風祭文庫・モランの館






「由梨の変身」


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-049





その時、白井薫の目の前に悪魔が立ちふさがっていた。

『グフフフ…

 人間の運命を弄ぶことほど面白いものはないな』

当に獣と人間の狭間のような生き物が蠢き、

その手に捕まえている薫の恋人である南由梨の耳元で囁いた。

「やめて…お願い、

 助けて…薫!!」

悪魔の手中に落ちた由梨は涙目で薫に訴えるが、

「くそぅ」

一介の高校生にしかすぎいない薫には

どうすることも出来なかった。



事の起こりは昨日、薫の元に届けられた一体の木彫りの人形。

アフリカ・カフール族と言う部族が彫った彫り物だそうだが、

薫自身、そんな彫り物を買った覚えがなかった。

ただ、人形を持ってきた宅配便が持ってきた伝票には、

確かに薫の住所氏名が書かれていたのであった。

そのことを、翌日、恋人の由梨に話すと、

「へぇ、

 なんか面白そうね」

と目を輝かせて言い、

放課後、薫の自宅へと押しかけてきたのであった。

そして、事件が起きた。

「きゃぁぁぁ!!」

薫がちょっと部屋から出て行ったとき、

突然、由梨の悲鳴が上がり、

「どうした、

 由梨!」

薫が駆けつけると、

ボワァァァン!

人形が置いてあった薫の部屋はまるでジャングルの様相に一変し、

そして、その真ん中では怯える由梨の前で、

ピシッ!

ピシピシッ!

無数の亀裂を浮かび上がらせる

あの木彫りの人形が浮き上がっていたのであった。

「由梨!!」

「薫」

2人は互いの名前を呼び合い、

そして薫が由梨の元へ駆けつけようとしたその時、

パキン!

木彫りの人形はまっぷたつに引き裂け、

ズシーン!!

まさに悪魔と言っても過言ではない化け物が姿を見せた。

『ふははは!!!

 ついに私は復活した!!』

飛び出した悪魔は高らかにそう謳い、

そして、ジロリと逃げていく由梨を見つけると、

『ふんっ』

「いやぁぁぁ!」

手を伸ばし、由梨を捕まえたのであった。



「薫ぅぅぅ」

「待ってろ、由梨っ

 いま助けてやる」

由梨の叫び声で吹っ切れた薫は

完全にジャングルと化した部屋の中に飛び込んでいく、

だが、

スゥゥ…

薫が飛び込むのを見届けるかのように、

後ろの入り口が姿を消していくと、

ジャングルと一体化してしまった。

しかし、それにも構わず薫は悪魔の元へ突進していくが、

『ふんっ』

悪魔のその一言共に腕が振られると、

「うわぁぁ」

ドサッ!

薫は簡単にはじき飛ばされてしまった。

「薫ぅ」

それを見た由梨は薫に声を掛け、

そして、怯えた視線で自分を捕まえる悪魔を見ると、

『フフフフ…

 その目だ。

 人の恐怖それこそが我らの活力の源なのだ。

 もっと怖がれ、もっと苦しめ』

悪魔は気色悪い声で笑い出した。

「クソ、さっさと由梨を放せっ、この野郎っ」

薫は必死に叫ぶが、

だが、悪魔は素知らぬふりをする。

「くっくそぉ」

はじき飛ばされたショックだろうか、

薫の身体は全然動かなくなっている。

まさに悪魔の仕業である。

『グフ…

 さて、お前をこれからどうしてやろう?

 動物にしてやるもよし、

 私の僕にしてやるもよし…』

「いや…そんなのやめてっ」

悪魔の言葉に

由梨は怯えながら声を上げた。

『フフフフ…

 そうか、人間のままの方がよいというのか?

 なら、どうしてやろう?

 我を知るものがいる…

 そうだなぁ、カフィル族の男にしてやろうか?』

悪魔はニヤっと笑うと由梨に顔を近づけた。

「ひっ!」

牛のようにごわごわした毛に覆われた悪魔の顔に

由梨は顔を引きつらせると、

『そうかそうか。

 なら、カフィル族の男にしてやろう。

 グフフフ…光栄に思うんだな。

 お前は望みどおり、人間のままでいられるのだぞ?』

「そんなっ…カ、カフィル族って…」

『そうだ、お前は人間のままなのだ。

 ただ、漆黒の肌と逞しい体を得、

 そして、性別が変わるだけだ。

 光栄だろう?』

「いやぁぁぁっ」

由梨は搾り出すような声で悲鳴をあげる。

『煩い小娘だな…

 そんなに騒ぎ立てるなら今すぐに変えてやろうか?

 グフッ』

「お、おい、やめろぉぉぉぉ」

悪魔の言葉に薫も叫んだが

次の瞬間

シュッ!!

そんな音と共に、悪魔の尖がった尻尾が振られると

グサッ

由梨の尻辺りにそれが突き刺さった。

「ギャァァァァァァァァァァァァ」

由梨の絶叫がジャングルに響き渡る。

そして、空中に浮かぶ由梨は尻の辺りを押さえながら苦しみ始めた。

グギギギキ

骨盤の辺りから変な音がし始めると

「んはぁっ、

 んはぁっ、
 
 んんっ、
 
 い、いやぁっ」

由梨は何かを見上げながら苦痛に顔をしかめる。

ムキムキ

薫には信じられなかったが、

由梨の体中の筋肉が蠢いているように見える。

「ああっ、いやっ。

 体の中に何かが入ってくるぅぅ」

由梨は盛んに口をパクパクしながら、

魘されていた。

そのとき

プクッ

制服のスカートがめくり上げられ、

姿を見せている由梨のストライプのショーツに

何かが飛び出したような影が浮き出た。

「あはぁっ!?」

何を感じたのか、

由梨は顎を突き上げて喘ぎはじめると。

「お、おい…」

『グフフフ…

 イガリが生えてきたな。

 カフィル族のイガリだ。

 もう少しすれば立派なイガリになるぞ』

と悪魔は囁く。

プク…プク

由梨のショーツに現れたそれはどんどん膨らんでいき、

薫からはまるでチンポが勃起していくように見える。

「まさか…」

「あはぁっ、やめてぇっ、いやぁ」

由梨が喘ぐ中、

ショーツの脇から

ニュク

と肉棒がはみ出すと、勢いよくそれが突き出した。

「うそだろ!?」

それはまだただの肉棒だったが、

しかし、先端の膨れ上がったその姿は当にチンポのようだった。

『グフフフフッ

 なかなか逞しいイガリになってきたじゃないか?』

「そんな…いや、いやぁ」

由梨はショーツからはみ出した肉棒を呆然と見つめている。

『さぁ、カフィル族のイガリになれっ!』

悪魔がそう叫ぶと、

「あ、あ、あ…」

プチプチ

と肉棒の先が裂け始め

プチュリ

という音と共に赤黒い亀頭が姿を現した。

「あはぁっ!!」

由梨はたまらなそうに喘ぐと

肉棒は間違いなく鈴口とカリをもったチンポへと姿を変えていた。

「そんな…こんなことって」

薫は信じられず、由梨の股間に生えたそれを見つめていた。

『さぁ、カフィル族の男になれっ!』

悪魔が満足そうにそういうと

ピクピクピク

由梨の体じゅうの筋肉が痙攣をし始めた。

「あ、あっ、あっ!?

 い、いやっ、やめてぇぇ」

由梨のブラジャーの膨らみが萎んでいくと

その周りからそれを持ち上げるように逞しい胸板が発達していく。

そして、

ビクビク!

ゴキゴキ!

という音と共に足や腕が伸び筋肉が盛り上がり始めた。

小柄な由梨の胴体から伸びていくそれは、

ホラー映画で出てくるお化け蜘蛛のようでもあった。

「ぐふっ」

その気持ち悪い光景に薫は一瞬吐き気を催す。

「あっ、あぁっ、いやぁ、いやぁっ」

由梨は必死にもがき苦しむが

シュクシュク

と由梨の喉元に喉仏が成長していくとまるで声変わりしていくように

由梨の声が元の声とは似ても似つかぬ男の声へと変わっていく。

「こ、声が…あっ、あがっ!?」

由梨は喉を押さえながら苦しむと

ビシビシ

と喉周りが筋などで発達し由梨の首を太くなっていった。

まるで別人のような体形へと変化していく由梨の姿に

薫はただ唖然としてその光景を見ているだけでだった。



「あっ」

由梨の変身を見せつけられた薫が我に返ったとき、

素っ裸にされてしまった由梨は

肌が真っ黒なアフリカの部族の男の姿へと変わっていた後だった。

そして、空中に浮かびながら

ビクンビクン…

とそのぶっとく逞しいチンポを勃起し脈動させている姿は

異様としかいいようがなかった。

『グフフフッ

 とうとう体がカフィル族の男になったようだな。

 あとは、顔と頭の中身だけだ』

「はぁはぁはぁ…そんなぁ」

男の声に変わったしまった由梨は、

黒い肌ながら以前の面影を残している瞳に涙を浮かべる。

『どうだ、

 約束どおりお前は人間のままだぞ』

「そんな…これじゃあ、あたし…

 あたしじゃないじゃない」

『グフフフ

 何をいう、お前はお前だ。

 カフィル族の勇者なのだぞ』

「違うっ、あたしは…あたしは、南由梨よ」

「由梨…」

薫は由梨を心配して呟いた。

だが…こんなになってしまって、どうすればいいんだろう?

薫はただ不安だった。

「なんで、なんでこんなことするのよぉ?」

由梨は涙しながら悪魔に問う。

『グフフッ、お前はなかなか純真そうな女だったのでな。

 黒く染め上げるには絶品だと思ったのさ

 お前を男の性を覚えさせ、その欲望に溺れ

 本来の同性の女と交わらせ

 絶望だけの女が欲望だけの男へと変わっていく。

 それがどれだけ悪魔の肥やしとなると思う?』

「あたしを…女と…」

由梨は低い声で震える。

『グフフッ

 さてと、まずは射精というのを覚えこませてやろうか?』

「やめろっ、由梨を元にもどせっ」

カフィル族の男に変身し空中に浮かぶ由梨に再び近づいた薫は

悪魔に向かって怒鳴った。

『煩い奴だな。

 なら、お前に手伝ってもらおうか?』

悪魔は薫に向かってそう言うと

今度は薫の体がふわっと浮いた。

「な、何っ!?」

突然の事態に薫が驚いていると

薫の身体はどんどん空中で磔になっている由梨に近づいていく。

「薫!?

 いや、こっちにこないでっ。

 お願い、

 あたしのこんな姿、見ないでっ」

近づいてくる薫に向かって由梨は必死に叫ぶ。

だが、薫は目を閉じることさえもできなかった。

そう…既に薫はただのあやつり人形になっていたのだ。

『どうだ、小僧。

 お前のよく知っている女だったものの姿は、

 だが…それ、もはや肉体は全くの別人だ』

逞しく筋肉の張り詰めた男性化した肉体が薫の目の前に迫る。

乳首は黒く萎縮して張り詰めた胸板にくっついているだけで

腹には腹筋が漲り、

真っ黒な肌にはキラリと光る汗が浮いていた。

「うっ!?」

近づいて、由梨の周りに

なんともいえない臭気が漂っているのに気付く。

その男…いや獣くさい独特の匂いに薫は顔を背けたくなった。

『グフフフ…

 どうだ、元はかぐわしい娘も

 もはや土汗臭いただの土人だろう?

 変わり果てた恋人を見てどうだ、
 
 小僧』

「いやっ、いわないでっ」

悪魔のその言葉に由梨は涙を溢れさせて叫んだ。

『グフフ…

 つれないことをいうな、小娘よ。

 お前だって、興奮しているのではないか?

 自分が土人へと変わってしまったことにな』

そのとき、薫の手はかってに動き出すと

由梨の漆黒の肌の表面を垂れていく一筋の汗を掬い

そのまま由梨の鼻元へともっていく。

「く、くさっ!」

由梨は、自分の汗を嗅いで首を振った。

『グフフ…何を嫌がっている?

 それはお前の汗だぞ。

 自分の汗を嫌がってどうする?

 グフッ、お前の汗はカフィル族の男と同じものになっているのだぞ。

 どうぞ、興奮しないか?

 ゾクゾクしないか?』

「やめてぇっ」

由梨は空中に浮かびながら耳を両手で塞いだ。

だが

ビクンッ

ビクンッ

由梨の股間から生えるペニスは、

その言葉に反応するように勃起していく。

『ほれ、見たことか。

 お前のイガリが勃起しているぞ。

 お前は、自分の体が変わってしまったことに興奮しているのだっ、
 
 グフフッ』

悪魔はそういうと喉つぶれるような笑い声を上げた。

「そんなぁ、これは…違うのっ!」

チンポが勃起し始めたのに気づいて由梨は慌てて両手で隠しこむが、

だが、その姿はあまりにも可哀想であった。

『グフフッ

 じゃあ、お前にもそろそろ男の射精というのを教えてやろうか。

 女だったお前はこれから本来体験できなかったはずのことを体験できるのだぞ。

 光栄だろう?

 しかも、カフィル族のイガリは男の中でもかなりのものだ。

 病み付きにならんようにな。グフフッ』

悪魔はそう言うと、

チラリと薫を見た。

ビクッ

その途端、薫の手は強引に由梨の両手をどかすと、

生えて間もない…まだ熱い由梨のチンポを握り締めた。

「いやっ、やめてぇっ」

由梨は目を見開いて叫ぶ。

薫もやめたかったが、

だが、操られるまま抵抗などできなかった。

『グフフッ

 ちなみにいっておくが、

 お前は一度射精すれば二度と女には戻れんぞ。

 その肉体は一生男として固定される。

 今はまだ魔術で止めているだけで男として不安定な状態だが、

 射精さえしてしまえば、

 お前の体は男としてそれを留めてしまうのだ。

 射精を味わい、それを一生のものとするか

 それを我慢してもとに戻るか、

 自分で選択するんだな、グフフッ』

「そ、そんなぁっ!?」

由梨の悲鳴が部屋に響いた。

『さぁ、男の気持ちよさを知るがいい。

 射精しなくても、

 イガリを扱かれるという気持ちよさは女のお前には新鮮だろう?

 しっかり楽しむがいい、グフフッ』

「いやぁっ、やめてぇ」

由梨は叫ぶが

シュッ

シュッ

薫の手は勝手に動き出すと由梨の生えたてのペニスを愛撫し始めた。

そして、その感じを味わっているのだろうか、

由梨が興奮していくのが手にとるように分かる。

ビクン

ビクン

上下する手の中で由梨のチンポは確実に脈動し、

硬く充血し、勃起して反り上がっていく。

”誰か、止めてくれ…”

薫は心の中で必死に叫んだが

悪魔に操られるままの体は頑としていうことを聞かなかった。

「はぁはぁはぁ…

 いやぁ、こんなの…
 
 やめてっ、

 はぁはぁっ」

由梨は男の性的興奮を感じながらも必死に抵抗している。

だが

プチュッ

そんな音と共にチンポの先から我慢汁が溢れ出すと

由梨の目の色が変わりだした。

「くぅぅぅぅっ、

 こ、こんなことがぁっ!?

 あはぁ、
 
 あんあんあんっ」

その由梨のたまらなさそうな声にあわせるように

薫の手はどんどん速く動いていく。

”このままじゃ、由梨が男になってしまう…”

薫は自分を殴り飛ばしてでも止めたかったが

自分の手は由梨を男の性へと誘うかのように

必死に生えたてのチンポを愛撫していた。

「ああっ、駄目ぇぇっ

 何かがこ、こみあげてくるぅぅっ

 い、いやっ

 こ、これが射精なのぉっ!?」

由梨は突然ハッとしたかのように顔を真っ青にすると叫んだ。

そして、必死に脂汗を流しながら耐える顔つきになる。

”由梨、出すなっ!!”

薫は必死に願ったが…

『グフフッ、女が生まれて初めてする射精か…

 この絶頂は味わいがいがあるわ

 グハハハハハッ』

そんな悪魔の笑い声の中

ビクビクンッ

由梨のチンポが急に暴れだすと

そのチンポの中を何か駆け抜け

ブチュッ

ブチュッ

ブチュチュチュ

と白濁した粘液が空中を飛び出してし、

また、

プチュチュ…

握り締める薫の手にもそれは垂れてくると

生暖かく気持ち悪い粘液の感触が伝わってきた。

”そんな…まさか”

呆然とする薫の前で

「はぁはぁはぁはぁ…」

由梨は何かをやり遂げたような顔つきのまま果て、頭を垂れた。

『グフフフッ。

 さすがは女に男の絶頂を味わわせるというのは面白いな。

 こんな絶頂、なかなか味わえないわ。

 この女に男の味をしっかりと教え込んでやるというのも面白いか。

 グハッハッハハ』

悪魔は由梨が生まれて初めての射精で失神する中、

満足そうに笑い声を上げていた。



その後、由梨は悪魔から解放され、

薫と共に蔦が覆う地面へ下ろされる。

そして、気がついた由梨は薫に泣きついてきた。

「そんな…あたし、ほんとに射精しちゃったの…?

 あたし、もう元に戻れないの?

 ねぇっ、ねえっ!?」

由梨は男に変身してしまっている事実を実感しつつも泣き喚いていた。

「元に戻りたいよっ。

 誰か、女の子に戻してよっ。

 あたし、あたし、どうなっちゃうのぉ?」

由梨は必死になってそう訴えるが、

なすがないまま薫達は毎日悪魔に弄ばれることになってしまった。



「こ、こんなことって…

 お願い、やめてぇっ!」

薫の目の前で由梨が男のオナニーの実演をさせられていく。

漆黒の巨体の由梨が操られているせいか、

手馴れた手つきでチンポを扱いている。

その様子は、首から下だけ見ていると

当にアフリカにいるカフィル族の男そのものだ。

「はぁっはぁっはぅっ」

最初は抵抗していた由梨は次第に男の性欲に突き動かされ

そのオナニーの快楽に浸っていく。

抵抗する言葉も出なくなり、

ただ喘ぎ、自分のチンポを扱きつづけていく

「はぁはぁはぁっ、

 はぁはぁはぅっ」

その様子を見ているとほんとに由梨が女の子だったのだろうか?

と思ってしまうほどだ。

『グフフフ

 女の癖に、すっかり男の欲望にとりつかれおって

 射精する快楽を覚え始めたようだな、この女』

途中で射精に至らないまま小休止していた由梨は、

「違うっ、あたしは別にっ…

 あ、あたし」

と必死に否定する。

『だが、射精する気持ちよさは知ってるのだろ、

 グフフ

 知ってしまったのだろ?

 いやなはずないではないか?』

「あ、あたし…」

悪魔の言葉に言い返す間もなく

シュッ

シュッ

オナニーは再開され

「あんあんあん〜っ!!」

由梨は女の子的な喘ぎ声を上げながら

「あふっふぁっ!!」

ブチュッ

ブチュチュッ

と射精してしまった。

そして、暫く余韻に浸りこむと

今度はにやりと笑いながら自分の精液を手に取って眺める。

どこから操られていて、どこからが由梨の動きなのかまるで分からない。

だが、その由梨の笑みはいやらしく、由梨でないようだった。

『グフフ…

 どうだ、自分の精液を吐き散らした気分は?

 女だったときには味わえなかった征服感たまらんだろう?

 もはや、お前は女ではないのだがな、

 グハッハッハッハッ』

「ああ、あたし、

 射精しちゃったんだ…

 あたしの体から精液が…出ちゃったんだ」

『グフフフッ

 次第に性欲が男性化してきてるようだな。

 もうすぐお前の頭の中は、
 
 カフィル族の男と同じになる。

 いや、なっていくのだ。

 しっかりと味わっていくがいい。

 男というものをな。

 そして、いずれ女とマジわらさせてやる。

 そのとき、お前はすべてを捨て去ることになるのだ。

 女だった自分も忘れ、

 カフィル族の男になってしまうのだ。

 グフフフフフッ』

悪魔はそう笑いながら消えていった。



「はぁはぁはぁっ、ああっ!!」

悪魔が消え、

一人だけのときも由梨はオナニーするようになっていた。

気持ち的には許せないらしいが、

やっぱり一度始めてしまうと止められないらしい。

「カフィル族って、やっぱ性欲強いのか?」

「いやっ、いわないでっ」

「まあ落ち着けよ。

 人類の半分は男なんだ。
 
 お前だって、男に生まれてりゃ…」

薫は慰めようと思っているのだが、

異常な事態だけにうまく言葉が出てこない。

「はぁ…あたしが射精してるなんてね…

 信じられないけど…
 
 精液が出る体になってるなんて…」

「まあカフィル族の体験できたって思えば

 いいことかもしれないじゃないか?」

「いやぁっ、そんなこといわないでよっ!

 あたしだって、好きでこんなことしてるんじゃ…」

由梨はそういうと塞ぎこんでしまった。

暫くして

「あたしね…変態かもしれない…

 あのね、こんな体になってすごくいやだったのに

 自分の汗の匂い嗅いで、
 
 オチンチン弄くって、
 
 自分がカフィル族の男に変身したことに興奮したりもしているの。

 一人でいるときなんか、
 
 オナニーしまくってカフィル族の男の人って、
 
 こんななんだって思いながら射精してるんだよ。

 おかしいよ、絶対。

 女の子のときのままのあたしが見たらなんていうだろ…」

由梨はそう呟いた。

「大丈夫、大丈夫だ

 由梨っ
 
 良いか、気をしっかりと持つんだ。
 
 お前はカフィル族の男なんかじゃないっ
 
 女の子の由梨だっ
 
 大丈夫、薫がお前に掛かった呪いをきっと解いてやるっ」

そんな由梨に向かって薫はそう言うと、

「本当?

 本当にあたし由梨に戻れるの?」

由梨は真剣そうな目で薫を見つめた。

「あぁ…

 薫がきっと戻してやる。
 
 だから、薫を信用しろっ」

薫はそう言うと、

スッ

すっかり形が変わってしまった由梨の唇に自分の唇を重ね合わせた。



それからしばらくして、

由梨の横で薫が寝息を立て始めた。

悪魔と出会ってどれ位の時間が過ぎたのであろうか、

「薫…

 あたし、どうしたらいいの?」

カフィル族の男の身体を2つに折り曲げて由梨はそう呟くと、

ポゥ…

薄暗くなったジャングルの片隅で何かが青白く光り輝いた。

「え?」

それに気づいた由梨が立ち上がり、

そして、剥き出しのペニスを揺らしながらその場に行くと、

そこには2つに割れた木彫りの人形が転がっていたのであった。

「これは…」

光る人形に驚きながら由梨は手をさしのべると、

『勇者よ…』

と人形は由梨に話しかけてきた。

「え?」

人形からの声に由梨は驚くと、

『勇者よ、

 私は悪魔をこの人形に封じた魔導師…

 勇者よ、
 
 逃げ出した悪魔を倒すのです。

 悪魔は男の勇気と、
 
 女の慈愛の力に無力です。
 
 さぁ、悪魔を倒すのです』

と由梨に話しかけた。

「そんなこと言ったって、

 あたし…カフィル族の男にされてしまったんですよ、

 女の慈愛って…
 
 ここには女の人なんて居ません」

由梨は泣きべそになりながらそう訴えると、

『ならば、作るのです。

 お前の精は男を女に…
 
 カフィル族の女にする力があります。
 
 それを、共に戦ってくれる男に飲ませるのです。
 
 頼みましたよ』

と人形は由梨に告げると、

スゥ…

光は消えてしまった。

「共に戦ってくれるって、

 まさか、薫をあたしと同じカフィル族にしろって言うの?
 
 そんなこと…」

人形からの言葉に由梨は困惑するが、

だが、

ムクムクムク…

萎えていたはずの由梨のペニスは再び持ち上がり、

ビクンッ!

その股間で猛々しく勃起してしまった。

「あぁ…」

それを見た由梨は

「薫にあたしの白いオシッコを飲ませれば、

 カフィル族の女になる…

 そうなれば、

 カフィルの勇者となったあたしと共に悪魔と戦える」

人形から告げられた言葉を思い出しながら、

シュッシュッ

シュッシュッ

由梨はその場に座り込むと、

股間から伸びる黒いペニスを激しく扱きはじめた。

「はっはっ

 はっはっ

 あっあぁ…」

黒い身体を流れ出る汗で光らせ、

立ち上る臭気を振りまきながら由梨は一心不乱にペニスを扱く、

そして、

「はうっ

 きっ来た」

ビクンッ

大きく垂れ下がる股間の陰嚢より

カフィル勇者の遺伝子を持った精液が続々とペニスへと送られ、

その根元に溜まり始める。

「はっはっ

 はっはっ」

シュッシュッ

シュッシュッ

由梨の手の動きはさらにピッチを早め、

ドロッ

上を向く亀頭が先走りでベトベトになってくると、

「はっはっ

 はっはっ

荒い息を立てながら由梨は全身を躍動させながらペニスを扱き、

そして、

ピッ!

「あぁっ!!!」

身体の中を稲妻が走ったかのような衝撃が走った途端、

ビュッ!

シュシュッ!

茶褐色の亀頭の先より白い筋が一直線に伸び、

ビシャッ!

「うっ」

由梨の顎下から胸に掛けてを濡らしてしまった。

「くはぁ

 はぁはぁ
 
 はぁはぁ
 
 うっ
 
 臭い…」

自分が放った精液の生臭さに由梨は顔を背けるが、

だが、その臭いは若々しくて猛々しい勇者の臭いでもあった。

「はぁはぁ

 こっこれを…
 
 薫に…」

ブジュッ

ブジュッ

射精をしてもなおもペニスから噴きだしてくる精液を手で掬い、

由梨は腰を上げると、

薫が寝ている場所へと向かっていった。

「薫…」

ツー…

ポタッ

ポタポタポタ…

射精し萎えてもまだ長く伸びたペニスから精液を滴り落としながら、

由梨は薫の前でしばし立ち止まっていた。

「薫…カフィルの女になってくれるのかな」

「もし、イヤだと言ったらどうしよう…」

「ううん、薫だってあの悪魔と戦ってくれるはずよ」

「でも、薫は迷惑なんじゃぁ」

薫を目の前にして由梨の心の中で様々な意見が飛び出し響き渡る。

そして、

「ダメ、薫を巻き込んでは」

と由梨を戒める声が心の中で響くと、

「そうよね…

 あたしが…あの悪魔を倒さないと」

寂しそうな視線で由梨はそう呟くと、

薫に背を向け精液を溜めていた手を大きく上げ、

それを捨てようとした。

すると、

グッ!

いきなり由梨の細く長い手が何者かに掴まれた。

「え?」

それに由梨は驚くと、

「ダメだよ、由梨…」

いつの間にか薫が由梨に抱きつき、

そして、その片方の手が振り上げた由梨の腕を掴んでいた。

「かっ薫!!」

「由梨1人で悪魔と戦わせないよ、

 僕も協力するよ、
 
 精液を飲めば良いんだね」

驚く由梨に薫はそう囁くと、

2m近くも背のある薫の前に跪き、

ジュポッ!

薫は精液で濡れる由梨のペニスを口に含んだ。

「あっ

 あはっ
 
 だっダメっ薫!」

股間から下がるペニスを吸われた由梨は声を上げるが、

ジュブジュブジュブ!

そんな由梨に構わず薫は頭を振り始めた。

「あぁっ

 あぁっ、
 
 あぁっ!
 
 でっ出ちゃう、
 
 出ちゃう、
 
 薫!
 
 退いて!
 
 出ちゃうよぉ」

度重なる射精ですっかり敏感になってしまっているのか、

射精が間近になったことを由梨は訴えた。

だか、薫は決して頼のペニスを離さず、

それを咥え続ける。

そして、

「あぁぁぁ!!!」

由梨の絶叫と共に、

ビュッ!

シュシュッ!

薫の口の中に由梨の精液が放たれてしまうと、

ゴクリ!

薫はそれを全て飲み干してしまったのであった。

「薫!」

「ふふっ

 由梨の精液、とっても臭くって、
 
 そして、苦いね…」

口から白い筋を流しながら薫はそう言うが、

「うっ!」

直ぐに変身が始まったのか、

薫は胸を押さえた。

「薫!」

「大丈夫、

 胸が…
 
 胸が膨らんできたみたいだ…」

苦しそうに薫は胸を押さえるが、

ムリッ

ムリムリッ!

薫の胸が膨らんできたのか、

その手は次第に押し出されるように動き、

程なくして薫の胸はパンパンに膨らんでしまった。

また、変化はそれだけでなく、

薫の肌が由梨と同じように黒く染まっていくと、

ヒップが張りだし、

ベリッ!

その為にズボンが引き裂けてしまった。

「うくっ

 んんん」

ハスキーな声を上げながら、

薫は上着とシャツを脱ぎ、

そして、裂けたズボンを脱ぎ捨てると、

プルンッ!

ムチッ!

黒い肌に筋肉が削がれるように細くなった身体、

そして、胸と尻はもぎたての果実のように膨らんだ

カフィル族の女の肉体が姿を見せる。

「薫…」

「さぁ、由梨…」

由梨の名前を呼びながら、

すっかり女性化した薫が立ち上がると、

『ほぅ…

 そこまでしてわたしに刃向かうか』

とあの悪魔の声が響いた。

「当たり前だ、

 お前を倒すために僕はカフィル族になったんだ、

 覚悟しろ!」

プルンと漆黒の乳房を揺らし、

厚くなった唇を動かして薫は叫ぶと、

『ふはははは

 お前達が何処まで出来るが見てやろう』

ズシーン!

あの悪魔が姿を見せ、薫達に迫る。



「いくよ、由梨」

「薫」

迫る悪魔に2人は手を取ったとき、

シュパァァァァ!!

あの木彫りの人形が力強く光り輝いた。

『うがぁ!

 その光は!!』

人形の光に悪魔は自分の手で目を覆うと、

スッ!

その光の中から杖をつく影が姿を見せ、

『悪魔よ、

 わたしの声が聞こえるか』

と悪魔に話しかけた。

『うっ貴様は…』

『そうだ、

 お前を封じた魔導師…

 お前が弄んだ2人の力を得て今一度お前を封じに来た』

『なっなんだとぉ!』

『見苦しいぞ、

 さぁ、人形に戻るのだ』

『やめろ!

 折角出られたんだ、
 
 あの人形の中に戻るなんてイヤだ』

光の中から出てきた影が迫る中、

悪魔は由梨を変身させたときの勢いとは違って、

ひたすら逃げ回り始める。

「由梨…」

「薫…」

それを見た2人は互いに頷くと、

タタタッ!

バッ!

二つに割れた木彫りの人形をそれぞれ手に取り、

そして、

「さっさとこの中に戻れ!!」

と声を合わせて悪魔の両側に立つと、

フンッ!

バチィィン!!

悪魔を挟み込むようにして、

割れた木彫り人形を悪魔の身体に押しつけた。

すると、

バチバチバチ!!!

木彫り人形から青白い稲光が生じると

『うぎゃぁぁぁぁぁ!!!』

悲鳴を上げる悪魔をその中へと押し込み始めた。

『いやだぁぁぁ!!

 人形の中に戻るのはいやだぁぁぁ!』

悪魔は断末魔を上げながら、

人形の中へと潜り込んでいく。

そして、

「うううんんんっ」

「このぉ!!!」

由梨と薫は渾身の力を込めて人形を押し、

そしてついに、

バチン!

割れた木彫り人形が一つに合わさったとき、

ビシッ!

人形は元の姿に戻ったのであった。

だが、

「やった?」

「終わった?」

悪魔が封じられたのを2人は実感していると、

パン!

突然、何かが弾ける音が響き渡り、

「え?」

「きゃぁぁ!!」

2人は闇のそこへと落ちはじめ、

『くくっ

 ただで済むと思うな…
 
 お前達は俺の呪いを受けるがいい…」

とあの悪魔の声が追って響き渡った。



ヒュォォォ…

「うっ」

灼熱の太陽が沈みかけるサバンナで、

1人のカフィル族の勇者が目を覚ます。

『あえ?

 俺…こんなところで何を…』

黒い肌にトンボ玉で出来た飾りのみの姿で勇者は立ち上がると、

思わず周囲を見つめた。

『俺…

 何をしていたんだっけ?
 
 思い出せないや…
 
 そもそも、俺って何者?』

首を捻りながら勇者は足元を見ると、

そこには一本の槍が落ちていて、

『槍?』

勇者はその槍を拾い上げると、

『あっ

 そっか、
 
 俺、
 
 狩りに来て…
 
 それで、
 
 あれ?
 
 何を?
 
 思い出せない
 
 なにか大事なことを…忘れてしまったような』

と縮れ毛が覆う頭を左右に振る。



一方、そこから離れた場所では、

『あっあたし…

 何でこんな所に…
 
 それに、何か忘れている。
 
 決して忘れてはいけないなにかを』

起きあがった女戦士は露わになった乳房を揺らしながら、

崖の上からサバンナの大地を見下ろしていた。



『許せ、

 悪魔の最後の術までは防ぎきれなかった。

 お前達はカフィル族の勇者と女戦士として、記憶を消され、

 サバンナに飛ばされてしまったのだ。

 この状態から抜け出すには、

 お前達はそのサバンナで出会い。

 そして、絆を思い出したとき、

 元の世界へと戻ることが出来る。

 悪魔の呪いなどにまけるな』

カフィル族の女戦士となった薫の後ろに落ちている木彫り人形から、

その声が響くが、

だが、その声は2人の耳に届くことはなかった。



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。