風祭文庫・モラン変身の館






「転校生」
(第2話:兵太の賭)


原作・TAKE1(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-080





「ねぇ知ってる?

 資料室の神隠し」

朝の教室に女子生徒の声が響いた。

「知ってる知ってる!!」

「5組の高柳さんが居なくなっちゃたんでしょう?」

「あたしは3年の水谷先輩が…って聞いたけど?」

そうやって囁きあう女子達の後ろを一人の女子生徒が通りかかると、

「何を言ってのよっ、

 神隠しだなんて、

 そんな昔話めいたことなんてあるわけないでしょう!!」

と茶色く染めた髪を掻き分けながら、

キツメのメイクをした敷島真由美が強い口調で彼女達に言った。

「あっ…敷島さん…でも」

最初に話を切り出した子が途中までそう言いかけたが、

「なに?」

と真由美が聞き返すと、

「いっいえ…」

と口を閉じてしまった。

そんな彼女達の視線は、

「おはようございますぅ…」

すぐに消えてしまいそうなか細い声で挨拶をしながら

おずおずと教室に入ってきた一人の男子生徒に向けられた。

青柳兵太…

ひと月ほど前このクラスに転校してきた彼は

どことなくだらしが無くそしで愚鈍なイメージから、

クラスメイトからヘータ・ヘータと常にからかわれ・いじめられている存在だった。

しかし、

さっき彼女達が噂していた神隠しには常の彼の影が付きまとっていたのだった。

そう、神隠しにあったものたちに共通しているのは、

みな姿を消す直前に彼をいじめていたのだった。


昼休み

「おいっ、ヘータっ

 何だその飯の食い方は!!」

4時間目の現国で先生から髪型を注意された鬱憤を晴らすかのように

真由美は兵太に八つ当たりをし始めた。

「なにって、どんな食べ方をしてもいいじゃないか」

呟くようにして兵太が文句を言うと、

ガッ

真由美は座っている兵太の胸倉をつかみ上げると、

「なんだ?、その態度はあたしに歯向かうのか?」

と凄むとそのまま

ドン

っと突き飛ばしてしまった。

ガタガタガターン!!

机もろとも兵太がひっくり返る。

「あっ僕のお弁当が…」

床にひっくり返った弁当箱を見た兵太は、

「なんてことをするんだよぅ」

っと泣きながら真由美に食って掛かった。

「お前…臭いぞ…

 ははーん、そうか、お前に風呂に入ってないな

 寄るな、汚いだろうが」

合気道の有段者でもある真由美はそう叫んで

飛び掛ってきた兵太を軽くあしらうと突き飛ばした。

「ねぇ…もぅその辺にしたら?」

彼女のいじめぶりにほかの女子生徒がそう言ったが、

しかし、

「いいじゃねぇかよ、

 おいっ敷島もっとやれよ」

と男子のヤジがとんだ、

そんな声に押されてか、真由美の行動はエスカレートし、

グシャッ

真由美は兵太の弁当を踏みつけると、

「お前にはコレが似合っているよっ」

と言うと何度も踏みつけた。

「あぁ…何もそこまでしなくても…」

女子達が彼女の身を案じ始めたとき、

キラリ…

兵太の目がかすかに光ると、

「…今日の獲物はお前だ…」

と呟いていた。



放課後…

「はぁぁぁ…」

真由美は大きく背伸びをすると、

「さぁて、今日は何をして遊ぼうかなぁ…」

っとこれからのことを考えながら校庭を歩いていると、

そそくさと校舎へと戻っていく兵太の姿を見つけた。

「ちょっと時間があるから、

 あいつをもぅ少しいじめて見るか」

真由美は一瞬獲物を見つけた獣の目をすると、

すかさず兵太の後を追っていく、

しかし、

どういう訳か真由美は兵太に追いつくことが出来ず、

まるで彼に連れて行かれるようにして校舎の中を引き釣り回された。

「ちくしょう、どうなってんだ?」

追いつけない苛立ちに真由美の堪忍袋の尾が切れ掛かったとき、

カラララ

兵太の姿は資料室の中へと消えていった。

「ははん、

 これはまた、まるであたしに苛めてくれ!!
 
 って言っているみたいだね」

資料室のドアの前で仁王立ちになった真由美は勝ち誇ったようにそう呟くと、

一気に資料室のドアを開けた。



夕日の光が差し込む資料室の中は、

まるですべての音が遮断されたかのごとく静かだった。

そしてその中をノッシノッシと真由美は歩いていくと、

「おいっ、兵太!!

 居るんだろう!!」

と声を張り上げた。

しかし、

シーーーン…

何の返事も返っては来なかった。

その様子に真由美は

「へぇぇ、

 いい心がけだ、

 見つけたらただじゃぁ済まさないよ」

と言いながら資料室の中をくまなく歩き回ったが、

しかし、兵太の姿を見つけることは出来なかった。

「畜生、どこに隠れやがった?」

真由美が苛立ちを露にしていると、

「ふふ、僕はここにいるよ」

兵太の声が資料室の中に響き渡った。

「ほぅ…そこに居たのか」

声のした方を振り向いた真由美は教材の影から出てきた兵太の姿を見つけるなり、

「そこに居てあたしが右往左往している様子を眺めていたとは

 随分とお偉いことだね」

と言いながら拳を振り上げた。

そのとき、

「アヴァン…ナシルト」

呪文のような兵太の声が資料室に響くと、

ピクッ!!

真由美の体がまるで石像のように動かなくなってしまった。

「なっなに?、畜生、どうなってんの?」

微動だにもしなくなった体に真由美は驚きの声を上げた。

「ふふふ…

 無駄だよ、

 いまの敷島さんは指一本も動かすことが出来ないよ」

兵太は真由美にそう告げると彼女の前に立った。

「さぁ、どうしたの、僕を殴るんじゃないの?」

真由美の目の前で兵太はそう言うと、

「くおらっ兵太っ、

 お前っ」

真由美の顔は見る見る怒りに満ち溢れていく、

しかし、兵太はそんな真由美にを無視して、

「さぁてと、

 敷島さんにはお昼のお返しをしなくっちゃね」

と言いながら兵太が握っていた拳を開いた途端、

ビターン!!

真由美の体がまるで叩かれたように吹き飛ぶと

そのまま資料室の壁に大の字になって張り付いてしまった。

「………」

突然のことに真由美は何も言えずただ目を見開いて兵太を見つめる。

兵太はそんな真由美に目もくれず。

資料室の棚に置いてあった図鑑を手にするとパラパラパラと紙をめくり始めた。

そして、あるページのところで紙を止めると、

「ねぇ…敷島さん?

 敷島さんは毎日お風呂には入っているの?」

と訊ねると、

「あっあったりまえだろう、

 お前と違ってあたしは女の子なんだからねっ

 体は常に綺麗にしているのさ」

と真由美は叫んだ、

それを聞いた兵太は

「ふぅぅん…」

と頷き、

「じゃぁそういうことが出来ないところに連れて行ってあげようか」

と言うなり、真由美に近づくと、

スッ

っと右手を差し出した。

「なっ何よっ」

彼の行動に真由美が言い返すと、

「でも、その体じゃぁちょっと生きていくのは無理だと思うから、

 僕が手助けをしてあげるね…」

と告げると、その右手を真由美の股間にまるで当てるように沿わせた。

「こっこの変態っ

 それ以上変なことをしたらただじゃ済まさないぞ!!」

兵太の行為に真由美が真っ赤になって怒鳴ると、

「ふふ…

 別に君の体なんて興味はないよ」

兵太は見上げながらそう囁いた。

そして、

「ねぇ、お股のあたりがくすぐったくない?」

っと真由美に尋ねた。

「なに?」

彼に言われて真由美は自分の股間が妙にムズムズして来た事に気がついた。

…うっなに?なんなの?この感覚は…

「ふふふ…」

真由美の反応を見ながら兵太は笑みを浮かべ、

「ねぇ、敷島さん…

 もしも、オチンチンが生えてきたらどうする?」

と真由美に尋ねた。

「なに?、

 お前、頭がおかしいんじゃないか?

 女のあたしにチンコなんて生えるわけ無いだろうが!!」

と強い調子で叫ぶと、

「そうかなぁ?」

兵太は嬉しそうな表情で真由美のスカートをたくし上げると、

「なに?」

驚く真由美の視野に、

股間からムクムクと膨らんでいく物体が

下着を押し上げているテントを張っている様子が飛び込んできた。

「いっいやぁぁぁぁぁ!!」

ビン!!

それを見て悲鳴をあげる真由美をよそに

パンティを引き裂き、まるで赤ん坊の腕ような漆黒色の極太ペニスが飛び出した。

「うわぁぁ、すげぇ…

 さすがはディンガ族のオチンチンだ、

 僕のとはぜんぜん違うや」

兵太はオーバーな驚き方をしながら真由美に生えたペニスを眺めた。

「うっ嘘よ

 あたしにオチンチンなんてあるわけ無いでしょう!!」

真由美は泣きなから兵太に向かって叫ぶが、

しかし、兵太は

「ふふ…」

っと笑みを浮かべると、

「ディンガ族ってね、

 あまり雨の降らないところに住んでいるから、

 毎日のように体は洗えないんだって」

と告げると、

ミシッ!!

ミシミシ!!

真由美の体からまるで軋むような音が響きはじめた。

「なっなに?」

怯えながら真由美は首を左右に振って音の出所を探り始めた。

すると、

ミシッ!!

と言う音ともに見る見る真由美の手の色が茶色く変わっていくと、

さらにその色が濃くなり始めた。

彼女の変化は手の変色だけには留まらず、

そのままと腕の方へと広がっていく。

そして、肌の色が漆黒になったところから、

ムクムクと筋肉が張り出し始めた。

その様子を見ていた彼女は顔色を青くすると、

「いっいやぁぁ!!」

と叫び声をあげた。

「ははは…

 無駄無駄っ!!

 いくら叫んでも、誰も来やしないよ」

勝ち誇ったように兵太は真由美に告げた。

やがて変色域は肩に達すると

メキメキメキ!!

真由美の両肩が膨らみ始め、さらに胸の周りも膨らんでいった。

「痛い痛い!!」

体の急激な変化に伴う激痛に真由美と叫びながら泣き出したが、

しかし、真由美の体の変化はさらに続き、

「ブチッ」

という音と共に胸のブラがはじけ飛んでしまった。

そして、はじけ飛んだブラの下にあったボリュームのある乳房は

盛り上がって来る胸板に飲み込まれ、

その一方でピンク色の乳首は黒く萎縮し

胸板の影に小さく着くだけの存在になっていた。

そうしているうちに真由美が着ている制服がボロボロと崩れ始めると、

腰を飾る一本の紐を残して跡形もなく消えてしまった。

こうして兵太の間の前に衣服が消えてしまった真由美の裸体がさらけ出されたが、

しかし、その姿は女性のものではなく、

モリモリ!!

と筋肉を盛り上げた男の体だった。

「やめて、お願い…

 昼のことは謝るから…」

さっきまでの強気の真由美はすっかり影を失い、

ただひたすら懇願する真由美がそこに居た。

けど、兵太は

「だーめっ

 敷島さんはディンガ族の勇者となって、

 遠いアフリカの大地で生きていくんだよ

 さぁ…もぅ少し…一気に変身しちゃおうね」

と告げた途端、

ググッ

真由美の顔の輪郭が変わり始めた。

「やっやめて!!

 いやぁぁぁ!!」

喉仏が飛び出し、男の野太い声が資料室に響き渡る。

メリメリメリ!!

真由美の手足が伸び、

さらに髪の毛が抜け落ちると、

もはや、真由美の姿は裸族・ディンガ族の勇者の姿と化していた。

「ふふ…

 すっかり逞しくなって、

 これなら、その裸の姿でも十分に生きていけるね、

 おっとその前に君にディンガの心をプレゼントしよう

 でもその前に」
 
そこまで言った所で兵太はニヤリと微笑み、

「ある賭けをしようじゃないか、

 その賭けに勝てたら君を元の姿に戻してあげるよ」

と提案をすると兵太はある物を取り出した。

「それは?」

兵太が取り出したものを見つめながら真由美が尋ねると、
 
「ふふ、知りたい?

 これは敷島さん、

 君の体の元、そう魂だよ、

 君の体からこの魂を取り出し、

 変わりにディンガ族の魂を入れてやったんだ。

 だから敷島さんの体がそこまで劇的に変わったんだよ、

 そして、僕の身体にその魂を入れると…」

と言いながら兵太はそれを自分の胸に当て、

「ムリング…バングァ」

と呪文を唱えると、

ズブズブズブ

っと真由美の魂は兵太のからだの中へとめり込んでいった。

すると、兵太の体が劇的に変わり始めた。

まずどこと無く愚鈍なイメージを思わせる小太りしていた体格が一気に引き締まり、

そして、腰は見る見るうちに細まりベルトをしているズボンがずり落ち、

そのズボンを大きくなったヒップが受け止める、

Yシャツの中から胸がどんどん盛り上がり、

先端の乳首も大きくピンク色になっていった。

「そっ、そんな…」

黒色だった髪から色が落ち茶髪になる、

そして最後に顔の輪郭が変わり髪が伸びていく。

もはや兵太はどこから見ても美由紀の姿になっていた。

「このままのカッコでもいいけど、

 やっぱり下着ぐらいはつけないとね」

すっかり女のものになった声で元兵太は美由紀の鞄を漁ると、

「やっぱり今日は体育があったからね、

 終わったあと着替えたんだろ、

 君が着ていた下着は破けたからね」

そう言いながら兵太は美由紀の鞄より着替えた後と思われる下着を取り出した。

「ふふっ、どうだい、

 目の前でのストリップショーさ、

 しかもこんな美人のね、

 君のチンポももう限界だろ」

兵太はうれしそうに美由紀にそう言うと、

「だっ、誰がよ」

その言葉に美由紀は強がるが、

「へぇー、じゃあこれは何」

そういいながら兵太は彼女のペニスを鷲掴みにして擦り始めた。

「あぁっ」

初めての感触に美由紀は翻弄されると、

「ふふっ、

 気持ち良いかい?

 こんな美人にチンポ擦って貰えるなんて早々無いと思うよ、

 これが男の感覚、ディンガの感覚さ」

チンポを擦りながら兵太は美由紀にそう言う、

「あぁ…、

 おっオチンチンが痺れて来たの、

 お願い出させて、

 出したいの…」

真由美が兵太にそう懇願し始めた。

「そのままイカなければ元に戻してあげるよ」

兵太は美由紀にそう呟く、

すると、

「…くっ、かっ…」

元に戻れる…

兵太のその言葉を信じて美由紀はひたすら耐えてみせる。

「へぇー、

 よく耐えるね、

 素直にイッたらどうだい」

口元をニヤつかせながら兵太はそう言うと、

「冗談じゃないわ、

 必ず元に戻ってみせる」

と必死に耐えながら美由紀は返事をした。

「ふぅん

 じゃあ、これはどうだい」

しぶとい美由紀を眺めながら兵太はそう言うやいなや

美由紀のチンポにしゃぶりついた。

「な…」

あまりの出来事に美由紀は何も言えなくなると、

「ふふっ、

 気持ち良いかい、

 素直に気持ち良くなりなよ」

としゃぶりながら兵太は器用に話す。

「あぁっ、

 でっ、出る…、

 出ちゃう…」

押し押せてくる快感に美由紀は必死に快感に耐えながらも既に限界に達してきていた。

「いいよ、出したければ出しても、

 でも、出しちゃったらもぅ真由美は心もディンガになってしまうけど

 それでいいんだね」

ビクンビクンと身体を小刻みに痙攣させる真由美に向かって兵太は念を押すと、

「あぁ…

 いっいや…

 ディンガ族にはなりたくない。

 でっでも、もぅ…

 あっあたし駄目、

 あぁ

 出ちゃう

 出ちゃう」

真由美はうわごとのように同じ言葉を繰り返した後、

ピュッ!!

ピュッピュッ!!

っとその漆黒のペニスから白濁した精液を兵太の顔に吹き出してしまった。

「あ〜ぁ、

 出しちゃった」

兵太はそういいながら自分の顔に付着した精液をふき取ると、

「残念だったね、

 賭けは君の負けだ、

 と言ってももう君は日本語すら分からないだろうがね、

 それじゃあ向こうに送ってあげるよ、

 せいぜい立派なディンガになるんだね」

と元美由紀だった裸族の勇者に別れを告げると、

兵太は両手を掲げた。

すると彼女の前にいたディンガの勇者は、

その存在すらなかったかのように目の前から消え失せていく。

「せいぜい向こうでがんばりな、

 こっちは僕が何とかするから」

さっきまで美由紀が居た場所に兵太はそういうと

「さぁて、

 いまから僕は敷島さんだ」

と言いながら美由紀の姿になった兵太は帰り支度を始め、

「でもディンガ族を5人も増やしたからな、

 今度は散々僕を虐めてくれた男子でも、

 ディンガの嫁にでもしてやろうか…」

そう呟きながら美由紀は資料室を出て行った。



つづく



この作品はTAKE1さんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。