風祭文庫・異形変身の館






「剥ける女」
(第2話:出会ったのは…)



原作・カギヤッコ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-099





ブォォォォン!!

ザザザザザ…

砂利石を踏みしめながら一台の乗用車が曲がりくねった山道を走っていく。

「おーぃ、

 可奈っ

 ちゃんとナビしてくれよ」

ハンドル操作に神経を集中させている木藤隆二は

助手席に座る婚約者の坂本可奈に向かってそう言うと、

「うっうん…」

可奈は必死になってナビケーションシステムの画面を見つめていた。

ウォォォォン!!

ザザザザ…

傾いた西日を受け、

クルマはさらに山の奥へと向かっていくと、

道は次第に細くなっていった。

「あれぇ?

 本当に大丈夫なのか?」

細くなってくる道と暗くなってきた空に隆二は心細くなってくると、

「おいっ

 道は大丈夫か?」

と助手席の可奈に尋ねる。

ところが、

クー…

ナビケーション担当の可奈がいつの何か寝てしまい、

座席にぐったりともたれ掛ってしまっていた。



「なっ!!

 こらっ!!

 可奈っ

 寝てるな!!!」

助手席でぐったりとしている可奈に向かって隆二は怒鳴り声を上げるが、

しかし、

「………」

隆二の怒鳴り声にも関わらず可奈は起きることは無かった。

「ったくぅ、

 よくこんな山道で寝ていられるよなぁ」

そんな可奈の姿に隆二は文句を言いながら再びハンドルと握ると、

カチッ!!

ライトの照明を入れ、クルマを出した。

そして、日が落ちた山道を走ること30分近く、

「ふぅ…行けども行けども山の中か…」

疲れを感じた隆二がふとグチを漏らした時、

ヌッ!!

いきなり車の行く手に人影らしいものが飛び出してくると、

フラフラと歩いて横断する様子が目に入った。

「え?

 人ぉぉぉぉ!!」

予想だにもしなかった人影の出現に隆二は慌ててブレーキを踏むが、

しかし、

ドン!!

クルマが止まる寸前、バンパーと人影が接触をし、

その振動がハンドルを伝って隆二の手に届いた。

「だっ、大丈夫か」

車から降りた隆二が慌てて人影に駆け寄り、

そして、蹲っているその者へと近寄った。

「女の人?」

ヘッドライトの光を受けるその人物は女物の明るい色のワンピースを身につけ、

履いているハイヒールと共にこの山深い山中にはどう見てもミスマッチした姿だった。

「あっあのぅ

 大丈夫ですか?」

俯いたままの女性に隆二は恐る恐る声をかけるが、

「……ジュル…

 …ジュル…」

ワンピース姿の女性はなにかを啜るような音を上げるだけで返事をしない。

「なんだ?」

そんな女性の姿に隆二は不審に思いながら、

「痛いところはありませんか?」

と尋ねながら、女性の正面に回ったとき、

「え?

 なっ」

目をまん丸に見開くと、

「うっ 

 うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

と叫び声を上げながら、

ドンッ!!

女性を突き飛ばすとクルマに駆け込み、

ギャギャギャ!!!

タイヤを軋ませながらクルマを急発進させた。




「はぁ?

 顔がオチンチンの女ぁ?

 きゃははははははは!!!」

それから1時間後…

可奈の笑い声が部屋中に響き渡ると、

「わっ笑うなっ

 本当なんだよ!!

 お前は気持ちよく寝ていたから知らなかっただろうけど、

 本当に顔がチンポになっている女に会ったんだ!!」

と隆二は顔を真っ赤にして怒鳴り返した。

「はいはいっ

 もぅ…道に迷ったのなら素直に言えば良いのに、

 変なウソつかないでよ」

隆二の反論に可奈は笑いをかみ殺しながらそう言うと、

「本当なんだよ、

 ワンピースにハイヒールを履いたチンポ女が出たんだって!!」

と隆二も譲らない。

「そりゃぁ…

 つい寝ちゃったあたしも悪いけどさぁ…

 でも、だからってウソをつくのはやめてよ

 どこの世界に顔がオチンチンの女の人が居るって言うのよ

 真面目に考えればありえない話じゃない」

「俺だって信じたくねーよっ

 でも、本当見たんだよ」

ブブブブブ…

蛍光灯が輝くの駐車場に止めてあるクルマの中で隆二と可奈が言い争っていると、

「とっ、とにかくっ

 戻ろうよ」

と可奈が隆二に言う。

「戻るって…」

「だって、人を轢いたのは事実なんでしょう

 このままじゃぁひき逃げよっ、

 あたしを犯罪者にするの?」

渋る隆二に可奈は迫った。

「うっ」

可奈の言葉に隆二は言葉に詰まるとアクセルに脚を置いた。



「どの辺?」

「ここの辺だけど…」

ザザザザ…

もと来た道を引き返す途中、

可奈は隆二に女性を見たところを尋ねると、

しばらくして、

「でたぁ!!」

と隆二は前方を凝視しながら叫び声を上げた。

「え?」

隆二の叫び声に可奈も前を見ると、

隆二の車に向かって大きく手を振っている女性の姿が目に映った。

「手を振っているよ、

 それに服装も違うよ」

「あっそっそうだなぁ…」

白のパンツルックの手を振る女性の姿を指差しながら可奈が言うと、

ザザザザッ

隆二のクルマは女性の横に止まり、

「どうしたんですか?」

顔を出しながら可奈は女性にワケを尋ねた。




「それは大変でしたね」

「えぇ」

隆二の車に乗り込んでいたのは手を振っていた女性・大野裕子ともぅ一人、

ワンピース姿の大沢佐和子の二人だった。

ザザザザザ…

チラッ

チラッ

ハンドルを握る隆二はルームミラー越しに後部座席に座る佐和子をしきりに見る。

「なによっ」

その様子に可奈がワケを正すと、

「いっいや…」

隆二は口を濁し、正面へと視線を戻す。

「まさか、

 あの佐和子さんがそのチンチン顔の女だったって言うの?」

「………」

「あのねっ

 見ての通り、

 佐和子さんはちゃんとした人間よっ、

 もぅもぅ少しで佐和子さんを撥ねてたって言うじゃないのよっ」

可奈は車のエンストで助けを求めた佐和子が走ってきた車に危うく撥ねられそうになった。

という事を聞き、暗に隆二を責めていた。

「いやっ、

 そーゆーわけじゃぁ…」

可奈の責めに隆二はバツの悪い顔をすると、

「あっ、

 あそこの駐車場に止めて」

と行く手に見えてきた駐車場を指差した。

「なんだよっ」

さっきUターンをした駐車場を見ながら隆二がワケを聞き返すと、

「トイレよ、

 ト・イ・レ!!」

と可奈は隆二に向かってハッキリと告げた。




スーッ…

隆二は舗装された駐車場にクルマを入れて止めると、

チャッ

素早く可奈が降りると、

「あっ、あたしも…」

「もう少しガマンできないの?」

「だ、だって…。」

と言うやりとりと同時に裕子と佐和子ももじもじと上気した顔をさせながら後を追

うようにクルマから降り、

女子トイレへと向かっていった。

「ふぅ…

 まったく…

 で、ここは一体何処なんだ?」

3人がトイレに消えた後、

タバコをふかしながら隆二はカーナビを操作するが

「ん?

 あれ?」

しかし、幾らカーナビのGPS機能を使っても現在位置の特定はできなかった。

「なんだこれは?

 ったく、壊れているのか?」

現在位置を表示しないカーナビの画面を隆二は叩くと、

「やれやれ…

 ついてないな…」

とぼやきながら夜空を眺めていた。



その頃、

ふぅ…

ようやく一息つけた可奈はゴソゴソと下着を上に上げると、

水洗のバーを踏もうとした。

すると、

『くふっ』

『うぷっ』

可奈が入っている個室の方側から悶えているような、

奇妙な声が響いてくるのが聞こえてきた。

「なに?」

壁から響き渡るその声に可奈は聞き耳を立てると、

プチュッ

ヌプッ

プチュッ

ヌプッ

と言う音が壁を通して聞こえてくる。

「隣の個室からだ…

 こっちには佐和子さんが入っているはずだけど…」

音のする個室には佐和子が入っていることを可奈は思い出すと、

そっと、バーを踏み込んだ。

ジャァァァァァ!!!

夜のトイレに水洗の流れる水の音が響き渡る。

そして、それを合図に可奈がドアを開けると、

ほぼ同時に隣の個室のドアが開いた。

「あっ、

 佐和子さん」

まるで見計らったようにドアが開いたことに可奈は訝しげながらたずねるが、

しかし、

「………」

扉の向こうに居る彼女達からの返事は返ってこなかった。

「?」

不思議そうに思いながら可奈が一歩前に出ると、

スッ…

開いた扉が閉まり、

その向こうにいた佐和子が姿を見せた。

「佐和子さん?」

外の明かりのシルエットになり佐和子の詳細が見えないものの、

ムワッ!!

「うっ」

佐和子から漂ってきた異臭に可奈は思わず鼻をつまんだ。

それは、隆二のペニスから漂ってくる恥垢の臭いと同一の臭いであった。

「なに…

 くっさー…」

佐和子からの臭いに可奈はしかめ面をするが、

しかし、佐和子は無言のまま可奈の前に立ちはだかり、

プチュ

プチュッ

と言う音を響かせ続ける。

「あのぅ

 どうしたんですか?

 佐和子さん?」

そんな佐和子の姿に可奈は少し怯えながら尋ねると、

ヌッ

佐和子はゆっくりと可奈に向かって歩き、

そして、外の明かりに自分の顔を映し出した。

「!!!!」

それを見た可奈の表情が一気に凍りつく。

ヌプッ!!

立ちすくむ可奈の前に姿を見せた佐和子は

以前の何倍にも膨らんだ首には血管を蔦の様に絡ませ、

左右に引き裂けた顎より後頭部にかけては赤黒い肉の傘が大きく張り出し、

かつて鼻があった顔の正面はめり込んだように幾本もの縦筋が走り、

そして、その中には縦に開いた口が開いたり閉じたり繰り返す。

「なっ、なによっ、これ!」

髪の毛の無い二つの頂を持つ頭を見ながら可奈は叫ぶと、

ヌプッ!

縦に裂けた口から粘液が噴出す音共に透明の液体が流れ落ちていった。

「ばっ、化け物!!!」

自分の前に立つ佐和子に向かって可奈はそう叫ぶと、

「化け物なんかじゃないわ」

と可奈の背後より裕子の声が響く。

「ゆっ、裕子さんっ

 佐和子さんが、化け物に…」

その声に振り返った可奈が佐和子を指出しながら裕子に告げると、

「化け物?

 ふふっ

 佐和子さんは化け物なんかじゃないわ」

裕子はそう返事をしながら、

クワッ

と口を大きく開くと、

ニュッ!!

その中から縦に開いた鈴の口のような物体が姿を見せた。

「え?」

外の明かりを受けて怪しく輝くそれに可奈は後ずさりするが、

ガシッ

そんな可奈にお構いなく裕子は自分の手を上下の顎に手をかけ、

グググググ…

口を裂く様にして引っ張った。

すると、

ニュニュニュニュ…

裕子の口は見る見る広がり、

そして、開いた口より肉の塊が飛び出してくる。

「………ちっちん…こ…」

プチュッ

プチュッ

っと音を立てながら裕子の顔に姿を見せてくる肉塊の姿を可奈がそう言い当てると、

ニュルン!!

可奈の目の前で裕子の顔は一気に剥けきり、

ヌプッ!!

可奈の目の前で裕子も佐和子と同じ姿になってしまった。

「そんな…

 裕子さんが、

 チンポ女に…

 じゃぁ、佐和子さんも…」

ムリムリムリ!!

首を太らせ、血管を浮き出し始めた裕子の姿に可奈は怯えながらも、

グッ!!

っと失いかけた気を引き戻し、

そして、隆二が待つクルマに向かって逃げ出そうとした。

ところが、

プッ!!

佐和子は縦に開いた口より"先走り"を吹き上げると、

逃げようとする可奈に近づいてきた。

「こっ、来ないで!!」

迫る佐和子を可奈は突き飛ばそうとするが、

しかし、

グニッ!!

その背中が何かが当たる。

「え?」

背中に感じる異様な二つの膨らみを感じながら可奈が振り返ると、

プッ!!

可奈の後ろにも巨大なペニス…

そう、胸から上がペニスと化した裕子が聳え立っている。

「裕子さん!!」

それを見た可奈が思わず悲鳴を上げようとしたとき。

ムグッ!!

裕子の腕が瞬く間に可奈を捕らえてしまうと

その口を塞いでしまった。

「ぶぐっ(離して!!)

 うぐぐぐ(離してよ!!)」

ペニス化した裕子に捕まり、可奈が暴れると、

ビリッ!!

可奈の手が裕子のシャツを引き裂いた。

すると、

ブラン!!

裕子の胸から出てきたのは形の良い乳房ではなく、

2つの大きな睾丸が皺の刻まれた袋に入っている陰嚢であった。

グニィ…

「うぐぐぐ(いやいやいや)

 むるじぃ、ぐわががが(隆二助けてぇ!)」

裕子の陰?に押し込まれつつも可奈が隆二に向かって助けを求めるが、

しかし、肝心の隆二は運転の疲れもあってか運転席で寝行ってしまっていた。

「ぶぐぁぁぁぁ(だれかぁ!!)」

ペニス化した裕子に捕まり

そして、目の前に同じように胸から上をペニスに変貌させた佐和子が迫るなか、

可奈は身を捩り必死になって脱出を試みる。

しかし、

ムギュゥゥゥゥ!!

可奈の抵抗もむなしく佐和子がゆっくりと身体密着させると、

ゴリッ

ゴリッ

自分の胸に当てられる睾丸の感覚に可奈は悲鳴をあげる。

と同時に

ドロォォォッ

悲鳴をあげる可奈の頭に上から先走りが降り注いできた。

「うぷぷぷぷ」

頭の上から注がれる先走りに瞬く間に可奈はずぶ濡れになってしまうと、

ヌチャッ

ヌチャッ

2本のペニスと一人の少女が奏でる淫靡な音が女子トイレに響き渡った。

「むぐわぁ(いやぁ)

 むぐわぁ(いやぁ)」

先走りまみれになりながら可奈は前と後を別々のペニスに攻められる。

そして、

2本のペニスが同時に痙攣を始めると、

ビュッ!!

ビュッ!!

お互いに天井に向けて青臭い粘液を吹き上げた。

「うっこれって精子…

 しかも、無茶濃い…」

隆二とのセックスの時に嗅ぐその臭いよりも強烈な臭いに可奈は咽ぶが、

しかし、次第にその臭に自分の身体が熱くなってきたことに、

可奈は戸惑い始めた。

「くはぁ…

 はぁはぁ…

 あぁ、なに、この感覚…

 メチャクチャにされてるのに…

 なんだか…いい…

 りっ、隆二のエッチの時よりも、

 欲しい…

 あぁ、欲しいの…」

味わった事の無い強い性欲の衝動に可奈の秘所からはおびただしい愛液が噴出し、

裕子たちが流した先走りと混ざりあっていく、

それに応じるかのように二本の亀頭はさらに可奈の胸の谷間を、

でん部を、

股間を責めていく。

 クチュッ、ネチュッ、ムニュッ・・・

「はぁっ、ああっ、もっと、あんっ…」

全身が性感態となった様な快感がさらに可奈を高めていく、

そのうちに可奈の頭一杯に女性器の姿が、

そしてそれに自分の頭を押し込む自分の姿が浮かんでくる。

「あぁ…

 わたしも…
 
 入れたい…
 
 出したい…
 
 わたしも…
 
 チンポに…
 
 チンポになりたい…
 
 あぁん、なりたいよーっ!」

もはや彼女の意識はチンポ女のそれになりつつあった。

顔全体が膨張する感覚の中、

見えない女陰に自分の頭を突き刺す様に上半身ごと頭を大きく動かし突き上げる。

「お願い…

 わたしを、チンポにして…
 
 あなた達みたいにぶっとくて、
 
 大きくて、
 
 たくましいチンポに…ああっ!」

 ブシューッ!!

彼女がそう言いかけた瞬間、激しい絶頂の波が彼女を襲った。

それと同時に二人のチンポ女が今まで一番激しい噴射を可奈の顔に吹き出した。



「へーくしっ」

「ん?」

クルマの中の隆二が目を覚ましたのはそれから少し後のことだった。

「あれ?

 なんだ、あいつらまだ戻ってきていないのかよ」

カーステのデジタル時計を見ながら隆二はクルマの中に可奈たちの姿が無いことと、

クルマがこの駐車場に停車してから1時間以上経過していることに気づくと、

「なにやってんだ?」

と文句を言いながら車から降りた。

フワッ

「うっ、何だこの臭いは…」

駐車場に漂う生臭い匂いに隆二はしかめっ面をしながら、

明かりがつくトイレへと向かっていく、

そして、女性のピクトグラムが描かれているトイレの傍にきたとき、

ヌプッ

ビチャ

ヌプッ

ビチャ

ヌプッ

ビシャッ

と異様な音が聞こえてきた。

「なんだ?」

響き渡るその音に隆二は警戒しながら女子トイレをそっと覗いて見てみると、

「!!!!」

彼の視界にはお互いの自分の首を相手の秘所の中に挿入し

激しくグラインドしている女性二人と、

その二人の脇で放心状態で座り込んでいる可奈の姿があった。

「じゃっ可奈っ!!」

可奈の姿を見た隆二が声を上げると、

「あぁ…隆二?」

空ろな視線で可奈は隆二に返事をし、

そして、

可奈は口を大きく開くと、

グイッ!!

顎を引き裂くように大きく開かせ始めた。

「かっ、可奈っ

 なにをするんだ」

それを見た隆二が声を上げると可奈は、

「あははは…

 れぇるううりぃ(ねぇ隆二)

 あらひ、ふけるほういはっあおお(あたし剥けるようになったのよ)」

と言いながらさらに口を開く、

そして、

メリメリメリ!!!

可奈の顔がクシャクシャになりながら開いていくと、

ニュッ!!

その中より赤黒い肉塊が姿を見せていた。

「え?

 そっ、それって…」

隆二にとって生まれてから毎日見慣れているもの、

そう、ペニスの亀頭が可奈の顔から飛び出してきたのだ。

「うっうわぁぁぁぁ!!」

ヌプッ!!

みるみる大きく、太くなりながら

縦に開いた鈴口より先走りを流す可奈の新しい顔に隆二が悲鳴をあげると、

ヌプッ

いまし方までまぐわっていた二人が起き上がり、

ヒタヒタ

可奈と同じ亀頭の顔を持つ女二人が隆二に迫ってきた。

「おっ、お前らっ

 よくも…可奈を!!!」

向かってくる女に隆二が飛びかかろうとしたとき。

ドンッ!!

その隆二の背中を強烈なショックが襲った。

「かっ可奈を…

 お前達…」

次第に遠のいていく意識の中、

隆二は二人の亀頭の女と絡み合い交わり続ける可奈を見据えながらその場に倒れた。



「う、ううっ…」

朝の日差しに当てられて隆二は目を覚ます。

「どこだここは?」

目を覚ました隆二は周囲を見ながらいま自分が居るところを把握しようとすると、

どこかの屋敷だろうか、

TV番組などで見かける豪邸の一室を思わせる部屋の中に寝かされていたことに気づいた。

「なっ、なんだ?」

あまりにものの環境の変化に隆二は呆気に取られていると、

キィ…

重厚そうなドアが開くと、

「おやっ

 お目覚めですかな?」
 
と言う言葉と共に一人の老婆が姿を見せる。

「だっ、だれだ、アンタは…」

初対面となる老婆の姿に隆二は問いかけると、

「ふっ

 この屋敷の者だが…」

と老婆は返事をする。

「え?

 あっあぁそうか
 
 じゃぁ婆さん、
 
 アンタ公園で俺を助けてくれたのか?」

「まぁなっ

 昨日の夕方孫娘が屋敷を出たっきり戻らなくてな、
 
 それで探していたところにお前さんを見つけたわけだ」

と老婆は隆二の問いに答えた。

「へぇ…孫娘さんを探しにねぇ…

 え?
 
 孫娘?」

「あぁそうだ

 お前さんと一緒に居たよ」

「俺と一緒にって…

 それってまさかっ
 
 あのチンコ女かっ」

老婆との会話で隆二は昨夜の異様な事件を思い出すと、

「そうだ!、

 可奈はっ

 可奈はどうした!!」

と叫びながら隆二は可奈の安否を尋ねながら老婆に掴みかかる。

「くっ苦しい!!

 お前さんの連れもここにちゃんと連れて来た

 いまは孫娘たちと一緒におる」

胸倉を掴み上げられながら老婆はそう返事をすると、

「なっ

 おいっ

 俺の可奈はお前の孫娘というヤツに化け物にされたんだぞ、
 
 大体、なんであんなチンコ女がこの世に居るんだよっ」

と隆二はまくし立て、

そして、

「今すぐ可奈に会わせろ、

 俺が病院へ連れて行く!!」

と怒鳴リ声を上げた。



カンカンカン!!!

屋敷の廊下を隆二は一目散に走り、

老婆より教えてもらった部屋へ急ぐ、

そして、

バンッ!

「可奈っ!!」

と叫びながら閉ざされていたドアを開くと、

「うっ」

目に飛び込んできた光景に息を呑む。

ヌプッ!

クチュッ!!

「こっ、これは…」

まさに悪夢としかいえない光景が隆二の間の前に展開されていた。

「可奈…」

いま眼前に繰り広げられている光景が悪夢であって欲しいと思わず願うものの、

しかし、そんな隆二の願いも空しく、

そこには直列に連結した3人のチンポ女がとぐろを巻いていた。

ヌプヌプヌプ…

一人が首を動かし始めると、

クチャクチャクチャ

その首を挿入されている別の一人が首を動かす。

まさに悪夢としか言いようがなかった。

「ほっほっほっ

 驚かれたかね

 夕べはリングを作って快感に浸っておったみたいだが

 どうやら、絡み合ううちに一点が外れてしまったらしい」

後から追いかけてきた老婆が状況を説明する。

確かに外れた一方は亀頭をむき出しにしたまま見事なまでの"朝立ち"をしている。

その光景に嗚咽感を感じながらも隆二はチンポ女達へと寄って行くと

「…可奈っ、おい、しっかりしろ…。」

と剥き出しになっている方のチンポ女を可奈と思った隆二は

その女の肩をつかみ揺り動かしてみた、

しかし、チンポ女はしばらく無反応だったが、

突然ビクッと体を振るわせ隆二の肩をつかむと、

ゆっくりと朝日に輝く亀頭を向ける。

「や、やめろ!

 おれまで巻き込むな!」

自分の方を向く亀頭を必死につかみ外に向けようとすると、

ブシュゥ!

彼の必死の抵抗が功を奏したのか、

その亀頭から吹き出した大量の精液はあさっての方角に飛んでいった。

そして、

ムニュムニュムニュ…

射精をしたためか、と同時にチンポ女の亀頭が見る見る縮んでゆくと、

やがてサッカーボール大になった亀頭の先端が隆二の顔と向き合う。

「お、おい、どうなるんだよ…。」

自分をにらみつけるような亀頭の姿におののきながらも

身動きせずに隆二は亀頭と向き合う所まで動いた先端はみるみる萎み始めた。

そして、

 シュルル…

ムリムリッ、

グキゴキッ…。

しぼんでゆく先端と入れ替わるようにカッと見開かれた目が現れ、

両脇には小さな耳が生え出す。

また、頭部を形成していた海綿体が小さくなって消えて行くのと入れ替わりに

頭蓋骨が再生され、人間の頭部の形へと変化する。

先端が縮むうちに形のいい鼻がせり上がり、

亀頭をふさいでいた口もかわいらしい唇に変化してゆく。

「……う、ううっ、

 ああっ、あんっ…」

陰茎となっていた部分が細くなり首と顎が再生されるにつれ、

"元"チンポ女の口からもかわいらしいあえぎ声が漏れる。

ズブズブ…

ズプズプ…

プルンッ…

そしていびつなまでに膨らんでいた陰嚢も小さくなり、

形のいい乳房に変化する。

「あん…

 あっ…

 あうっ…」

肌を上気させる女の頭部からふさふさとした髪が生え揃い、

もはやその姿に先ほどのチンポ女の面影はない。

ただ…。

「違う…こいつ可奈じゃないっ

 確かあの佐和子とか言う女だ…

 と言う事は…」

隆二の目が女―佐和子にとって唯一いびつな部分である股間

そう、もう一人のチンポ女となった女が変化した亀頭が

ささっている股間へと向けられる。

が、しかし、

「ひあっ!」

 ズポンッ!

佐和子の口から大きな嬌声がもれると、

突然動き始めたチンポ女がその亀頭を佐和子の股間から抜き出したのだ。

「ハァ…ハァ…」

「ひ、可奈!!…」

驚きを隠せないまま隆二が可奈に近付く。

無理もない。

佐和子の股間から抜き出された可奈の顔は亀頭ではなく、

元の女性の顔だったのだ。

もちろん両胸には佐和子より一割大きめの形のいい乳房が乗っている。

「元に戻ったのか、可奈!」

顔中佐和子の胎内の分泌液にまみれ、

恍惚とした表情が抜けない可奈に隆二は満面の笑みを浮かべ肩をつかむ。

ところが、

パシン!

恍惚としていた顔に表情が戻るや可奈は隆二の顔面を大きくひっぱたいた。

「な、何すんだよ!」

突然の事に赤くなった頬を押さえながら隆二が声を上げると、

それよりもまだ薄く上気した顔をしながら、

「隆二、それもこれもみんなあんたのせいよ。

 バカで勝手で無鉄砲で…生まれ変わって改めてわかったわよ。

 こんな男と一緒になるんじゃなかったって」

と可奈は隆二を怒鳴る。

「な、なんだって?」

「そこへ行くと佐和子さんはよかったわ。

 チンポになって互いを入れあううちに気持ちが通じ合ったもの。

 とても優しくて、

 頼もしくて、

 寂しくて…目が覚めた時佐和子さんの中に顔が入っていたのは驚いたけど、

 ホントはもっとあのままでいたかったんだから…」

そう言いながら可奈はチンポ化し本能のまま絡み合っていた快感を反芻し目を潤ませるが、

次の瞬間、

「うっ、ああっ!」

胎内が強烈に引き締まり、

中の異物を押さえ込む苦痛と快感に可奈の顔が歪む。

そして、

 ジュポン!

「あんっ!!」

中に入っていた何かが押し出された感覚に可奈が喘ぎ声を上げると、

ズルリッ

可奈の股間から愛液まみれの別の女の顔が持ち上がった。

「…もちろん裕子さんもよかったわよ。

 あたしの中で思いっきり激しく、優しくしてくれたもの」

恍惚とした顔で可奈や佐和子を見つめているその顔は、昨夜助けた裕子である。

「こんなチンポ女達が俺よりもよかったって?」

可奈の言葉に猛然と反発する隆二だが、

「ええ、よかったわよ。

 それにあたしだって立派なチンポ女よ。

 それとも何?

 夜ごと夜ごとチンポ化する女を街中に放つ訳?

 そんな事して責任取れるの?」

とにらみ付ける可奈の言葉に隆二はただ黙り込んでしまった。

「隆二、悪いけど

 あたし、このまま佐和子さんや裕子さんとここで暮らすわ。

 帰るんならあんた一人で帰ってよね」

そう言うと弘子はまだ恍惚の中に眠る佐和子と裕子を優しく起こすとそっと口づけを交わし、

そのまま女同士の絡みに入っていった。

「…あんっ

 …こうしてると…

 女同士もいいわね…色々できて…

 あっ、チンポになるとただ入れあうだけだし…でも、

 入れられないのは…

 ひゃっ…

 つらいわね…うっ…夜までのチンポ、じゃなくて辛抱ね…

 あぁ〜ん…」

そんな甘い声を上げながら可奈の意識は再び女とチンポの絡み合う快感の中に溶けていく。

肌を触り合い乳房をもみ合い、

そして惜しそうに互いの股間に顔を押し付けるかのように口づけする

3人の女の姿をしたチンポの絡みを見て隆二はさらに呆然と立ちすくむだけであった…。



おわり



この作品はカギヤッコさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。