風祭文庫・モラン変身の館






「モランの弟」


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-050





『さぁ、これを咥えるんだ』

漆黒の肌を輝かせながらマサイ族の少年は真帆の前に立つと、

そう言いながら体に巻いている朱染めの衣・シュカのすそをたくし上げ、

ビンっ

と勃起したペニスを真帆の口元に突きつけた。

「いや…やめて、そんなのイヤっ」

呪文のような不思議な文様が描かれているペニスを目の前に突きつけられた真帆は

それを避けるかのように必死に首を振るが、

しかし、

「いや…

 でっでも……」

嫌がりながらも次第に口を少年のペニスへと近づいていくと、

ついに震える手でそのペニスを掴み、

そして、口を大きく開け、

「あ…うぶっ」

少年のペニスをひと飲みするかのように咥えてしまった。

「真帆!!

 止めるんだ!!」

ジュブジュブ

マサイの少年の股間に首を突っ込み首を振る真帆に俺は叫ぶが、

しかし俺には真帆のその行為を止めさせることは出来なかった。

『そうだ…

 それでいい』

まるで大人のような落ち着いた声で少年はそう真帆にそう告げると、

スッ

黒い手が真帆の頬に当てられその横顔をなでた。



「これがその例のマサイの人形か?」

学校帰り、

真帆の部屋に立ち寄った俺は棚に置かれた木彫りのマサイ人形を物珍しげに眺めていた。

「うん、まぁね」

シュルリ…

セーラー服のタイを外しながら真帆は俺の質問にそう返事をすると、

「おいおい、もぅ脱いでいるのか?」

俺はセーラー服を脱ぎはじめた真帆に向かって呆れた顔でそう言う。

「別にいいじゃいっ

 どうせスルんでしょう?」

俺の言葉に真帆は俺をチラと見ていやらしい笑みを浮かべると、

「まったく…

 この人形のことで相談があるんじゃないのかよ」

俺は指先でマサイ人形を弾くと、

真帆に釣られるようにして俺は上着を脱ぎはじめた。

「で、本当なのか?

 このマサイ人形が夜中にブツブツものを言うって?」

先に下着姿になった俺が

真帆の背後から彼女の身体を抱きしめてそう訊ねると、

「本当よ…」

真帆は一言そう答えると俺に身体を預けた。

「ふむ…」

ブラを取った真帆の乳房を弄びながら俺は棚に置かれているマサイ人形を見つめ、

「まぁ確かに形は変わっているけど…

 でも、ただの人形だよなぁ…」

と呟いた。



俺の名は加藤祐二、高校2年生の17才。

で、俺がいま抱いている女は須賀真帆(17)と言って、

俗に言うガキの頃からの腐れ縁と言うやつだ。

真帆の両親は仕事の都合で昨年、真帆をココに残してアフリカに赴任し、

結果、真帆は一人でこの家に住むことになったのだが、

ところが、昨日、

その真帆の元に一体の木彫りのマサイ人形が送り届けられた。

それを受け取った真帆はアフリカの両親から送られたもの。と思ったが、

しかし、送り主の名前は無く、

また、電話で両親に確認をとってもそのようなものは送っていないと言う返事だった。

それどころか、深夜、その人形から人の話し声らしきものが聞こえて来たので、

それに気づいた真帆が翌日俺に相談を持ちかけてきた。と言う訳だ。



「しっかし、

 昼間お前の口から”怖い”と言う単語に思いっきり違和感を感じたな」

ベッドの上で真帆と抱き合う俺は思わずそう呟くと、

「(あっ)なによ、悪い?」

喘ぎ声を上げながら真帆が言い返してきた。

「大体、マサイの人形ごときで怖がるんだよ

 第一、お前空手2段だろう?」

「あのねっ

 それとこれはまったく別物よ」

「はいはい

 でも木彫りの人形が話し掛けて来るだなんて、

 普通の人が聞いたら何というか」

あきれたような口調で俺がそう言うと、

トン!

俺の首筋に真帆の手刀がかすかな風を伴って軽く当てられた。

「いっ」

それを横目にしながら俺が顔を青くすると、

「終わったらちゃんと調べてよね」

真帆はそう言うと片目を瞑って見せた。



「あんあんあん」

「くっ」

真帆に脅されて一度は萎えかけた俺のペニスだったが、

しかし、スグに復活をすると真帆を突き上げていた。

「くぅぅ…締まる…」

日頃空手で鍛えているだけに真帆の締まりは群を抜き、

その吸い付きと締まりのよさに大抵の男は参ってしまうだろう、

「うぉぉぉっ(負けるかっ)!!」

快感に酔いしれてしまいそうになりながらも、

俺は腰を振っていると、

パキーン!!

突如、部屋の中に気が裂ける様な音が響いた。

「(あんっ)なに?いまの音?」

「さぁ?」

響き渡った音に俺は腰をとめると、

起き上がった真帆と共に部屋の中を見回した。

すると、

パキーン!!

再び音が響き渡った。

「!!

 こっ祐二っ、あっあれ!!」

何かに気づいた真帆がそう言いながら指を指し示すと、

「え?」

真帆が指差した先にあったあのマサイの人形から煙のようなものが噴出し、

見る見る人の形へと変化しはじめた。

「なっなんだぁ?」

その様子に俺は唖然としていると、

人の姿になった煙の中から、

フッ

朱染めのシュカを身にまとい、

黒い肌に結い上げた赤茶色の髪、

そして、ビーズで出来た紐を肩から垂らした

そうアフリカのマサイ族の男が現れた。

「なっなんだぁ?」

「そんな…人が出てきた」

俺と真帆は目の前に姿を見せたマサイ族の男に思わず腰を抜かしていると、

スッ

マサイ族の男はゆっくりと右手を上げ、

『・・・・』

と何かを呟いた。

その途端。

ドンっ!!

俺の体が吹き飛ばされると、

ビシッ!!

っと壁に張り付くようにはり付けられてしまった。

「なっなんだ!!」

まるで壁に縛り付けられたかのように自由を奪われた俺が叫び声をあげると、

「祐二!!」

そんな俺に向かって真帆が声を上げる。

すると、

『おいっ』

マサイ族の男は真帆に声をかけた。

「なによっ

 祐二を自由にしなさいよ」

クッ

全裸のまま真帆は空手の構えをしながらマサイ族の男に怒鳴ると、

『ふふ…』

マサイ族の男は小さく笑い、

『君がツツの入れ物になってくれるんだね』

と囁いた。

「何だコイツ?」

変声期を過ぎたばかりのようなマサイ族の男の声に俺はシゲシゲと見ると、

年上と思っていたマサイ族の男は俺たちとあまり変わらないような少年の表情をしていた。

「なんだ、コイツ…

 俺たちとあまり変わらないのか?」

マサイ族の男が少年と判った途端、俺はそう呟くと、

「こらぁ!!

 俺をさっさと自由にしろ!」

と怒鳴り声を上げるが、

しかし、

ジリっ

少年は俺に質問には答えずに真帆の方へと向かい、

そして、真帆の目の前に立つと、

トン

っと真帆の肩を軽く突いた。

すると、

「あっ」

ドサッ

真帆はアッサリとバランスを崩しその場に座り込んでしまった。

「そんな、

 あの真帆を崩すだなんて」

俺は真帆を座り込ませたマサイ族の少年の腕に思わず舌を巻いた。

すると、

『さぁ、これを咥えるんだ』

真帆の前に立ちはだかった少年は体に巻いている朱染めの衣のすそをたくし上げ、

その中より、

ビンっ

と勃起したペニスを真帆の口元に突きつけると、

「いやぁぁ!!」

ペニスを突きつけられた真帆の悲鳴が部屋中に響き渡った。



『さぁ、僕の精を飲めば、君もマサイの勇者になれるんだ』

少年はそう言いながら腰を激しく振ると、

「うぷっうぷっうぷっ」

真帆は泣きながら顔を動かし、そして少年のペニスを口で愛撫し続けていた。

「真帆…」

そして、その様子を壁に貼り付けられたままの俺はじっと見つめる。

すると、

ビクッ!!

一瞬、少年の身体が小さく動くとその表情が少し変わり、

スッ

っと真帆の顔に手を添えると、

『さあ、マサイの精を受け止めるんだ…

 うぉうぉうぉ〜っ!!』

そう叫びながら少年が小刻みに腰を振るわせはじめた。

その直後、

「ウブッ!?」

真帆の頬を一瞬膨らむと、

ゴクンゴクンゴクン

と彼女の喉が動いた。

そう、少年は真帆の口の中に射精をしたのだ。

プハァ

少年が吐き出した精液を真帆はすべて飲み干し終えると、

ゆっくりと少年のペニスを吐き出した。

真帆の唾液に濡れ、少年の漆黒のペニスはまるで爬虫類のごとく見える。

『ふふふふ

 どぅだった?

 マサイの精の味は…

 その精にはマサイの魂も込められているんだよ』

嬉しそうに少年は眞子にそう告げた途端、

「ああっ、何これ…

 股が…アソコが熱い…」

真帆はそういいつつ魘されだした。

『ふふっ、そう

 僕の精を飲んだ君は、マサイの勇者になるのさ。

 僕のようなね』

少年はそう続けると含みを持った笑みで俺の方を見る。

「貴様…」

俺はそんな少年を睨みつけると、

「真帆によくも!!」

と怒鳴ったが、

いくらもがいても俺は腕一本動かすことすたは叶わなかった。

すると、突如、

「あぁ

 いやっ

 なっ何かがあたしの中で…」

真帆が叫び声を上げると、

グン

っと腰を突きだした。

と同時に、

モリッ!

真帆の秘所が膨らみはじめると、

まるでキノコが成長していくかのように、

真帆の秘所から棒状のものが伸び始める。

『おぉ…

 話の通りイガリが出てきた』

真帆の股間から突きだした肉棒を見下ろしながら少年はそんな笑い声を上げると、

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

真帆の叫び声が響き渡る。

メリメリ

メリメリ

真帆の股間から生えた肉棒は長さと太さを増していくと、

ペニスのような姿へと変貌していった。

「いやぁぁぁ」

ペニス化していく肉棒の姿に真帆がおびえていると、

グッ

少年はいきなり真帆の肉棒を掴み、

『君も僕と同じになるんだ。

 さぁ、さっきの僕みたいに精を出してごらん』

少年が悪魔のような笑顔でそう告げると、

シュッ

シュッ

っと肉棒を扱き始めた。

すると、

「うっ…」

生えたばかりの肉棒を少年に扱かれた真帆は体が震えさせ始めると、

「何これ…

 なんか…あたし、変。

 興奮しちゃう…」

と呟いた。

「どうした?」

俺は突然様子がおかしくなった真帆に声をかけると

「ああっ、やめて…

 頭の中で声が…するの

 なんで、何なの、この声!?」

真帆は両手で耳を塞ぎながら頭を振る。

「おい…真帆」

呆然とする俺の前で

「はぁ…はぁ…」

真帆の呼吸が少しずつ荒くなっていくと

腕を下ろすなり、少年の手をどかすと股間に生えた肉棒を掴み、

そして、

シュッ

シュッ

と扱き始めた。

「真帆っ、何やってんだ?」

真帆の行為に俺が驚くと

「はぁはぁ…

 あたしにもよく分かんないよ。

 でも、なんか胸の中がムラムラしてきて…

 こ、こうしてないと落ち着かないのっ」

と振り向いた真帆は訴える表情で言った。

『ふふっ、気持ちいいかい?

 君のはもぅすぐモランのイガリになるんだよ。

 そうなれば君も僕と同じものを持つことになるんだよ』

オナニーをはじめた真帆に向かって少年はそう囁くと

「そ、そんな…

 あたしが…」

戸惑う真帆の手に自分の手を添え、

『さあ、僕が教えてあげるよ。

 マサイの勇者の素晴らしさをね。

 君もきっと満足してくれるはずだよ』

と言うと、

「や、やめて…

 あ、あたしのオチンチンが…」

真帆はそう叫び声を上げると顎を上げた。

そんな真帆の股間では

少年の手も添えられた真帆の肉棒が一気に捲りあがりカリが張り出していくと

ビクン

ビクン

少年の股間に生えているペニスとすっかり同形のペニスへと変貌していた。

「あ、うんっ…あぁ…」

充血し限界まで勃起したペニスの感覚を初めて味わっている真帆は頬を真っ赤にしている。

『気持ちいいのだろう?

 さあ君の中の精をそろそろ解き放とうよ。

 そうすれば君もマサイの一員になれるんだ』

「違うっ、あたしは女の子なのよ…

 そんなことできるわけが…」

『じゃあ、これはなんだい?

 君のイガリじゃないのか?

 君は僕と同じイガリを生やしているんだ。

 君は女なんかじゃないマサイの勇者になるんだ。

 さあ、精を出してきたくなったんじゃないか?

 さっき僕が感じた気分を君も味わうんだよ』

「そんな…」

少年の言葉に真帆は困惑するような表情で指差された自分のペニスを眺めた。

『ほら、自分の手で精を出すんだ』

少年が促すように重ねた手ごと真帆にオナニーを促すと、

真帆は自らの手でオナニーを再開する。

シュッ

シュッ

「はぁはぁはぁっ…」

真帆はまるで抵抗が薄れてきたようで、

何かに取り付かれたようにオナニーに夢中になっていった。

「そんな…真帆が男のオナニーをしてるんなんて…

 やめろ!!
 
 止めるんだ真帆!!」

俺はそう叫んだ途端、

ビシッ

突然、俺の体が自由になると

すかさず俺は飛び出し、そして、真帆を手を止めさせようとした。

だが、

「いやっ、離してっ!!」

真帆は止めに入った俺にそう叫にながら

ドン!!

と突き飛ばした。

「いてっ」

尻に痺れるように痛みを感じつつ

俺は真帆を見ると彼女は血走った目で盛んにペニスを扱き続けていた。

そのときの真帆のペニスは

もはや少年のペニスと見分けがつかないくらい漆黒で太く硬く股間に聳え立っており

どう見ても同じペニスが生えているようだった。

『気持ちいいだろう?

 それがさっき僕の感じていたものさ。

 君は僕と全く同じ快感を味わっているのさ。

 興奮してきたかい?』

オナニーを続ける真帆に少年がそう告げると、

「はぁ…あたしが男の子の快感を味わってるなんて…

 あたしのオチンチン…

 ラウのそっくりになっちゃった…」

オナニーしながら、真帆はそう言うと少年を見つめた。

「え?」

俺は真帆の口から出たその言葉に思わず驚く、

しかし、真帆は構わずに、

「あぁ

 あたし…

 マサイに…
 
 マサイになりたい…」

と続けると、

「そう…

 うん、よく言てくれた。
 
 僕はその言葉を待って居たんだよ、

 それじゃぁ、君をマサイにしてあげよう。

 さぁ僕と同じ快感を味わうんだ。

 君の精、僕が受け止めてあげるよ。

 君が精を出したとき、君は…マサイになれるよ』

少年はそう真帆に告げると、

真帆の股間に跪き、

ヌプッ

真帆の股間に生えた漆黒のペニスを咥えた。

「あはぁっ、あんあんっ」

ジュブジュブ…

少年にフェオラチされ真帆は激しく腰を動かし始める。

まるで真帆は男のように腰を動かしペニスの快感を貪っていた。

「ああっ、これが…

 さっきのラウの感覚なのぉ

 き、気持ちいい〜」

フェオラチの感覚に真帆はすっかりハマってしまったらしく、

必死になってペニスを少年の口に突き上げる。

『さぁっ、出すんだっ』

ペニスを含みながらそう告げる少年の声に

「ああっ、何かが…

 オチンチンに何かがこみあげてくるぅ〜。

 も、漏れちゃうっ!!」

目をギュッと瞑りながら耐えるようにして真帆はそう叫ぶと、

ビュクビュク

真帆のペニスは震え、激しく脈動をした。

そのとき、真帆は

「あぁぁぁぁぁ」

叫び声をあげながら少年の口の中に何か吐き出していた。

『ぷはぁっ』

さっきの真帆とは逆で今度は少年が真帆の出した白濁した液体を飲み込んでいた。

『とうとう、出してしまったね。

 気持ちよかっただろ?

 僕と同じイガリは?』

射精の終わった真帆に対して少年はそう声をかけると

真帆ははぁはぁと喘ぎながら頷いていた。

そして、

「ラウ…」

真帆はそう言いながら少年に抱きついた。

「んなっ」

そう、もはやかける言葉も失った俺の前で、

真帆はマサイの少年・ラウとセックスするかのようにべったりと抱きつき合う。

『フフ…

 思い出してきたようだね、ツツ』

「ああ、ラウの汗の匂いたまんないっ。

 なんか興奮しちゃうの…」

ラウの声に真帆はうつろな目で呟くとその肌を舐めた。

『もうすぐだよ。

 もうすぐ君も、僕と同じになるのさ』

「あたし…

 あたしがラウみたいになるの…

 ああっ」

ラウの言葉に真帆はそう返事をすると、

自分の股間に手をやり、硬く勃起している自らのペニスを握り締めた。

『そう…

 君は僕の双子の弟、ツツになるのさ』

「弟?」

その言葉に俺は驚き、

「おいっど、どういうことなんだっ?」

とその言葉の意味を尋ねると、

『フフ…僕の弟のツツは、二年前死んだんだ。

 でも、僕は忘れられなかった。

 自分の半身のようなツツを…

 だから、呪術師の元で学んだ。

 そして、僕のイガリに呪をかけ、
 
 その精を呪に合う人間に飲ませれば僕の半身が蘇るだろうといわれたのさ。

 そして、ようやく呪を染み込ませるのにぴったりの女にめぐり合えたんだよ』

ラウはそういうとニヤリと笑った。

「そんな…

 真帆がお前の弟になるというのか…」

『そうさ。

 彼女は、僕と同じ体になる。

 イガリも体も、何もかも…

 つまり僕の双子の弟になるということさ』

そう言いながらラウはそのまま真帆の胸に吸い付くと

チュチュバ

と音を立て始めた。

「あ、あはぁんっ」

真帆は漆黒のペニスを勃起させながらたまらなさそうに喘ぎ声を上げる。

「真帆っ、しっかりしろっ!

 何やってんだ」

俺は歯がゆい思いを抱きながら、そう叫ぶと、

「そ、そんなこといったって…

 なんか興奮してきちゃうんだもんっ」

真帆は顔を火照らせながら俺に言い、

そして、自分から求めるようにラウの背中に腕をまわした。

「おいっ、真帆っ」

「ああっ、あたしが溶けちゃいそうなのっ!!」

真帆は俺の質問には答えず悶えながらラウと口を合わせた。

そして、長いキスのあと唇とゆっくりと離すと、

「フフ…僕の匂いが懐かしいか?」

ラウは真帆の頬に手を添え尋ねる。

すると、

「ああ、ラウ…」

真帆はラウの質問にそう呟き、

そして、真帆は手を伸ばし少年の胸元に浮かんでいる汗を自分の手を拭うと、

自分の白い肌に汗を塗りたくりながら、

「あぁ…

 早く…
 
 早くあたしをラウのようにして…」

と囁いた。

『ふふ』

真帆の懇願にラウは笑みを浮かべると、

『さぁ…

 その身体をマサイにしてあげよう

 僕のイガリから出ている我慢汁を君のイガリに塗るんだ』

ラウはそう真帆に告げると、

真帆の手が勃起し我慢汁で溢れているラウのペニスに伸びると、

その我慢汁を手で掬い、

そして、自分のペニスに塗りたくり始めた。

『そうだ…

 さぁ、今度は僕が君にこの汗を塗って上げるよ』

ラウがそう言いながら自分の体に浮き出た汗を真帆の身体に塗っていく、

「あぁ…

 マサイの匂いがあたしに…」

ラウの汗を塗られていく真帆はそう呟くと再びラウに抱きついた。

『わかるかい?

 君はもぅ僕と同じ匂いなんだよ』

抱きついた真帆にラウはそう告げ、唇を重ねあわせると、

「あぁっ、こんなことって…

 あたしが変わっていっちゃう…」

真帆は少年の唾を飲み

少年の汗を自分の肌に塗りこみ、

そして、少年の我慢汁を自分のペニスに塗りたくっていた。

すると、

ビキビキ!!

突然真帆の体から異様な音が響き渡ると、

ジワッ

墨汁を垂らしたかのように真帆の白い肌にいくつもの黒い斑点が浮かび上がり、

まるで蚕食していくように黒い肌が広がり真帆の身体を覆っていく、

そして黒い肌に覆われたところから筋肉が盛り上がっていくと、

真帆のふくよかな乳房は盛り上がっていく胸板に飲み込まれ、

さらに、骨格が変わっていくと、

真帆の横顔から唇が盛り上がり、

そして頭の形も細長く変化していった。

そう、真帆の身体は徐々にだが確実にラウの体型に近づいていた。

「そんな…真帆…」

呆然とする俺の前で真帆の変身が終わったとき、

二人の漆黒の肌を持つマサイが俺の目の前に立っていた。



「真帆…お前…

 こんなことって…」

俺は茫然自失のまま、突っ立っていた。

『ツツ…』

『ラウ…』

漆黒の肌を持つマサイの少年に変身してしまった真帆は愛しそうにラウに絡みつく。

「こ、こんなの、俺は認めないぞっ」

俺はいまさらながら、我慢できなくなって真帆とラウを引き離しに掛かった。

「真帆、離れるんだっ」

俺は渾身の力をこめて二人を離そうとすると、

『祐二…

 何すんだよっ』

真帆はラウと全く同じ声で怒鳴ると俺を突き飛ばした。

「真帆…」

呆然とする俺に

『もう…あたしは…

 …僕は引き返せないとこまできてしまったんだっ。

 僕は真帆ではない、マサイのツツなんだ』

真帆はそう告げると、

『さぁツツ…

 お前に預かっていたものを返すよ』

マサイの少年ラウはそう言うと、

真帆の身体に朱染めのシュカを巻き

そして首にはビーズの飾りを巻きつけた。

『これは…』

『それはツツのだよ、

 僕が預かっていたんだ。
 
 さぁ、ツツはもぅマサイだ、
 
 僕と一緒にサバンナに行こう』

いつの間にか赤茶けた髪を結い上げながらラウは真帆にそう言うと、

『うん…行こう、ラウ』

真帆はそう返事をした。

「真帆…」

俺がそう呟いたとき、

真帆と少年はもはや見分けがつかなくなっていたのであった…



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。