風祭文庫・モノノケ変身の館






「祭の日」


作・風祭玲

Vol.206





ミーンミンミン…

長かった梅雨が明けたばかりの夏空の下、

メモを片手に一人の少女・狩野祐美子が歩いていく。

「えっと…この辺だと聞いていたけどなぁ」

そう呟きながら歩いているとやがて行く先にある森から、

テンツクテンツク…

と祭囃子の音が微かに聞こえてきた。

「あっ、あの杜ね」

彼女はそう呟くとこんもりと盛り上がる森へと続く道を急いだ。



「すみませーん…」

人気の少ない社務所で祐美子が声を上げてしばらくすると、

「はい…」

と返事をしながら巫女装束姿の女性が顔を出した。

年齢は祐美子と同じくらいだろうか?

しかし、身にまとった白に朱色のコントラストが美しい巫女装束と、

水引で括った長い髪がどこか神々しさを感じさせていた。

「あっあのぅ…

 アルバイトのことで電話をした…」

出てきた彼女の美しさに一瞬呆気にとられていた祐美子だったが、

しかしスグに来意を告げると、

「あぁ…狩野さんね」

彼女は合点がいったような表情をすると、

「ちょっと待ってて下さいね、

 いま神主さんを呼んできますから…」

彼女は祐美子にそう告げると奥へと向かっていった。

「はぁ…きれいなヒトだったなぁ」

彼女の後ろ姿を眺めながら祐美子はそう呟く。



「へぇ…これが私…」

あれから約一時間後、祐美子は自分の巫女装束姿を眺めていた。

その後ろで先ほどの彼女・北嶋香奈恵がなれた手つきで祐美子の髪を束ねると、

キュッ!!

と祐美子の髪を水引で縛った。

「うん、可愛いわよ」

ポン

と肩を叩きながら彼女が言うと、

「えぇ…」

祐美子は頬を赤らめながら返事をした。

「ほほぅ、いやなかなか…」

そんな彼女達の前に中肉中背でにこやかな表情をした

神職姿の男性が入ってきた。

この神社の神主の田上武雄である。

「いやぁ…

 なかなかのベッピンさんだねぇ」

満身の笑みを浮かべながら祐美子を眺めると、

「おじいちゃんっ、ダメよセクハラをしては」

すかさず香奈恵がたしなめた。

「おじいちゃん?

 あっ香奈恵さんは神主さんのお孫さんですか?」

彼女の言葉を聞いて驚きながら祐美子が訊ねると、

「まあね…」

片づけをしながら香奈恵は答えた。

「オホン!!」

ばつが悪いのか武雄は咳払いをすると、

「さて、いよいよ明日、

 この田神神社の夏の大祭が開かれます。

 祐美子さんに来ていただいたのは

 その大祭の為なんです……」

と説明をすると、

「はぁ……

 本当はもぅ少し巫女さんを雇いたかったんだけど、

 アルバイト情報誌を見てきてくれたのは祐美子さんだけとはねぇ」

そう内情を言うとがっくりと肩を落とした。

「あのねぇおじいちゃん…

 いくらアルバイトとは言ってもねぇ

 こんな田舎の神社にそんなに人が来るわけがないでしょう」

そんな祖父の様子に両手を腰において香奈恵が注意すると、

「あっ、あたし…

 こういうところが好きですし、

 ちょっと憧れもあったんです」

やや肩を狭くして祐美子が言うと、

「いいのよ、そんなお世辞なんて…」

「いえ、お世辞だなんて…

 こういうところで働けたら良いですねぇ」

祐美子は境内を眺めながらそう言った。

「そぅ?」

怪訝そうな顔をして香奈恵が返事をすると、

「では、香奈恵…

 私はちょっと用事があるので出かけるけど、

 祐美子さんに作法などを教えてあげてくれないか」

武雄はそう言い残すと神社を後にした。

「…何かあるんですか?」

見送りながら祐美子が訊ねると、

「お祭りの関係で、警察やら役所の人と相談をするんだって」

香奈恵は肩を窄めながら答えた。



「で、ここがこうなって…」

「違う違う…」

「あっそうそう…」

祐美子は香奈恵より儀式などの作法一通り教わると、

「ちょっと休憩しない?」

と彼女から誘われた。

プシュッ!!

二人並んで冷えた缶コーラの飲んでいると、

「ねぇ、祐美子さん」

香奈恵が祐美子に話しかけてきた。

「はい?」

祐美子が振り向いて返事をすると、

「あなた…

 ここ田神神社のご神体、何なのか知ってる?」

と聞いてきた。

「ご神体って…

 普通…鏡かなんかじゃないんですか?」

そう祐美子が返事をすると、

「あぅやっぱり知らないのね…

 無理もないか」

意地悪そうに香奈恵が言うと、

「えぇ何ですか?

 気になるなぁ

 教えてください」
 
祐美子がそう言って言い寄ると

「……わかったわ

 じゃぁ教えてあげる、

 あたしに付いて来て…」
 
と言うなりまるで祐美子の手を引っ張るようにして

香奈恵は本殿へと向かっていった。

「あのぅ…

 いいんですか?

 勝手に入って…」

心配そうに祐美子が言うと、

「なに心配してんのっ、

 あたし達は巫女でしょう」

と言う香奈恵の返事に

「あっそうだった」

祐美子はそのことにハタと気付く、

こうして社殿の奥へと入っていった祐美子に”それ”は無言で姿を現した。

「これは……」

大きさは1m半はあろうか、

一抱えもある胴回りと、

亀のような頭を持った”それ”はまさしく男の性器・ペニスそのものだった。

「男性器をご神体にしている神社はいくつかあるけど、

 この神社のはそのリアルさと大きさ共にトップクラスね」

香奈恵はそう言うと、

「うわぁぁ、こう言うのって話には聞いたことがありますが

 本当に男の人のペニスの形をして居るんだ…

 しかもご丁寧にキンタマまであるなんて…」

しきりに感心しながら祐美子が言うと、

「あなた…つき合っている人居るの?」

と囁くように香奈恵が尋ねた。

「え?」

フルフル…

突然の思いがけない彼女の問いに驚いた祐美子はあわてて横に振ると、

「じゃぁ…男性経験は?」

と続いて尋ねた。

「んなもん無いですよ!!」

顔を赤くして祐美子が反論すると、

「そう…(ニヤ)」

それを聞いた香奈恵の顔がかすかに笑い、

そして、

「ねぇ、良いことを教えてあげましょうか」

と本殿に差し込む光を背にして香奈恵は祐美子に囁いた。

「は?」

彼女の言葉に祐美子が聞き返すと、

「そのご神体の亀頭を手で3回なでると、

 未婚の女性は夫が見つかり、

 既婚の女性は子供が授かり、

 そして妊婦は安産で子供を産む。

 っていわれているのよ。

 ねぇ…物は試しに祐美子さんも撫でてみてはどう?」

と誘うように香奈恵は言った。

「えぇ!!…」

彼女のその言葉に祐美子は声を上げると、

「あたしは今はそんな…」

と言うと、

「ほらっ、モノは試しって言うじゃない。ねっ」

強く促すようにして香奈恵は祐美子に言った。

すると祐美子は

チラッ

ご神体を一目見ると、

「3回撫でればいいの?」

と香奈恵に念を押した。

コクン

香奈恵は静かに頷く、

「では」

祐美子は右手の袖をまくると、

ゆっくりと御神体に近づいていき

そして、その亀頭にそっと手を乗せた。

香奈恵は黙って祐美子の行為を見つめていた。

とそのとき、

ドクン

ご神体が一瞬脈動した。

「え?」

祐美子はそれに驚くと手を止めた、

「どうしたの?」

香奈恵が祐美子にその訳を訊ねると、

「いま、これ、動かなかっ…」

と言いかけると、

「ううん、何でもない…」

祐美子は首を振ってそう言い直すと、

1回

2回

とご神体の亀頭をゆっくりと撫で、

そして3回撫でたとき。

ムクムクムク!!

突然ご神体が大きく勃起すると、

ブシュッ!!

祐美子に向けて液体を発射した。

「きゃっ!!」

突然のことに驚いた祐美子だったが

しかし、避ける間もなく祐美子はご神体が放った液体を頭から被ってしまった。

と同時に彼女の身体に何かが入ってきた。

「あ…っ」

その途端、祐美子の意識が徐々に遠のいていくと、

ドサッ!!

彼女はその場に倒れてしまった。

「フフフフ…」

そして、倒れた祐美子の姿を見下ろしながら香奈恵は静かに笑った。



「なんと、祐美子さんがご神体にふれてしまったのか?」

打ち合わせから戻ってきた武雄が香奈恵より祐美子がご神体に触れ

そして、ご神体が放った液体をまともに浴びてしまったことを告げられた途端、

そう返事をすると、

彼の表情はこわばった。

「で、祐美子さんは何処に…」

そう言って祐美子を気遣う武雄を香奈恵は奥の和室へと連れて行く、

8畳間の部屋の敷かれた布団に祐美子は寝かされていた。

「取りあえず、ご神体の液体はふき取りましたが…」

と経過を説明する香奈恵を余所に武雄は

バッ

っと祐美子が寝ている布団をめくり上げると、

シーツの上に寝ている祐美子の裸体が現れた。

「………」

じっと目を凝らすように武雄が祐美子の身体を観察していると、

ムクッ!!

突如、祐美子の乳房が盛り上がるのと同時に、

ピクッ!!

彼女のクリトリスがふくれ始めた。

「こっこれは…」

その様子を見た武雄は声を上げると、

「間違いない祐美子さんの中にマラ様が降臨なされた」

と言い、

「香奈恵…なんで祐美子さんをご神体の所に連れて行ったんだ」

と彼女の行動を窘める言葉を言った。

「…えっ、それは…

 ご神体の話をしたら

 祐美子さんが是非見たいっていうから…」

バツが悪そうに呟くようにして香奈恵が事情を説明すると、

「だからといって、連れていく奴があるか」

と武雄は香奈恵を怒鳴った。

「ごっごめんなさい…」

香奈恵はそう言って謝ると、

「とにかく、マラ様が祐美子さんに降臨なされたと言うことは、

 彼女の身体はもうじきマラ様になると言うことだ。

 すでにその兆候は現れておる。

 全く、香奈恵…お前はとんでもないことをしてくれたんだぞ、

 本来なら田所の血を引くお前がマラ様を迎え入れるはずだったのだからな」

武雄は祐美子に布団をかぶせるながら、

香奈恵にキツく言うと部屋から出ていった。

そして、ひとり香奈恵が部屋に残されると、

「………ふん、だれが好きこのんでマラ様なんかになりますか、

 まぁこの子にはあたしの変わりとしてマラ様になって貰いましょう」

と香奈恵は冷たい目で祐美子を見ると、

そそくさと部屋から出ていった。



「ん?」

翌朝…

ようやく気づいたのか祐美子が目を開けると、

「あれ?、

 あたし…どうしたんだろう?

 確か、本殿で香奈恵さんとご神体を見て

 で、それに撫でたときに…

 何かがあたしの中に飛び込んできたんだ」

そう思い返しながらキョロキョロと部屋の様子を探ったとき、

「!!」

自分の胸にやや重めの圧迫感を感じた。

「?」

祐美子が自分の胸に手を持っていくと、

「あたし裸?」

と気づくと同時に

ゴリン!!

彼女の乳房の中で何かが動いた。

「うっ!!っ」

祐美子は思わずうめき声を上げると、

「え?、なに?今の?」

と呟きながら再び熱を帯びる乳房に手を伸ばすと、

ニュルン!!

両乳房の中にボールのような物体があることが解った。

「いやだっ

 オッパイの中に何か入っている!!」

祐美子はそう叫ぶと、

グッ

っと起きあがろうとしたが

しかし、

彼女の身体は金縛りにあったように動かすことが出来なかった。

「え?なんで?

 身体が動かない」

首を動かし髪を振り乱しながら、

祐美子は必死になって唯一動かせる腕を使って布団をはぎ取ると、

灯りの下に彼女の裸体が照らし出された。

ムリムリ…

ムクムク…

祐美子の目の前で彼女の乳房は膨らみ続け、

さらに股間のクリトリスも、

見る間にピンポン大から

ソフトボール大

さらにバレーボール大へと

膨らんで行く。

「やっ止めてぇ!!

 誰か助けてぇ!!」

それを見た祐美子は悲鳴のように助けを呼んだが、

しかしその声を聞きつけて駆けつけてくるモノは誰もいなかった。

「香奈恵さん、田所さん!!」

なおも呼び続ける祐美子だったが、

その間にも、彼女の身体は変化を続けていた。

巨大化したクリトリスに縦の溝が現れると、

ピチュッ!!

と口が開き、

その一方で内部に”タマ”が成長して行っている乳房は

それに合わせるようにしてさらに膨らみ、

そしてその表面には幾筋ものシワが刻まれてはじめていた。

「いやぁぁ…

 やめて…
 
 誰か助けて!!」

力無く祐美子は声を上げるが、

しかし、

大きく膨らんだ乳房はすでに乳房ではなく男の股間にぶら下がっている陰嚢と化し、

また身体の中には骨格の変わりに海綿体が支え始めていた。

「うううう…」

ムリムリ…

ムリムリ…

膨れていく体に手足が見込まれ、

胴体=陰茎が大きく伸びた祐美子の身体は

もぅ何処を見ても巨大なペニスにしか見えなかった。

そして、変身がようやく止まった祐美子の顔は

陰嚢と化してしまった乳房の間に埋もれている状態になっていた。

―しくしく―

変わり果てた自分の姿に祐美子はすすり泣いていると、

ガラッ!!

っと閉められていた障子が開くと神職姿の武雄が部屋に入ってきた。

そして、ペニス化した祐美子の姿を見るなり、

「…あぁ…もぅマラ様となられてしまいましたか」

と言うと

続けて、

「祐美子さん、

 まことに申し訳ありませんが、

 祐美子さんにはご神体・マラ様として

 祭に出てくれませんか」

と告げた。

「マラ様?…

 それよりもコレは一体なんですか、
 
 何であたしの身体は男の人のオチンチンに…」

必死になって祐美子が変身の理由を問いただそうとすると、

「それは、祐美子さんにマラ様が乗り移られたからです」

と静かに武雄は告げた。

「マラ様?に乗り移られた?

 マラ様って?」

という祐美子の問いに、

「マラ様とはこの神社のご神体でして、

 それに手を触れると、

 未婚の女性は夫が見つかり、

 既婚の女性は子供が授かり、

 そして妊婦は安産で子供を産む。

 と言われています」

と昨日香奈恵が祐美子に説明をしたことを再び告げた。

「それは昨日聞いたわ…

 じゃぁそのマラ様があたしに乗り移ったから、

 あたしはオチンチンに変身したの?」

「はいっ」

祐美子の推測に武雄は大きく頷いた。

「そんなぁ…」

彼の返事に祐美子は驚いていると、

「では、申し訳ありませんが、

 まもなく祭が始まります御支度を…」

武雄はそう祐美子に告げるなり、

パサッ

っと彼女の前に黒染めの布束を置いた。

「なっ何を…」

彼の行動を見た祐美子が声を上げると、

「先ほども申しましたとおり、

 マラ様となられた祐美子さんにはこれからご神体として祭に出て貰います。

 そのために、この廻しを締めていただかなくてはありません」

と言って祐美子の身体を持ち上げると、

パサッ

彼女の顔を隠す様に廻しをかぶせた、

そしてそれを祐美子の背中に回すと、

こんどは陰茎に巻き付けて行く、

「やっ止めてぇ」

祐美子は声を上げたが、しかし武雄は容赦なく廻しを締めていく、

そして、

ギュッ!!

と締め上げると祐美子の陰嚢を2つに分けるように廻しが締められた。

しかし事実上顔を隠された祐美子には自分の姿が見えないのが唯一の救いだった。

ビン!!

廻しを締められたためか祐美子の身体は大きく勃起していく、

「ではマラ様…参りましょう」

武雄は祐美子にそう告げると、

ダッ!!、

部屋の外で待機していた下帯姿の男たちが部屋の中に入ってくると、

ソレッ!!

っと勃起している祐美子の体を持ち上げると、

部屋の外に用意した輿に乗せ、

そして、境内で今か今かとご神体の登場を待っている参拝客の前へと引き出した。

「きゃぁー!!」

ご神体=祐美子の姿を見た参拝客の中から女性達が我先にと飛び出して

祐美子の傍によると黄色い歓声を上げながら

次々と伸びた手が祐美子の亀頭や陰茎を触り始めた。

『やっやめて!!

 そんなに乱暴にさわらないで!!』

タテミツに顔を隠され外の様子が分からない祐美子が必死になって

自分の男根を触りまくる手から逃れようとした。

「すごい、

 今年のマラ様はまるで生きているみたいだわ」

「ほんとと動くわ」

女性たちは動くマラ様に驚きながらも、

しかし、行為をやめようとはしなかった。

そして、彼女たちの手は祐美子の陰茎や亀頭を容赦なく襲い

その触感は否応なしに祐美子を刺激した。

『あっだっだめぇ』

グングン!!

見る見る祐美子の身体は膨張し大きくなっていく、

「…凄い、このご神体、勃起するぅ!!」

女性達の黄ばんだ声が祐美子をさらに刺激した。

『いや、そんなこと言わないで』

廻しに覆われた中で祐美子は叫ぶが

しかし、その声に耳を傾ける者は誰一人居なかった。

ツツ…

鈴口から涎のようにガマン汁が流れ始める。

ペチペチ

ペチペチ

それを見た参拝客達は

一刻も早くマラ様を射精させようとして祐美子の体を叩き続けた。

『いやぁぁぁ…

 そんなに叩かないで
 
 さらわないで…
 
 お願い、
 
 出ちゃうの…』
 
身体を覆う快感に恍惚としながら祐美子は呟く、

そのとき、

サワッ

誰かの手が祐美子の裏筋をそっとなで、

さらにカリ首の両脇を軽く引っ掻いた。

『あっ』

その途端、祐美子の視界に火花が散った。

すると、

ジュッ!!

陰嚢となった乳房の中にある睾丸から作られた大量の精液が

祐美子の中を一気に流れ下ると。

プシュッ!!

っと空に向けられた鈴口より白濁した精液を高く遠くへ吹き上げた。

「きゃぁぁぁぁ!!」

「おぉ!!」

パチパチパチ!!!

それを見た参拝客達の悲鳴とどよめきがあがると、

大きな拍手に包まれた。


『あぁぁぁぁ…

 出ちゃった
 
 あたし…
 
 出しちゃった』
 
射精後の虚脱感に包まれながら祐美子は呟いていると、

萎えた祐美子の身体を再び参拝客は祐美子の身体を触り始める。

「あっ…」

ムクリ…

感じてくると祐美子は再び勃起した。



こうして一日が過ぎ、夜が更けた頃…

祐美子にとって悪夢だった祭はようやく終わった。

ぐったりとした彼女の身体が腰からおろされると、

「お務めご苦労様でした」

とねぎらいの言葉をかけられながら

廻しを外され、

祐美子の身体が丁寧に洗い清められる。

「あっあのぅ、

 この身体は元に戻るのですか?」

ペニス化した身体を上下動させながら祐美子が訊ねると

「えぇ、お務めが無事終わったので、

 明日の朝には元通りに戻っていますよ」

田所のその言葉に、

ホッ

と祐美子は安心すると、

疲れもあってかそのまま寝入ってしまった。



しかし翌朝…

「いやぁぁぁぁ!!」

祐美子は悲鳴を上げた。

そう、彼女の身体は元に戻ることなく、

それどころか

全身が黒金色に染まり、

今まで以上にカリを大きく開いた太くて逞しいペニスへと変化していた。

ビンッ!!

青筋を立てながら朝立ちをする彼女の姿を見た武雄は、

「これは…

 どうやら、マラ様はあなたの身体を仮のモノとではなく

 ご神体として認めてしまったようです。

 ですから祐美子さん、まことに申し訳ありませんが、

 あなたをこの神社の新しいご神体としてお祀りさせて頂ます」

と言うと祐美子の亀頭に真新しいしめ縄を飾り付け、

そして本殿へと安置した。

「いやだぁ!!!

 戻してよ、

 あたしを元の人間に!!」

新旧2つのペニスがならぶ本殿の奥から、

祐美子の悲痛な叫び声が鎮守の森に静かに吸い込まれていった。



おわり