風祭文庫・モランの館






「交換」


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-024





ヒュォォォォ…

見渡す限りの荒涼とした大地に一陣の熱された風が吹き渡った。

「うわぁぁ…

 すごいっ!!

 これがアフリカなんだ…」

あたしの名は木下桜子、22歳の大学4年生!!、

え?、何でアフリカにいるのかって?

それは、まぁ俗に言う卒業旅行ってやつよ。

なんてねっ、

本当はあたし、カメラマン志望で大学でも写真部に所属していたんだ、

んで、社会人になる前にぜひ一度、

アフリカの生の写真を撮りたいとかねがね思ってたの、

でも、この1年は短かったわ…

1年からずっと先輩達のアシスタント兼使い走りばっかりで、

よーやくカメラに自由に触れるようになったのは4年生になってから、

これで自由に…

と思ったのもつかの間、

まるで待ち構えていたように卒業論文やらなんだかんだで

結局大した撮影は出来なくて、

やっぱり世の中は女性には不利な仕組みになっているんだわっ、

あーぁ、つくづくあたしが男だったらなぁ…

って後悔しているの、

でも、まっいいか、

要は結果を残せばいいのよっ、結果をね。




こうして、アフリカの各地を放浪するようにして続いていったあたしの旅は

十日目にしてあるディンガ族の村を訪れていた。

ンモー

村の周囲で放牧されているセブ牛たちの姿を横目で見ながら、

村に入った途端、

「おい、お前…」

突然あたしは声をかけられた。

「え?」

思わず振り返ると一人のディンガ族の青年があたしを指差しながら近づいてきた。

「うわっ、すごい…

 モロ…」

あたしは彼の姿を見て思わず目を伏せてしまった。

だって、

彼が着ているものといえば腰に巻いた飾り紐のみの姿で、

手足が長く細長い筋肉質の体の真ん中には

男のオチンチンが歩くのにあわせて揺れている様子が丸見えだったからだ。

「どこから来た?」

彼はあたしの前に立ちはだかるとそう尋ねた。

写真撮影のためとは言えあたしはかなり奥地の村に足を踏みいれていた。

この辺りでは外の人間が来ることもほとんどないので、

村の人間に警戒されていることを察したあたしは、

「あ、ごめんなさい。

 あのぅ…この村の長は何処に居るのですか?」

と尋ねると、

「そうか、お前は…街から来たんだな?」

その青年はあたしの格好をじろりと一瞥すると興味深げに問い掛けた。

「はぁ…?

 確かにそうですけど…」

あたしは、彼が何をいいたいのか分からず言葉を濁した。

すると、

「ふふ、そうか。

 なら、お前をいいところへ案内してやる」

と青年は言い出すといきなりあたしの腕をつかむなり、

「こっちへ来いっ」

あたしは無理やりその青年に連れて行かれてしまった。




一緒に暫く歩くこと十五分。

村の外れにくるとそこには一本の大きなバオバブの木があった。

「うわぁぁぁ」

あたしは思わず感心しながら見上げていると、

「これがこの村を護る精霊が宿る木だ」

と青年は得意げにそう説明をした。

「へぇ〜、すごいねぇ

 ねぇ、写真を撮ってもいいかしら?」

あたしはカメラを片手に彼に尋ねると、

「ふふふ…

 それはいいが

 その前に相応しい姿にならなくてはならない」

と青年はあたしを見ながらそう言った。

「え?相応しい姿?

 …キャッ!!」

あたしがそこまで言ったときだった。

突然彼はあたしに飛び掛ってくると、

瞬く間に力強い腕によってそのまま地面に叩き付けられてしまった。

そして、青年は押し倒した体制のままさっきまでとは違う…

ある種の企みを含んだ笑みで、

「ふふふ…

 かかったな」

と呟いた。

「ひぃっ!!」

その言葉を聴いたあたしの顔から一気に血の気が引いていった。

「や、やめて!!!」

アフリカにきて初めて感じた自分の身の危険にあたしは震えた。

「ふふふ…

 心配するな。

 別にお前を襲ったりはしない。

 ただ、俺は街にいきたいだけなんだ」

青年はまるで子供に言い聞かせるようにしてそう言ったが

しかし、あたしには彼の言っている意味がわからなかった。

「どういうこと?

 あたしを人質にでもして街に行くというの?」

と恐る恐る尋ねてみると、

青年はそれを聞いて余計に笑い出してしまった。

「ははは…

 それは違うな。

 俺が街にいって、

 お前がここ残るんだ」

「あたし…が

 ここに残る?」

「そうだ。

 もうすぐその意味がわかる」

青年がそう言うと、

片腕を高く掲げ、

そして呪文のような言葉を詠唱した。

すると、


パアッ!!


突然、目の前のバオバブの木が青白く光ると、

その光が見る見るあたしに迫り、

あっと言う間にあたしたちの周りを包み込んでしまった。

「なっ、何?」

突然の事にあたしは訳が分からずわ慌てるが

しかし、青年の余裕さはますばかりだった。

そして再び青年が何か呪文を唱え出した。

「・・・・・・・」

それは長く単調なようで複雑なものだったが

次第に呪文の詠唱が早くなり出すにつれて

あたしは体の一部分が燃え上がるように熱く火照ってくるのを感じた。

「あ…

 あ…

 な、何?

 なな、何なの?」

あたしが体を動かそうとすると

下半身のある一点が

ジンジン

と疼き出した。

あたしは直感でそれがクリトリスであることに気付いた。

「な、なんでぇ?」

あたしは次第に息が荒くなるのを感じながら謎の興奮と快感に耐えていた。

「はぁはぁ…」

ふと横を見ると青年もあたしと同じようになってきているのか、

股間の膨らんだ逸物を握り締めたまま唸り出していた。

「ひっ!!」

あたしは見たくなかったその逸物の状態を悟り思わず身を引いた。

だが、

あたしもクリトリスからの刺激で

座り込んでしまった体が思うように動いてくれない。

「い、いやっ…

 はっ、はぁ…」

そう叫びながらあたしが這いずって動こうとしたときだった。

「うがぁ〜っ」

突然、青年が叫び出すといきなりあたしの股間に手を突っ込み、

ヒュッ!!

ビリリリ〜ッ

穿いていたジーンズとショーツを一気に引きちぎってしまった。

「ひ、ひぃ〜…」

あたしは無防備な自分の股間をさらけ出してしまった恥ずかしさと、

恐怖で顔を真っ赤にしながらも悲鳴をあげた。

すると、

「ふふふ…

 これからこの木に宿る精霊様の力をお借りして

 お前の象徴と俺の象徴を交換するんだ」

と彼はあたしの見つめながら不気味に笑い出した。

そして、

震えて体を動かせないあたしの股間に手を突っ込むと

さっきからジンジンと張り詰めていたあたしのクリトリスを鷲みにすると

引きちぎらんばかりに引っ張った。

「駄目っ。

 千切れちゃう〜」

とあたしが泣き叫ぼうとしたそのとき、

シユッ

あまりにもあっけなく

あのジンジンしていたクリトリスの感覚があたしの股間から消えうせてしまった。

「ひぃうぅぅぅ…

 あ、あれ?…」

あたしは涙で潤んだ目のまま恐る恐る下半身を眺めると、

なんと青年の手の中に見慣れたあたしのクリトリスが小さく納まっていた。

「……

 な、な、なんで…」

あたしは非現実的な状況に言葉がうまく出てこなかった。

「ふふふ…

 お前の象徴確かに頂いた。

 それじゃ、俺の象徴も抜くことにするか」

青年がそう呟いた直後、

あたしは信じられないものを見た。

「ふんっ!!」

青年が自分の呪文らしきものが書かれた右腕で、

自分の股間から生えている巨大な男のオチンチンを握り締めると、

シュゥ〜

バオバブの木から湧き出た青白い煙が

そのまま彼の手の中へと入って言った途端、

スポッ

あまりにもあっけなく…

青年の股間からオチンチンが抜けるとその右の手中に納まっていた。

「う、うそ…」

あたしはもはや抜け落ちたオチンチンであるということも忘れ、

ただ、じっと不思議な光景を見つめていた。

「あ、あ…

 そんなことって…」

あたしはもう恐怖とか驚愕の域を越えて

ただ…ただ目を見開いていた。

「ふふふ…

 すごいだろう。

 精霊様の力を借りて、

 自分のチンコを引き抜いたんだ。

 あとは、これをお前のと交換するだけだな…」

あたしが呆然としている中、

彼はあたしの視線に気付いたのか振り向くと嬉しそうにそういった。

そして、

「じゃぁお前に俺のチンコをくれてやる」

そう言って彼は腰を下ろすと、

へたりこんで股を広げたままのあたしの股間に向けて腕を振り下ろすと

ズスッ

っと黒くて長い彼のオチンチンを勢いよくあたしの股間に突き刺した。

「ひっ、ひゃうん!!」

あたしは、股間にグニュッとめりこむのを感じに

驚きのあまり倒れてしまった。

「あ、たたた…」

そのときの頭を地面に打ち付けた痛みに耐えていると

シュウンッ

という音と共に股間の辺りが熱くなり

ズブズブズブ…

と何かが沈み込んでくるのを感じた。

「な!?

 あ…

 あ…

 あ…

 ああっ!!」

その未だかつて経験したことのない感覚にあたしが翻弄されていると、

ビクンッ

急に突っ張った感覚が股間に走った。

「はぁぅぅ」

あたしは情けない声を漏らしたがその異常な感じに飛び起きると

プンッ

あたしの股間には真っ黒で長い棒状のオチンチンが起立していた。

「え…

 な、何、これ…」

あたしはそれを見極められず

ただ暫くの間じっと股間に出現したオチンチンを

焦点の定まらない目で見つめていた。

ビクンッ

「んんっ!?」

そして、その正体に気づく間もなく

ムリムリ…

あたしの股間の更に下で熱い二つの物体が股間を押し上げてくるのを感じた。

「ふ、ふぁぁぁぁ…」

あたしは、翻弄されながらもようやくその恐るべき状態を理解した。

「え、えぇぇぇぇぇ…

 そ、そんなぁ〜

 あ、あたしにオチンチンが生えてるぅ!?」

そう…

間違いなかった。

あたしの股間に生えている黒い物体は、

紛れも無いあの青年の漆黒のオチンチンだった。

それが今あたしの股間で

ビクンビクンッ

と蠢いているのだ。

「ひ、ひぃ…

 な、なんでよ〜」

そうしている間にも、

ペニスの下の方で何かが起こっているのを感じる。

ジクジクジク…

女の象徴部分が萎縮するのを感じると同時に

さっきから感じているあの熱いものが

股間からたれさがっているような…

「い、いやぁ

 いや〜、やめてよ〜」

あたしは必死にそれを否定しようと

股間を両手で押さえた。

ビクンッ

だが、

あたしの手が捉えたのは、

硬く勃起しきったペニスの感触とペニスの根元に出現した袋の存在だった。

「い、いいぃぃぃぃぃ〜!?」

あたしはほとんど半狂乱だった。

あたしは、天を仰ぎ見て叫んでいた。

この信じられない状況と

自分の身に起きた異常な事態に何も考えられなかった。

そのときだった。

「はっ、はぅぅぅ…」

あたしは、自分の肉棒を握り締められるのを感じてハッと我に返った。

「あ、あっ

 い、いやっ。

 何なのよぉ」

あたしが半べそで振り向くと

なんと…

あたしのアソコをつけたあの青年が股を広げて座っていた。

「あ、あああ、あ…」

あたしは驚きのあまり言葉が言葉にならなかった。

「ふふふ…

 どうだ。俺の勇者の証は?」

「なっ、なんでぇ?

 なんで、あたしのアソコが…」

「何をいまさらいっている。

 俺とお前は自分の象徴を交換したんだ。

 まだ分からないのか?」

「じ、自分の象徴?」

「そうだ。

 自分の象徴を交換するとは、

 自分の体を交換するということだ」

「…な、何よ、それ?

 自分の象徴を交換すると、体を交換って?

 …

 それって、まさか」

「そう。

 だから、お前にここに残ってもらうといったのよ」

青年は悪魔の笑みであたしにそう告げた。

「そんな…

 まさか…

 あたしがあなたに…?」

あたしは顔が蒼白になるのを感じながらいった。

「今ごろ気づいたのか?

 鈍感な女だな。

 あ、今はディンガの勇者か…」

あたしは彼の言ったその”勇者”という言葉に強く反応した。

ドキン

「あたしが勇者?」

あたしはなぜかその言葉によって興奮を覚えていた。

ドキンッ

「あ…」

それと同時に股間の植え付けられた元彼についていたオチンチンが強く反応する。

これが男性の反応なのだろうか?

「あ、あ、あっ!?」

あたしは初めて体感するその感じに性感の高ぶりを感じた。

すると、

青年はいきなりギュッとあたしのオチンチンを握った。

「い、ひぃっ

 や、やめてよっ!!」

あたしは困惑の中、必死に抵抗するが、

しかし、

ビクンッ

ビクンッ

と青年の手の中であたしのオチンチンは強く奮い立った。

「や

 やだっ!?」

あたしは股間から異彩を放つように黒く聳え立つオチンチンにある種の衝動を覚えた。

「ははは…

 知ってるか?

 交換した相手の象徴を自分に植え付けるには証をたてなければならんのだ」

「あ、いやっ…

 あ、あぁんっ

 あ、証って何?」

あたしは、荒くなる息を吐きつつ青年に尋ねると、

「つまり、

 お前が交換した得た俺の勇者の象徴で勇者の証をたててしまえば

 それはもうお前のもの。

 お前はその勇者の象徴をぶら下げてこれから一生生きていくことになる。

 二度と俺が得たお前の女の証を取り戻すことは叶わん」

「あんっ

 あ、ああっ、そ、それって

 あたしは元に戻れないってこと?

 はぁっ、はぁ…」

あたしは興奮のさなかにいながら、

自分がとんでないことになりつつあるのを悟った。

だが、

股間のペニスはまるで元から

そこにあったようにあたしに強く

その欲望を…

衝動を…

訴えかけてくる。

「そうだ。

 勇者の証を立てた時点で、お前は勇者なのだ」

「い、いやぁっ。

 そんな…」

あたしは、恐怖のあまり震え上がった。

あたしがあたしでなくなってしまう。

そして、このオチンチンがあたしの体に…

あたしの所有物になってしまうということに。

「やめてぇ〜

 …お願い、そんなこと」

あたしは、必死に訴えるが

シュッ

シュッ

青年は更にきつく握り締めながら

あたしのペニスを扱き出した。

「はぁっ、

 はぁっ…」

自然とあたしの息も荒くなる。

植え付けられたペニスの根元が

ジンジンしてきて何かを吐き出したいという衝動が下半身を支配していた。

「いやっ、ぅぅぅ…

 何かが出る、出るぅ

 こ、こんなの駄目〜っ」

あたしは、精神力使い果たさんばかりに

その肉体的な欲求を食い止めていた。

だが

「ふふ、さぁ勇者の証を立てよ。

 男の精を吐き出して、それを自分のモノとするがよいっ」

青年のその声を聞いた途端、

あたしはその初めて体感している衝動が一点を超えるのを感じた。

「くっ、

 くくくくぅ〜、

 ヴっ!!!」

ビクンッ

全身に電流がビリッと走るような快感が駆け巡ると

あたしは自分が何かを解放してしまったのを感じた。

「う、うぁぁぁぁぁぁ」

ビクン

ビクン

それと同時におしっこを出すのとも違う強い欲望が頭を覆い尽くし、

オチンチンの根元から大量の何かが自分の肉棒を駆け抜けると、

ブシュッ

シュッ

シュッ

と体外へと飛び出していった。

「あんっ!

 あんっ!

 あぁぁんっ!」

あたしは、初めて覚えた男性の本能によって

腰を振りながら男の精を吐き出してしまった。

「はっ、

 はっ、

 はぁはぁはぁ…」

あたしは何が起きたかも掴めないまま、

ただ呆然と自分のものになったペニスを眺める。

そうしていると、

「ふはははは…

 これでお前は勇者の証立ててしまった。

 もはやその勇者の象徴はお前のものだ。

 精霊様もお前をディンガの勇者と認めるだろう」

と青年はうれしそうにあたしに言った。

「はぁはぁ…

 あたしがディンガの勇者?…」

あたしがそう呟くと、

再び股間に力強い突起感を感じる。

そうして、

あたしはようやく自分がどうなっているのかに気付いた。

股間に…

まだ少しも変化していないあたしの女の肉体の股間に

さっきまで彼に付いていた男のオチンチンがあり、

そして、それから白濁した液体が吐き出されてしまっていることに。

そう…

あたしは自分が男の精を吐き出してしまったことを

知ってしまったのだ。

「ウソ…

 まさか、あたし…」

「そうだ。

 お前は勇者の証を立てた」

「じゃあ、あたしはこのまま…」

「そうだ。

 ディンガの勇者に…

 お前はンガリというこの村の勇者へ生まれ変わることを許されたのだ」

「そんな…」

絶句するあたしにオチンチンはうれしそうに

ビクンッ

ビクンッ

と震えだすと精液を出し切って間もない肉棒を奮い立たせ始めた。

「あ…

 ああ、あ…

 い、いや…」

あたしはそれでも必死に肉体の欲望を拒絶する。

「ふん…

 もはや運命は決まったというのに。

 精霊はお前を一日で俺に…

 そうディンガの勇者・ンガリに生まれ変わらせてくれるぞ。

 せいぜいそれまで自分の体との分かれを惜しむがいい」

あたしが必死になって我慢していると、

青年はくだらなさそうにそういうとあたしを一瞥した。

「い、いっ

 一日で!?

 あ、あんっ…

 あたし、後一日であんたになっちゃうというの?」

あたしはオチンチンから発せられる

あたしの心を刺激する衝動を押さえ込みながら彼に聞いた。

「そうだ。

 明日の今ごろには、

 お前は俺と寸部変わらぬ姿に生まれ変わっているだろう」

無常にも彼は平気な顔でそういう。

「そんなぁ…

 あたしがあんたになるなんて…

 イヤ、イヤよっ!」

あたしは息巻きながらも必死に拒絶しようとした。

そのとき、

ビクン!!

あたしのペニスはあたしを導かんとするように激しく震えだすと

あたしの頭の中は真っ白になった。

「ヴっ!?」

ビクビクンッ

「あ、

 あ、

 あんっ!」

あたしは無意識のうちに漆黒のオチンチンを掴むと、

シュッ

シュッ

シュッ

と扱き出していた。

なんであたしがそんなことをしているのか

自分でもわからなかったが、

それでもこの肉体的な欲望は拒絶できなかった。

「あんっ…

 あんっ…

 ああんっ…」

「ははは…

 とうとう自分で証を立てたくなってきたのか。

 呪術師に聞いた話では、

 最初は男の欲に目覚めるまで自分でも止められないそうだな。

 これは面白い。

 お前が俺の象徴をどう感じるか見届けてやる…んっアァン…」

青年は自分でもさっきまであたしについていた女の象徴を弄くり出すと喘ぎ始めた。

「や、やめて…

 あたしのアソコを返して!

 あんっ

 あんっ

 はぁはぁ…」

あたしはペニスを扱きその快感に酔いながらも必死に彼に訴えた。

「ふふふ…

 どうだ、勇者の証はたまらなく気持ちいいだろ。

 感謝するんだな。

 お前に俺の象徴を譲ってやった俺様に…」

シュッ

シュッ

ショッ

その間も、あたしの手は快楽を求め止まることなく

あたしに似つかわしくない漆黒色のペニスを擦りつづけていた。

「はぁはぁはぁ…

 やめて…

 こんなの気持ちよくなんか…

 はぁっ

 気持ちよくなんか…

 はぁっ!!

 ないっ…」

あたしは言葉でいっていることと逆の気分を味わいながら抵抗していた。

本当は…本当は…

気持ちよくてたまらなかった。

今まで経験したことのない悦楽それにあたしは浸りつつあった。

「ふんっ

 顔を真っ赤にして、興奮しておきながらよくそんなことがいえるな。

 まあ、いい。

 もうすぐお前は初めて自分で高みを知ることになるのだからな」

そういうと、彼はあたしのアソコに指を突っ込むと、

とてもはしたない音を立て始めていた。

その音が

なぜかは分からないけどあたしを刺激し、

あたしは頭の奥から自然と男の精を吐き出したいという欲望が

湧き上がってくるのを感じた。

「はぁっ!

 はぁっ!

 こんなことって!?」

「さぁ、いけっ!

 勇者の証を立てて、俺の体と交換してくれっ!」

「あ、ああああっ!

 あぅっ!!

 あぅっ!

 あぅっ!」

ビクン・ブシュ

ビクン・ジュジュ

ビクン・シュシュ

ビクン・シュ

ビクン・シュ

あたしはついに自分で男のオナニーをしてしまった…

一定のタイミングを置いて男の精が体の中から溢れ出し

ペニスの鈴口から止め処なく吹き出していくのを感じる。

それと同時に頭の中がかぁ〜と熱くなると、

自分の中の何かが変わっていくのを感じた。

「はぁっはぁ

 はぅっ」

あたしは自分の欲望のなれの果てを必死に吐き出させていた。

ぎゅっと

そして、それが当たり前のようにペニスを握り締めると

男の精を一滴残らず搾り出す。

「はぁはぁはぁ」

「ふふふ…

 さすがはディンガの勇者。

 さすがは俺の象徴。

 立派なものだぜ」

彼は女のアソコをぐちょぐちょにしながら

うれしそうにあたしを見ていた。

その直後

「ヴっ!?」

また異変が起きた。

あたしの股間の周囲が熱くなると引き攣っていく。

「う、ううううっ!?」

あたしが目を見開いて股間を見下ろすと

ビキビキ

とペニスの周囲から黒ずみが広がり彼の肉体のように変化して行っていたのだった。

「あ、あ…

 ああっ!」

しかし、その熱さと気持ちよさにあたしは興奮の頂点にあった。

精でべとべとになった手で、

変化していく漆黒の肌に覆われていく部分を撫でまわす。

「あああ…」

あたしはいつしか変身という快感に身をゆだね陶酔しきっていた。





そうして、太陽が一度沈み、

再び太陽があたしの頭上に達したとき

あたしの肉体は大きく変わり切っていた。

「はぁはぁはぁ…」

肌は漆黒に染まり長く伸びた手足とともに肉体には筋肉が逞しく盛り上がり、

股間にはつい昨日までンガリという青年のモノだったオチンチンが

あたかもあたしに初めから付いていたかのように生えている。

その一方で、あたしの面影を残しているのはもはや長い髪と顔つきだけになっていた。

「ふぅ〜、体が熱い…

 熱いよ…

 い、

 いつまで我慢すればいいの?…」

あたしは自分の体を作り変えられる熱さに意識を朦朧とさせながら

川辺で寝転がっていた。

ブラやブラウスはすっかり体のサイズに合わなくなり、

あたしの姿はもはや全裸と言ってもいい状態になっていた。

ビクンッ

「ヴっ!」

再びあたしを男性の性欲が襲う。

脳裏に浮かび上がる一日前までのあたしのアソコ。

それを思い浮かべるとあたしは、

あたしは…

その中にオチンチンを突っ込みたい。

思いっきり精液を吐き出させたい。

と衝動的に思うようになっていた。

シュッ

シュッ

そして、自然と手がペニスを握り締めると激しく上下に扱き出した。

「はぁっはぁっ」

股間に集中する快感とその肉欲にあたしは恍惚としながら酔っていた。

間もなくあたしは男性の性感の極みに達すると

「ふんっ!」

ブシュ

シュシュ

と白濁した粘液を吐き出していた。

それと共に全身に鳥肌の立つような快感が走り

それが引いていく余韻をあたしは楽しんでいた。

昨日ウまであんなに恐ろしかった。

男の性欲にあたしは飲み込まれているようだった。




「はぁはぁはぁ…」

あたしが荒い息をついていると

突然あたしの側で聞きなれた声がした。

「ふふふ…

 すっかり俺に近づいてきたじゃないか?」

その声は…

間違いなくあたしの声!?

それにはっとしてようやく我を取り戻したあたしは

自分の横にあたしの格好をした女が立っているのに気が付いた。

「あ、あたし?」

あたしの喉元からすっかり声変わりして低くなった青年の声がもれ出る。

「ようし、

 そこまで交換が進んだなら、これをくれてやろう」

あたしの格好をした女は近づいてくると

腰と腕と首に巻きつけてあった飾り紐をとった。

彼女をじろじろよく見ると

色白くなったものの、顔つきはまだディンガ族のモノを残していた。

顔についてだけ言うと、決してまだあたしになりきってはいないようだ。

「返して、

 お願いよ。

 あたしの体を返して…」

あたしは、漆黒色の腕を伸ばしながらあたしの格好した元青年に訴える。

「ふん!

 お前も往生際が悪いな。

 もしすぐお前は頭の中も俺になっていくんだよ。

 そもそも

 こんなに勇者になって楽しんでいる癖して

 返せとはなんだ?

 今も勇者の証を立てることに喜びを感じていたのだろう?」

「そんな…」

あたしはついさっき吐き出した男の精の名残をオチンチンに見ながら

理性を取り戻していた。

そう…

あたしは、すっかり飲み込まれつつあるのだ。

こんなこといやなのに、

心では拒んでいたはずなのに男であることを喜び始めているのだ。

「いや…

 そんなのいや…」

「ふん

 証を立ててしまっている以上、

 お前はもう元には戻れないのだぞ。

 何をいまさら」

「だって、

 あんたが無理やりしたんじゃない?

 あたしは交換することなんか望まなかったし

 男になんかなりたくなかった。

 それなのに、あんたが勝手に説明もしないで象徴を奪い取ったのよ」

「ふふ

 そういうな。

 俺は、この村の勇者の中じゃ、一番下だ。

 狩りも下手だし、

 女にもモテない。

 だが、呪術だけは詳しかった。

 だから、こんなとこから抜け出して街に出てみたかったのさ。

 知識さえあれば、街なら裕福に暮らせるというからな」

「そのために、

 あなたは勇者を捨てたの?

 よく女なんかになれたわね?」

あたしは勇者のプライドを捨てた青年が理解できなかった。

「ふん

 お前も頭の中がディンガになってきてるようだな。

 まあ、いい。

 お前には、俺の生い立ちと俺の勇者としてのプライドだけくれてやる。

 そうして、勇者に目覚め生きるがいい」

そういうとあたしになりかけている元青年は、

あたしの体に彼がつけていた飾り紐をつけ始めた。

「な、

 何をするのよ?」

「ふふ、

 もうすぐお前は目覚める。

 勇者として

 ンガリとして」

元青年はあたしの顔でいやらしく笑った。

「や、やめてよ」

そういう間もなくあたしは、

首、腕、腰に

飾り紐をつけられてしまった。

「あ、ああっ!」

「どうだ、これですっかり俺の姿になったな。

 あと、お前の心と顔だけだ。

 お前の顔が俺のモノになるときこそ

 真の交換完了だ」

元青年はそういうと

ギュッ

と昨日と同じようにあたしのペニスを握り締めた。

「あんっ」

「お前は目覚めるのだ、勇者に。

 そして、勇者のプライドをもったお前は

 二度と昔のお前に戻りたいとは思わなくなるだろう」

「そんな…

 まさか、そのためあなたの勇者のプライドを?」

「そうだ。

 お前には都合のいいところだけくれてやる。

 そして、お前には俺が理想にしていた勇者になってもらう」

「い、いやよ。

 あたしは女の子なのよっ」

「ふん、

 勇者の象徴を生やしておいて何を言う」

そういうと元青年は、

シュシュッ

シュシュッ

とあたしのペニスを激しく扱き出した。

「や、やめてっ

 あたし、

 はぁっ

 こんなのいやっ

 はぁはぁっ」

あたしは息を荒くしながら必死に抵抗した。

だが、

男の性欲は女とは違い一気に駆け上ってしまう。

オチンチンの根元がジクジクして射精が近いことをあたしは悟った。

「駄目〜っ!!!」

あたしは必死に腰を入れた。

しかし、

ビクン!

あたしのペニスは、欲望に我慢できず

ブルン

と全体を振るわせると


ジュッジュッ

ジュッ


と濃い精液を吐き出していく。

そして、

あたしは頭が真っ白になっていくのが分かった。

意識が遠ざかり何もかもがリセットされていくようなその感じ…




あたしは、

その空虚の中に

何が流れ込んでくるのを感じていた。





「…あたしは…

 いや…俺は…

 そう、俺はディンガ族の勇者だ」



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。