風祭文庫・モラン変身の館






「転校生」
(最終話:兵太の誘い)


原作・TAKE1(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-183





「おい、今度はヘータの奴が消えたってよ」

「あいつが消えたって何の意味があるんだよ」

「でも、あいつが神隠しの一件について

 何か知ってるんじゃないのかって話しだったじゃないか」

「ってことはさ、

 あいつが居なくなったことで神隠し無くなるんじゃないのか?」

兵太が消えた翌日、

クラスの中では様々なうわさ話が飛び交っていた。

しかし、

「フフッ」

そんな中でありながら、

ただ一人、

薄笑いを浮かべてる一人の女子生徒「敷島真由美」こそ

神隠しにあったといわれている「青島兵太」本人であり、

「さて、今度の復讐は決まったな」

と自分を虐めてきていたクラスメイト達を眺めつつ、

一言そう呟く。



キーンコーンカーンコーン

放課後のチャイムが鳴るとともに

ダッシュで走っていく一人の男子生徒が居た。

彼の名前は「山際敏弘」

クラスでも評判の不良で男子のヘータ狩りの常習犯である。

「へへっ、

 真由美の奴、

 やっと俺の気持ちに応えてくれたかよ。

 今まで散々だったのによ…」

そんな、文句を言いながらも、

にやけながら走る彼は真由美に心を寄せるが、

だが、そんな彼に対する真由美の態度はつれなく

いつも冷たくあしらわれていた。

だが、今日机に入っていた

「あなたの気持ちに応えたいので

 資料室の中で待っています 敷島真由美」

と書いてあった手紙を見た瞬間、

敏弘は教室から飛び出し、

指定された資料室へと向かっていたのであった。

「けど、資料室だなんて、

 なんでそんな場所にしたんだろうな」

真由美からの指定場所に敏弘は少し違和感を感じたものの、

「まぁいいや、

 あの返事の様子を見ると、

 ククッ

 今日中にでもヤレそうだな」

すでに敏弘の頭の中は妄想が暴走状態となっていて、

その股間が固くなっていたのであった。

「真由美!

 来たぜ!

 返事聞かせてくれるんだろ」

資料室のドアを開けた途端、

敏弘は大声で叫ぶが、

だが、その声に返事は帰ってこなかった。

「どこに居るんだよ、真由美」

直ぐに返ってこなかった返事に、

敏弘は苛立ちながら再び声を上げるものの

はやり返事は返ってこなかった。

「チッ、

 もしかしたら、真由美のヤツに担がれたのかも」

真由美に嵌められたと敏弘が考えた瞬間。

「来たんだ」

その声と共に敏弘の目の前に真由美が姿を見せた。

「うわっ

 まっ真由美!!!
 
 って一体どういう…」

まるでテレポートしてきたかのように突然姿を見せた真由美に

敏弘は驚きながら声をかけようとすると、

「アヴァン…ナシルト」

と真由美の口が動き、

資料室に呪文のような声が響き渡った。

その途端、

ピシッ…

敏弘の体がら全ての自由が消え、

微動だに動かなくなってしまった。

「なっ、

 なんだよ、
 
 おっおい真由美
 
 これは…」

「ふふっ、いい様だね、

 敏弘君。

 僕を虐めていたときの勢いは何処に行ったのかな?」

突然、金縛り状態になってしまい、

焦る敏弘に向かって真由美がそう呟く、

「なっ、何のことだよ、

 おいっ真由美」

そんな真由美に向かって敏弘がそう叫ぶと、

「五月蝿いな、少し黙れ」

真由美がそう言うやいなや、

「…………」

敏弘は言葉を発せなくなってしまい、

何か言いたげに口をパクパクさせはじめる。

すると、

「仕方がないな、

 じゃぁ、君にも分かりやすく教えてあげるよ。

 そう君の前に立っている僕。

 僕の正体はこれまで君が虐めてきた兵太だよ。

 ククッ

 虐めらっ子の兵太だよ。

 散々皆に虐められ、

 クラスにも味方すら居なかった、

 そんなときにあるアフリカの古文書を見つけたのさ、

 そこには魂を自由に操れる秘術と書いてあったんだ。

 ふふっ、

 だから、それを使って僕のことを馬鹿にしていた奴を

 すべてアフリカに送ってやったのさ、

 アフリカでも生きていける素晴しい姿に変えてあげてね」

そこまで言うと兵太は敏弘の封印を解く

「ぷはっ」

今まで喋ろうにも喋れなかった空気が一気に口に行き、

敏弘はむせってしまうが、

「でもね、

 少し考えなしに送ったせいで少し困ったことになってね」

と敏弘のことなどお構いなく兵太が唸る。

「いずれ警察が動くからか…」

敏弘が少し強がりながらもそう返すと、

「いや、

 あんなのなんて怖がる必要なんてないさ、

 ただ今までの神隠し、

 君たちがそう呼んでいるので居なくなった人間を、

 皆ディンガとして送ってしまったからね、

 女性が居なくなったんだよね」

兵太がそう呟いた。

そして、

「…俺をどうするつもりなんだよ」

と怒鳴る敏弘に向かって兵太は手を翳すと、

「こういうつもりさ、

 ムリング…バングァ」

兵太が呟くのと同時に敏弘の体に異変が起きる。

ビクンッ!

「!!っ

 何しやがるんだ、兵太」

突然、自分の体に起きた異変を感じながら敏弘が叫ぶと、

「ディンガを増やしたんだからね

 ディンガの花嫁も増やさないとね」

兵太がそう言うやいなや敏弘の体が変わり始める。

ムリムリムリ!!!

「うわっ

 な…なんだよこれ」

驚きながら叫ぶ敏弘の目に映ったもの、

それは思いっきり隆起した自分の胸であった。

「ふふっ、立派なおっぱいだね、

 まあ当然か、

 ディンガの花嫁は子供を生むための存在だからね

 でも胸だけ大きくなったからといっても
 
 女になった訳じゃないさ、

 まだまだ続きはあるんだよ」
 
そう薄笑いをうかべたまま兵太は話すと、

敏弘は信じられない光景を目にした。

自分の体がどんどん女に変わっていく光景を…

グンッ!

手足が伸び、

身長が高くなると、

肌の色が見る間に黒くなりはじめた。

そして、逞しかった体から筋肉が消えてしまうと、

体の線が丸みを帯びてくる。

また、顔の形もごつごつした形から

丸みを帯びた形へと変わると、

髪の毛は短く縮れ、

腰の位置が上に上がり、

尻の周りに柔らかい脂肪が付いていく。

さらに、体の中も変わっていくと、

それに伴い最後の男の主張だったペニスも消滅してしまい、

代わりに女性の性器が口を開ける。

今の敏弘はどう見ても学生服を着た

ディンガの女性にしか見えない姿になってしまった。

「そっ…、そんな、

 おっ…俺の体…」

そう喋る声ももはや女性のものでしかない。

「さて、ラストチャンスだ、

 まだ君にかけた術は完璧な物じゃない、

 ある賭けをしようじゃないか、

 その賭けに勝てたら君を元の姿に戻してあげよう」

変身した敏弘を見ながら兵太が切り出す。

「賭けだ?」

その声に敏弘が返事をすると、

「そうさ、今から君に有る人と会わす

 その中で君が性的絶頂を迎えなかったら君の勝ちだ」

ニヤニヤしながら兵太は言う。

「つまりイカなきゃいいのか」

兵太の問いに敏弘が答えると、

「まあそういうことさ、

 で、どうする」

「乗ってやるさ、

 後で覚えてろ」

尋ねる平太に敏弘はそう強がると、

「OK了承したね、じゃあ行くか」

そう言うやいなや兵太は両腕を天に掲げた

そうてなにやら呪文を唱えると、

いつの間にか兵太と敏弘は広大な草原の中に立っていた。

「うわっ、

 なっなんで」

突然変わった景色に敏弘は驚いていると、

「…………」

兵太が草原に向かって大声を張り上げる。

すると、黒い裸体を晒す全裸の男が姿を見せ、

そばに寄ってきた。

「ふふっ、

 君に紹介しよう、

 ディンガ族の勇者だよ」

黒いペニスをむき出しにして、

逞しい裸体を晒す男の肩を掴みながら兵太はそう紹介し、

「…………」

その勇者に向かってなにかを喋った途端、

ビクンッ!

勇者の股間から勢いよくペニスがそそり立つと、

敏弘に襲い掛かった。

「なっ、何しやがる」

突然襲いかかった勇者に向かって敏弘が怒鳴り返すと、

「酷いことを言うな、

 君の好きだった真由美君に対してさ」

と兵太が笑う。

「何だって、こいつが真由美だと」

襲い掛かる勇者を押しのけながら敏弘が言い返すと、

「僕との賭けに負けて体ごと奪われたのさ、

 今じゃアフリカに生きるディンガさ」

兵太は嬉しそうに話す。

そうこうしてるうちに完全に真由美に押さえ込まれる敏弘。

「おい、止めろ、

 真由美」

敏弘はそう叫ぶが、

馬乗りになった真由美は敏弘の学生服を破り捨てる。

「ガッ、ガァー」

ディンガとなった真由美はそう叫ぶと

敏弘の乳房を愛撫しだす

「ばっ、馬鹿止めろ」

敏弘が逃げ出そうにもディンガの勇者と

女の体の自分では相手にもならない。

「もう自分が女だったなんて覚えてないんだろうな、

 もはや完全にディンガになった様だね」

そんな真由美の姿を眺めながら兵太が呟くと、

「うっ、あっ…」

形良く隆起した乳房を吸われ、

その快感から敏弘は満足に話すことが出来なくなっていた。

「ふーん、相当気持ちよさそうだね、

 素直に気持ちいいって言ったらどうだい」

そんな敏弘の姿を見ながら

薄笑いを浮かべつつ兵太が話しかけると、

「だっ、誰…がだ」

強がりながら敏弘は言い返すものの

その黒い顔は明らかに赤らんでいた。

「ふーん、じゃっ入れてみよっか」

あっさりと兵太が呟く。

「ちっ、ちょっと待て、

 入れるって何を」

それを聞いて敏弘が慌てて叫ぶと、

「この状況で入れるって言ったら一つじゃないか

 もういい加減お預けも利かないようだしね」

そう言いながら兵太は真由美のほうを見る。

すると、真由美は徐に太く長く伸びている

自分のペニスを掴むと、

敏弘の中に入れようとし始めだした。

「まっ、待て、お…」

敏弘がそう言おうとした瞬間、

その口に真由美のペニスが押し込まれる。

「む、ぐはっ」

いきなり押し込まれたペニスを思わず吐き出そうとするが、

さらに真由美の手が頭を押さえ込まれ、

ペニスは深々と喉の奥へと押し込まれてしまった。

「素直に言うこと聞いておいた方がいいと思うけど、

 今の君じゃ赤ん坊を仕留めるが如くに殺されちゃうよ」

抵抗する敏弘を見ながら兵太がそう言うが、

結果的にそのままなすがままになてしまった。
 
「ウッ、オォォー」

頂点に達したのか真由美が大きく叫ぶと、

ドロッ!

敏弘の口の中に大量の精液が注がれる。

「うっ、げほっ...」

その途端、敏弘は口の中に広がる苦いモノを吐き出すが、

「まあ本物の女でもこれは嫌だろうからね、

 本番はこれからさ」

そう兵太が言うと敏弘に真由美が馬乗りになり、

「............」

真由美に向かって兵太が囁くと

コクリ

その首が上下に動き、

ヌプッ!

頷いた真由美は敏弘に自分のモノを入れ始めた。

「い...嫌だ、止めろ...うわぁ」

「さあここから賭けの始まりだ、

 僕は真由美君に
 
 ”この女を自由にしていいといった”

 自分が男だって言うなら耐えてみるんだね」

悲鳴を上げる敏弘に向かって兵太はそう言い残すと

ふっと消え去ってしまった。

敏弘は自分がどうなるか解ってしまっていた。

かつて自分がやろうとした事。

それを相手が思っている。

そうなれば自分はただの受身の立場でしかない

「うくっ、はぁっ」

必死で耐えようとするが

体の中から湧き出る快感はだんだん抑えようのないものになってくる。

そして相手の攻めもだんだん激しいものとなる。

「ウッ、ウォォォォォー」

「あっ、アァァァァァー」

お互い同時に果て、

草原の中で抱き合いながらぐったりとしていると、

その横に兵太が姿を現し、

「やっぱり耐えれなかったんだね、

 でもまあいいじゃないか、

 形はどうあれ自分の好きな人とカップルになったんだから

 それじゃあお二人とも御幸せに」
 
そう言うとまた兵太はふっと姿を消えてしまった。

サワァァァ…

一陣の風がサバンナを吹き抜けていくと、

そこには一組のディンガの夫妻が残されていたのであった。



おわり



この作品はTAKE1さんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。