風祭文庫・モラン変身の館






「大都会の勇者」
(第6話:更なる転身)


原作・inspire(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-308





世界民族研究部室

と大書かれた看板が立つ部屋の前に

それに負けないくらいの大柄な図体の男子生徒が立っていた。

「…いらしゃい

 …あら、あなたは…」

大柄な男子生徒を前にして

”世界民族研究部部長・明石美津子”

は少し珍しそうな顔をしてみせると、

「…なあ、俺たちを助けてはくれないか…」 

青ざめた顔をして懇願してみせる。

「え?」

驚く美津子の前に現れたのは大沢毅。

こちらも生徒会から廃部を言い渡されそうになっているボディービル部の部長だ。

「あんた、

 とてつもない筋肉とは裏腹にそんな青ざめた顔をしちゃって…」

そんな美津子を足元に毅はひざを折り、

頭を床につけると、

「…お願いだ!

 …うちの部に。

 その…人材を派遣してほしいんだ。

 …今度の大会で少しでも勝たないと

 …生徒会から・・・廃部にされちまう…」

と泣きながら土下座をしてみせる毅だったが、

「でも、そんなむさい部活に喜んでいく部員なんて…」

と美津子はどこか乗り気がないようだったが、

ふと何かに思い当たるや、

「そうだ、一人派遣してもよさげな人がいるわ…

 あなたはここで待ってて…」

と言い残して美津子はある場所へ向かっていく。



彼女が向かっていったところ、

そこは世界民族研究部が管理しているある場所であった。

それはとある事情により部族の姿のままになった生徒の一部が

モランの実際に近い状態で生活いるところであった。

そして、その中にたたずんでいた一人の屈強なモランがいた。

「いたいた、

 …お久しぶりね、紺野さん…」

美津子は親しげにモランに声をかける。

「あっ……」

彼女が声を掛けたのはいかにも屈強なモランであったが、

その正体は紺野有紗である。

彼女は世界民族研究部の仕事を手伝っていたが、

古い写真にかけられた呪いによりモランの姿になってしまったのだ。

「男の人の体、

 気持ちいい?」

そう尋ねる美津子を前にして、

「…え…」

有紗は少し戸惑いを見せる。

「…恥ずかしがらなくてもいいわ

 …こんなにペニスを大きくしちゃって

 …男の人の体、すごくいいでしょう?」

有紗は否定することは出来なかった…

「そんなあなたに今日は折り入って

 行ってもらいたいところがあるの」

そういうと美津子は有紗を連れ、

毅に紹介をした。

早速ボディービル部のトレーニングルームに案内された彼女だったが、

「キミにはうちの部の助っ人として活躍してもらいたいのだが…」

毅はそう有紗に説明するが…

「何よ、こんな男くさいこと…出来るわけないわ!」

どういうわけか有紗は怒ってしまったのであった。

「でも、キミはもう男の体じゃないか…

 それに、十分に引き締まっていて…

 少しトレーニングをしたらすぐに優勝できるぐらいの体になる!」

「いやよ。

 話にならないわ…

 なんであたしがそんなこと…」

「わかった。

 少し考えてみるといい…

 それからでも遅くない…」

拒絶する有紗の姿に毅は少しがっかりしたかのように答えると、

彼女に考える時間を与えたのである。

「ああ…どうしよう…」

その日、ペニスをしごきながら有紗はさまざまなことを考えていた。

自分自身すでにこの体に快感を覚えている。

いつまでもモランの格好ではサバンナに行く以外に生活できない…

それにいくらなんでもペニスをさらけ出すのはまずいのではないか…

さまざまなことを考えるうちに有紗はある決心をしたのであった。
 


翌日―――

「何?

 協力してくれるって?」

驚く毅の前に有紗が現れた。

「ええ」

「そうか。

 それはありがたい。

 とりあえずユニフォームを着てもらうか…」

そういうと毅は有紗の前に青いビキニパンツを見せた。

「それで前は隠れるぞ…

 次は、オイルをたっぷり塗ることだ」

もし有紗が女性の姿のままだったらこんな光景には正直引いていただろう。

だが、今はこうするしかない…

有紗はビキニパンツを穿き、

オイルを全身に塗りたくっていた。

そしてキャプテンである毅の指示や指導に従っていた。

時々自分には無理と感じるトレーニングでも、

こらえて取り組んでいた

「そうだよ!

 やれば出来るじゃないか!

 そのとおりだ!」

めきめきと力をつける有紗をほめる毅。

この光景を見ていたほかの部員達も俄然やる気が出始める。

ボディービル部には以前のような活気が戻っていた。



そして約数ヶ月が過ぎた。

胸板と割れた腹筋をさらに隆起させ、

締まっていた手足も筋肉で何倍にも太くなり、

さらに縮れていた髪の毛も剃り落として丸坊主にし、

青いビキニパンツを大きく張上げ

…黒人ボディービルダーとしては最強ともいえる肉体となった有紗の姿がここにあった。

「すごいじゃないか…紺野!

 これなら大会も優勝だ…」

毅は非常に感動していた。

毅の思った通り、

有紗はあらゆるボディービルの大会に優勝した。

そればかりか有紗の姿を見てやる気を出した部員達も好成績をたたき出していたのである。

これでは生徒会も文句は言えまい。

ある日、ボディビル部員として有意義な日々を送っていた有紗に、

1通のメールが来た。

敬からだ…

「今日、会わないか…場所は…」

その日の夜、

指定された場所で敬と会うことにした有紗だが、

「有紗、お前また優勝したんだってすごいじゃないか。

 前に会ったときよりも体つきがすごくなってる。

 でも面影はまだ女だったころのが残ってるな…」

敬は少しほっとしたようだった。

「チンポもすごくでかくなってて…」

敬は有紗の長さも太さもまさにマグナム級以上といったペニスをパンツ越しに触っていた。

「…ふふふ

 …あんたのへナチンよりもすごく立派なんだからって…

 え…敬…?」

敬の姿を見た有紗は一瞬驚いた。

服を脱いだ敬の体にはすでにペニスがなくなっていた。

それどころか、胸には十分なふくらみがあったのである。

「ちょ…敬…どうしたの…?」

「実は俺、女になっちゃったんだ。

 男になってすごく生き生きとしているお前を見て、

 なんかこっちも女になりたくなっちゃって…」

敬は少し恥ずかしそうに言う。

「だったら、

 あたしのこのチンポであなたを激しくいかせちゃってもいいわ…」

「ああ…俺もお前のチンポで…ああああああ…」

有紗は目を輝かせながら目の前にいる少女を犯そうとしていたのであった。



おわり



この作品はinspireさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。