風祭文庫・モランの館






「来訪者」


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-004





「やっほー

 雅君、今度は何が届いたの?」

と言いながら、私の彼女でもある沙耶は

ヒョコッ

と研究室に顔を出すと私に話しかけてきた。

「ん?あぁ、そこに置いてあるよ…」

一緒に送られてきた資料を読みながら私は箱を指さすと、

「これ?」

そう言って彼女はいつものように興味深げに箱を一瞥する。

高柳沙耶…彼女とはサークルで知り合い、

なんとか”彼氏彼女の関係”にまで漕ぎ着けたのだが、

しかしそれは、私がアフリカの言語であるスワヒリ語圏の文化研究をやっていて、

好奇心旺盛な彼女が私の研究に非常に興味を持ってくれたおかげとも言える。


それ以降、彼女は度々こうして僕の研究室にやって来ると、

どこその大学からたらい回しにされてきた箱を見に来るのであった。

「ねぇ…今度は何なの?」

沙耶は興味深そうに箱を見ると、

「なんか、他の大学が取り寄せたらしいんだけど、

 どういう訳かうちに回してきたんだ」

と私は箱の事情を説明した。

「ふうん…

 ねぇ…開けていい?」

そう言いながら沙耶は箱に手を掛け聞いてきた。

「別に構わないけど…」

私がそう言ったとたん沙耶はうれしそうに箱の上蓋を外した。

「?」

僕も椅子に座りながら箱を覗き込んでみると、

紙に包まれた人形のようなものが中に置いてあった。

「人形?」

沙耶は早速包みを取り出すとガサゴソと紙をはがしていく。

そして、中から現れたのは高さ20cmほど、

体全体に幾何学的な模様が塗られた一体の偶像だった。

身体つきや、股間あたりに突き出た突起から察すると、

どうやら男性をかたどったモノらしいが

もしかすると神様か何かの像なのかもしれない。

「うわ〜、すごーい。まるで生きてるみたい!!」

偶像の姿に彼女は感動したらしく、

目を輝かせながら紙の中から出てきた偶像に手を伸ばした。

「おいっ、爆発しても知らないぞ!!」

ふざけ半分で私は沙耶にそう言うと、

「あのねぇ…」

そう言いながら呆れた表情で私を見たとき…

パァッ…!!

突然偶像が強烈な光を放ちだした。

そして次の瞬間、

ピカッ

まるで爆弾が爆発したのではないかと思えるほどの閃光が一気に部屋を包み込んだ。

パァァァァァァァァ!!

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!!!」

私と沙耶は悲鳴をあげながら、

その膨らんでくる光の中へと飲み込まれていった。


……………

どれくらいの時間がたったのだろう。

「ん?」

ふと気が付いてみると、私は横たわっていた。

ふわっ

土の臭いが香ってくる。

「土?」

ジャリ!!

指を動かしてみると、確かに土の感触が伝わってきた。

「あれ…裏庭にでも吹き飛ばれてたのかな?」

ザワザワ…

と言う人の声が聞こえてきたので、

”とんでもないことをしてしまった。”

と言う気持ちで私は瞼を開けると、

私は槍を持ち、

背は高く、しかし身につけているモノは腰の飾り紐のみの姿、

と言った屈強な男たちに取り込まれていていた。

『…………!!』

『…………!』

男達は目を開けた私を見て騒ぎ始める。

「なっ、なんだ!?」

私は慌てて起き上ると、

「ここは…何処だ?」

呆気にとられながら周りを見回した。

やはり見慣れた大学の景色ではなく見渡す限りの大平原。

そうまさにサバンナの風景だった。

「もしかして、ここ…アフリカ?」

私は直感的に感じ取ると、

「雅く〜ん!!」

沙耶の声が私の耳に聞こえてきた。

「沙耶!!」

声がしてきた方に視線を動かすと、

私から少し離れたところに沙耶の姿があり、

彼女もまた同じように男たちによって取り囲まれていた。

しかも、沙耶を取り囲んでいる男達の人数が私の所の人数よりずっと多い、

そして、

よくよく彼らの様子を見てみると、

『…………!』

『…………!!』

『…………!』

どうやら沙耶の握っている人形を指差して騒いでいるようだった。

「ここはなんとかしてやらねば…」

そう思いながらも私は少し慌てていた。

果たしてここの部族と話せるかどうか分からなかったが、

取りあえずナントカ話せるスワヒリ語で私は近くの男に話し掛けてみた。

「ジャ…ジャンボ」

私が発した言葉を聞いて目の前の男は驚いたのか、

スグに後ろに待機している男たちに何か呼びかけた。

すると、一人の男がニュッと出てくると私の方へと駆け寄ってきた。

そして、幸いなことに、

『あなたはスワヒリ語が話せるのですか?』

と彼は私にスワヒリ語で尋ねてきた。

『ああ、そうだ。ここでスワヒリ語が話せるのは君だけか?』

と彼に尋ねると、

『いえ、他に数人いることはいますが、

 ここのところ他の部族と交易をしていないので、

 話せる人間はほとんどいません。

 我々は、遊牧を生活の糧としているので、
 
 他の部族とまず交易したりしないのです』

と私の質問に答えた。

『そうですか…では最近では他の部族とは?』

『残念ながら、もう長い間会うことはあっていません。

 ところで、あなた方は一体?』

彼は首を傾げながら私に聞き返してくると、

『いや…実は…なんて言ったらいいのか…』

私は思わずその答えに困窮してしまった。

”どうやって彼に事情を説明したモノか…”

っとしばらく思案したが、結局

『私たちはさっきまで東京に居たのだが、

 あの人形のせいでこんなところに飛ばされてしまったらしいんだ』

と説明すると、

『人形?』

彼はその言葉に何か引っ掛かった様な表情をした。

それを見た私は、

『ああ、ほら…あそこに居る私の連れが持っている…』

そう言って沙耶を指さし、

彼の目に沙耶の握っている人形が入ったとたん。

彼の態度が突然変わった。

『あっ、あな…おまえ、一体あれをどこで手に入れたんだ?』

その口調からどうやら彼は怒っているようだった。

そして、彼が後ろを振り向いて何かを叫ぶと、

やがれ族長らしき人物が現れた。

周りを取り囲んでいる男たちの目も険しくなる。

『…………』

族長が何か指示を男達に出すと、

私と沙耶はたちまちのうちに彼らによって縛り上げられてしまった。

「はっ、はなせぇ!!」

私は必死に抗議してみたが、しかし全く駄目だった。

そして、

私と沙耶は彼らの村へと連れて行かれると別々の小屋に監禁されてしまった。



夕方、日が暮れ薄暗くなりだした小屋の中で私が困り果てていると、

先ほどの青年が姿を現し、

『さきほどは失礼しました』

と言って頭を下げた。

「…?」

私は彼の行動を不思議に思っていると、

『実はあなた方が持っておられたあの人形なのですが、

 あれは元来我々の部族を守る精霊の像で、

 しばらく前に盗まれてしまったものなのです。

 それで、我々はあなた方をその盗人と勘違いしてしまったのです。

 どうぞお許しください』

と謝った。

『確かに私たちはその盗人ではないが、どうして分かったのか?』

と彼に聞くと、

『実は昨夜我々の呪術者の元に精霊からのお告げがあったのです。

 それによると、
 
 明日、わたし(精霊)はココに戻ってくる。
 
 そのときに連れてきた来訪者を歓迎せよとのことで…』

と彼が言ったところで、

『ちょっと待ってくれ』

私は思わず話を遮った。

「もしかして…

 私と沙耶はその精霊によって意図的にココに連れられたというのか?」

私は思わず考え込んだ。

『で、私たちはどうなるのか?』

と彼に尋ねると、

「我々の家族同様にもてなす。」

と言う好意的な返事が返ってきた。

「これで、私も沙耶も危害を加えられずに済むだろう…」

私はホッと胸をなで下ろした。

…

日が暮れ、村の中央に火が焚かれると、

私たちを歓迎する宴が始まった。

こうして、村の人々を改めて眺めると圧倒的に女性が多かった。

それにみんなよく顔が似ている。

服装はたいしたものはなく首飾りや腰巻程度のものだった。

だから女性も男性も、ほとんど全身があらわな状態だった。

写真でこそ、色々と見ていたはすだったが、

いざこうして見ているとこっちが恥ずかしくなってきた。

「ねぇねぇ、

 雅君、みんなすごいね。」

興奮したように、沙耶が言う。

彼女も写真ではなく、

生でアフリカの部族を眺められるので落ち着いてられないのだろう。

彼ら独特のお酒を頂きながら、

私と沙耶は次第に酔っていった。

かなり酔いが回った頃、

数人の村の女性たちが私たちの所にやって来ると

『…………』

沙耶を連れて行こうとした。

彼女たちの話を聞いてみると、

そうやら女性たちだけで、女性同士の歓迎をしたいとのことだった。

「じゃあ、ちょっと行って来るね」

そういうと沙耶は楽しそうに私の元を離れていった。

私は元々酒に強い方ではなかったので、

早めに辞退すると寝るための小屋を用意してもらった。

私はその中で、沙耶の帰りまで待てずに先に寝てしまった。



次の早朝は、妙にきつい匂いで目がさめた。

なんだろうと思わず起き上がると、

小屋の建材の隙間から差し込む明かりのおかげで、

小屋の中にもぅ一人沙耶らしき人影を認めた。

「沙耶…帰ってたのか…」

だが、次の瞬間私は驚いた。

沙耶は反対側を向いて寝ているものの、

彼女の背中の丸見えで服の類は一切身につけていない裸体だった。

どうやら、ここの村人と同じ格好にさせられたのだろうか。

私は思わず恥ずかしくなって目をそむけようとしたが、

目を覚めさせた匂いが沙耶の方から漂ってくるのを感じると、

思わずハッとした。

まだ、太陽が上がっていないため、

はっきりと見えるわけではないが、

沙耶の体が少し日に焼けたように黒くなっているのだ。

その上、沙耶の体からは異常なほど汗が光っていて、

どうやらそれできつい体臭が出ているようだった。

私は心配になって思わず、沙耶に声をかけた。

「沙耶、沙耶、大丈夫か?」

「うぅぅ〜ん」

沙耶が反応する。

「おいっ、沙耶、起きろよっ」

と大声をあげると、沙耶が眠たそうに起き上がった。

「あれ…雅君…」

沙耶は寝ぼけた声を出したが、その声はなんか変だった。

いつもよりトーンが下がっているようだ。

「…沙耶、大丈夫なのか?声もちょっと変だぞ」

「ん…て…キャッ」

彼女はようやく自分の姿に気づいたらしく、

「こっち見ないでよ、雅君。

 あたしはここの人じゃないんだから」

と叫んだ。

「あっごめん!!」

私は再びそのことに気が付くと反射的に反対を向いた。

だが、沙耶は再び悲鳴を上げた。

「なっ、何よ、これ…キャァ〜っ」

「どっ、どうしたんだよ、沙耶?」

私が後ろを向きながら尋ねると、

「まっ、雅君…あたし、どうしよう…」

「どうしたんだよ?」

「あたしのアソコからへっ…変なものが…」

「変なものって?」

「みっ、見てよっ、雅君」

もう恥ずかしがっていられる状態ではなくなったのか、

沙耶は、私の肩を掴んで振り向かせると、

自分の股間を開き”それ”を私に見せた。

「なっ!?」

私は思わず唖然とした。

沙耶の女性としての象徴であるはずの割れ目から、

クリトリスにしては大き過ぎると突起物が顔を出していたのだ。

しかもそれは、小学生の男の子のペニスぐらいの大きさだった。

「これって、まさか…」

「まさかって、何なの?」

心配そうに沙耶が聞いてくる。

「男のペニス?」

「やっ、やっぱりそうなの〜」

沙耶は悲痛な顔をする。

「さっ、沙耶っ、おまえ、昨日何があったんだ?」

俺が慌てて尋ねると、

沙耶は唇に指を当てながら、

「昨日?」

と考え込んだ。

そして、急に顔を青ざめさせた。

「そういえば…

 もしかして、あのせい?」

「だから、何のせいなんだ?」

「……

 昨日、あの女の人たちに祭壇みたいなところに連れて行かれたら、

 そこで、服を脱ぐように言われたの。

 女同士だったし、まぁいいかと思って脱いだんだけど、

 服を脱いだら、彼女たちに飾り紐とか付けられて、

 彼女たちと同じ格好にしてくれるのかな

 って思ったんだけど…
 
 なんか違うの。

 なんか分かんないんだけど、
 
 あたし点ここの男の人たちがしてるような格好にさせられたのよ、

 そんな、
 
 あたし…どうみたって女の子なのに、
 
 どうしてこんな格好にさせられたのか分かんなかったわ。

 そしたら、あの酋長みたいな人が出てきて、

 あたしに祭壇みたいなところに来るように言ったの、

 それからなんか待ち構えていたみたいに変な人たちも出てきて困ったけど、

 逆らうのも怖かったから祭壇に寝転がったの。

 そしたら、その変な人たちがあたしを取り囲んで、

 呪文みたいのを唱えだして…

 だんだん体が熱くなってきたのを感じて…

 そこからの意識がないの」

それを聞いた私は改めて沙耶の格好を眺めてみると、

確かに彼女の姿はココの女性の格好ではなく、

明らかに男性がしていた格好と同じ物だった。

「じゃあ、まさかやつらが沙耶を…」

私がそう思ったとき、例の青年が小屋に入ってきた。

『おい、おまえっ!!

 沙耶に何をした?』

私が怒鳴ると、青年は冷静に沙耶を見つめると、

『どうやらうまくいっているようだ』

と呟いた。

『うまく…ってどういうことだ?』

私が尋ねると、

『もうすぐわかりますよ』

と彼は私を一瞬見てそう答えた。

「な!?」

私がその意味が分からずにいると、

太陽が地平線から顔を出したらしく、

小屋の中にも、日の光が差し込んだ。

そのとたん、

「うぐっ」

沙耶の様子に異変が生じた。

スゥーッ

と差し込んだ光線は沙耶の股間を照らすと、

するとまるで日の光を浴びて芽を出した植物の芽が成長をはじめるかのように、

沙耶の股間に出ていた突起物がピクピクと蠢き始めた。

「うっ、うわ〜ぁっ」

たまらず沙耶は声をあげる。

そして、その突起物は太陽の方をめがけてムニムニと伸び始めた。

「さっ、沙耶っ」

「たっ、助けて、雅君…」

沙耶は慌てて、自分の股間に顔を出している突起物を

両手で押さえ込むと助けを求めた。

だが、

「あっ、あんっ」

という喘ぎ声とともに突起物は沙耶の手を押しのけると、

力強く伸びていく。

「だめ〜っ」

沙耶は歯を食いしばりながら、

その感覚に耐えているようだった。

程なくして突起物の先端が次第に膨れ始めると、

まるでキノコのような形になり始め、

長さも20センチをはるかに超えるようになっていった。

「くぅ〜っ」

沙耶は感じ始めているのか、

顔を真っ赤にして上を見上げている。

そして、ついに、

プチャ!

という音とともに、先端の膨らみの皮が裂け始め皮がめくりあがり始めると、

ソレはもう男性のペニスと見まごうばかりの姿に生まれ変わった。

だが、皮がめくれ上ってもなおもピクッピクッとソレは膨張し続ける。

「んんん…だめ…」

沙耶もとうとう本能的な要求に勝てなくなったのか、

身体を震わせながら生まれたてのペニスに両手を近づけていく。

「沙耶っ、やめるんだっ!!」

その様子を見た私は叫んだが、

「だっダメ…我慢できないの!!」

沙耶は血走った目でそう答えると、

ついに自分の股間に生えたペニスを握ると、

扱き始めた。

「あっ、あんっ、ああんっ…」

沙耶の細い指が沙耶の体につりあわないペニスに絡み付き、

ぎこちなく上下に摩っている。

それでも、初めてペニスを感じる沙耶には十分すぎるらしく

盛んに喘ぎ声を上げていた。



初めてのせいか、沙耶はすぐに我慢できなくなったらしく、

「だめっ、イク…イクーッ」

そう叫び声を上げると、

沙耶の体が痙攣を起こしたかのように、

ビクッと波打つと

「うお〜っ」

という呻き声とともに、

シュシュシュッ…

生まれたばかり沙耶のペニスの先から液体が噴き出した。

「そっ、そんな…」

私は呆然としてその光景を眺めていた。


はぁはぁはぁ…

沙耶は何が起きたのか掴めていないのか、

呆然として自分の股間を眺めている。

彼女の股間には緊張が解け、

だらしなく垂れ下がったペニスから透明な液体が糸を引いていた。

ハッ

私は我に帰ると、

『おいっ、貴様、沙耶に一体何をしたんだ』

近くにいた青年に食って掛かった。

だが、

『何って、見ての通りだ。

 それにまだ、これは始まったばかりだ』

と彼は言う、

『始まったばかりって…』

私は沙耶の方を振りかえってみると

「だめ…やめて…」

と自分の股間を見つめながら、

嗚咽している沙耶が目に入った。

「沙耶…」

私が急いで沙耶の元に駆け付けると、

「雅君…あたし…あたし、どうなっちゃうの?」

と涙ながら聞いてきた。

「!!」

私は沙耶の開いた股間を見て唖然とした。

なぜなら、沙耶の股間の割れ目はぴったりと閉じ、

プクッ

元あった割れ目の両側に膨らみかけているものがあった。

「これは…」

私がそれの様子を眺めていると、

その膨らみは徐々に成長し、

程なくして男性の陰嚢であることがはっかり分かるようになると、

再びピクピクと沙耶のペニスが勃起し始めた。

「だっ、だめっ!!」

沙耶は慌てて自分のペニスを上から押さえたが、

返ってそれが刺激になったらしく、

「ぐぅっ」

と言う声を上げると、何かを耐える顔つきになった。

「沙耶っ」

「どうしよう、雅君。あたし、このままじゃ…

 はぁ…

 くぅっ!

 雅君、あたし…

 はぁはぁ…

 だめっ、我慢できないよぉ」

沙耶は必死になって私に訴えたが

しかし我慢の限界にきたのか沙耶は再びペニスを握った。

シュコシュコシュッ

沙耶は次第に慣れた手つきでペニスを扱き上げていく。

私はただそれを眺めていることしかできなかった。

ブシュッ!!

沙耶のペニスから噴き出す液は噴き出す度に次第に白く濁り始め、

小屋の中に栗の華のような精液の匂いが充満していった。

さらに、沙耶が射精する度に彼女の体の筋肉が盛り上がっていく。

シュッシュッシュッ…

「うっ」

ブシュッ!!

ギシギシギシ…

沙耶がペニスを扱く音と、

液体を吹き上げる音、

そして筋肉の発達する音が順番に響いていた。



何度も射精していくウチに沙耶の体は

小振りな乳房はすっかり立派な胸板に吸収され、

すっきりしていた腹にも逞しい腹筋が顔を出し、

ヒップも小さくなるとへこみまで出来、

腕や足も伸びると

筋骨逞しい裸族の男性へと変身していった。



ブシュシュシュッ

一体、何度精液を放出したのだろうか、

うつろな目をした沙耶は延々とペニスを扱きつづけ、

次第にその表情には喜びとも取れるようなものは表れてきていた。

「あああん!」

すっかり白濁した精液がまた沙耶のペニスから迸る。

「くぅ〜…」

とうとう体力を使い果たしたのか、

沙耶はようやく果てるとガクンと俯いた。

「沙耶…」

私が近寄ろうとすると、青年にグイッと引き止められた。

『何するんだ!』

『ふふふっ、とうとう男になったようだな』

背後から族長の声がした。

『これは一体どういうことなんだ』

と私は族長に問い詰めると、

族長は沙耶に語りかけているのか、私に語り掛けているのか、

よく分からない口調で説明し始めた。


その話は

……この部族は他の部族との交わりが少なく、

 そのために血が濃くなりやすいこと。

 故に旅人などをよそ者を部族に迎え入れ、

 血を薄くする習慣があるというものだった。


 さらに、
 
 ここしばらく他の部族との関わりが持てず、

 既に血が濃くなりすぎた上、

 戦いで男性の数が足りなくなったので、
 
 呪術者が部族の精霊にお告げを請うと、

 近いうちに現れる精霊の像を持った男を我が部族に受け入れるべし

 とのお告げが下ったとのことだった。


『じゃあ、沙耶が精霊の像を持っていたから、男にしたと言うのか?』

と尋ねると、族長は首を横に振り、

『男にしたのではない、この者は男になる運命だったのだ』

と私に言った。

その答えに私は愕然とした。

もし私が人形を握っていれば、沙耶は男にならずにすんだのだ。

『そんな…

 私は男なのに、なぜ沙耶が男にならなきゃいけないんだ?』

と尋ねると、

『精霊はお前を選ばずに、あの者を選んだ』

それだけ言うと、族長たちは引き上げていった。

「くそっ」

私は思わず舌打ちした。

「んん…」

魘されているのか沙耶が声を上げると、

私は彼女の傍にに近づくいて、じっくりとその身体を眺めた。

すっかり沙耶の身に付けられた装飾に見合う肉体になってしまっていた沙耶だが…

幸いにも、沙耶の顔はほとんど変わっておらず、少しホッとした。

だが、首から下は、裸族の男という状態はいかにも不自然な感じもあった。


日が傾き、空が夕焼けに染まり始める頃、

村が騒がしくなってきた。

私は、眠りこけている沙耶の側にずっと付いてやっていたのだが、

何時の間にか一緒に寝てしまっていたらしい。

その騒々しさに目を覚ますと、

まだ沙耶は眠り込んでいた。

ホッとして沙耶の寝顔を見入る。

だが、沙耶の首から下はやはり男性化したままだった。

ガサッ

突然、小屋の中に、男達が入ってきた。

『なっ!今度は沙耶に何をするつもりだ?』

私は必死に沙耶を守ろうとしたが、

私はすぐに押さえつけられ、

沙耶も寝込んだまま男達によって外へ連れて行かれてしまった。



すっかり、日も沈み、村で宴が始まった頃、

私は縛られたまま、村の中心の広場に座らされていた。

村人は飲み食いを始めていたが、

突然皆が騒ぎ始めた。

「?」

すると、村の中心で焚かれていた炎の前に数人の少女が現れた。

全身に脂を塗っているのか炎の明かりを受け

ヌラヌラと妖美な姿を見せつける。

騒ぎ声が一層大きくなる。

そして、反対側からふらついた一人の男性がやってきた。

よく見ると、その男は沙耶だった。

「沙耶っ!!」

私は大声で叫んだが、沙耶には一向に聞こえていないようだ。

沙耶は真っ直ぐに彼女の達の前に来ると、

その場に座りあぐらをかいた。

すると、一斉に太鼓が叩かれると、

少女達は次々と自分のセックスアピールするような

踊りを沙耶に見せ付けるように始めた。

いやそれは、私をも魅了するような踊りだった。

どれくらい踊ったろうか…

すっかり見入ってしまった頃、

少女達は踊りを止めると沙耶にお尻を向けるとグイと突き出した。

その姿を見た私は気がついたように沙耶に視線を戻すと、

沙耶は興奮しているようで、

獲物を求める野獣のような目つきになっていた。

「はぁはぁはぁ…」

沙耶の吐息がここまで響いて来る。

「さっ、沙耶っ、やめるんだ!!」

私は慌てて叫んだが、全く反応がない。

ふと見ると、あぐらをかいている沙耶の股間から

沙耶の逞しいペニスがニュッとせり出し、

シュッシュッ!!

っと盛んに手を動かしていた。

少女達はお尻を振りながら

『…………』

口々に沙耶に妖美な声を掛けた。

すると沙耶はユックリと立ち上がり、

一人の少女に近づいていく、

「沙耶!!っ、ダメだ!!、正気になれ」

わたしは思いっきり叫んだが、

彼女…いや彼は少女の尻の前に腰を落とすと、

固く棒のようになったペニスを少女の体内に挿入した。

「くっ」

『あん!!』

沙耶と少女の声が響き渡る。

しばらくの間挿入の感触を味わっていた沙耶は腰を動かし始めた。

ヌプ…ヌプ…ヌプ

二人の間から淫らな音が響き渡る。

「沙耶…」

わたしはただ二人の行為を眺めていた。

やがて沙耶は激しく腰を動かすと、

「あっあっあぁーーーっ!!」

そう叫びながら少女の中に精液を流し込んだ。

しかし…それで終わりではなかった。

ペニスを少女から抜くと、

隣で尻を上げていた少女の中へと挿入した。

そしてまた激しく腰を動かしたあと

また次の少女の体内に挿入する。

『ほぅ…今度の勇者は素晴らしい…』

族長は次々と少女達を犯していく沙耶の姿を眺めて満悦な顔になる。

そしてわたしの顔を見ると、

『お前はどうする?…

 あの勇者の子供を産むか?』
 
と聞いてきた。

『沙耶の子を産む?…と言うことはわたしに女になれと言うのか』

と逆にわたしは族長に尋ねた。

『そうだ、その姿のままこの村に何時までも居らせるわけにも行かない

 このまま村を去るか、
 
 それとも勇者の子を産むか。
 
 お前が決めなさい』
 
とわたしに決断を求めてきた。

「そんな…女になれって…」

一瞬わたしの脳裏にあの少女達を同じように、

乳房を揺らし沙耶の精液をよろこんで受け入れている自分の姿を思い浮かべた。

「だめだ…そんなこと…」

わたしは首を振ったが、

腰を動かしている沙耶の姿を見ているうちに、

『…わかった、わたしを女にしてくれ』

と口を開いた。



夜も更けた頃…

最後の少女を食い尽くした沙耶は

なおもいきり立つぺニスを諫めるために扱いていると、

ザ…

大きく膨らんだ乳房を揺らせながら裸族の女が沙耶に迫った。

『…沙耶…』

女は彼に声を掛けると、

『誰…』

男はそう言いながら振り向いた。

『来て…』

女はその場に寝ころぶと、股を開き男を招いた。

男は女の上に覆い被さるとその乳房に吸い付いた。

「あぁん!!」

女は喘ぎ声を上げると、

彼のペニスを自分の股間へと誘導する。

ヌプッ

男の熱くて太いペニスが彼女の体内に入っていく。

「くぅぅぅぅぅっ」

女は襲ってくる激痛に耐えながら男のペニスを締め上げた。

「うおぉぉっ」

男が腰を動かし始めると程なくして最後の精液を女の中に放出して果てた。

はぁはぁはぁ…

女はぎゅっと男を抱きしめると。

「コレで良かったんだよなっ沙耶…」

と囁いた。



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。
なお、投稿された話が未完の状態でしたのでわたしの判断でまとめました。