風祭文庫・モノノケ変身の館






「雨の夜」



作・風祭玲


Vol.406





サー…

入梅宣言から1週間、

まるでその時を待っていたかのように雨は降り続いていた。

「ふぅ…

 まったく課長ときたら無理ばかり言いやがって…」

そんな愚痴を言いながら

木本哲也は仕事で疲れた身体を引きずるようにして改札口を抜けると、

バッ

傘を広げシトシトと雨が降り続く夜の街へと消えていった。



サー…

まるで蜘蛛の糸のような細い雨粒が哲也の体にまとわりつくように絡んでくる。

「ちっ

 まったく、毎日毎日雨ばかり降りやがってもぅ…

 ちっ、今度の週末も雨だったら承知しないぞ」

降り続く雨に哲也は持って行き場の無い苛立ちをぶつけながら、

住宅地の角を曲がると彼の視界に住宅地から少し離れた所に建つ一軒の住宅が目に映る。

「木本」

門柱に持ち主の名前が書かれた表札が掛かる住宅は無論、哲也の住まいである。

「ふっ」

明かりの消えたその住宅が見えてくると、

哲也は大きくため息をつき、

「いったい、俺って何をしているんだろうなぁ…」

と自宅を見上げ呟いた。



彼がこの家を買ったとき彼の横には妻である恵津子の姿があった。

結婚をして5年、

来るべき家族が増えるときを見越して、

やっとの思いでこの住宅を購入した。

けど、いまはこの住宅に一緒に住んでいるはずの恵津子の姿は無かった。

「病気で入院をしている。」

近所には恵津子が姿を見せない理由をそう説明するが、

しかし、それは事実ではなかった。

「はぁ…」

再び哲也はため息を吐くと、

キィ…

門を開け敷地内へ足を踏み入れる。



とそのとき、

「ん?」

玄関脇に蹲る人影に哲也は気づくと、

「誰だ?」

と声を上げた。

すると、

「あっあなた?」

影がモコッと動くと同時に女性の声が響き渡った。

「え?

 ひょっとして恵津子?」

その声が彼の妻・恵津子のものであることに達也は気づくと思わず聞き返す。



ムクリ…

彼の問いに間髪居れず影がゆっくりと立ちあがると、

一歩

また一歩と徹夜のほうへと近づいてきた。

そして、街路灯の明かりの元にその姿を映し出すと、

「恵津子…」

その姿を見た哲也の口から妻の名前が飛び出した。

「ただいまっ、あなた…」

降りしきる霧雨の中

哲也に近づいてきた人物の髪はずぶ濡れになっていて、

顔や体にぺたりと張り付いている。

いやっ、それだけではない、

体のあちこちには藻が付着し、

さらには水苔らしきものまで付着していた。

「そうか、今日は大払いの日か」

目の前に姿を見せた妻・恵津子の姿に哲也は今日が6月30日であることに気がつくと、

ハタと手と叩いた。

「あなた、

 ひょっとして、今日のこと忘れていたのですか?」

哲也のその言葉に恵津子は疑いの目で見ると、

「あはは、

 いやぁ、仕事に追われてすっかり忘れていたよ」

そのことを指摘された哲也は思わず作り笑いをしながら答える。

「道理で…迎えに来てくれなかったわけですね」

それを聞いた恵津子は諦めに似た言葉を口にすると、

「恵津子っ

 お前…まさかその格好でここまで来たのか?」

と哲也は恵津子を指差し尋ねた。

「えぇ

 あなたが迎えに来てくれなかったので、
 
 仕方が無く…」

彼の問いに恵津子はそう答えると、

「なっ

 だっ誰にも見られなかったか?」

哲也は慌てふためいた。

そう、そのときの恵津子の格好は衣服は何も纏わない全裸で、

体を覆う透き通るような白い肌が街頭の明かりを受け光っていた。

「うふふ…

 大丈夫よ、
 
 ほらっ、あの池から出てきたから」

恵津子は哲也を安心させるように庭先にある池を指差した。

「え?

 あの池からって?
 
 お前…そんなことも出来るのか?」

「うんっ

 それだけの神通力も使いこなせるようになったからね」

「はぁ…

 お前、段々と人間でなくなっていくなぁ…」

恵津子の説明に哲也は関心をすると、

「ちょっと、あなた。

 いまの台詞何よ?
 
 まるであたしがすっかり人間やめたような言い方じゃないっ」

それを聞いた恵津子が哲也に食って掛かった。

「いやっ

 まぁいいじゃないか、
 
 折角、こうして来たのだから、
 
 こんなところで立ち話をしているより中に入ろう」

哲也は話の矛先を変えると、

そのまま玄関のドアを開けると恵津子を自宅の中へと押し込んだ。



「ふぅぅん…」

「なんだよ?」

「いえっ

 相変わらず綺麗にしているねってね」

自宅の中の様子を恵津子は見回し関心をすると、

「当たり前だろう?

 お前が居なくなったからと言って、
 
 汚くしていられるかっ」

背広を脱ぎながら哲也はそう返事をする。

「クスッ」

それを聞いた途端、恵津子は小さく笑うと、

「何がおかしい?」

哲也は不快そうに聞き返した。

「ううん、そうじゃないの

 あのズボラだったあなたがマメにしているだなんて、
 
 信じたくないから…」

「悪かったなっ」

「ふふ…」

「そうだ、それより、

 風呂に入って来いよ、

 ちゃんと洗ってあるから安心して使えるぞ、
 
 すっと水の中だったんだろう?」

恵津子を指差し哲也はそう告げると、

「はーぃ」

恵津子はそう返事をしてバスルームに向かって行く、

そして、

シャーッ

シャワーの音が響いた途端、

「熱い!!」

彼女の悲鳴がバスルームの中から響き渡った。

「どうした?」

その声に哲也が飛んでいくと、

シャーッ

お湯を吹き上げるシャワーノズルが放り出され、

その奥で体を縮こまらせている恵津子の姿があった。

「おいっ

 どうした?」

その様子に哲也がワケをただすと、

「いえっ

 ちょちょっと」

恵津子はシャワーを指差しそう返事をする。

「ん?

 温度を高くしすぎて火傷をしたのか?」

そう呟きながら哲也がシャワーに手を触れると、

「冷てぇ!!!」

と叫び手を引っ込めた。

「うそっ

 熱いのよっ」

それを聞いた恵津子が手を伸ばして、

シャワーに触れると、

「熱い」

と再び悲鳴を上げ、

「ほらっ熱いわよ」

そう訴えながら恵美子は哲也を見る。

「はぁ?」

彼女のその様子に哲也は呆気に取られると、

「お前…ずっと水の中に居たものだから、

 体が猫舌になっているんだよ」

と指摘した。



「ふぅ…」

体中から湯気を上げて哲也がバスルームから出てくると、

恵津子はキッチンに立っていてなにやら支度をしている。

「おいっ

 飯なら食ってきたぞ」

その様子に哲也はそう言うと、

「ううん…

 いいのっ
 
 ここに居る間は妻らしいことをさせて…」

手と動かし恵津子はそう答える。

「そうか…」

彼女のその言葉に哲也はそう呟くと、

ふと、その後姿を見ながら、

「身体はもぅ元に戻ったのか?」

と尋ねた。

すると、

「うん…、あと少し…」

恵津子は振り向きながらそう返事をすると、

指で自分の背中を指差した。

その指が指した先の背中には

モリッ

っとした掌ほどの膨らみが残っていたが、

しかし、その膨らみも時間の経過と共に小さくなっていくと

やがて目立たなくなり、静かに消えていった。



カラン…

恵津子が作ってくれた水割りを飲みながら、

「向こうの様子はどぅ?」

と向こうでの暮らしについて尋ねてみると、

恵津子は一瞬沈黙をした後、

「うん、まぁまぁね…」

と短く答えた。

「そうか

 いや…

 俺、お前が向こうでどんな暮らしをしているのか

 ちょっと心配になってな…」

そう哲也が尋ねた理由を告げると、

「へぇぇ

 あたしの事、心配してくれているんだ」

恵津子は嬉しそうに返事をする。

「当たり前だろう…

 お前が向こうで何を食べているのか、

 何を考えているのか、

 どう言う暮らしをしているのか、

 ずっと気にかけているんだよ」

彼女の言葉に水割りに口を付けながら哲也はそう返すと、

「それは、あたしもよ」

自分用に作った水割りを掲げながら恵津子はそう言うと口を付けた。



久しぶりの二人での晩酌…

酔いの勢いも手伝ってか

哲也は恵津子を抱き寄せると激しく恵津子を愛した。

無論、恵津子自身も”女”として愛されるのもご無沙汰だったせいか、

お互いに燃え上がり愛し合った。

二人とも様々な愛し方で幾度も絶頂を迎え、

そして、恵津子が哲也の上に跨って彼の肉棒を体内に受け入れているとき、

モリッ

突然、恵津子の肛門が盛り上がると、

ポロッ!!

その中から淡い紫色をした玉が飛び出し、

コン!コロロ…

床の上に転がり落ちて行くと、

シュワァァァ…

っと煙を噴き上げて消えていった。

「あっ」

それに気づいた恵津子が思わず声を上げると、

ピタッ

突然、振っていた腰のの動きを止めた。

「………」

一瞬、周囲に静寂の時が流れる。

「ん?

 どうした?」

彼女の下になっていた哲也が首を上げながら彼女に理由を尋ねると、

恵津子は哲也の肩の上に乗せていた自分の手を自分の胸の所に持っていくと、

「えっ?

 うそ……

 そんな……

 まだ……」

と呟く。

そして、その直後、

恵津子の身体がムクリと動くと、

彼女の身体中から

ギシギシ…

と言う音が響き始め、

まるで彼女の身体中の筋肉が波を打つように蠢き始めた。

「おっおい」

その様子に驚いた哲也が思わず声をかけると、

「だっだめぇぇぇ!!」

という恵津子の悲鳴と共に、

ベリッ!!

恵津子の背中の皮膚が縦に裂け、

そして、その中から黒い輝きを放つ甲羅が飛び出してきた。

「えっ恵津子

 お前っ
 
 甲羅が…」

ニュルン!!

背中の皮膚を引き裂いて飛び出した甲羅を見ながら

哲也は甲羅が飛び出してきたことを告げると、

「いや

 いやぁぁぁ!!
 
 まだ人間でいらせて、
 
 河童なんかになりたくない!!」

両手で頭の両側を押させながら恵津子は叫び声を上げる。

しかし、

ミシ…

ミシ…

恵津子のその願いもむなしく

やわらかさが残る甲羅に六角形の筋が次々と姿を見せると、

甲羅は硬く引き締まっていく、

そして、彼女を襲う変化は甲羅の出現だけにとどまらず

次々と恵津子を人から”もののけ”…そう河童へと姿を変えていった。

メキメキ…

背中の皮膚を引き裂いて飛び出した甲羅は硬く締まりながら、

恵津子の背中全体を覆い尽くすと、

ヌトッ

今度は恵津子の体を覆う皮膚から大量の粘液が分泌され、

そして、生臭い匂いを発散させながら皮膚が変質をし始めると、

肌の色も次第に青緑色へと変色して行く。

また、その一方で肌の変化に合わせて彼女の手も、

小指が落ちてしまうと残った指と指の間に水かきが張った河童の手となり、

足も同じように変化していった。

「あっ(いやよ)

 あっ(いやよ)

 くうっ…まだ人間で居させて、
 
 お願い…
 
 なんで、
 
 なんで、河童になってしまうの」

河童へと変化していく快感を感じながらも

恵津子は河童へ変身する自分の体を頭を振って否定するが、

ズルッ

ベチャッ

ついに頭の髪の毛が滑り落ちてしまうと、

後には青緑の肌を晒す坊主頭が部屋の明かりを受けキラリと光った。

すると、

プクッ!!

その坊主頭の天辺に水袋が姿を見せると、

それが弾けた後、頭に皿を作るために成長して行った。

「あっあっいやぁぁぁ!!」

もはや完全な河童となる時まであまり無いことを悟った恵津子は悲鳴を上げると、

「うぐっ」

あげていた悲鳴が突然詰まり、

「ぐげぇぇぇ…

 げぇぇぇぇ…」

と鳴きだした。

「恵津子?」

「げぇぇぇ、げぇぇぇ」

言葉を言わずそう鳴き始めた恵津子に向かって哲也は恐る恐る尋ねるが、

しかし、恵津子は”げぇぇぇ”と鳴くだけだった。

「おっおいっ」

恵津子からの返事に哲也は驚きを隠すことが出来なくなった頃、

ピシッ

ゲェェゲェェ

と声を上げる美津子の口が一気に切れると、

「もごっ」

彼女の口が見る見る膨らみ、

そして、

ブハッ!!

吹き出した歯と共に口の中から硬い嘴が飛び出した。

「嘴?」

「ケェェェェ

 ケェェェェ」

歯を吹き出し、

そして嘴を得た恵津子はどこか物悲しさを感じる泣き声をあげる。

そして、

「ケェェェェ」

とひときわ高く鳴いた後、

ニュポッ…

哲也の男根を締め上げていた恵津子の膣から力が消え、

肉の空洞…肉洞と化してしまった。

「恵津子…」

そう言いながら肉洞と化してしまった膣から哲也が男根を引き抜くと、

フラァ…

皿は開いていないものの河童と化してしまった恵津子はふらふらと腰を上げると、

庭にある池への方と向かい始めた。

「まてっ」

それを見た徹夜が声を上げるのと掃除に恵津子の腕が握り締めると、

スクッ

徐に立ち上がった哲也はそっと恵津子を後ろから抱きしめた。

「ケェェェェ(あっあなた、何をするの?)」

哲也の行為に恵津子が驚くと、

「ふふっ

 なぁ
 
 一度河童を抱いてみたかったんだ…」

と哲也は恵津子の耳元で囁く。

「ケェェェェ(いまなんて?)」

「耳か取れかかっているよ」

驚く恵美子をよそに哲也は彼女の頭の両側にある耳朶が浮き上がっているのを見つけると、

それに手を添え、

そしてゆっくりと引っ張った。

ポロッ

恵津子の耳朶が何の抵抗もなく離れていく…

その一方で、哲也の手が恵津子の乳房を揉み上げると、

今度は青緑の肌に覆われた乳房の先で頑張ってきていた乳首がいとも簡単に取れてしまった。

「ほらっ

 恵津子の耳と乳首だよ
 
 もぅ、誰が見ても君は立派な河童だよ」

取れてしまった耳朶と乳首を見せながら哲也はそう告げると、

「ケェェェェェ(いやっ、そんな事言わないで!)」

恵津子は河童の鳴き声で訴えた。

「いやかい?

 そんな事は無いよ、
 
 ほらっ
 
 そこの鏡をよく見てごらん、
 
 恵津子…
 
 気がつかないかい?
 
 河童となってしまった君はとてもセクシーだよ」

戸惑う恵津子に向かって哲也はそう囁くと、

スッ

っと寝室に置いてある姿見を指差した。

それはここに引っ越してきたとき恵津子が購入したものだった。

「ケェェェェェェ…(うっ…あっあたし…)」

哲也に言われるまま恵津子は鏡を見ると、

そこには青緑の肌に覆われ嘴と甲羅を持った河童の姿が映っている。

「恵津子…」

鏡に映った自分の姿を見ている恵津子に哲也は彼女の名前を呼びながら、

そっと嘴に自分の口を付けた。

「!!

 ケェェェ(だめっ)」

哲也の思いもよらぬ行為に美津子は驚き彼を引き離そうとしたが、

けど、哲也は硬く閉じているはずの恵津子の嘴を開かせると

その中に舌を入れ細く変化し河童の舌となっていた恵津子の舌に絡ませた。

チュ…チュッ

寝室にそんな音が響き渡る中、哲也は恵津子を抱きしめ、

そして乳首の無い粘液まみれの乳房を揉みあげる。

「ケェェェェ…(あぁっいぃ…)」

「ケェェ…(あぁいいぃよぉ)」

「ふふっ

 感じているんだね…
 
 そうか、河童も人間も一緒なんだ…
 
 じゃぁ…ここはどうかな?」

意地悪そうに哲也はそうつぶやくと、

グニュッ!!

恵津子の股間に開いている4つの穴に4本の指を入れ、

そして激しくかき回した。

「ケェェェェェェェ!!(あぁダメッ!!)」

鳴き声を上げ、恵津子は腰を引いた。

しかし、哲也の指はそれで振り切れるものではなく、

「はははっ

 逃がさないよ」

の台詞のごとく、

哲也は恵津子の頭の水袋を破かないように慎重にベッドに押し倒すと

徹底的に恵津子の急所を責めはじめた。

「ケェェェェ」

「ケェェェェ」

予想外に哲也に責められ恵津子は喘ぎ声を上げながら、

すっかり哲也に体を預けている。

そして、その一方で河童となった恵津子の体を哲也は責め続けると、

「恵津子…」

そう囁きながら、硬く勃起したペニスを恵津子の嘴の傍に持っていった。

すると、

カプッ!!

恵津子は何の抵抗もすることなく嘴を開くと、

哲也のペニスを咥えると、

長く伸びた舌で哲也を攻め始めた。

「あっ

 くぅぅぅ…
 
 美津子の長い舌が…
 
 うっ」

哲也も味わったことの無い快感に溺れ始める。

「うぉぉぉっ」

「ケェェェェェェェェ!!」

69に姿勢でお互いに攻めあった後、

ひときわ大きく恵津子が鳴き声を上げた時、

ドプッ!!

4箇所ある河童の穴より恵津子は粘液を吐き出しながらイってしまうと、

「ウッ」

シュッ!!

哲也も恵津子の口の中に果ててしまった。

「はぁはぁ…

 ふぅっ
 
 河童といっても、所詮は人間と同じか…」

射精をした満足げに恵津子を見ながら哲也はそう告げた。



「ケェェェェ(じゃぁ、あなた…)」

翌朝、

池に片脚を沈め恵津子は哲也の方を振り返ると、

ニコッと笑う。

「あぁ、元気でなっ

 今度はもぅ少し長く居られる様にしてくれよ」

そう哲也は注文を付けると、

「ケェェェェ」

コクリ

恵津子はそう返事をすると大きく頷いた。

そして、

「ケェェェェェェェェ(じゃぁあなた行ってきます)」

と一鳴きすると、

ジュポッ!!

池の中に身を沈めると、

まるで最初から河童なんて居なかったかのように池は静まり返ってしまった。

「恵津子…

 いつかお前にお前に掛けられた河童の呪い、
 
 解いてやるからな」

哲也は池に向かってそう呟くとタバコに火をつけた。



掛けられた呪いによって尻小玉を失い河童に姿を変えられてしまった恵津子は

6月30日の大払いの夜に夫・哲也の前に戻って来ていた。

そして、また今年も恵津子は一晩だけ哲也の元を訪れると、

再び水の向こうへと戻っていったのだった。



おわり