

逃げて行く妹の姿を追いながら暁子はそう呟いてみせる。



両親に助けを求めようと昌子は二人が寝ている部屋を開いた。

「どうしたんだ、昌子」

「おねえちゃんが…、あっ」

驚く両親に向かって昌子は事情を説明しようとするが、

だがすぐに暁子も部屋に入って来る。

「喧嘩でもしたのか?」

二人を見ながら両親は訝しがって見せると、

「それは…」

いまこの場で暁子が吸血鬼になっているなどと言っても

とても信じてもらえないだろうと思い、

「うぅん、

 なんでも…」

と言おうとした時、

カッ!

突然、暁子の目が光るなり両親がその光線を浴びたのであった。

「かっ体が…」

指先一つ動かすことが出来ない両親の姿を見下ろしながら、

「うふふふ、

 おとうさんもおかあさんも、

 あたしの仲間になるのよ」

と暁子は呟くとまず父親のほうに近づき、

その首に噛み付いてみせる。

「きゃあーっ!」

衝撃の光景に昌子は悲鳴をあげると、

このまま寝間着のまま玄関から外に逃げて助けを呼ぶしかないと思い、

急いで部屋から出ようとするが、

だが、昌子の三つ編みにしていた髪の毛が引っ張られてしまい

部屋から昌子は逃げられなくなってしまった。

そう昌子をつかまえていたのは、

吸血鬼として侵入してきた同級生の結男だった。

「おまえも吸血鬼になるんだよ」

その声に昌子は振り向くと、

姉の暁子や両親も近づいてくる。

結男に最初に襲われて吸血鬼になった暁子によって両親も吸血鬼になっていたのである。

「さあ、ここでやるより女臭いおまえの部屋のベッドでやってやるよ」

その言葉と共に昌子は部屋に戻されると乱雑にベッドに倒されたる。

そしてその時になって自分を襲ったのが同級生の結男であることがわかったのである。

「あなた何をしに来たの?

 いやらしくてそんな長い髪の毛きもいわね。

 あっ!」


「いひひひ。

 おもいきり痛い目に会わせてやるよ」

「きゃあーっ!」

結男は昌子の三つ編みの髪をまた正面からひっぱりながら抱きつくと、

ばさっと自分の髪を昌子の肩にかけながら

首に牙を突き刺して血を吸いはじめたのであった。

そして、

「くくくく」

昌子の口からも牙が生えて行くと、

「ふっ」

宮野昌子を襲って吸血鬼にした結男は満足げに引き上げ、

いったん自分の家に戻ると自分を吸血鬼にした母親の前に座ってみせる。

「おほほほ。

 よろしい。

 その調子で皆を吸血鬼にしてあげなさい。

 どれ、ちょっと髪の毛が乱れたようだから整えてあげるわ」

と母親は言うと、

結男は三面鏡の前に座らされ

母親によって自分の髪がヘアブラシでとかれるのをゆっくり眺め、

前の日の夜と同じように自分の姿に魅入ってみせる。

「ママ、もういちど三つ編みしてみたいな」

「おほほほ。

 いいわよ。

 女学生のようにね。

 その姿を女の子にも見せてあげるといいわ」

髪を結い終えた結男はもうひとりの同級生である藤原悦子を襲うべく、

また家の窓から抜け出すと悦子の家を訪ねたのであった。

「ここだな、

 うん、ぐっすり眠っているようだ」

いつものツインテールでベッドに寝ていた姿を見つけ、

結男はそのままふとんに潜り込んだのであった

昌子には姉は居たが、

だが悦子のほうはひとりっこである。

「ふふふふ」

暁子や昌子を襲った時にも性器を勃起させて精液が出かかり、

下着が少し濡れていたが、

悦子の身体に長い髪の毛ごと抱きつくと

夢精をした時のように大量に精液が出ていたのである。

「ひひひひ」

「ああ…、

 ん…」

部屋に漂う異様な気配に悦子は目覚めると、

自分の身体の上に三つ編みのおさげをした結男が抱きついていることに気づいたのであった。

「な、なにかしら。

 わたし、三つ編みなんかしないのに。

 だれ?

 きゃあ!」

「くくくく」

悦子は笑みを浮かべる結男の姿を見て驚くが、

「なによ、

 夜中にわたしの部屋まで入って来てエッチね。

 きゃっ!」

気丈に怒鳴りつけた途端、

悦子のツインテールにしている髪の毛を

また結男がそれぞれの手で鷲掴みにし、

目をつりあげ、

牙を剥いて見せる。

「くくくく」

「きゃあーっ!」

悲鳴と共に結男は悦子の首筋に噛み付き、

出てくる血を舐めて行く、

そして、

「おまえも吸血鬼になるんだよ」

と言い聞かせると、

「い、いやよ、

 やめて、

 誰があんたに…きゃあーっ!」

結男に血を吸われ尽くした悦子はその場でがくっと項垂れ、

しばらくすると悦子の口から牙が生えたのであった。

結男は長い髪の姿のままでは結局学校に行かないようになってしまったが、

悦子と昌子はなにごともなかったように通学していた。

だが、恐ろしい出来事はすぐに起っていた。

下校中、

ひとりになった悦子の後ろ姿を一目で見て興奮していた年上の男の子が

その場に倒れてしまったのであった。

「うふふふ、

 この男の子もいやらしそうだわね」

倒れた男子を見ながら悦子はそう呟くと、

自分の家に男の子を運んで行く、

そして、気絶していた男の子が目覚めた時、

ツインテールのままの悦子の後ろ姿が見えて、

男の子の性器をしゃぶっていたのである。

悦子の長い髪の毛先も男の子の裸にされている身体をさすっていたため、

その男の子はまた興奮していた。

「き、君、

 何をしているの?

 ああっ!」

「くくくく」

悦子はフェラチオをしながら牙を男の子の性器に刺し、

血を流させ始めてはすくっていた。

「あなたも吸血鬼になるのよ」

と言いながら…



つづく