風祭文庫・モランの館






「ジュワニ」
(第1話:明菜の変身)


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-068





「はぁはぁはぁ

 うっく」

そのとき明菜は暗い小屋の中で喘いでいた。

「はぁはぁ」

「はぁはぁ」

ただ、いまこうしてあえぎ声を上げているのは

日本の高校二年生の女子高生、吉野明菜という名を持つ女の子ではなく、

ここアフリカの奥地で裸同然の姿で生活をしているアヤニ族の少年・ジュワニの肉体ものだ。

事の起こりは二日前のことだった、

家族とのアフリカ旅行中、ふとしたきっかけで

このアヤニ族の村を訪れた明菜はここの呪術師の勧めもあって、

この村に一人泊まることにしたのだが、

しかし、その夜、

寝入った明菜の傍に呪術師とアヤニ族のジュワニという同年代の少年が立つと

呪術師の手によって明菜とこのジュワニとの魂の交換の儀式が行われ、

なんと明菜は少年の肉体と取り替えられてしまったのであった。

翌朝、目覚めた明菜は眼下に見える黒光りした自分の肉体に目を見張るが、

その後、目の前に現れた呪術師より

自分がアヤニ族の少年と体を入れ替えられてしまったことを知らされた。

「そんな…」

事実を知らされ愕然とする明菜であったが

しかしそれで終わりではなかった。

魂を交換させられた明菜はジュワニの肉体に入って間もなく

その呪術師の手によって強制的に射精させられてしまったのであった。

それが魂を肉体に馴染ませる儀式の始まりだとも知らされずに…



「はぁはぁはぁ…」

腕と足を縛られたまま

明菜は体の交換でに明菜の肉体を得たジュワニにペニスを扱かれていた。

毎回六時間おきに射精されられ、明菜は既に七回ジュワニの肉体で射精していた。

(なんでこんなことさせられなきゃならないの……)

白濁した粘液を吐き出す下半身を眺めながら明菜は涙を目に浮かべる。

初めて射精させられたとき明菜はショックと初めて味わう快感に失神してしまった。

それから、六回。

男の子の感じる快感と性欲を直に味わいながらペニスを生やし、

そこから射精してしまう自分に嫌悪していた。

まだエッチの経験もない明菜である。

男の子が射精することは知識として知っていても

それを自分で体験するなんて夢にも思っていなかったからだ。

しかも、愛撫を加えてくるのは目の前にいる本来の自分だ。

明菜は複雑な思いにかられながら湧き上がってくる快感に必死に耐えた。

「はぁはぁはぁ……」

明菜のペニスは既に勃起している。

女の子のクリトリスとは違う力強い勃起感。

「あんっ」

肉棒が股間に聳え立っていく感覚に明菜は思わず声を漏らす。

慣れてきつつあるとはいえそれは違和感以外の何物でもなかった。

これからあの悪魔の体験が待ち構えているかと思うと明菜はゾクゾクするのを感じた。

股間に思わず力が入ってしまい、ペニスがビクッと震える。

するとそれを見てジュワニが笑った。

「うっ」

そんな本来の自分の笑みにドキッとしてしまう自分がここにいる。

するとジュワニはペニスを撫で上げるように触り始めた。

自分の意志とは無関係に行われる愛撫に明菜は興奮し始めていた。

「やめて……

 はぁはぁ、
 
 おっお願い……」

日本語で必死に懇願するが

しかし、明菜の肉体をもつジュワニには通じない。

肉体こそアヤニ族になってしまったが

しかし、頭の中は明菜そのままなのだ。

アヤニの言葉など理解できるはずがない。

そんな懇願が返って火に油を注いでしまったのか

ジュワニは喜ぶようにペニスを撫で上げていく。

明菜は硬く勃起したペニスの感覚に翻弄される。

敏感なクリトリスが大きく肉棒に転じたようだ。

そのペニスに纏わりつく本来の自分の指。

その感覚は快感以外の何物でもない。

「あっ…だめ」

明菜はジュワニになってから感じ始めたムラムラする気持ちが

頭の奥底から湧いて出てくるのを感じた。

それに伴ってペニスが更に力強く勃起する。

『○○○○』

するとそれを見たジュワニはうれしそうに何かいうと

シュッ

シュッ

と明菜の股間で力強く勃起するペニスを扱き始めた。

「うっ!

 あ、やめ……
 
 はぁっ、
 
 あっ、
 
 んっ!?」

その快感に明菜はジュワニの肉声で喘いだ。

気持ちいい…

女の子だったときに味わったことのない快感が明菜を埋め尽くしていく。

ペニスの根元に何か募るように集まってくるのを感じる。

爆発しそうな何かが集中していく。

(やだ、やだ……あたし、また射精しちゃうの!?)

それを感じた途端、女の子の意識が必死に抵抗する。

こんなことをしてはいけない。

理性は頑として主張している。

なのに、未体験だった感覚は理性さえも溶かさんとばかり

明菜の意識を飲み込もうとしている。

ペニスの先から我慢汁が溢れ出し愛撫するジュワニの指に絡みつく

そのままペニスに塗りたくられ明菜はペニスから汁から出ているのを知った。

(ヤダヤダヤダ……こんなの駄目だよ!!)

しかし、ジュワニの指は潤滑剤を得たかのように更に強く扱いていく。

シュッ

シュッ

シュッ

ジン…

下半身が燃え上がり始める。

明菜の意識は朦朧とし始めていた。

「はぁはぁはぁ……」

もはや抵抗の言葉はなく、荒い息をするばかり。

本来ジュワニのものだった顔は発情したオスのものに変わっていた。

鼻の下が伸び、

意識しているわけでもないのに

どこか嫌らしい顔付きになっている。

明菜の心の中でさっさと出してしまいたい、

射精してしまいたい、

そんな悪魔の囁きが始まっていた。

もうどうでもいいような、そんな気分が徐々に明菜の精神を冒していく。

『○○○』

さっさと射精しろとばかりジュワニが声をかけると最後の攻撃を開始した。

シュッシュッシュッ

ペニスを力強く扱き、先端の亀頭の根元でギュッと握り締める。

亀頭の鈴口の根元はとても敏感で明菜は思わず雄叫びを上げそうになる。

「はぁっはぅっはぁっ」

息は交尾するオスのごとく激しく明菜の口を出入りする。

(駄目……出ちゃう、射精しちゃう!!)

明菜は込み上げてくる精液を感じながら必死にペニスの根元に力を込める。

しかし、肉体の本能は正直だった。

ジュワニが亀頭の鈴口の根元をなぞったとき明菜はペニスの堤が切れるのを感じた。

何もかもが吹っ切れたようなその感じに明菜の精神は包まれる。

一瞬、全てが真っ白になったかと思ったそのとき

「くぅっ!!」

ブビュッ

ビュッ

ビュッ

ビュッ

明菜は目を瞑り歯を食いしばったったまま射精していた。

ペニスの根元から一定間隔おきに精液が遡り鈴口をこじ開けて噴出していく。

その快楽は明菜を陶酔させるほどだった。

ビュップ

ビュッ

徐々に射精の痙攣が収まっていくと明菜はボゥとした顔になりつつ

未だ握り締められているペニスの快感の余韻に浸る。

あれほど抵抗を見せていたのにその微塵の欠片も残っていなかった。

強烈なジュワニの射精の快楽に明菜の精神は屈服したようだ。

「はぁはぁはぁ…」

射精を終えた明菜の魂はジュワニの肉体と更に深くシンクロし

明菜の魂はジュワニの肉体に馴染んでいく。

こうして明菜の魂はまた深くジュワニというアヤニ族の少年の肉体と結ばれていった。



三日目、

明菜が十回目の射精を終えたとき自分の体を縛っていた拘束は解かれた。

まだアヤニの自覚がなく、

言葉も喋れない明菜は呪術師の小屋の隣にある小屋に移った。

そして、最後の射精以来、本来の明菜の体…そうジュワニは姿を見せていない。

「あたし、どうなっちゃうんだろ……」

明菜は呆然としながら簡素な小屋の内側を眺めていた。

本来であれば、もう既に日本に帰っている日である。

行方不明扱いになっているとしても、

今の自分はアヤニ族の肉体であり、到底自分を明菜と信じてくれる人はいない。

愕然となりそうになりながらも明菜は自分の体を見下ろした。

そこには黒光りする剥き出しのアヤニ族の少年の体と、

その股間には少年というには似つかわしくない肉棒・ペニスが下がっている。

散々触られ、射精させられたこに肉体は感覚としては明菜に馴染み始めていたが

こうしてじっくりと眺めるのは初めてだった。

漆黒の肉体は筋肉が無駄なく付き逞しい。

しかもただ筋肉が盛り上がっているわけではなく

細身の体に細長く伸びた手足に張り付いているのが全て筋肉という感じだ。

「あたし……こんな体になっちゃったんだ……」

腕に出来る力瘤を触りながら明菜は呟いた。

そして、

この二日とちょっとの間に、十回も射精させられたペニスを恥かしそうに眺める。

「……」

明菜は無言のままそっと手を伸ばすとペニスを掴む。

「あっ」

触っている感覚と触られている感覚が同時に伝わってくる。

明菜にしてみれば、初めて自分で触ったペニスだった。

何せ、他人に触られ弄られる方が先だったのだから。

こうして自分の意志で触れるのは肉体を交換してから初めてのことだった。

「オチンチンってこんな…感じなんだ……」

ペニスから伝わる指の感覚に明菜は次第に顔が熱くなっていくのが分かる。

明菜のペニスはそんな精神状況を反映するかのようにピクッと動いた。

(あ……ヤダ…)

そう思っても、ジュワニのペニスは既に勃起始めていた。

血液が股間に集まっていき

さっきまで垂れ下がっていた明菜のペニスは見る見る勃ち上がり

硬くその雄姿を股間に見せる。

「やだ

 ど、どうしよう……」

力強く脈打ち始めたペニスに明菜は慌てて手でそれを押さえようとするが

しかし、その行為は返って勃起を刺激してしまう。

「はぅっ……んっ、あ」

(オチンチンが……大きくなってきちゃった……)

困惑してしまう明菜をよそに体は正直に性欲を訴える。

明菜は十回の強制的な射精をしっかりと覚えていた。

忘れるはずがない。

生まれて初めて他人に愛撫され、射精してしまったのだ。

それも本来女の子だった明菜が…

「はぁはぁはぁ…

 駄目、やめて」

自分でそういいながらも明菜はほとんど無意識にペニスを扱き始めていた。

理性は必死に”ソンナコトヲシテハイケナイ”と訴えるが、

しかし、新しい肉体の欲求は明菜でも止めることが容易ではなかった。

「はぁはぁふぅふぅ」

ペニスを握る手が上下に揺れる。

その度に今まで同じ快感が股間から湧きあがってきた。

「気持ちいい…」

明菜は自分でコントロールできる快感というものに新鮮な味を覚えていた。

何より、これはオナニーなのだ。

他人に強制的にやられるものとは違う。

自分の好きなように快感を調節できる。

そのことに明菜はハマってしまった。

(いけないのに……こんなこといけないのに……)

そうは思うが射精を経験してしまった体はいうことを聞かない。

ジュワニの肉体に根付く男性の性欲は否応なく明菜の心を翻弄していく。

「はぁはぁはぁ…」

(駄目……気持ちよくなっちゃ駄目…)

明菜の気持ちも虚しく、手は激しくペニスを扱き上げていた。

シュッ

シュッ

自分でも何しているのか把握していないのに

手はひたすら快感を求めてペニスを上下に擦っているのだ。

「あたし、はぁはぁはぁ…」

明菜は一度動き出すと止められない性欲の波に飲み込まれていた。

性衝動に憑り付かれていた。

ジュワニというアヤニ族の少年の肉体の本能に支配されていた。

明菜のペニスの先からは透明な粘液がきらりと溢れ始めた。

零れていくそれは明菜の黒い手に絡まり

ねちゃねちゃとペニスに塗りつけられていく。

(ヤダ……もう出てきちゃってる…)

明菜もそれが射精の前に出てくる我慢汁であることは分かっていた。

十回も射精させられているのだ。

オナニーは初めてとはいえ、勝手が分からないわけではない。

本当ならここでもうやめたいところなのだが

本能の方は更に火がついたようだ。

明菜の手は意識とは関係なく更にペースアップして硬く立派なペニスを扱いていた。

「はぁっはぁっはぁっ」

息が荒くなる。

ジュワニの声音で明菜の喉から息がもれ出る。

明菜の興奮は更に高ぶっていた。

明菜は知らないこととはいえ

魂がジュワニという本来は適合しないはずの肉体と癒着していくのを

快感として捉えているのかもしれない。

明菜の魂は間違いなくジュワニという少年の肉体の感覚を貪るように食らい付き、

ジュワニの肉体の魂へと変貌しつつあった。

「はぁはぁはぁ……」

(駄目なのに……気持ちいいよ……

 気持ち悪いのに……気持ちいいよ)

明菜は矛盾した気持ちに困惑しつつジュワニの肉体が生み出す快感を味わっていた。

(これが……ジュワニの体……男の子の感覚なんだ)

いつしか他人の体の感覚を味わっていることに気付き

興奮を押さえられなくなってきた明菜。

(そんな……

 あたし、喜んでるわけじゃないのに……)

(でも…

 あたし、ジュワニの体でこんなことしてる……
 
 ヤダ、やめて)

明菜の心はそれを否定したかった。

なのに、体は更に興奮していく。

ペニスはビクビクと痙攣し、今にも射精しそうだった。

射精寸前特有の興奮と緊迫感を味わいつつ陶酔しつつある自分。

嫌悪したくても、のめり込んでいく自分。

許せないのに、許してしまう自分。

明菜は自分の中で離反しあうものが激突するのを感じた。

「はぁっ!!」

ビクビクビク

自分の中の矛盾が突然全て融合してしまうかのような感覚。

全てが最高に思える瞬間が訪れてしまうのを感じた。

明菜の手は自分のペニスをギュッと握り締めそれに備える。

「くぅっ!!」

プビュッ

ビュップ

ビュッ

ビュッ

ビュッ

明菜は手からペニスが脈動するのを感じていた。

精液が間隔を置いて噴き出していく。

その度に女の子だったときには味わえなかった絶頂が波になって明菜の精神に打ち寄せる。

その快感に明菜は打ち震えた。

ジュワニという少年…

他人だったはずのその肉体を自分のものとして感じている自分。

明菜は初めてアヤニ族の少年のオナニーを体験してしまっていた。

手に触れる熱い白濁した粘液。

自らの精液に初めて触れ明菜の心を衝撃が埋め尽くす。

「……あたし、射精しちゃったんだ」

何か取り返しのつかないことをしてしまったような気を覚えつつ、

明菜は精液を指で遊んでいた。

(……そんな…これ、夢じゃないよね?)

女の子の意識はそれすら薄れてしまいそうになる。

しかし、射精してしまった事実は現実だった。



夕方、小屋の隅で明菜はいた。

射精の痕跡は今も小屋の床に残っている。

初めて自分の手による男のオナニーを覚えてしまった自分。

明菜はドキドキしながらもそんな自分に嫌悪していた。

「もう…三日目の夕方……

 あたし、一体どうなっちゃうの?」

次第にこの肉体になじんで行くことに不安を覚えた明菜は塞ぎ込んでいた。

交換されてしまった肉体。

それは、アヤニ族の少年ジュワニのものだ。

誰が見ても、自分を吉野明菜だと理解してくれる人はいない。

怖い、恐ろしい。

これから何がどうなるのかも分からない。

そんな中、他人の体になってしまったことに興奮を覚えてしまいつつある自分。

明菜は悲嘆に暮れつつ隙間から見えるアフリカの夕空を眺めていた。

カタン

小屋の扉が突然開き、明菜はびくっと肩をすくませ、

慌ててそちらの方を見ると呪術師が小屋に入ってきたところだった。

『○○○○』

呪術師は、ジュワニ姿の明菜を見た後、

小屋を見回すと射精しているのに気付いたのか満足そうに頷き何かを運び入れた。

鏡のついた彫像だった。

「な、何?……」

明菜は呪術師に警戒しながらもそれに興味を示した。

呪術師は一人だけで逃げ出すなら今がチャンスかもしれなかったが

肉体がジュワニのものである以上、意味がない。

明菜はただ黙ってそれを眺めていた。

『○○○○○』

呪術師は明菜に向かって何かを告げ、鏡を明菜に向ける。

鏡には遠めだったが、小さく明菜の姿が映った。

「何よ……」

怯えている明菜に気付いたのか

呪術師はニヤリと笑うと彫像を残したまま立ち上がった。

そして、隅にいる明菜に手を振ると小屋から出て行く。

「……一体、何のつもりなのかな?」

明菜は恐る恐る動き出すと彫像に近づいた。

彫像の頭についた小さな鏡に自分の姿が映る。

「え?…」

明菜は思わず目を疑った。

見知らぬ裸族の少年がそこにいる。

そう、明菜はまだジュワニになった自分を見たことがなかった。

首から下は随分と眺めたものだが

自分の体になってしまっている以上、顔を見ることはできなかったのだ。

ジュワニの顔を見たのは体を交換する直前のわずかな間だけ

明菜の記憶にはジュワニの顔はさほど克明には残っていなかった。



つづく



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。