風祭文庫・異形変身の館






「狙われた学園」


作・風祭玲

Vol.721





「はぁはぁ

 はぁはぁ」

夜が更け、

あたりが寝静まったころ、

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

息を切らせながら一人の少女が夜道を走っていた。

タッタッタッ

少女は時々後ろを振り返り、

追っ手がいないことを確認しながら走り続ける。

「大丈夫、

 大丈夫よ、

 誰も気づいていないわ、

 この先の礼拝堂で久美ちゃんと落ち合って脱出よ」

言葉では出さないが彼女は心の中でそうつぶやき、

そして、久美と言う少女と落ち合う約束にしている

礼拝堂へと向かって走る。



程なくして少女は礼拝堂にたどり着いたが、

だが、そこには久美の姿は無く、

彼女一人が背中を大きく動かしながら息を整えていた。

「はぁはぁ

 久美ちゃんまだ来ないのかな?」

礼拝堂の壁にもたれ掛かりながら、

少女は久美の到着を待つが、

なかなか、久美は姿を見せず、

「もぅ時間はとっくに過ぎているし、

 どうしたのかしら…」

待ちかねた少女は携帯を取り出すと、

ピ、ピ、ピピッ

記録してある電話番号へとかけ始めた。

「あっ、

 久美ちゃん?

 奈津美だけど…って留守か…」

電話口に出たのは伝言サービスであることに気がつくと

「そうよね、

 逃げようって言うのに、

 のんびり電話に出られるわけ無いよね

と呟きながら肩を落とす。

そして、この一月の間にこの学園で起こった

不気味な事件のことを思い出しはじめていた。



それは一人の転校生から始まった。

「はいっ、

 皆さん、転校生を紹介します」

シスター姿の担任の声とともに

この学園の制服とは違う制服姿の少女が教室に入ってきた。

そのとき担任は少女の名前を告げたが、

だが、彼女のどこか定まっていない視線と、

涎だろうか、

口の脇から伸びる液体が流れ落ちたと思わせる

一筋の線に奈津美の視線は釘付けとなり、

「この子…

 頭、大丈夫なのかな?」

と不安に思った。

だが、

「みなさん、よろしくお願いいたします」

そんな少女の口から出たシャキッとした返事に、

「え?」

奈津美は驚くと、

「はいっ、

 じゃぁ、工藤さんの後ろの席に座りなさい」

と担任は彼女に奈津美の後ろの席に着くように指示をした。

そして、彼女は奈津美に近づき、

「よろしくね」

と挨拶をしたとき、

ムワッ!

梅雨時に咲く

栗の花を思わせる生臭さをその周囲に漂わせたのであった。

「うっ

 臭い…」

漂ってきたその臭いに奈津美は思わず手を鼻に添えるが、

だが、彼女はその行為に気を止めるわけも無く、

そのまま、奈津美の後ろの席に座った。

こうして不気味な少女との学園生活が始まり、

彼女は学園の寮へ入り、

また、驚くべきことに猛練習で有名な新体操部に入ったのであった。

「へぇ、

 新体操部?」

「そうなのよっ」

親友の久美から

あの少女が新体操部に入ったことに聞かされた奈津美は

驚きの声を上げると、

「でね、

 新体操部の子から聞いたんだけど、

 彼女、滅茶苦茶体が柔らかいんだって、

 まるでクラゲみたいだって驚いていたよ」

久美はそう言い、

「はぁ、あたしもその半分でも欲しいよ」

と愚痴をこぼした。

器械体操部に入っている久美は柔軟が苦手で、

なかなか柔らかくならない体にコンプレックスを持っていたために、

そのような愚痴が出たのだが、

「でも、

 あの子、なんか変なのよね…」

と奈津美は始めてあった日に感じた違和感を口にする。

「変?」

奈津美のその言葉に久美が聞き返すと、

「うん…

 なんか、人間じゃない。って感じがするのよ」

と奈津美は返事をした。

そして、その頃から学園内に次々と異変が起こり始めたのであった。

最初は女子トイレだった。

「うわぁぁ!!

 なにこれぇ!!」

朝、

女子トイレから少女の悲鳴が上がると、

「どうしたの?」

とその声を聞きつけた生徒が駆けつける。

そして、

「臭い!!」

女子トイレに入った途端、

少女たちは皆、鼻を手で覆った。

そこには壁から便器にかけて、

ベットリと粘液のような物体が付着していて、

異臭を放っていたのであった。



「ねぇねぇ、

 知ってる?

 女子トイレに痴漢が出たんだって」

「変質者よ変質者!!」

たちまちこのニュースは学園の中を駆け抜け、

そして、大騒ぎになっていったが、

だが、

駆けつけた警察はみな首をかしげ、

「うーん」

唸っていたのであった。

検分をしたところ、

付着していたのは男性の精液と言うことには間違いは無いのだが、

ただ、その量が尋常ではなく、

一人の男性が犯行を行ったにしては無理があるからだ、

結局学園が取った策は警備員を増やすことであったが、

だが、犯行は次第にエスカレートし、

シャワールームから更衣室へと広がっていったのであった。

繰り返される姿の見えない犯行に皆は恐怖するが、

その頃から新体操部の部員たちの挙動が

おかしくなってきたのであった。

「ねぇ…

 新体操部の人たちってどこかおかしくない?」

「うーん、

 やっぱり奈津美も感じる?」

昼休みに奈津美は久美に話しかけると、

久美もまた同じ体育館で練習をする新体操部の部員たちの様子が

変であることを口にした。

「うん、

 なんか、視線が一致していないし…

 それに…」

と奈津美が部員たちの様子を口にするが、

「あっ」

それが、あの転校生と同じことであることに気づくと、

小さな声を上げる。

「?

 どうしたの?」

そんな奈津美を見て久美が尋ねると、

「あのさっ」

と奈津美は久美にあの転校生の少女を聞こうとしたとき、

「長田さーん、

 昼のミーティングの時間」

器械体操部の部員たちが久美を迎えに来てしまった。

「あっあとでね」

その声に久美は立ち去っていくと、

「うん…」

奈津美は久美の後姿を見送った。

そして、その頃を境にして、

あの不気味な事件は頻発するようになり、

一方で皆もこの異常事態に慣れを感じ始めたのか、

トイレや更衣室が汚されても、

いつものこと…と取り合わなくなって知ったのであった。



「先生っ」

職員室に奈津美の声が響き渡る。

「なんです?」

奈津美の声に担任の教師は振り向くと、

「更衣室がまた汚されているのですが」

と奈津美は更衣室が汚されていることを指摘した。

だが、

「なんです。

 そんなことですか?」

担任は”些細なこと”と汚されていることを評価してしまうと、

「そんなことはいちいち取り上げている暇はありません」

と言うなりプィッと横を向いてしまった。

「ちょちょっと、

 先生!」

担任のその態度に奈津美が抗議しようとしたとき、

クプッ!

担任の口から何かを吐き出しかけた音が響くと、

タラー…

口の横から糸を引きながら垂れていった。

「!!っ」

それを見た奈津美は一歩、

また、一歩と下がっていくと、

ダッ!

逃げ出すようにして職員室から飛び出してしまったのであった。

そして同様に

このような同じ症状を見せる少女たちが

日を追うごとに急速に増えて行き、

ゴプッ

グプッ

口から粘液の糸をたらし、

栗花を思わせる生臭い臭いを放ちながら、

まるで夢遊病患者のごとく学園の中を彷徨う

少女や教師たちが目に付くようになっていった。



「ねぇねぇ、

 今日の授業は中止だって」

寮の中に閉じこもっている奈津美の部屋に

真顔の久美が飛び込んでくると、

「くっ久美ちゃん、

 久美ちゃんは大丈夫なの?」

声をかけてきた久美に向かって奈津美は話しかけると、

「うっうん、

 あたしは平気よ、

 でも、みんなどうしちゃったんだろう…」

久美は不安そうに返事をした。

そして、夕暮れ時、

ザッザー…

突然放送が入り、

”全校生徒に向かって講堂に集まるように”

と指示が流されたのであった。

「これから、集会?

「なっなにかな?」

突然入った放送に奈津美と久美は不安そうに見合わせるが、

教室の外からは大勢の人が動いていく音が響き渡り始めていた。

「みんないくね…」

「うっうん」

「あたし達も行かなきゃぁまずいよね」

「でも、ちょっと待って

 行くのは一番最後にしよう」

何かを感じ取った奈津美は

久美に講堂に行くのは一番最後にしようと告げると、

わざとゆっくりと移動し始め、

そして、全員が講堂に集められた後、

裏口からもぐりこんでいったのであった。

「なっなんで、こんなところから?」

「いいから」

奈津美に手を引かれて久美も入っていくと、

奈津美は真っ直ぐ講堂に中には入らずに、

コッソリと用具庫の中から講堂の中を見た。

すると、

うつろな目をした少女や教師たちが次々と上を向き。

そして、

グボォォ!!!

不気味な音が響くと、

ブボッ!

ブボッ!

ボボボボボボボボボッ!!!

彼女たちの顔が口から捲れ、

その中より赤黒くツルンとした肌を輝かせる、

肉の塊が突き出していった。

その途端

「いやぁぁぁ!!」

講堂の中からまばらに悲鳴が響き渡ると、

クプクプクプ…

肉隗を突き出した少女たちは不気味な音を響かせながら

悲鳴を上げて逃げ出そうとする少女たちに襲い掛かていった。

「いやぁぁぁ」

「ぎゃぁぁぁ」

さらに鋭い悲鳴が上がり、

その声の下では、

グニュゥゥゥゥ!!!

口から肉塊を突き出した少女たちが、

その肉隗を彼女たちの局部へと挿入を始めていた。

「なになになに?

 何がおきているの?」

「しっ!」

その様子を見ていた奈津美は、

衝撃の光景を見て声を出そうとする久美の口をふさいでいた。

だが、

ギュッ!

そんな奈津美の肩を何者かがつかむと、

「ひっ」

奈津美は悲鳴を上げながら後ろを振り返った。

すると、

クプッ!

奈津美の真後ろにはすっかり剥けきり、

赤黒い肉隗をさらす少女が奈津美の肩を掴んでいた。

「きゃっ!」

それを見た久美が悲鳴を上げると、

「この、

 離せ!!

 ちんこ女!!」

奈津美は叫びながら肩を掴む少女を蹴り飛ばすと、

「逃げるのよ」

と叫びながら久美の手を引き講堂から飛び出していった。



「はぁはぁ

 はぁはぁ、

 なっ奈津美っ

 なに、あれ?」

奈津美とともに必死で逃げ出した久美が尋ねると、

「判らないわ、

 だけど、みんな…

 先生もみんなちんこ女になっちゃったのは間違いないわね」

「そんな…」

奈津美のその言葉に久美はガックリと肩を落とす。

すると、

「久美ちゃん、

 ここから逃げるわよ」

そんな久美に奈津美はそう言い、

「でも、いまは駄目だわ、

 ちんこ女達があたし達を探し回っている。

 夜になったら脱出よ」

「うん」

奈津美が出した提案に久美は小さく頷いた。

すると、

「あのさっ、

 ここから逃げ出す前にどうしても

 寮から取ってきたいものがあるの」

と久美は奈津美にいったん寮に戻りたいと告げた。

「なによ」

「器械体操部での思い出…」

理由を尋ねる奈津美に久美はそういうと、

「判ったわ、

 じゃぁ、今日の深夜、

 礼拝堂で」

久美に向かって奈津美はそう告げ、

二人は分かれていったのであった。



「はぁ、

 久美遅いなぁ…」

礼拝堂の壁にもたれ掛かりながら奈津美は待っていると、

「お待たせ…」

と久美の声が響いた。

「久美ちゃん、

 待ったよ」

その久美の声に奈津美は振り返ると、

「あっ」

奈津美の前に姿を見せた久美は

なぜか、器械体操部のレオタード姿になっていた。

「え?

 なにその格好?」

予想外の久美の姿に奈津美は目を点にしながら、

理由をたずねると、

「えへっ

 別にいいじゃない、

 今日は特別な日なんだから」

と久美は答えをはぐらかし、

「さぁ行きましょう」

そう言いながら奈津美の手を引いた。

「え?
 
 ちょちょっと、久美ちゃん。

 そっちは学校じゃない。

 逃げるのはこっちよ」

校舎の方へと向かおうとする久美に奈津美はそう声を上げると、

「いいのよっ

 こっちで…」

と久美は奈津美に告げた。

「久美ちゃん?」

そんな久美に奈津美は首をひねりながら尋ねるが、

「………」

久美からの返事は帰ってこなかった。

だが、

グビッ!!

久美の口からあの音が響いた途端。

「!!っ」

奈津美の瞳がギュッと小さくなり、

バッ!

握っていた手を引き離した。

「どうしたの…

 奈津美…」

口から粘液を糸を垂らしながら、

久美が振り返ると、

「そんな久美が、

 久美がチンポ女にされていただなんて…」

と衝撃の事実に奈津美は困惑し、

体を震わせながら久美を見つめ、

「じゃぁ、

 なんであたしがしてきたのは一体なんだっの…」

とつぶやいていると、

ヌッ

ヌッ

いつの間にか奈津美の周りに、

顔の代りに亀頭をさらす女達が取り囲んでいた。

「くっ

 逃げられない…」

完全に取り囲まれたことを奈津美が悟ると、

ギュッ

そんな奈津美の腕を久美が掴んだ。

「ひっ!

 はっ離して!!」

奈津美は反射的に叫び、

その手を解こうとするが、

『クプププ…

 だめ、

 離さない』

濁った声を上げながら、

久美は腕にしがみついた。

「いやぁ!

 離してぇぇ」

悲鳴を上げる奈津美と

そんな彼女を誘導するようにして歩く久美。

そんな二人の周りを異型の女達が取り囲み、

ゆっくりとした足取りで校舎へと向かっていく、

『クププ…

 大丈夫、すぐに終わるからね』

期待に胸を躍らせる少女のようにはしゃぎながら

先を歩く久美に対して、

奈津美は思いつめたような表情で歩かされていく、

『どうしたの?

 奈津美?

 浮かない顔をしてぇ…』

そんな奈津美の顔を久美が覗き込むと、

「よっ

 寄るな!」

視界に入ってきた久美に向かって奈津美は叫び、

その顔を押し戻した。

『もぅ』

押し戻された久美はむくれると、

奈津美の後ろにピタリと身体を寄せ、

『うふっ

 奈津美、大好き。

 だから、ねっ

 奈津美もなろう?』

と囁きながら奈津美を後ろから抱きしめる。

「ひっ」

グイッ

密着してきた久美の体に奈津美は驚くと、

『うふっ

 感じる?

 あたしの胸…

 キンタマになっているのよ、

 こうしてグリグリとこすり付けると、

 なんだが痛くなるの、

 でも、とっても気持ちいいわ』

グリグリと巨大な睾丸が宿る胸を奈津美の背中に擦りつけながら

久美は奈津美にそう話しかけると、

「やっヤメテ、

 久美ちゃんっ」

奈津美は久美を拒絶するように久美の腕を振り払うとするが、

『なにがヤメテなの?

 ほらっ

 奈津美もあたしみたいになるんだから』

と久美は自分の手を奈津美の衣の下に潜り込ませると、

その中の乳房をもみ始めた。

「あっいやっ!!!」

自分の乳房をもまれる感覚に奈津美は悲鳴を上げると、

久美を腕を振り解き、

そして思いっきり突き飛ばしてしまった。

『痛ぁーぃ

 何をするのよ、奈津美!』

突き飛ばされシリモチをついた久美が奈津美に向かって文句を言うと、

「あたしに触らないでよっ

 汚らわしい!

 あなたが久美だって?

 ウソ!

 久美は…久美はチンコ女じゃないわ、

 さぁ、あたしの前から消えてよっ」

カッとなった奈津美は思わずそう怒鳴ると、

『むっ』

久美の口がへの字に曲がり

ツカツカと奈津美の傍によると、

拳を振り上げ、奈津美の頬を思いっきり叩いた。

「きゃっ」

悲鳴とともに奈津美の漆黒の体が中を舞い、

そして石畳の上を転がっていく。

『クププ…

 誰がちんこ女だってぇ

 自分の立場も少しは弁えるのよ

 奈津美、

 ここじゃぁ、あなたは化け物なのよ、

 クププ…

 でも、安心しな、

 今すぐ、その顔を剥いてあげる。

 クプッ

 奈津美もあたし達と同じになるのよ』

奈津美を見下ろしながら濁ったで久美はそう言うと、

さらに2・3回、奈津美を足蹴にする。

「うぐぅ…」

石畳の上の転がり、

腹を押さえながら奈津美が起き上がろうとすると、

バッ

久美は自分の口に手を沿え、

そして、思いっきり顎を下に引き始めた。

すると、

ググッ

グググググググ…

久美の顎はまるでゴムが伸びるかのように、

下へ下へと引き伸ばされ、

ニュッ!

伸ばされた口の中から縦に溝を刻んだ

赤茶色のあの塊が姿を見せる。

「くっ久美…」

メリッ

メリメリメリ!!

不気味な音を上げながら久美の顔が捲れ始めだすと、

メリメリメリ…

クシャッ!!

悲鳴に近い音を上げて久美の顔は剥け、

ベロンッ

っと男性器を思わせる顔が突き出してしまった。

「くっ久美ちゃん…」

レオタードを着たままちんこ女になってしまった

久美の姿に奈津美は驚愕すると、

ニュッ

ニュニュニュッ

奈津美を取り巻く女達がまるで祝福するかのように、

その首を硬く伸ばし、

そして、一斉に手が伸びると、

「いやぁぁ!!」

奈津美は瞬く間に拘束され、

そして、下着を剥ぎ取られると

大きく股を開かされた。

「やめて、

 やめて」

手を地面につけ、

ゆっくりと股間へと迫ってくる

久美のツルンとした顔を見つめながら、

奈津美は懇願するが、

だが、

ヒタッ

奈津美の局部に久美の頭部が押し付けられると、

グニュッ!

久美の頭が奈津美の体内へと潜り込み始める。

「痛い!

 無理よ、

 そんなに大きいのなんて入らないわよ」

身を引き裂かれるような激痛に、

奈津美は悲鳴を上げるが、

ニュニュニュ

久美は容赦なく挿入してゆき、

メリメリメリ!!!

一方の奈津美は久美をくわえ込んでいく、

そして、

ズボッ!

ついに、奈津美は久美を飲み込んでしまうと、

グッ

グッ

グッ

久美は頭を前後に動かし始めだした。

「うぎゃぁぁぁ!

 ぐわぁぁぁぁ!

 ぐぇ!

 ぐぇ!」

夜の闇に奈津美の悲鳴がこだまし、

そして、その声はいつまでも続くが、

ドロッ…

そんな奈津美の口に向けて異型の女達は

自分の口から漏れ始めた”先走り”を次々と垂らし始める。

そして、その”先走り”を奈津美の顔へと代わる代わるかけ始めたとき、

「あがっ

 うごぉっ

 なに?

 体が…

 体が変…」

久美に貫かれている奈津美の体に変化が起き始めた。

グブブッ

奈津美の喉の奥より異様な塊がせり上がってくると、

瞬く間に口の中を満たしてゆく、

そして、

なおも塊が成長してくると、

「うごぉ」

奈津美の口の中は塊でいっぱいとなり、

そしてついに、

ニュッ!

奈津美の口をこじ開け、

その先端が表に顔を出してしまった。

その途端、

グプッ

グプッ

グプ!

奈津美を取り押さえる異形の女達もそれに気づいたのか、

一斉に天を向く縦に切り開かれた口より、

先走りを泡のように吹き上げ始めた。

すると、

グチョッ

グチョッ

グチョッ

それに呼応して久美の動きが速くなり、

「うぉっ

 うぉっ

 ゴボッ」

メリッ

メリメリメリ!!

奈津美の口から顔を出しているさらに肉塊が突き出してくると、

その口は限界まで開ききった。

「うごごごごわぁぁぁぁ!!!」

メリメリ

メリメリ

メリ…

奈津美は涙を流しながら、

潜った声で悲鳴を上げるのと同時に、

ボッ!

グシャッ!

何かが弾けると同時に、

潰され、砕かれる音も追って響き渡った。



キーンコーン…

夜が明け、

学園にチャイムの音が響き渡る。

講堂内に整然と制服姿の生徒達が並ぶが、

おしゃべりの声は響くことはなく、

また、演壇の横に並ぶ教師達からも注意の声は響かなかった。

ただ無言の者達が並んでいるのだが、

しかし、その顔は誰も人間の顔はなく、

皆、男性器…

そう、長く伸びた男性器・オチンチンを晒していたのであった。



おわり