風祭文庫・異形変身の館






「紫蓮の術」


作・風祭玲

Vol.631





「あっあっあっ

 あっ〜ぁん」

月明かりが差し込む夜の部屋に

艶めかしい女の喘ぎ声が響き渡る。

「んあっ

 んくっ
 
 あぁん…
 
 あっ」

股間を大きく開き、

あられない姿で女は声を上げ、

そして、自分の股間に導いた手を激しく動かしていた。

ニュプッ

ニュプッ

ニュプッ

手の動きと共に淫らな音が周囲に木霊する。

女の手には黒く光る異物が握りしめられ、

それが手の動きと共に女の体内を往復していたのであった。

「あっ

 あっ
 
 はっ
 
 あっあぁ
 
 いっイク
 
 イク
 
 イクイク
 
 いっいっちゃう!!!」

快感の大波を身体全体で受け止めながら女は声を上げると、

その直後、

「あひぃぃぃぃ!!!!」

一際大きな声を上げ、

プシャッ!

異物を飲み込んでいる女の股間より潮が吹き上がる。

ビシャビシャ…

身体をピクピクと震わせながら女は絶頂の快感に身を委ねていると

ニュルッ

女の股間より異物が押し出され、

ボト!!

ペチャッ

女の下に出来たにわか作りの池の中へと落ちて行く、

そして、その池の中で異物は不気味に蠢き始めると、

「あっ」

それに気がついた女が慌てて異物を取ろうとしたとき、

スッ

「行けません、

 禅尼さま…」

の声と共に闇から伸びた手によって女の手は拘束され、

代わりに別の手がそれを拾い上げた。

「あっ後生です。

 それを、

 それを、

 是非私に」

異物を取り上げられてしまったことに女性は許しを請うが、

「ダメです。

 蓮華様を待っている尼は他にも大勢いるのです。

 禅尼様一人のものではありません。

 どうしても…とおっしゃるのなら、
 
 禅尼様と昵懇の方にこの蓮華殿と同じ摩羅になって貰うか、
 
 それとも、
 
 禅尼様自らが摩羅になってみてはいかがでしょうか」

と声は告げた。

「そんな…

 おっお願いです。

 蓮華を私の手元に」

そう言って声の主にすがる女には頭を飾る髪の毛はなく、

ツルリとした坊主頭が月の光に輝いていた。

そう、女は仏に仕える尼・尼僧であり。

そして、ここはそんな尼僧達が集う尼寺であった。



「ほっほっほ、

 最近尼達が妙に騒がしくなってきたが

 なにか起きているのかぇ」

そんなある日、

この尼寺を仕切る年老いた老尼・紫蓮が

最近の寺の様子について下の者に問いただすと、

「はぁ…

 実は…」

と紫蓮の世話をする尼僧が申し訳なさそうに、

最近この寺で起きていることを説明した。

「ほぅ、

 放逐した蓮華が戻ってきておるのか、

 しかも、退治しようとした鬼の神通力で摩羅にされたと」

「はぁ…」

かつて放逐した蓮華尼が戻ってきていること、

そして、その蓮華尼が退治しようとした鬼の神通力によって、

男性の性器・ペニスにされてしまったことを知り、

驚きの声を上げた。

「それで、

 寺の者達は修行と称して、

 蓮華を己の女陰に…」

驚く紫蓮をよそに、

その尼僧はいまこの寺で起きていることを告げると、

「ほっほっほっ

 そうかぇ、

 なるほどのぅ…」

事情を知った紫蓮は眼光鋭く頷いた。

「はぁ」

「で、じゃ」

「は?」

申し訳なさそうにする尼僧にその紫蓮は声を掛け、

「どうじゃったか?

 摩羅となった蓮華の味は?

 そなたもすでにまぐわったのであろう?」

と尋ねた。

「えぇ!

 わっ私はそのようなことは」

紫蓮のその言葉に尼僧は首を横に振り否定すると、

「ほっほっほっ

 冗談じゃ」

紫蓮はしわくちゃになった顔をさらに皺を刻みながら、

笑い声を上げると、

「しかし、

 このまま野放図では寺の秩序が乱れるよのぅ」

と問題点を指摘する。

「はぁ

 誠にその通りで」

紫蓮の言葉にその尼僧は頷くと、

「どれ、

 丁度いまぐらいが頃合いであろう、

 蓮華をこのわたしの元につれて参れ」

と紫蓮は尼僧に指示をした。



そして、その夕刻、

「これが、蓮華でございます」

その声と共に

コト…

白木の上に乗せられた異様な物体…

そう、ペニスとなった蓮華尼が紫蓮の前に差し出された。

「ほほぅ…」

大勢の尼達に使い込まれ続けてきたためか、

蓮華尼の身体はこの寺に来た頃よりも肌は厚くなり、

色もさらに黒みが増していた。

そして、なによりも、

すっかり染みこんでしまったのか、

身体全体より女の愛液の臭気を常にまき散らしていて、

香が焚かれている紫蓮の部屋にも臭いが漂い始めていた。

「ほほ…

 相当、

 お努めをしてきたよじゃのぅ

 いったい、幾人の尼の相手をしてきおった?

 ほほ…

 その様子じゃぁ、

 この寺の尼達のほぼ全員の中をくぐり抜けてきたようじゃのぅ」

白木の上に乗る蓮華に向かって紫蓮は尋ねると、

ムク

ムクムク

その声に応えるかのように

ペニスは身体を伸ばし、蠢いた。

すると、

「ひっ!」

それを見た尼僧が悲鳴を上げると、

「ほほ…

 さて蓮華、

 お前に掛けられたその神通力を解いてやろうかのぅ」

蓮華に向かって紫蓮はそう告げると、

「お前達、

 席を外してくれないか」

と紫蓮は尼僧達に指示をした。

「はい」

その指示に尼僧達が次々と席を立ち、

そして、部屋に紫蓮と蓮華の二人だけが取り残されると、

「……」

紫蓮は無言のまま数珠を取り出すと、

「ナーム…」

経を唱え始めた。



紫蓮が唱える経は長く続き、

香の香りもさらに強くなっていく、

すると、

スッ…

経を唱える紫蓮の手から一本、また一本と皺が消え始め、

また、幾重に刻まれた顔の皺も消え始めた。

そして、次第に肌に張りが戻ってくると、

グググ…

小さく萎縮していた紫蓮の身体が次第に膨らみ、

経を唱えるその声にも張りが出てきたとき、

「…ふっ」

紫蓮は小さな息を吐くと経を上げるのを止め、

前にいる蓮華を改めて見据えるが、

しかし、そこには年老いた紫蓮ではなく、

張りのある肌、

大きく膨らんだ胸、

そして、男を瞬く間に虜にしてしまう目を持つ、

妖艶な尼僧が座っていたのであった。

「ふっ

 久々にこの若返りの秘術を使ってみわ、

 さて、蓮華、

 なるほど、お前には強い鬼の術が掛けられているようじゃの、

 これも、わしの警告を聞かずに寺を飛び出していった罰じゃと思え」

若返った紫蓮はそう告げると、

スル…

身に纏っていた衣を脱ぎ、

20代の女性とほぼ同じその豊満な肉体を晒す。

そして、

「うふっ

 お前のその味…

 いや、神通力をこの口で吸い取ってあげようぞ」

と言うなり、紫蓮は蓮華を手に取り、

その身体を数回こする。

すると、

ムクッ

ムクムクムク!

蓮華の身体は見る間に固くなり、

その長さが伸び太さも増してくると、

「ほほっ、

 この固さ、長さ、太さ…
 
 まさに鬼の摩羅じゃっ
 
 道理で尼達が夢中になるはずじゃ
 
 皆、摩羅の術の虜にされたという訳か」

紫蓮は笑い、

「ほほっ

 もぅ先走りを垂らしておるのか、

 しょうがない奴じゃ」

先走りを垂らしはじめた亀頭に

チュッ!

口づけをした。

すると、

ビクン!

その途端、蓮華の身体に網の目のような血管が浮き出、

さらに固さを増すと、

「うふっ

 ここの密が飲みたいのじゃろう?

 さぁ、思う存分飲むが良い」

と言うなり、

クチュッ

紫蓮は若さを取り戻した膣に蓮華を挿入する。

そして、

「くっ

 はぁっ
 
 あんっ」

紫蓮にとって久方ぶりとなる喘ぎ声を上げると、

クチョクチョクチョ

激しくピストン運動をさせ始めた。

「うっ

 あぁっ
 
 んあっ
 
 くぅ、
 
 固い…
 
 すごい…
 
 すごい…
 
 さすがは鬼の…
 
 んあぁ」

手を動かしながら紫蓮は喘ぎ声を上げ、

そして、若返った肌をピンク色に染めていく。

「これは…

 確かに癖になるのぅ」

固くなった乳首がそびえる乳房を揺らし、

青い剃りを見せる坊主頭を振りながら紫蓮は悶えるが、

しかし、この間でも、

シュッ

紫蓮の右手は九字を切り、

鬼の神通力を吸い取ることは忘れては居なかった。

「あんっ

 くる…
 
 くるぞ、
 
 鬼の神通力が…
 
 あぁ、コレはすごい、
 
 ものすごい力じゃ…
 
 あぁ、
 
 いいぃ
 
 イク…
 
 イクイクイク
 
 んあぁ!!」

無かれ込んでくる神通力を受け止めながら、

紫蓮は久方ぶりとなる絶頂を上っていく、

またそれは、

膣の中も蓮華も射精が近づいてきていた証でもあった。

そして、

「んあぁぁぁ!!!」

ビュッ!!!

紫蓮の絶頂と共に、

蓮華は紫蓮の中へ神通力と共に射精をしてしまったのであった。



ハァハァハァ

ズル…

ボト…

荒い呼吸をする紫蓮の膣より蓮華が飛び出すと、

ベチャッ!

その下に溜まっていた愛液の溜まりの上に落ちる。

すると、

ムクムクムクムク!!!

蓮華の身体が急速に大きさを増し、

やがて、人の身体ほどに大きくなってしまうと、

グチュッ!

ズルッ

ズルルルルッ

巨大な摩羅・ペニスの胴体から手足が生え、

そして、ツルリとした身体に凹凸が出てくると、

シュワシュワシュワ…

巨大なペニスは坊主頭の尼僧・蓮華へと変化していった。

「うっ

 ぷはっ!」

久々に口を開き、蓮華は深呼吸をすると、

ゆっくりを目を開ける。

すると、

「どうじゃ?

 人に戻った感想は?
 
 格別であろう?」

と紫蓮は蓮華に尋ねると、

「あっ」

蓮華は慌てて正座をして、

頭を下げながら、

「あっありがとうございました」

と礼を言う。

「ほほほ…

 良い、
 
 まぁこれに懲りて修行を一からやり直すのだな」

そんな蓮華に向かって紫蓮は告げ、

そして最後に、

「そうそう、

 お前の身体に染みこんだ臭いは当分取れないぞ
 
 摩羅として、幾人もの尼の中に入ったのだからな」

と蓮華の身体から漂う愛液の臭いを指摘した。

しかし、摩羅への変身が蓮華に残した災いはそれだけではなかった。

尼たちの愛液に焼かれ黒ずんでしまった肌の色は人に戻っても元に戻らず、

また、食事も人間の食べ物を食することを忘れてしまったために、

蓮華は尼僧達が出す愛液をすする生活を送っていたのであった。



一方、紫蓮はと言うと、

「ナーム…」

「いっいやぁぁ…」

「お前はこの尼寺の禁を破った。

 故に、修行をやり直すのだ。

 ふふっ

 立派な摩羅になりおったな、

 さぁ、お前の修行場はここじゃ」

ニュプ…

寺の禁を破った尼僧達を戒めと称して、

蓮華から抜き取った神通力で尼達をペニスへと変身させてしまうと、

夜な夜な己の体内に挿入する日々を送っていたのであった。

「ほほはっ

 あぁ、力が漲ってくる。

 うぅ…若さが流れ込んでくるぞぉ

 この若さを維持するにはこれはもってこいじゃっ

 あぁん、

 いっイクゥ!!」



おわり