風祭文庫・モランの館






「ティルバの魂」
(前編)


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-045





いま思い返せば確かに1週間ほど前から弥生の様子はおかしかった。

授業は上の空…

友達に話しかけられても空返事…

そして、時折股間に手をしのばせると制服のスカートへと手を伸ばすと、

何かをモソモソと動かしていた。

「なにをやってんだ?

 あいつは?」

そんな弥生の様子を俺は訝しげ気味に眺めていた。



俺の名前は大島卓也、高校2年生だ。

そして、弥生こと島原弥生は俺と同い年で同級生、

小学校の時からいままでずーっと一緒の

いわゆる”幼馴染”と言う奴だった。

そんな彼女の両親が仕事上の都合で去年外国に赴任して以来、

弥生は広い自宅で一人暮らしをしていた。

「気楽でいいよ」

弥生は俺に向かってそう言いながら笑うが、

しかし、俺はそんな弥生を常に監視していた。

「卓也君、弥生のこと…頼むわね」

出発前、おばさんにそう頼まれたせいもあるかもしれないが、

けど、小さい頃から目を離た途端、

何かトンでもないことをしでかしてしまう、

そんな危なっかさを彼女は持っていた。



そして、その懸念が見事的中した。

部活で忙しくて約半月ほど俺が目を離していた隙に

弥生は何かをしでかしてしまったようだ。

無論それが何であるかは判らない。

でも、確かに弥生の様子はおかしくなっていた。



「なぁ、弥生っ、

 ここんところ様子が変だけど、

 何か悩み事でもあるのか?」

昼休み

俺は自分の席から外を眺めている弥生の声を掛けた。

相変わらず彼女の右手は股間をまさぐっている。

「え?」

俺のその声に飛び跳ねるようにして弥生が俺の方を向くと、

「べっべつに…」

弥生は顔を真っ赤にしてそう返事をした。

「なんだ?」

俺の声に一瞬狼狽えた弥生の態度に俺は訝しがりながら、

「なぁ、お前、

 何か隠しているだろう」

と詰め寄ると、

弥生の頬に冷や汗と思われる汗が一本の筋を作って流れ落ちた。

「………」

長い沈黙の時間が流れたのち、

「まぁいいけど…

 でも、もしも悩みがあったら俺に相談してくれよ、

 俺に何が出来るか判らないけど、

 力になってあげたいしな」

そう言うと俺は弥生の肩を軽く叩いた。



そして、迎えた放課後…

「たっ卓也…」

帰り支度をしている俺に弥生が声を掛けてきた。

「ん?」

その声に俺が振り返ると、

「今日…時間ある?」

と弥生が尋ねてきた。

「あぁ…」

彼女のその問いに俺がそう答えると、

「ちょちょっと、あたしんちに来て…

 相談したいことがあるの…」

恥ずかしげに弥生がそう言うと、

クルリと俺に背を向けた。

「(やっという気になったか)」

そう思いながら俺が弥生の姿を見たとき、

ブルン!

弥生の股間から何か棒のようなものがスカートの動きから少し遅れて動いた。

「ん?、なんだ?」

それを見た俺は目を凝らしてみたが、

しかし、それはすぐにスカートの中に隠れてしまい、

再度確認することが出来なかった。

そして、下校途中も弥生は終始俯き加減で歩くと、

手にした鞄で前を常に押さえていた。

そう、

まるで、股間の何かを隠すかのような歩き方だった。

「何か見られると困るものでもあるの?」

俺は思わずそう尋ねたくなったが、

しかし、何故かそれのことを聞いてはいけないと言う気持ちが起こると

俺は何も尋ねなかった。

キィ…

門の扉を押し開いて弥生と俺は弥生の家の中に入っていく、

そして、そのまま彼女の部屋に通されると、

「で、相談ってなんだ?」

と腰を下ろしながら尋ねた。

「………」

だが、弥生は俺に背中を向けたまま何も言ってこない。

沈黙の時間が流れた後、

もそっ

弥生の手が動くと、

スッスッ

と何かを扱くように動きはじめた。

そして、

「はぁ…くはぁ…」

弥生の息が次第に乱れ始めてくると、

「?

 なぁ、弥生っ
 
 さっきからお前、何をやっているんだよ」

俺は立ち上がるなり、弥生の肩を掴むと、

ハッ

とした表情を弥生がした途端、

クルリ

と身体をこっちに向けた。

すると、

ブラン!!

「んなに?」

弥生の股間には真っ黒でグロテスクな肉棒が

制服のスカートの中から顔を出していた。

「なっなんだそれ!!」

肉棒を指さしながら俺は悲鳴を上げると、

「たっ卓也…

 あたしどうしよう…

 オチンチンが…

 あたしの身体にボディ族のオチンチンが付いちゃったのよ!」

と垂れ下がる肉棒を握りながら弥生が訴えてきた。

「オチンチン?

 ボディ族?」

弥生のその言葉に俺は思わず聞き返すと、

「じっ実はあたし…

 通信販売でヌイグルミを買ったの。

 それで、1週間前にそれが届いたんだけど、

 でも、中に入っていたのはヌイグルミじゃなくて

 気味の悪い棒のようなものが入っていたの。

 そしてすぐに電話を掛けて訳を話したら、

 ”送り返してくれ。”

 って言われたから、その支度をしようと、
 
 その棒に手が触れたとき、
 
 ”声”あたしに命令をしたのよ。
 
 それをアソコに入れろって…」

「”声”?」

「そうよ”声”よっ

 誰が言っているのか判らない
 
 でも、確かに言って来たのよ。
 
 あたし…
 
 気味が悪かったけど、
 
 でも、
 
 その”声”が響いた途端、
 
 あたしのアソコが…
 
 その湿って来ちゃって…
 
 そしたらいつの間にかあたし、
 
 それをアソコに入れていたの…
 
 その途端、
 
 ひとりエッチじゃぁ味わったことのない気持ちよさが…
 
 いやっ
 
 なんであたしこんな事を卓也に言っているのかしら」

そこまで説明をしたところで弥生は両手で顔を塞ぐとその場に座り込んでしまった。

「それで、どうしたんだ?」

その先のことを聞きたくて俺は尋ねると、

「いやいやいや」

弥生は顔を隠しながらただ顔を横に振る。

「おいっ、

 これだけでは何がなんだか判らないぞ」

弥生の肩を掴みながら俺はそう怒鳴ると、

「……そしたら…

 そしたら…

 棒はあたしのアソコ…クリに噛みついて…

 いやぁぁ、
 
 これ以上あたしの口から言わさないでぇ」

少し喋ったところで弥生は悲鳴を上げてしまった。

そこまで話を聞いた俺は

「お前のアソコに噛みついたそれが、

 その…チンポになったのか」

とやや躊躇いながら尋ねた。

コクリ

俺の問いに弥生は返事はしなかったが、小さく頷いた。

「そんなことって…」

驚きながら俺が立ち上がると、

「卓也…

 あたしどうしよう、

 オチンチンが生えたままでは学校に行けなくなるよぉ
 
 ねぇどうしたらいい?」

と縋り付くようにして訴えてきた。

すると、

「どっしようって…

 そんなこと…

 大体、このチンポって本当に取れないのか?

 だって、噛みついてきたんだろう、

 それなら強く引っ張れば取れるんじゃないか?」

と俺は疑問を弥生にぶつけた。

しかし、

「そんなこと、何度も試したよ

 でも、あたしのアソコにくっついちゃったみたいになっちゃって取れないのよ」

弥生はそう返事をすると、

「ほらっ!!」

と言いながら制服のスカートをたくし上げると股を開いた。

ブルンッ

「こっこれが……」

そう言いながら

俺は弥生の股間から飛び出しした極太のペニスを信じられない思いで眺めると、

そっと手を伸ばした。

そして、俺の手の先がペニスの先に触れた途端。

「あっ」

ビクン

弥生の身体が微かに動いた。

「かっ感じるのか?」

弥生の反応に俺は尋ねると、

コクリ

弥生は真っ赤な顔をしながら頷いた。

「感覚まで判るのか…」

そう言いながら俺は思わず唾を飲み込みながら漆黒色のペニスを見回した。

元はといえば、弥生のモノではないペニス。

それが弥生のアソコと完全に癒着して表面だけ見れば自然に生えているように見えていた。

けど、黒々したペニスの皮膚は周りの弥生本来の色の白い肌とは

あまりにも対照的で不自然だった。

それはともかく…

このペニスだが、勃起をしていなくてもゆうに30センチを軽く超えていて、当に巨根。

そしてペニスの漆黒の肌には絡みつくように血管が浮き出し

亀頭の周囲のカリは大きく張りだして、

ブツブツしている様は異様だった。

「そ、そんなに熱心に見ないでよ」

勃起しているペニスをジッと熱心に見入っている俺を嫌がったのか

弥生は恥ずかしそうに言ってペニスをスカートの中にしまい込むと、

「ああ、すまん。

 …それで、その”声”というのはなんなんだ?

 何時も聞こえるものなのか?」

と俺は少し照れながら話の方向を変えるようにして尋ねた。

そもそも他人のチンポなんぞじっくり見るものではない。

ただ、弥生に生えていたからもの珍しさに夢中になっていただけなのだ。

「うん、そう…

 部屋の中に響くっていうのか…

 男の人の声なの。

 多分、このオチンチンの持ち主だと思う」

「…マジでか?

 それって、まさか幽霊!?」

弥生の答えに俺は半信半疑になりながら尋ねると、

「ほんとだって…

 だって、あたしの体が急にいうこと利かなくなって…

 それで…」

疑った俺に弥生は真剣に捲くし立てると急に恥ずかしそうに俯いた。

「はぁ…」

弥生の説明に俺はやれやれ思うと溜息を吐いた。

ペニスがくっついちまったのは呪いか何かなのかもしれんが…

しかし、今度は幽霊とはな…



そうしていたときのことだった。

『ふふふ…どうだ、気分は?

 そろそろ、勇者のイリガにも慣れてきただろう?』

と言う”声”が部屋に響いた。

「え?」

俺は部屋を見回すと声の出所を探ったが、

しかし、”声”は部屋全体に響いているかのように出所がまるでつかめなかった。

「やだっ、やめて…

 もう出てこないでっ」

響いた”声”に弥生は、目を瞑り耳を塞ぐと大声で叫び返すと、

『そういうわけにはいかん。

 お前にはボディ族の勇者として復活してもらわねばならんのだからな。

 それにお前だって、気に入ってきてるんじゃないのか?』

と”声”が指摘した途端、

「あ…」

俺の身体はまるで金縛りにでもあったかのように体が動かなくなってしまった。

「こんなことって…」

突然の事態に俺は驚いていると、

『さぁ、お前の勇者のイリガを感じるがいい』

”声”がそう告げると、

弥生はペニスを握っている右手を少しずつ動かし始めた。

シュ

シュ

「あ、やめて…お願い…」

弥生は辛そうにそう訴えるが手の動きは止まらない。

そして、その間にも弥生の漆黒のペニスはどんどん勃起し、

弥生の手が小さく見えるほどになってしまった。

シュッ

シュッ

弥生が男のオナニーをしている。

当に非現実的な光景に俺は目を見張った。

「いや、こんなのいやっ」

そう叫びながら弥生は必死に否定するが、

それでも顔を真っ赤にしていて…感じているのに耐えているらしい。

『何がいやだ?

 お前は自分でそのイリガを自らのものにしたのだ。

 嫌がる理由などないだろう?

 そぅれ、感じているのだろう、勇者のイリガの気持ちよさを』

「やめて、聞きたくないっ」

『お前は、毎日の勇者の証を立てていて気持ちよくはないのか?

 あの気持ちよさをもっと感じたいのだろ?

 あれこそが勇者の特権だ』

「いやいやっ」

『男の精を吐き出すのは、お前も好きだろう?

 さあ、男の精を吐き出せ。

 もっと勇者に近づくのだ』

「やめて、この手を止めてっ。

 誰か助けてっ」

執拗な”声”の攻撃に弥生は鼻息を荒くして興奮しながら叫んでいた。

「やめろぉ…」

それを聞いていた俺は思いっきり怒鳴ってみたが、

しかし、金縛りで満足に口の開かない状況では

俺の口から出た声は声にはなってなかった。

そうしているうちに、

シュッ

シュッ

次第に扱く弥生の手の速度が速くなる。

やがて、

ジュワ

弥生の巨根の鈴口から我慢汁が溢れ出すと、

その汁が弥生のペニスを濡らしはじめた。

「あうっ、んんっ」

我慢汁の潤滑剤が効き始めたのか弥生はたまらなそうな表情をしはじめた。

『ふははは…

 気持ちよさそうだな。

 もう止められまい。

 お前は勇者だ。お前は男なのだ。

 さぁ、勇者の証を立てるがいい』

「んっ、んっ、くぅっ、あんっ」

ニチュッ

ニチュッ

ニチュッ

”声”に誘われるように弥生の手の動きは早くなり、

もはや抵抗することを忘れたかのように弥生は一心不乱にオナニーをしていた。

「弥生…」

俺はただ唖然として、幼馴染の異常な光景を眺めていた。

『ふふふ…

 そうして、男の精を吐き出して、お前はまた勇者に近づく。

 本当にお前の精が勇者のものとなったとき、

 お前は勇者へと変わるのだ。

 さぁ、出せ。
 
 出せ!!』

”声”は部屋中を震わせながら叫んだ。

「おい…なんだよ、これ…」

俺が茫然自失になりながら弥生の痴態を見ていると、

突如、

「んあっ、あぁぁぁぁっ!!」

ガクガクガク!!

弥生は腰を振りながら立ち上がると、

グンッ

と下半身を突き出した。

その途端、

プチュッ

ヂョッ

ヂョッ

ヂョッ

弥生の漆黒色のペニスから粘着質の液体が飛び出していった。

「はぁぁぁ、

 はぁはぁ、
 
 はぁはぁ」

弥生は朦朧としながらもペニスを握り締め、

最後の一滴まで搾り出すと、

床にはペニスが吐き出したその液体が糸を引きながら溜まっていく。

『ようし…

 よく勇者の証を立てたな。

 だが、まだだ。

 まだ男の精にはほど遠い。

 お前は自分でも勇者の証を立てるようにならんとな』

「んくふぁっ」

その”声”に答えるように

余韻に浸っていた弥生が顎を上げて叫んだ。

その途端

フッ

俺の身体を縛り付けていた金縛りが解けると、

「やっ弥生っ

 大丈夫か!!」

俺は叫びながら朦朧としている弥生の元に駆け寄った。

ダラリ…

弥生の股間ではあれほど勃起していたペニスがだらしがなく垂れ下がっていた。

「しっかりしろっ

 弥生っ」

ペチペチ

俺は弥生の頬を叩きながらそう叫ぶと、

「あっあぁ…

 卓也?
 
 だっ大丈夫よっ
 
 あたし大丈夫ね…
 
 ごめん…少し寝かせて…
 
 あっ頭が痛いの…」

弥生はそう返事をすると、

ベッドの上で横になってしまった。

「弥生…」

そんな弥生の姿を俺はただ眺めていた。



それから俺は”声”が言っていたボディ族に付いて色々と調べてみた。

そして、偶然見つけた本を読んで俺は愕然としてしまった。

「そんな…

 あの”声”は弥生をこの人達のようにしようと言うのか…」

俺は1世紀前にティルバと言うボディ族の勇者のことを記した

探検家の著書を読みながら驚いていた。

そして、翌日…

俺の部屋にきた弥生の様子が妙におかしかった。

「俺の部屋を見たいって、どういう風の吹き回しだ?」

弥生の申し出に驚きながら俺は自分の部屋に弥生を招き入れるとそう尋ねた。

「うん…」

制服姿の弥生はそう言いながら

俺の部屋の中をまるで物色するかのように眺めると、

「それで…あれからどうだったんだ?

 あの”声”はまた出たのか?」

”声”についてその後何か動きがあったのか俺が尋ねるが、

しかし、

「うん…」

弥生は”心はここにあらず”という感じでそう答えると、

何か探しているかのように、

俺の部屋の中をうろうろしていた。

「おい、弥生?」

その様子に思わず俺は怒鳴ると、

「あ、え?

 な、なんでもないっ」

弥生は何か狼狽しているような仕草をしながら、

「あっあたし…帰るね…」

と言ってそそくさと俺の部屋から出ていってしまった。

「なんだ?」

彼女のその様子がなんとも妙でだったので

俺はそのまま弥生の後をつけてみると、

なんと弥生は近くのコンビニでエロ本を買うと、

全力で走っていってしまった。

「なっ」

それを見た俺は驚きながら弥生の後を追った。

そして、家に逃げ込んだ弥生を追って俺も家の中に入って行くと、

「ゴクリ…」

目の前に迫る弥生の部屋の扉をまえにして、

俺はこの向こうに弥生がいるかと思うと不安と興奮でドキドキしていた。

「ふぅふぅ…」

扉の隙間から漏れ出る弥生の息遣いに

俺は緊張しながら扉を少し開けてみると、

そこには…

エロ本を広げ興奮している弥生の姿があった。

しかも、こっちに向かって胡座をかき、まるで男みたいな仕草をしていた。

「弥生…」

俺は半ば呆然としながらそれを眺めていたのだが、

弥生の股間にそそり立ったペニスを見つけて俺は我に帰った。

「あぁ…たまらね〜」

そう言いながら弥生は興奮したオスの目つきになって

スカートの中へと手を突っ込むとゆっくりと勃起したペニスを扱き始めた。

その光景に俺は反射的に扉を開くと、

「弥生っ!!」

と思いっきり怒鳴った。

その途端、

「はっ」

弥生は驚いた表情のまま、目を大きく見開いて凍りつく、

そりゃあオナニーを始めたばかりのところだったのだから当然だったかもしれない。

でも…それだけじゃなかった。

「…なんで、なんで卓也がここにいるのっ?

 って、キャッ!?」

と叫ぶと弥生は慌てて勃起した黒々としたペニスをスカートの中にしまい込む。

「おい…どういうことだ、エロ本なんか買って…」

「そっそれは…

 あたし、そんなつもりじゃ…」

「それにお前、いつから胡坐なんかかくようになったんだ?

 仕草だっておかしいぞ」

「あっ!?」

弥生は俺に指摘されてようやく気づき、

慌てて女の子座りをしようとしたが、

しかし、なぜか座りにくいのか体育座りに座りなおした。

「お前…変だぞ」

「わ、分かってるよ。

 でっでも、あたしの中で、
 
 好みとか性格とか、
 
 何かが変わって来ているの。

 あたしだってこうしたいんじゃない。

 なりたいんじゃないっ。

 なのに、勝手に…」

「だったら、我慢すればいいだろ?

 そのままだったら、お前ホントに…

 そのチンポをもってた連中と同じようになっちまうかもしれないんだぞ?」

そう言ったえる弥生に俺は怒鳴ると、

「我慢って…

 そんなの出来たらしてるわよ。

 でも、気がつかないうちにそうなっちゃってるんだもん。

 仕方ないじゃない」

弥生はそういって怒鳴り返してきた。



「ああ、もう駄目。我慢できないよぉ」

あれから十日が過ぎた。

弥生は”声”が聞こえなくてもオナニーをしたがるようになっていたが、

しかし、弥生の体には何も変化は無く、

ボディ族のペニスが生えたときのままだった。

けど、弥生の性欲がかなり…いや、相当強くなっていた。

弥生は意識では嫌がっているものの

もはや男のオナニーが当たり前のようになりつつある。

教室の中でも目つきが変だし、常に女の子をオスの視線で追っている。

また俺の部屋に来ても、

ベッドの下からエロ本を見つけだしてはじっと見入ったり、

そして、以前は”声”が聞こえたときだけ勃起していたボディ族のペニスは

弥生の性欲に応えるように何度も勃起を繰り返していた。

「こんなこと、しちゃいけないのにっ。

 ああ、駄目。

 あと一回だけ、やらせて、お願い〜」

弥生は顔を真っ赤にしてショーツをずり下げると

手馴れた手つきで合体したボディ族のペニスを扱き出していた。



ブチュワッ

ヂョッ

ヂョッ

ヂョッ

弥生のペニスから白濁した液体が飛び出す。

「んふぅ、んふぅっ、んふぅっっっ」

弥生はその体を震わせながら、

体から飛び出していく精液の感覚に身を任せる。

そして、満足そうに精液を手にるとそれを眺めていた。

「おい!!」

その様子に俺が慌てて声をかけると

弥生はハッとして困惑した表情になった。

「あたし、いま何を…あ…やだ。

 また”証”勃てちゃってるぅ。

 あ…

 ウソでしょう…精液が白くなり始めてる」

「何っ!?」

弥生のその声に驚いた俺が近づくと、

初めて見たときには透明な粘液だった精液が白く濁り始めていた。

「これって…」

「あたし、男になってきてるんだ…

 そ、そんなのいやっ!

 なんで、どうして、あたしを元に戻してよ〜」

白濁し始めた精液を前に弥生は泣き喚いていた。



それから五日が過ぎ、弥生の食欲が異常になりだした。

ガツガツガツ!!

男子の3倍は食べる弥生の姿にクラスのみんなも不安がり、

「ねぇ…何かあったの?」

と俺の元に女子が尋ねてきた。

しかし、弥生は周囲に不安をよそにひたすら食べ続けていた。

そしてそれに合わせるようにして弥生の身体は太っていくと、

その一方で、行動もどんどんおかしくなっていった。

「はぁ、最初はあんなにいやだったのに…

 何か最近あるのが当たり前になってきちゃった…」

相撲部で相撲でも取らせた方が良いんじゃないかと思うくらいに太ってしまった弥生が

ぼんやりしながらも堂々とペニスを手の中で遊ばせていると、

そして、ときたまその感覚を味わうように握り締めじっと自分のペニスを眺めている。

すると、

「バカッ!

 こんなところで堂々とするなっ」

周囲の視線を気にしながら俺は慌ててそう怒鳴るが、

「いいじゃないっ

 チンポなんて出したって、

 何でいけないの?

 はぁ、なんで、こんなのを着ないといけないんだろう…
 
 ねぇ…これ脱いじゃおうか」

弥生はそう言って制服を脱ごうすると、

「やめろっ」

俺はすかさず制止した。

「はぁ…

 ねぇ、卓也、

 あたしのチンポってどう思う?

 なんか…昔からコイツがあったような気がして来るんだよねぇ」

弥生はそう言いながらペニスを手でなぞっていた。

そしてその頃から、

弥生の食べ物の好みも変わり、また性格が乱暴になり始めた。

ガシャーン!!

「きゃぁぁぁ!!」

掃除の時間、突然弥生が暴れ始めると、

教壇の横に置いてあった花瓶を床にたたきつけた。

「どうした、何事だぁ」

女子の悲鳴を聞きつけて駆けつけてきた教師に向かって、

「うるせー」

弥生はそう怒鳴ると殴りかかってしまった。

その結果、弥生は2週間の停学処分となってしまった。



「ああっ、クソォ。

 我慢できないんだよっ」

「落ち着けよ、弥生。

 どうしたんだ、まるで人が変わっちまったみたいじゃないか?」

停学を受けても弥生はその攻撃性を押さえられなくなり、

それどころか部屋の中で暴れるようにすらなっていた。

「ああっ、なんであたし、こんなになっちゃったんだよっ」

「弥生。まさか、あの”声”のせいなんじゃないだろうな?」

「違うよっ。

 あの”声”は、
 
 男の精がちゃんと出るようになってから大人しくなったままさ。

 クソォ。

 あたし、もう女の子に戻れないよっ、こんなんじゃ」

弥生はイライラしたように椅子をけり付ける。

「ああっ、なんか落ち着かないっ。

 どうしたらいいんだよっ」

そう怒鳴りながら弥生は勃起したペニスを握り締めた。

ショーツが気に入らないのか弥生の下半身は裸のままで、

漆黒色のペニスを常にさらけだしている。

「やめろ、やめろって」

「こんなの自分じゃないって、分かっててもやっちまう。

 クソォ、あーもういらいらするっ」

そういうと弥生はペニスを扱き始めた。

「おい、弥生。なんてことするんだよっ。

 またボディ族に近づいてしまうぞ」

弥生の行為に俺はそう言うと、

「だって、我慢できないんだよっ。

 こんな気持ちいいこと。

 始めたらやめられないんだ」

弥生は座ることなくボディ族のペニスを慣れた手つきで扱きはじめた。

「ああっ、しちゃいけないのに…やっちまうのがたまらね〜」

シュッ

シュッ

扱き始めたことで生々しく生気を取り戻したペニスはビンビンに勃起し、

弥生の血液をその中に充血させ始める。

しかし、それがあまりにも不気味で俺は目を背けそうになるが、

これを止めさせないと弥生が変わってしまいそうな感じがして俺は必死だった。

「やめろ、やめるんだよっ」

「やらせろ、やらせろっ」

弥生は興奮しながら、邪魔をする俺を力づくでどかせようとする。

そしてついに、

「邪魔だっ!!」

弥生は人が変わったように怒鳴ると、

ゲシッ

俺の顔に一撃をぶち込んだ。

「ほげっ」

何が起きたか分からず、

鏡の方を向いたまま呆然とする俺の前で

「ああっ、ああんっ、くぅっっっ」

ヂュッ

ヂョッ

ヂョッ

弥生の股間に備わってしまった逸物は白濁して粘着質になった精液を吐き出していた。



つづく



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。