風祭文庫・異形変身の館






「由美の贈り物」



原作・カギヤッコ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-208





「先生、さよならぁ」

声をそろえて手を振る女子生徒に向かって、

「はい、さようなら」

永野優佳は笑みを見せながら手を上げる。

と、そのとき、

「先生、お幸せにぃ」

突然、

女子生徒の一人が声を張り上げると、

それを合図に、

「ご結婚おめでとうございまぁす」

「旦那さんとお幸せに」

「新婚旅行は何処に行くのですか?」

「子供は何人作るのですか?」

と明後日行われる優佳の結婚式についての質問が

相次いで飛んできた。

「もぅ」

彼女たちのその言葉を聞いた優佳は顔を真っ赤にすると、

「お幸せにだってぇっ

 ながーのせんせいっ」

彼女の耳元で優佳の友人であり、

同じ教職を務める阪井由美の声が

甘い余韻を引きながら響き渡った。

「ひっ!

 ゆっ、由美かぁ、

 脅かさないでよ」

その声に優佳は驚いたの、

ものの見事に小さく飛び上がると、

振り返って文句を言うが、

「ふふふっ、

 もぅ旦那様の懐に飛び込む練習をしているのですかぁ?

 すっかり舞い上がっちゃって…

 で、挙式を明後日に控え

 人生でもっとも幸せを噛み締めている気分って如何ですかぁ」

と由美は悪戯っぽく笑い聞き返してきた。

「そんな…

 幸せだなんて…

 た、確かに…

 誠二さんと結婚するのは嬉しいけど…」

怒り顔をスグに引っ込め、

目を伏せがちにしながら優佳が言い返すと、

「なぁに言っているのっ、

 誠二さんの奥さんになろうとする人が

 そんなんじゃダメでしょう?

 もっと堂々と幸せを噛みしめなさいよ」

と、由美は優佳の背中を叩いた。

「でっ、でも…」

そんな由美に優佳は遠慮がちにしながら

言葉を挟もうとすると、

「それとも何?

 いきなりあたしに誠二さんを譲ってくれるとか?

 そりゃあ彼は顔も性格は申し分ないし、

 旦那にするにはもってこいかも知れないけど、

 あたしのタイプとはちょっと違うのよね…」

と言うと由美はふぅとため息をついた。

「べ、別にそう言うのじゃないわ。

 でも…」

「でも?」

何かを言いかけようとした優佳だったが、

「と、とりあえず、

 この続きは職員会議のあとで…」

そう言うと由美を背中から押し退け

職員室へと歩き出した。



「えっ?

 まだ誠二さんとヤッてない〜っ?

 信じられな〜ぃ」

「こ、声が大きいわよ…」

職員会議の後、

学校の職員用トイレの中で

優佳の言葉を聞いた由美は思わず大声を上げてしまうと、

慌てた優佳に口をふさがれた。

「そ、そうじゃなくて、

 その…今までそう言う方向に行こうとした事は

 何度もあったけど…

 でも、いざそうしようとすると

 どこか抵抗みたいなものを感じちゃって…」

顔を赤らめながらどんどん言葉のトーンが落ちて行く優佳を

やれやれと言う顔をして由美は見つめていた。

“そう言えばこの子、

 そう言うノリにはどこか奥手過ぎる所があるのよね…

 どうしても男を意識すると

 引っ込んでしまうと言うか何と言うか…

 こんなんでよく誠二さんとゴールインにこじつけられたものやら”

奥手な優佳を横目で見ながら

しばし考え込んでいた由美はぽんと手を打つと、

「よしっ、

 優佳さん、

 今日あたしん家に寄ってかない?」

と尋ねた。

「え?

 いいけど…一体なんで?」

「うふっ、

 お祝いをしてあげてあげようと思ってね」

理由を聞いてきた優佳に由美はそう答えると、

「べっ、別にそんなつもりじゃぁ…」

「じゃぁ、決まりね。

 独身最後の今夜は思いっきりハメを外そう!

 結婚したらやりたい事もやれなくなるからね」

困惑する優佳に由美はそう言うと、

急ぎ足で帰路に着いていった。

「ゆ、由美…」

あくまでマイペースな由美の勢いに

優佳はやれやれとため息をついてそれを見送っていた。



それからしばらく後、

帰途についた優佳は

一足先に学校を出た由美の自宅へと向かって行った。

「あーらぁ、

 新妻の優佳さぁ〜ん、

 いらっしゃ〜い」

由美は玄関先で冗談混じりな出迎えをすると、

「待っていたわ、

 さ、上がって、あがって、」

とまるで親戚の叔母か叔父を出迎える子供のように

由美ははしゃぎながら優佳に上がるように言うと、

そのままリビングまで案内をする。

優佳は由美の行動に首をかしげながらもテーブルに着くと、

由美は一本のボトルをその上に置いた。

「ゆ、由美、

 これって?」

中国のものだろうか、

エキゾチックな文字が連なるラベルの張られたそのボトルを見て

優佳は少し不安げにたずねると、

「むふふ〜、

 この間、香港から取り寄せた特製のお酒よ。

 疲労回復、

 活力増進、

 そして…」

「…気功効果も抜群、でしょ?

 相変わらず由美は気功オタクなんだから。」

自慢げに笑みを浮かべる由美に対して

優佳は少し呆れた笑顔を向ける。

実は由美は気功と言うものに造詣と言うよりも

オタク的な興味と関心を持ち、

太極拳はもちろん

気功を駆使した健康マッサージなどを特技としている。

「ま、まずは駆けつけ三杯と言うし、

 飲んでみてよ。」

由美に無理やり押し付けられるような形で

優佳はグラスに注がれた酒を口に注ぐ。



ゴクリ…。

酒が喉を通り体の中に入る。

カッ。

「あっ…」

その瞬間、

優佳の中で何かスイッチが入ったような感覚が走る。

気功効果をもたらすお酒と言うだけあるせいか

彼女の体の中、

今まで眠っていた気の流れが動き始めようとする。

そんな感覚がよぎるが、

それはほんの一瞬だったのか

優佳の意識は一瞬で醒めてしまう。

でも、酒自体は強くはないが悪くない味であり

優佳はそのまま由美とグラスをかわした。

「それで由美、

 お祝いってもしかしてこのお酒だけなの?」

瞬く間にボトルも空になり、

空になったグラスをテーブルに置きながら優佳が尋ねると、

「うふふっ、

 そうこなくっちゃ。

 これはあくまでも前座。

 これからがあたしからあなたにとっておきのプレゼントよ」

意味深な笑みを見せつつ由美はそう告げるなり、

スルリ…

と着ている服を脱ぎ始めた。

「え、ちょっとちょっと、

 由香っ、

 何を始めだすの?」

それを見た優佳は由美の突然の行為に驚くと、

「ん?

 今日やる事にはこれが必要なのよ。

 さ、優佳も脱いで」

と由美は恥じらいの欠片も見せる事無く

その裸身を優佳に見せつけるかのように迫ると、

その服に手を掛ける。

「やっ、やめて!」

悲鳴を上げながら優佳は逃げようとするが、

フラリ。

「うっ…」

酔いが回ったのか、

優佳は足がもつれてしまうと

そのまま床に倒れ掛かる。

そんな優佳の体に由美の手が絡まるように

手を差し伸べ抱きしめると、

チュッ!

由美の唇が優佳の唇に重ね合わされてしまった。

「う……」

優佳の口の中から唾液と

それに混じるかのように熱い何かが注ぎ込まれ、

優佳は抵抗できずにそれを次々飲み込んでいく。

“あ…なに、この感じ…

 何かがわたしの中に入って行く…

 とても熱くて…

 気持ち…いい…”

舌こそ入れてはいないが、

由美の巧みな唇の動きは

キスの経験でさえ浅い優佳をとろけさせるには

十分過ぎるものであった。

ジワッ!

そして次第に身体が火照ってきたのか、

優佳の顔に大粒の汗が浮かび上がり、

「ぷはぁ!」

汗をふりまきながら口を離す。

そして、

「熱い!

 熱い熱いよぉ!」

優佳はそう訴えながら着ていた服を

まるで引き裂く勢いで脱ぎ捨てる。

そして、

ものの数秒で優佳はその白い裸身を晒してしまうが、

羞恥心をも上回る全身の熱さゆえか

秘部も何かも隠さず。

由美の目の前に全て晒してしまった。

プルン!

その勢いで優佳の乳房が軽く弾む。

「おいしそ〜う。

 でも、オッパイはあたしの方が大きいわね」

優佳の裸体を見ながら

由美は優佳より大きな乳房を見せると、

舌なめずりしながらそう呟く。

そして、両手を出して胸の前で手を合わせ

印の様なものを組むと大きく息をする。

「ふぅ…」

そのまま印をヘソの下、

そして足の間にかかるうっすらと湿ったヴェールの前に動かし、

再度息をする。

「ゆ、由美…

 あなた、何を…」

由美が何か気孔に関する行動を始めようとしているのは

そう長くない付き合いではあるが優佳にも判る。

しかし、彼女のその動きは

今まで見せた事もない妖しさと危険さに満ちていた。

異様な光景を目にしながら

見動きできないまま優佳は

由美の行為をただ見守り続けていた。

一方の由美はと言うと印を再び胸の前に動かすと、

グワシッ!

そのまま印を解き、

豊かな両の乳房をわしづかみにする。

クニュクニュ…。

ムニュムニュ…。

「あっ、

 ああっ、

 あは〜ん…」

優佳の目が届いているのかいないのか、

由美は恍惚とした表情で乳房をもみしだく。

ムクムクムク…

ダラ〜ン…。

そうしているうちに由美の乳房はさらに大きく膨れ上がり、

半ば不恰好な形で垂れ下がるが

それを異に解する事無くさらにもみほぐす。

「あん、あう、うっ…」

そうこうしている間に由美のテンションは頂点に達する。

その瞬間、

プクッ!

由美の首、そして顔が大きく膨れはじめると、

ムクッ!

そのまま前方に大きく伸び、

クワッ!

その口を大きく開かれた。

だが、彼女の口から姿を見せたのは舌ではなく、

ニュッ!

ピンク色をした男性の性器である亀頭が

ゆっくりと持ち上がってきたのであった。

ドスン!

その重さに耐えかねたのか、

不意に由美は前方に倒れこむが、

反射的に伸びた両手がそれを支える。

そして、由美は産まれたての子馬のように

ゆっくりと四肢を伸ばして立ち上がると、

その先端の赤い肌を意気高々に

由美に見せつけながら大きく伸びをする。

「はぁはぁ…

 由美が…

 あんな…姿に…

 はぁはぁ」

すっかり上気し判断力が鈍りつつあったが、

それでも優桂は由美の口から顔を出す肉隗の姿に

恐怖の色を隠せない。

怯えながら何とか体をじりじりと動かそうとするが、

その動きは悲しいまでに鈍い。

そして、由美の口から飛び出してきた亀頭は、

メリメリメリ!

グチュッ!

ムリッ!

さらに勃起し

ついに剥けきってしまうと、

先走り汁を縦に開く鈴口より垂らしはじめだした。

その瞬間、由美は優佳に飛びかかり押し倒してしまうと、

巨大な亀頭をその局部へと向けていった。

「や…やめ…」

酒の効果と恐怖でもはや叫び声さえ出なくなっている。

グチュッ!

「いやっ!」

まだ異性を知らない女陰に両手を当てて大きくこじ開けると、

由美は優佳のそこに亀頭をめり込ませ、

その胎内へと押し入れて行く。

ズズッ、

ググッ、

グチュ!

「うっ!

 くっ!

 あうっ!」

巨大な物体が自分の中に入って行く苦痛と

快感に声にならない声を上げ続ける優佳だが、

本来自分のそこの要領をはるかに上回る物体が

難無く入って行くと言う自体の異様さに

まだ気付いてはいなかった。

“うふふっ、

 どう、この姿”

突然、優佳の脳裏に聞き慣れた親友の声がした。

「ゆ、由美なの?」

接合部を通じて脳内に響いたその声に

とまどいながらも声をかける。

“気孔について調べている間に

 全身の気のツボをあるやり方で刺激する事により

 肉体を変化させると言う秘術の存在を知っちゃってね。

 当然こう言うのは禁断の秘儀と言う訳で

 極めるのは諸刃の剣と言うのは周知の話。

 で、一応簡単にできる性転換と

 一部の変化術だけ会得したって訳”

自慢げに優佳の脳内で語り続ける由美。

優佳は色々な意味で信じられないと言う顔をしてしまう。

「ま、まさか…」

“まさかと言ったって

 目の前でわたしがこうして変身して見せたんだから

 否定はしないでよね。

 あのお酒はその為の潤滑剤って所かな。

 ここまで体を変えるんだもの、

 体を変える位気を動かすのはハンパじゃないし。”

そこまで聞いて優佳の目が見開かれる。

そう、あの酒を飲まされた時点で

彼女の運命は決していたのだった。

あの酒の効果、

そして中に入る前に由美に施された術の影響で

優佳の胎内は由美を受け入れられるほどに変化していたのだった。

 “もうわたしが何を優佳にプレゼントしようとしているか判るよね〜、

 結婚を間近にして男におびえる優佳ちゃんを

 “男そのもの”に変えてあげるって事!“

「由美、ちょっと待…

 うぐっ!」

グボッグボッグボッ!

優佳が何かを言いかけた瞬間、

それをふさぐ様に由美は性器となった自分の顔を

激しく動かし始めだした。

「うごぉぉぉ!

 ひぃひぃひぃ」

“いい…いいわ…

 やっぱり女の…優佳の中って気持ちいい…

 なんらか…いいわぁ…

 ゆうかぁ〜わらしを…

 もっろぉ…しめあれれ…”

突き上げるうちに由美の理性は快感の中に流れ落ち、

その肉体はただオスの性的本能を満たす為だけの存在となっていた。

由美に激しく突かれる優桂はそれから逃げ出そうとするかの様に

濡れそぼっている由美の局部をつかんで引き抜こうとするが、

その脳裏に由美、

いや、男の象徴のビジョンが浮かぶ。

“えっ?なんで?

 どうしてこんな時に…”

しかし、脳裏に浮かぶそのビジョンと

直接突き上げる由美の感触が優佳の理性を砕く。

“ああ…

 そうなんだ…これが…”

快感の中、

優佳は今の自分の状況に不思議な安堵感を覚えた。

“わたしも…

 由美みたいに…

 そして…由美の中に…”

と優佳が思い始めた時、

ムクッ

「あっ…」

胸に不思議な感覚が伝わる。

ムニュムニュ…

コリコリ…

中で何か弾力のある玉が揺れる感覚を確かめながら

優佳は由美の時同様

いびつに膨らんだ乳房をもみはじめる。

「はぁ…ああ…」

乳房だけでは物足りなくなったのか、

優佳の手は汗とヨダレで濡れきった顔をなでまくる。

シュッ、

シュッ、

シュッ…。

「ああ…いいわ…

 このまま…」

由美から注がれる快感を頭に送るかのように

優佳はひたすら頭をなでる。

そして…。

モコッ!

モコモコモコ!!

優桂は喉の奥からこみ上げる肉隗を感じると、

愛撫している口を大きく開く。

「うごっ」

悪寒が走り、

激しく嗚咽してしまうがそのあと、

ゴボゴボゴボ!

不気味な音が鳴り響くと、

ニュッ!

紅色の亀頭が優桂の口の中より露出し、

ゆっくりと優桂の顔を巻き込みながら盛り上がる。

そして、

ムリッ!

「うはっ!」

そこで優佳は目を覚ました。

「あ、あれ…?」

寝ぼけまなこで辺りを見回すとそこは花嫁の控え室。

ふと自分の姿を見回せば

その身は純白のウエディングドレスに包まれている。

「か、顔は?」

あわてて鏡を見るが、

そこに映るのは見慣れた人間の―優佳の顔だった。

ほっと肩をなで下ろす優佳の目の前に

由美が少し意地悪そうな笑顔を向ける。

「ゆ、由美、

 何よその顔は…?」

むっとした顔でにらむ優佳をかわすように

由美は軽く首をかしげると、

「優佳、あなたも何ねぼけてんのよ。

 まさか“あの時”の夢でも見てたとか言うんじゃないでしょうね?

 顔がいやらしくにやけてたわよ」

「えっ!?」

図星を突かれてドキリとなる優佳。

慌てて否定しようとするが

そのオーバーアクション振りは余計に墓穴を掘る事になる。

「…まったく、

 荒療治とは言えあの術を教えたのは逆効果だったかもね。

 こうなったら誓いのキスの瞬間に

 “あの姿”になるように細工してあげようかしら?」

「そ、それだけは、それだけは止めてよ由美〜」

最大級の意地悪笑顔を見せる由美に

優佳はまだ化粧前とは言え半泣きの顔で抱きついてしまう。



カラーン!

カラーン!

チャペルに鐘の音が響き渡り、

バージンロードをウェディングドレスに包まれた優桂が

手を引かれゆっくりと歩いてゆく。

その先にいるのは夫となる誠二の姿がある。

ドキッ!

彼の姿を見た瞬間、優佳の胸がドキリとなる。

もちろん彼と添い遂げる嬉しさや興奮もあったが、

先程の由美の言葉も脳裏をよぎる。

不安を胸に抱きながらも

優佳は誠二の隣に立つと誓いの言葉を共に唱え…

口づけをかわした。

「…変わってない…」

顔を赤らめながら安堵した顔をする優佳。

それに気付いているのかいないのか

誠二は静かに優佳と離れると改めて並び立つ。

そしてブーケトスの際、

優佳はにこやかな笑みで見守る由美に飛びっきりの笑顔を向けると、

さながら手斧を投げつけるようにブーケを投げつけたのであった…。



「あ…」

窓から漏れる月灯かりに照らされた部屋。

ベッドの中で優佳は隣に眠る誠二との一時を思い返していた。

かなりの荒療治とは言え

由美から受けた気功術による男根変身を経験した事で

優佳は男性に対する潜在的な拒否反応を克服し、

それにより先ほどまで誠二と初めてとは思えないほど

激しい絡み合いを堪能していた。

その感覚は“あの時”由美と激しく絡みあった時に負けず劣らずだった。

むしろ男根の姿ではなく元の人間の優佳としての始めてのものであった分

充実感にあふれるものだった。

誠二を受け入れていたそこを「お疲れ様」と言う感じで

優しくなでながら余韻に浸る優佳だったが、

「でも…ちょっと物足りないかな…」

とつぶやくとベッドの中に潜り込む。

そして…。

「誠二さん、誠二さん…」

「ん…なんだよ優佳…」

一足先に眠りについていた誠二は

自分に施された術の事も知らずにまどろみながら答える。

「誠二さん、

 もう一回…いいでしょ?」

青い月灯かりで見えないもののほんのり顔を赤くしながら

優佳はせがむ。

「おいおい…

 いっぺん寝かせてくれよ…」

再度眠りに入ろうとする誠二。

「大丈夫よ…

 今度はわたしが…

 気持ち良くさせれあれるららぁ〜」

次第に呂律が回らなくなりながらも優佳は

そう言うとべろりと顔を剥いた。

月灯かりの中、

優佳はさながらオブジェのごとく

上半身男根となった裸身をさらしていた…。



おわり



この作品はカギヤッコさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。