風祭文庫・モランの館






「ディンガの槍」
(第2話:ディンガの村にて)


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-026





それはあたしの友達がアフリカ旅行のお土産と言って

持ってきてくれた一本の槍がすべての始まりだった。

―精霊が宿る幸運の槍―

そう呼ばれる刃先と枝が分かれた状態の槍を元の槍にしたとき、

あたしの前に現れたのは精霊ではなく”悪霊”だった。

そして、その悪霊の力によってあたしの身体は女の子から、

漆黒の肌と頑健な肉体を持ったディンガ族の男へと変身させられてしまった。

悪霊はさらにあたしの心をディンガ族の勇者のモノにしようとしたが、

しかし、悪霊を追って突然現れたディンガ族の呪術師の力によって

悪霊は槍に封じられたけど、

もで、悪霊によって変身させられてしまったあたしの身体は

元の女の子の姿に戻ることはなかった。

こうしてディンガ族の勇者の肉体を持ってしまったあたしは

ディンガ族の掟に従い、

ディンガの村へと戻る呪術師と共にこの村へとに連れて来られた。

そして、あたしがディンガ族の男に変身してから一週間が過ぎた。

いまあたしの目の前にあるのは灼熱の大地に細い一筋の川が流れ、

僅かばかりの草が生えているアフリカの風景だった。



いまあたしが住んでいる村はその中のちょっとブッシュがある地帯の中にある。

無論、周りよりは心地いいが、

しかし暑いことには変わりない。

「ふぅ〜…」

あたしは変身してからさほど時が経っていないものの、

でも、すっかりディンガの男となった身体に流れる汗を拭った。

当に漆黒という濃い色の肌。

細いのに筋肉が張り詰めた体。

これが自分の身体だなんて今でも信じられない…

というか、信じたくない。

「あたし、あと二週間はディンガ族のままなんだよね?」

あたしはその真実にうんざりしながら、

自分の腕を嗅でみる。

「うっ…」

ココに来てからの日課となっているセブ牛の世話と、

汚れても小まめに身体を洗うことが出来ないために、

あたしの身体からは獣のような匂いが湧き出していた。

これが一週間まで女性だったなんていっても

誰も信じてくれないんだろうなと思いつつ

あたしは放牧しているセブ牛の面倒を見ている仲間のディンガ族の男達を眺めていた。

「はぁ…」

この村に連れてこられたあたしは、

呪術師にディンガに仲間入りしたことを皆の前で紹介されたが、

けど、あたしが日本人の女の子だったということを知っているのは、

呪術師と族長しかいない。

だから、あたしはディンガの男性として振舞うことを強要され、

それらしくしようとは思ったのだが、

不思議なことにものの三日ほどで村に馴染み始めていた。



「変、やっぱり変よ…」

そう思い出したのは一週間と四日経った頃だった。

最初はまずくて食べられなかったディンガ族の食事が

当たり前においしそうに食べている自分に気付きハっとしたのだ。

「どうして…

 そういえば、昼間は狩りで獲物を仕留められたし…

 あたし、いまの体の違和感がなくなってきてるみたい…」

あたしはディンガ族に溶け込んでいっている自分が恐ろしくなってきた。

そう…

だって、何時の間にかディンガ族への抵抗感が薄れ、

慣れるというよりも

始めから自分がディンガであったかのような気がしてくるのだ。

「どうしよぅ…

 もしかしたら、これが呪術師がいってた呪いの影響かも…

 このままじゃ、あたし…」

恐怖にかられたあたしは与えられた小屋を飛び出すと

悪霊を除霊してくれた呪術師の元へと向かった。



日は落ち、辺りは暗くなっていたが

しかし、ブッシュの奥深くある呪術師の小屋からは焚き火の光が漏れ

まだ起きているようだった。

「えっと…

 なんていえばいいのかな?」

あたしが小屋の前で戸惑っていると、

「ヌンガか?」

気配で気付いたのか、

呪術師が小屋の中から今のあたしの名前を呼ぶ。

「あ、はい」

その言葉にあたしは素直にディンガの言葉で答える。

最初はディンガの言葉はさっぱりだったが

でも今ではディンガの言葉はお手の物だった。

まるで自分がネイティブだったかのように喋れるしヒアリングもできる。

それでもヌンガというディンガ族の名前で呼ばれることには抵抗があった。

だって、香織としての自分を否定されるような気がしてしまうからだ。

「まあ、入れ」

あたしの言葉に呪術師からの返事が返ってくると、

「はい」

一つ返事であたしは呪術師の小屋の中へと入っていった。

パチパチ…

小屋の中は火が焚かれ、

呪術に使うと思われるおどろおどろしい品物がその明かりを受けて、

一種の霊的な空間を作っていた。

「ヌンガよ。

 悩み事か?」

あたしが呪術師の前に立つなり、呪術師はそう訊ねてくる。

さすがというか、

すでにあたしの来た理由が分かっているようだった。

でも、出来ればここにはあまり長居したくない。

そんな気持ちになるものの、

しかし、あのとき悪霊から助けてもらっているので

信頼はしているし、他に頼れる人もいない。

そんな気持ちで呪術師を見つめながら、

「はい」

あたしは返事をすると、

「ちょっと、あたし、不安になってきてしまって…」

と続けた。

「不安とは、呪いのことか?」

あたしの言葉に呪術師はそう返すと、

「えっと、あの…

 それもあるのですが、

 あたし、変なんです。

 だって、ディンガ族のこと、
 
 今まで何も知らなかったのに
 
 言葉も生活習慣も、
 
 食生活にまで慣れてきてしまって…

 それがおかしいんです。

 慣れるというより、自分が忘れていた何かを思い出すように

 それを当たり前に受け入れていってる…

 そんな感じなんです。

 このままじゃ、あたし…」

あたしは誰にも打ち明けられなかった悩みを包み隠さず呪術師に明かした。

すると

「うむ。

 それは不安かもしれんが、おかしくはないぞ」

呪術師は頷きながらそう返事をする。

「え?」

その言葉にあたしはキョトンとすると、

「前にも言ったが、

 いま、お前は我々ディンガ族の勇者だ。

 お前の中にはディンガの血が間違いなく流れているし

 ディンガ族としての誇りもあろう。

 だから、今はディンガとして生きることのみを考えればよい」

と呪術師はあたしを指差し諭す。

「でも…

 次の満月になったら帰れるんでしょう?

 だったら、ディンガになりきらなくても…」

呪術師の言葉にあたしはそう返すと、

「甘い!

 お前はどう考えているかもしれんが、

 ディンガとして生きることは決して甘くはないのだ。

 精霊もときには我々に試練をお与えになることがある。

 それを次の満月が来るまでの間、
 
 ディンガとして生きるお前は耐えられるのか?
 
 生きるためにはそれなりの覚悟をすべきだ!」

「そんな…」

「何を迷っている。

 お前はまかり間違ってもディンガの勇者の一員なのだぞ。

 今は向こうのことは忘れろ」

「…はい」

あたしは呪術師のいうことに圧倒され、

素直に頷くことしかできなかった。

すると、

「ふむ。

 ところでヌンガ、
 
 もう村に馴染んだようだが女とは契ったのか?」

と呪術師はとんでもないことをあたしに尋ねてきた。

「へぇっ!?」

あたしはどう答えて良いのか判らずにモジモジしながら、

「そんなことできません。

 だって、あたしはこれでも女の子なんですよ」

「何をいっているヌンガ?

 お前、まさか男の精を出すことができんわけでもあるまい?」

”男の精”と聞いて

あたしは変身したときに射精してしまった体験を思い出し

思わず剥き出しになっている自分のペニスを隠した。

「できんのか?

 自分でもしたおらんのか?」

「は、はい…」

あたしは自分の股間に生えたオチンチンに触るのは小便のときくらいで

それ以外は触ることさえもできなかった。

「何てことだ。

 ヌンガ、お前はもう勇者なのだぞ。

 それにディンガでは、女と交わってこその真の勇者だ。

 ”男の精”すら出せなくてどうする?」

「だって…」

呪術師の言葉にあたしは必死に言い張った。

だって、いくら体が男に、

ディンガになっているとはいえ、

気持ちは女の子・香織のままのつもりだったから、

いくらなんでもそんな汚らわしいことをするなんてできなかった。

「いかんな、ヌンガ。

 さあ、そこに横になれ」

そんなあたしの姿に呪術師は立ち上がり、

やれやれといった感じであたしを見つめる。

「ほらどうした、

 早く横になれ」

「………」

呪術師の言葉にあたしは逆らう事が出来ず

仕方なく横になると呪術師が横に座った。

そして、

「さぁ、ヌンガ。

 ”勇者の証”を示してみろ」

と呪術師はあたしに命じた。

「え?

 ”勇者の証”?」

「そうだ。

 その象徴から”男の精”を出して見せてみろといっているのだ」

「そ、そんなの…できません」

「何を言う、さあ、象徴を手で握れ」

「は、はい…」

あたしは呪術師の言葉に逆らえず、

初めて生理現象以外で自分のオチンチンを握った。

明らかに触っているという感覚と触られている感覚が自分の中で同居している。

「あ…」

「情けない声を出すな」

「ご、ごめんなさい」

手が触れた途端、

くすぐったい感触があたしの股間を走っていく、

そう、これが男の感覚…

その感覚にあたしは戸惑っていると。

「さあ、わしも手伝ってやるぞ」

呪術師はそう言いながらあたしの漆黒の手の上に自分の手も重ねると

オチンチンの根元からすぅーっとあたしの手を引き上げ、

そして、キノコみたいに膨れ上がる亀頭の脇でギュッと握り締める。

「はぁ〜っ

 ふぅっ」

オチンチンの感覚は鋭敏で、息を吐き出さずに入られなかった。

「ふふ。

 勇者の象徴の感覚はどうだ?
 
 気持ちよいだろう?」

「は、はい…」

あたしはこそばゆいというのか、気持ちいいというのか分からなかったものの

呪術師の言葉に頷く。

でも、

一週間半前まで存在していなかったオチンチンの感覚がまんざらでもないと感じていた。

すると、

「さて、勇者の味を味わうがいい」

呪術師はそう言うなり、

あたしの手を更に強く握り

ぎゅっと締め付けたまま根元まで引っ張った。

「はぅっ!」

ビリッ!

っと来る感覚に思わずあたしは低い声で喘ぐ。

そして、間髪おかず呪術師は一気にカリまで手を引き上げる。

そのキツさはさっきの比でなく

まるで牛の乳を搾るのにも似ていた。

「はぁぁぁぁぁっ!!」

だが、握られているのはあたしのオチンチンだった。

その搾り取られるような感覚が鋭い快感に変化し

あたしの意識を乗っ取っていく。

そして、

また根元へと手が戻っていくと引き上げられる。

その度に

シュッ

シュッ

シュッ

という音があたしの股間から響き渡っていた。

「はぁーっ!

 はぁーっ!

 はぁーっ!

 はぁぁーっ!」

あたしの興奮は次第に高ぶり、

まるで点火された花火のようだった。

燃え上がるような感覚が下半身を支配しオチンチンとその根元に凝縮されていく。

「はっ、はぁぁぁぁっ!」

「そうだ。

 これが勇者の感覚だ。
 
 存分に楽しむがよいぞ。

 どうだ、女とは全く違うだろう?

 勇者は始めてしまうと”男の精”を出すまで我慢できんものだ。

 はっはっは」

あたし快感に朦朧とする姿に呪術師は満足そうにいっていた。

でも、

あたしは、変身以来…

しかも初めて自分の手でするオナニーに完全興奮していた。

今まで存在していなかった…

股間に新しく生えたあたしの性器はあたしに新しい欲望を植え付けていく。

根元から湧き上がってくる熱い何かを吐き出せと…

あたしは次第にそれに飲み込まれ我慢できなくなっていた。

「あ、ああっ。

 駄目っ。

 何か出ちゃう!

 出ちゃうっ!」

「さあ、己の手で証を立てろ」

限界を感じたあたしがそう訴えると呪術師は手を離す。

しかし、あたしの手はもはや止まらなかった。

あたしの手は必死に体の奥から”男の精”を搾り出そうとしている。

そう感じた。

「うっ、

 うぁぁぁぁぁぁっ!!」

ジュッ

ジュッジュッ

ジュ

あたしの巨大な漆黒のオチンチンはビクビクと震えると

身体の奥から体液を吐き出していく。

そして、吐き出された白い体液は宙を飛び、

あたしはその感覚に恍惚となった。

「はぁはぁはぁはぁ…」

その激しさにゆえか、

あたしは息苦しくて激しく息を吸う。

そして、

オチンチンからの開放感と快感の余韻があたしを満足させた。

「ふふ

 ヌンガ。
 
 勇者の証、見事だったぞ」

「はぁはぁはぁ…はい」

あたしは、気持ちよくてそのまま頷いていたが、

しかし、手は無意識にオチンチンを握り締めると残る精液を搾り取る。

そして、呪術師はたれていく精液を手に少し手に取り

「さぁ、

 これはお前の精だ。

 これで子供も作れる。

 お前はディンガの勇者・ヌンガだ」

と告げるとあたしの口にそれを突っ込んだ。

「!!」

その途端、あたしはハッとした。

苦い何かの味が広がる中、

あたしは自分のしでかしてしまったことに嫌悪せずにはいられなかった。

だって

あたしは、女の子なのに射精して満足していたのだから…

「そんな…

 あたし、何てことを…」

あたしは呆然と精液をたらしている自分のオチンチンを眺めていた。



「うう…

 こんなのって…

 でも、我慢できない…

 気持ちいいよ」

次の夜。

あたしは覚えてしまった男の性欲に目覚めていた。

昨日、呪術師に教えられた直後はあんなに自分を嫌悪したのに

今では自分の性欲が止められなかった。

なぜなら

あたしは小屋に戻る途中、

仲間が女の村から来たディンガ族の女と交わっているのを見てしまったためだった。

その交わりを見ているとあたしは男として興奮していた。

(こ、こんなの変だよ…)

あたしは必死に自分を鎮めようとしたけれど

けど、あたしの股間に生えた漆黒のオチンチンは

ビクン

ビクン

と蠢き、あたしに欲望を訴えかける。

(あたし…

 まだディンガ族になって一週間ちょっとしか経ってないのに…

 どうしてなの?

 やだ…

 オチンチンが大きくなったまま元に戻んないよ。

 なんか昨日のアレみたい…

 …

 だ、駄目!
 
 駄目よっ!

 何あたし考えてるの。

 いくら体が男だっていっても、呪いで作り変えられた紛い物じゃない。

 あたしは香織っていう女の子なのよ!

 しっかりしなきゃ)

あたしは自分を落ち着かそうとオチンチンにそっと触れたままじっとしていたが

しかし、オチンチンの勃起はビクッビクッと激しくなり更に硬く変化していく。

「はぁはぁはぁ…」

それにつれて自分の息が荒くなり

まるでエッチする前の隆弘君の興奮を自分が体験しているようだった。

(これが男の人の興奮の仕方なんだ。

 駄目、

 なんかもう我慢できないよ。

 あたし、

 やっぱり頭の中まで男に
 
 ディンガになってきてるみたい…)

あたしは我慢の限界に近づいているのを感じながら

そっと自分のオチンチンを覗き込んだ。

「はぁはぁはぁ…」

自分の低い興奮した男の息に反応するように

赤黒い亀頭とそそりたつカリと赤ん坊の腕のような棒をもつ

あたしのオチンチンは別の生き物のように震えている。

(これが…あたしのオチンチンなんだ。

 呪術師のいう勇者の象徴。

 あたし…

 呪いのせいとはいえ、

 こんなに立派なもの生やしてるんだ。

 あ、

 すごい…

 股間がどんどん突っ張っていくのが分かる。

 ん…

 んふっ!

 ああ、違う…

 女の子の感じと全然違うんだ。

 しかも…これって隆弘君のよりずっと大きい。

 あたしって

 ディンガ族のオチンチン生えてるんだ!

 あんっ…

 んんっ!

 あたしにディンガ族のオチンチンが…

 すごい

 止められなくなっちゃう!

 はぁっ

 はぁぁぁぁぁっ!!)

あたしは倒錯的な快感に酔っていた。

呪いによって女からディンガ族の勇者へと変身していったあたし…

女の平らな股間に巨大な漆黒のオチンチンを生やしていくあたし…

そして、

そのオチンチンから精液を吐き出して初めて男の快感を覚えてしまったあたし…

それらを思い出すと自分でも激しく興奮していた。

こんな高ぶり方は女の子だったときは感じたことがなかった。

オチンチンの根元に精が集中していき、

吐き出されるのをまだかまだかと待っている。

それを焦らせば焦らすほど

あたしの興奮は強く猛々しくなっていく。

「んんんんんんっ!」

「うぉぉぉぉぉぉぉっ」

ビュク!

ビュク!

ビュック…

ビュッビュッ

あたしは最高の快感を得ながら精液を吐き出した。

その感覚に昨日のことが脳裏に思い浮かぶ。

『お前はディンガ族のヌンガだ』

「んー、んくぅ〜…」

あたしは自分の中で熱く滾っていたものを吐き出す喜びに打ち震え

暫く女の子としての理性を取り戻せなかった。



(今日は駄目…

 我慢しなくちゃ!

 このままじゃどんどんずるずるとはまりこんでしまいそう…

 だって、ディンガの男の性欲って限りがないんだもん。

 また始めちゃったら止められないもん!

 そしたら…

 また、あたしディンガに染まっていっちゃうんだわ)

あたしは小屋で一人横になりながら自分の性欲に落ち着かせようとしていた。

あれから三日というものあたしは毎夜何度となく精を放ち、

次第に際限がなくなってきていた。

(あたし、変よ。

 なんであんなことしちゃうの!?

 最初はあんなに嫌がっていたはずなのに

 今じゃ当たり前みたいにオチンチン握っちゃうなんて…

 こんな…

 このままじゃ、あたし自分じゃなくなっちゃうんじゃないかしら?)

そう思いながら、心配げに自分のオチンチンを眺めていると

ムラムラと男の性欲があたしの頭に沸き起こった。

「駄目…

 どうしてなの…

 あたし、男の本能に目覚めちゃってるとでもいうの?」

あたしは徐々にその巨大なオチンチンが勃起し始めるのを呆然と眺めていた。

(やっぱり…

 呪術師に相談しなきゃよかった。

 相談しなかったら男の性欲に目覚めることもなかったのに…

 あたし、

 このままで元に戻れるのかしら?)

「うっ…

 我慢できないよう」

あたしは勃起し始めた感覚に

無意識のうちに昨日の射精の快感を思い起こして更に興奮し始めていた。

(駄目っ!

 駄目なのに…

 体が言うこと聞いてくれ、ない…

 ああっ!

 う、んっ

 んーっ!)

あたしはもう既に漆黒の手で同じく漆黒の逞しいぺニスを扱いていた。

シュッ

シュッ

シュッ

こうして男の快感を貪っている自分に

あたしは一週間ちょっと前まで女だったことが信じられなくなってくる。

自分のオチンチンから湧き上がってくる欲望こそ、

本来の自分の性であったようなそんな気がしてくる。

(んーんー!

 これっ…

 やっぱりもう止められないっ!

 あたし、香織のはずなのに…

 ヌンガの方が…

 ヌンガの方が

 んんっ!

 いいっ!

 いいのっ!

 ああっ、んふー…

 あたしは…

 あたしに

 あぁん、
 
 あたしのオチンチンが止まらないっ!)

あたしは女の子の理性が男の性欲に汚され黒く染まっていくような気がした。

そして、

次第に香織という女の子からヌンガという勇者に目覚めていくオレ…

それにたまらなく興奮していった。

(オレ、イク…

 勇者としてイッチャウーッ!)

『うぉうぉうぉうぉぉぉ〜っ!』

オレは咆哮しながら自分のオチンチンで射精していた。



「あぁ…してぇ…

 女としてぇ…」

射精し終わった快感に身をゆだねながらオレの脳裏には

豊満な乳房を揺らせながら踊る女の姿を思い浮かべると、

シュッシュッ

再びイリガを扱きはじめだした。



つづく



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。