風祭文庫・モラン変身の館






「モランの雄叫び」
(前編)


原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-041





街に夜の帳が降りた頃…

「あぁんっ」

ギシッ

「はぁはぁはぁ」

「うっ…くっ」

俺は由紀を久々に抱いていた。

かれこれ一月ぶりだろうか、

こうして由紀を抱いていると

彼女が呪いによってマサイ族の男に変身したなんて嘘のようだ。

しかし、この一月の間、

由紀がマサイの勇者として日本にいなかったことは紛れもない事実だった。



「あんあんあん、あぁぁぁぁ〜」

由紀は必死に女の快感を味わうかのように俺の上で飛び跳ね、

喘ぎ、

そして、自分の胸を激しく揉み上げながら、

「ああっ、イクイクーッ!!」

と叫び声を上げると、

ギュッ!!

彼女の膣が俺のペニスを思いっきり締め上げてきた。

「あっ、待て…」

由紀のその変化に俺は思わず声を上げたが、

しかし、

「アァァァ…」

と言う声を残して由紀はがっくりと項垂れてしまった。

「あぁぁぁっ〜っ」

タッチの差で俺よりも由紀の方が早くイってしまったために、

射精のタイミングを逸してしまった俺は、

一人取り残された形になってしまった。

「はぁはぁはぁ…あ、ごめん。

 あたしだけ先にイっちゃって」

「はぁ、まぁ別にいいさ。

 でも、そんなに気持ちよかったのか?

 女の快感が?」

俺は勃起したままの自分のペニスが、

由紀の肉壁に包まれているのを感じつつそう尋ねると、

「うん、めちゃくちゃ新鮮だった。

 だって、一ヶ月も男でいたんだもん。

 なんか自分が女だってことに興奮しちゃって…

 だから、先にイっちゃったんだね」

と由紀は苦笑いながら言う。

「そうか…」

「それにしても、女の胸ってこんな感じだったのかぁ。

 ほんと変な感じ…

 なんか自分の胸じゃないみたい」

そう言いながら由紀はまたマジマジと自分の乳房を見つめると

再び上気してきたような感じになってきた。

まあ、一月も男でいれば仕方ないのだろう。

そんな由紀を眺めつつ俺は諦めながらそう思った。

すると、

「あんあんあん、ああ、女…。

 これが女の感覚なのぉ〜」

由紀は再び興奮し始めたのか、

そう叫びながら俺の上で飛び跳ねはじめた。

そして、俺はようやく男の快感の頂点に立とうとしていた。

暖かい由紀の中にいる感覚、やはり由紀が一番だ。

「ああっ、俺もイきそうだ」

「あ、あたしもっ!

 あ、ああんっ!!」

そう叫んで俺達は一緒に果てた。



「はぁはぁはぁ…」

性感の余韻に浸りながら俺と由紀はゆっくりと寄り添っていた。

懐かしい由紀の匂い。

全く、由紀が男になってしまうなんて…

なっていたなんて、こうしていると信じられない。

甘い女性の芳香が俺をまた徐々に興奮させ始めていた。



そのときだった。

「あ、何これ…」

身体の異変を感じたのか、

由紀は突然声を上げると両手で胸を押さえた。

ミシミシミシ

静かに由紀の筋が蠢き始めている。

「な、なんだ?」

その光景を俺は唖然としていると、

突然、

由紀の肩や胸、そして腕で筋肉が収縮を繰り返しながら次第に張り出し始めた。

「な、なんでっ!?

 まだ元に戻って数時間しか経ってないのに!」

驚きながら由紀はそう呟くと

不安でいっぱいの顔で俺を見つめた。

ゴキゴキ…

その間にも由紀の肩の骨が鳴り出すと、

肩幅が男のように広がっていく。

「そんな…

 やだやだ!!

 あたし、女のままでいたいのにっ」

由紀は肩を両手で押さえながら必死に叫ぶと、

「お、おい…」

俺は慌てて由紀に声を掛けようとしたが、

あまりの速さで進む変身の様子に圧倒され、

次の言葉が継げなかった。

「あ、ああっ

 ん、くぅ〜っ」

そう喘ぎながら由紀が腰を捻ると、

ムキムキ

と筋が動き、ヒップが見る見る小さく、

そして、ウェストが広くなっていった。

すると、

由紀のお尻の両側には凹みが、

また、お腹には田の字に腹筋の陰が現れた。

「そんな…」

呆然とする俺の前で由紀は変身していく。

「ぐがぁっ!!」

変身していく身体に我慢が出来なくなったのか

由紀が叫び声を上げて両手を肩から外すと

両手を藻掻くような形でピクピクさせながら苦しそうに天井を見つめる。

すると

ポキポキポキ

という音と共に腕が伸び始めると、

それに合わせて指が伸び、

さらに肌の色が染みが浮き上がってくるように褐色がかっていった。

そして、

黒く染まっていく腕が発達していく筋肉で骨太で逞しくなっていくと、

ムキムキムキ!!

由紀のかわいらしい乳房が張り出す筋肉に吸収され、

その代わりに男の胸板が張り出し始めた。

すると、

「んんっ、んぐぅぅぅ」

由紀は変化した両手で自分の喉を押さえながら唸ると、

喉にデキモノが腫れていくように喉仏が現れ始め、

彼女の声は女性のソプラノから変声期の少年の声を通り、

そして低い男性の声へと変化していった。

そうしているうちに由紀の変身は上半身から下半身へと進行し、

「あああっ!!」

脚を上げると細く小さな脚が腕と同じように伸び始め、

足のサイズも徐々に大きく変化していく、

すると、

脂肪で柔らかなラインを描いていた太ももやふくらはぎからも筋が張り出し、

程なくして腕同様に黒檀色の逞しい足へと変わってしまった。

「そんな…いや、いやっ」

由紀はようやく激しい変化から解放され落ち着いてきていたが、

しかし、

その時の由紀は黒檀色の肌に覆われた巨体で細身ながらも逞しく…

そうまさにマサイの男性を彷彿させる姿になっていた。

そして、そんな姿になってしまった自分の肉体を見ながら、

ゆきは低い男の声で泣き叫んだ。

「由紀、お前…

 大丈夫か?」

「智弘く〜ん。

 あたし、また男になっちゃったよぉ」

そう言いながら身体のシルエットが男性・マサイ化したものの、

しかし、まだ由紀のままの顔でそう言いながら涙を浮かべていた。

「どうしてこんなことに…」

「分かんないよ。

 長は一週間は元の姿でいられるっていってたのに…」

由紀は悔しそうに自分の手を開いて眺める。

そんな中

ビクン

再び由紀の体が激しく震えた。

「あ、あ、あ、ああっ

 始まる…始まっちゃう

 や、やだ、やめて、やめてよぉ」

由紀はまた魘され始める。

そして、由紀がバっと股間を隠すと

由紀のヴァギナからブクッと愛液が噴出するとその口が閉じ始め、

瞬く間に一本の線へと変わってしまった。

「ああ、そんな…そんな…」

女唇の上部を押さえながら股間を覗き込んでいた由紀だが

女の証が閉じてしまったのを見るなり落胆をする。

しかし…

「んぐっ、んっ、んっ、んんっ!?」

また発作が始まったように由紀の身体が飛び跳ね始めると

ニュクッ

股間の上部にはみ出したクリトリスが一気に伸び始めた。

「あんっ、あん、ああん!」

まるで触手の先のようだった肉棒が延びるに従って太く硬くなっていくと、

ついには由紀の手を跳ね除け、

ムキッ

と股間に勃起しその雄姿を見せた。

「ああっ!?」

由紀は気持ちいいのか、

悶えながら一気に肉槍と化したクリトリスを股間に立たせる。

「おい、由紀…」

俺が冷や汗を流しながら声を掛けると、

ムリムリ…

由紀の肉槍の付け根の下で2つの膨らみが成長していくと、

ポロン!

っつ2つタマが体の中から黒い皮膚の下にはじき出された。

そして、タマを包むように皮膚が垂れ下がっていくと、

皺を刻んだ袋が出来上がっていった。

そのとき、

プリ

ツツツツ

という音と共に肉槍の先の皮が剥け

プルンッ

と由紀のペニスの鈴口とカリが一気に剥き出しになり、

飛び出したその亀の甲羅のような赤黒い亀頭から湯気が上がるのが見えた。

「んはぁっ!!」

それがよほど感じたのか、由紀は思い切り喘ぎ声を上げてしまった。

ピクン

ピクン

「ああ、駄目。

 やめて、お願い。

 やめて、やめてぇ」

由紀は生えたばかりのペニスを揺らせながら呟くと、

突然、

「んんっ、ああっ…が、我慢できないっ」

由紀のはそう叫ぶと黒い顔にじわじわと汗が滲みさせながら

ピクピクと動く手を股間へと向かわせていった。

「おい、由紀…」

俺のその声がきっかけになったのか、

バッ

由紀はいきなり自分のペニスを鷲掴みにすると

シュシュッ

シュッシュッ

と激しくペニスを扱き始めた。

「おっ、おい…」

「あっ、あっ、あっ、あっ」

あまりにも異様な光景に俺はただ見つめているしか出来なかった。

由紀は…

まだ顔は由紀のままだったが、

しかし、肌は汗が染み出すほど漆黒に染まり

首から下はだが見てもマサイの勇者の肉体に変貌していた。

そして、由紀の声が上がって行くに従って、

由紀のペニスからは我慢汁がベトベトになるまで溢れ出し

その粘液による音がいやらしさを増していた。

「あっ、はぁ、あっ、はぁはぁ」

由紀のオナニーは更に激しさが増し

さらに、顎を上げて快感に酔いしれたのち、

「ああんっ、ん、くぅぅ〜っ!!」

と全身を突如震わせたと思うと、

ビクンッ

っと由紀の腰が浮いたと思った瞬間、

プシュッ

ジュッ

ジュッ

由紀の生えたばかりのペニスから白濁した粘液が激しく空中に撒き散らされた。

「くはぁ…はぁはぁはぁ」

由紀はたまらんとばかりの顔をすると

ピチュ

ピチュ

と精液を最後まで搾り取る。

その様子に俺は何の言葉を掛けることもできなかった。



「はぁはぁはぁ…そんな

 あたし、また男になっちゃった…」

ようやく射精の余韻から戻ってきた由紀は目の前の惨状に呆然として呟いた。

低い男性のボイス。

そして、どう見てもマサイの勇者にしか見えない肉体。

せっかく元の女の子に戻れたのに

また数時間でマサイになってしまうなんて由紀にはきっとショックだったのだろう。

「まあ、仕方ないさ。

 また満月がきたら元に戻れるんだろ?

 だったら来月こそはちゃんと一週間以上戻れるように
 
 長に相談すればいいじゃないか?」

俺は励ますようにそう言うと、

「それはそうなんだけど…

 あたし、これ以上男でいるのが怖いの…

 うぅん、ルンガでいるのが怖いの…

 あっちにこれ以上ルンガの体でいたら、

 あたし、ほんとにルンガになっちゃうかもしれない」

確かに由紀の肉体は呪いによって、

かつてマサイ族の村の長の長男だったルンガと同じに肉体になっている。

しかも、由紀の肉体がルンガに変化するのは、

ルンガの魂のかけらが由紀に入ってしまったせいらしいのだ。

だから、由紀の心配ももっともかもしれない。

「なあ、由紀。

 ルンガの魂といってもかけらなんだろ?

 そんな体を乗っ取られたわけじゃないんだからさ」

「違うの。

 乗っ取られるわけじゃないのは確かだけど、

 あたしがどんどんルンガになってっちゃうのよ。

 あたしの心が変わっていっちゃうのが怖いのよ」

「そんな…そんなの気のせいだって」

俺は必死に由紀を慰めた。

「でも…あたし、ちょっと変だもん。

 一月の間とはいえ、いってた間にやっぱりおかしくなってるもん」

「そんなこというなよ。由紀は由紀だって。

 単に由紀がマサイに慣れてきただけだろ?」

「…でも、慣れるのもイヤ」

由紀は悲しそうにそう呟いた。

「そうか。

 …でも、せっかく男になってんだ。

 イヤかもしれないけど、まあ楽しんでこいよ。

 楽しまないと一月損してるようなもんだしさ」

「……うん…」

「ほら、俺にも体見せてくれよ。

 前はいきなり消えちまっただろ?」

そういうと俺は逞しい由紀の体を引き寄せた。

ムワッ

さっきまでとは違う雄のきつい体臭が俺の鼻に流れ込んでくる。

(ほ、ほんとに男なんだな…)

そう思っていると

「いやっ」

由紀は首を横に振った。

「なんでだよ、由紀は俺の恋人だろ。

 体くらい見せてくれたって…」

「…そ、それは、そうかもしれないけど…」

由紀はそう言うと

イヤイヤそうに俺の方を向いた。

座り込んでいるとはいえ、俺より高い座高。

そして、逞しい筋肉に覆われた漆黒の肉体。

これがさっきまで柔らかい色白の女の子の体だったなんて…

ちょっと信じられない思いだった。

「すごいな…まさかこんなに変身するなんて…」

「だーかーらー、さっきもいったでしょ?

 この体はルンガが死んだときと全く同じ体になってるんだってば。

 元のあたしの体と違っていて当たり前でしょ。

 これでもマサイの勇者・モランなのよ!」

由紀はちょっとムキになって俺に言う。

「へぇ〜、じゃあルンガってこんな若さで死んだのか?」

「当たり前でしょ、お父さんの長だってそんなにまだ歳じゃないんだから…

 ルンガは確か十七くらいで死んだらしいよ」

「ふぅ〜ん、由紀が十八だから、一つ下なのか」

「悪い?」

「いや、悪くないけど…

 …

 そんなことより、お前…ほんとにすごいのもってるな」

「な、何が」

俺の視線からその言葉の真意を察したのだろう。

由紀はちょっとバツの悪そうな顔をした。

「いや、だからそのお前のチンポ」

「んんっ」

俺のストレートな言葉が癇に障ったのか由紀は微妙な顔をする。

恥かしいのか怒っているのか分からない顔つきだ。

「そんなこと言わないでよ、

 智弘だってあるんでしょ?」

「だってさぁ、

 由紀のチンポ、俺のよりすごいじゃないか、

 デカイし、硬いし…

 はぁ…

 彼女の方がこんなチンポ持ってるなんて

 俺…なんか自信なくしそうだよ」

「ふぅ〜ん、確かに大きいとは思うけどね…」

俺の言葉に由紀は自分のペニスをながめながら苦笑いをした。

すると、

「なぁ…ちょっと触っていいか?」

と俺が尋ねると、

「え…まぁ、智弘なら別にいいけど…

 これ触ってどうするの?」

と由紀はペニスを掴みながら俺に尋ねると、

「いや、まぁマサイのチンポってどんな感じなのか知りたくてさ」

鼻の頭を掻きながら俺はそう言うと由紀の横に座る。

さっき射精したせいか、

由紀の股間でヌメヌメした光を放つペニスがいやらしい。

それにしても、本当に精液が出ているらしいのに俺は驚いていた。

「触るぞ」

「う、うん…」

ちょっと緊張しつつ由紀のペニスに触れる。

ビクッ

明らかに俺のとは違うそれに俺はある種のショックを受けるが、

精液やら我慢汁でベトベトになった感触と

硬く太い肉棒の感触に少し感動した。

「まじでチンポなんだな。

 こんなに亀頭も立派だし…」

由紀のペニスは当にマサイの勇者としての風格があり感心してしまう。

しかも、これが元は由紀のちっちゃなあのクリトリスだと言うのだから、

マサイの呪術はたいしたものだ。

魂のかけら入れるだけでここまで完全な変身をできてしまうっていうのだから…

おっと、感心してはいけない。

このせいで俺は彼女を一月も失ってしまったのだからな。

俺は由紀のペニスの感触を楽しみながら、

ちょっとペニスを睨みつけてやった。



「なあ、由紀はどう感じるんだ?」

「な、何を…?」

ぶっきらぼうに俺はそう尋ねてみると、

ペニスを握られたままのせいか、

由紀は妙に態度がびくびくしていた。

もしかすると勃起するのを恐れていたのかもしれない。

「いやだから、

 女の子だった由紀には射精ってどんな風に感じるのものなのかなって思ってさ」

と俺がワケを話すと、

「や…やだ」

と由紀が恥ずかしそうにそう答えた途端、

ピクンッ

と由紀のペニスは跳ね上がった。

「!……」

由紀の反応を確かめながら、

「だって、由紀、さっきも射精しただろ?

 なんか慣れてるというか、そんな感じがしたから…」

と尋ねると、

「な、慣れてるって!?」

由紀は羞恥心でいっぱいになったような顔で抗議した。

「あ、ごめんごめん。

 でも、なんか興味あってさ。

 由紀って今までチンポの感覚なんか知らなかったわけだろ?

 女としてのエッチはしてても、男のエッチは知らなかったのだし、

 女にはどう感じられるんだろうなって思ってさ」

由紀のその表情に俺は

ちょっとイジワルをしたかな?

と思いつつそう弁明すると

「ふぅ…

 そ、そりゃあ、あたしも射精は…その…

 …体験してるけど…

 う、う〜ん…

 確かに気持ちはいいと思うよ」

と由紀は恥かしそうに俯いた。

しかし、その姿はどうにもマサイ化した肉体には似合わない仕草だ。

「ふーん、そうか。

 で、女と違ってどうだった?」

「どうだったって?

 えっと、激しいというか、気持ちいいというか。

 あたしとしては、悪くないと思うよ。

 そりゃ最初は精液の粘着感が気持ち悪かったけど、

 いっ今は平気だしね」

「へぇ〜、

 でも何ていうか、彼女から射精の感想聞けるなんてすごいことだな」

俺がふざけながらいうと由紀は

「ば、馬鹿っ」

とひとこと俺に言った。



「なあ、由紀ってオナニーしてるのか?」

「な!?

 って、なんでそんなこと聞くのよ!」

由紀はぎょっとした表情で俺を見つめると、

「だって、一月ぶりじゃんか…

 色々と聞きたいんだよ、

 男として、マサイとして、サバンナで暮らしてきた由紀の感想が」

俺はそう言うと、

「ん、まあそうかもしれないけど…

 そんなにあたしのこと気になるの?」

「そりゃそうだろ、彼女なんだし…

 しかも一月も男にされちまってるんだぜ」

「そだね…」

「な?どうなんだ?」

「う、うん…してるよ。少しだけ…

 射精自体は最初の変身のときに体験してたし…

 意外と簡単にできたから、すぐ覚えちゃった。

 それにルンガの体ってすぐに溜まっちゃうみたいだしね…」

俺の矢継ぎ早の質問に由紀は大きな体を縮こませるように答える。

そんな様子が面白くて俺は由紀を見つめていた。

もしかすると、

俺の中に由紀が男になってしまったのを喜んでいる自分がいるのかもしれない。

そんな気もする。

「ふ〜ん、そうか。

 …あ、あれ?なんだこれ?」

ずっと由紀のペニスを握っていた俺だったが

由紀のペニスの亀頭の周りに何かの跡があるのに気が付いた。

「あ…それ?

 ルンガが割礼を受けた跡だよ。

 あたしが受けたわけじゃないからわかんないけど痛かったんだろうね。

 おかげであたしは最初から割礼済みのオチンチンもっちゃったってわけ」

由紀は自らペニスを握ると

亀頭の周りをぐるりを回る白い割礼の跡をなぞりながら言う。

「へぇ〜、そんなとこまで同じなんだ…」

俺は改めて呪術の恐ろしさというかすごさを実感した。

まさか、変身し直してもちゃんと割礼の跡まで同じになってるだなんて…

「じゃあ、由紀の肉体って完全にルンガと同じになってるのか?」

「う、うん、そうだよ。

 長はそういってた。

 だから、男の精もルンガと全く同じだって…

 長はすっごくあたしに期待してるみたいね…」

由紀は苦笑いしながらそう言うと、

「ははぁ、長はルンガに子供を作ってほしかったのかな」

俺はすとそういったのだが、

「多分、そうだろうね。

 だから、あたしをルンガにしたのよ。

 でも、あたしはイヤなの。

 あたしが女の子とエッチして、

 ルンガの子供を作らせて産ませるだなんて…

 あたしは長井 由紀なのに、
 
 ルンガとして男として子供なんか作ったら、
 
 もう戻れないような気がしちゃうでしょ?」

そう訴える由紀に、

「でも、子供が欲しいだけだったら、作ったら元に戻してくれるんじゃないか?」

と俺はついつい安直なことをいってしまった。

「じゃあ、子供作ってあたしだけノコンコ帰って来いっていうの?

 残された子供はどうするのよ?

 マサイの女の子に押し付けて帰ってくるわけ?」

由紀はかなりムッとした表情でそう詰め寄ってくると、

「ごめん」

俺は素直に謝った。

「もうっ、だからあたし我慢してるのよ。

 いつも小屋の後ろでオナニーして、

 男になっちゃわないように我慢してるのよ。

 だって、女の子と交わったりしたら長の思う壺じゃない?」

「そうか…

 悪い。軽々しくいいすぎたな、俺。

 …

 じゃあ、お詫びにしっかりヌかせてやるよ」

「…え!?そんな…いいのにっ」

「いいからいいから」

俺はそう言うと、

ギュッ

と由紀のペニスを握りしめた。

その途端、

ムワッ

由紀の体臭が俺の鼻についてきた。

男と汗の匂いの他、

微かに土のような香りも感じられる。

変身直後はそれほどでもなかったが

時間が経つに連れその匂いは更に強くなっていた。

けど、これだけ一緒にいると俺自体も慣れてきていた。

という彼女の匂いなんだから、まあ別にいいけど、

でも、それより、逆に興奮しちまうな…

「じゃあ、彼として俺が扱いてやるよ。

 他人に扱かれるのは初めてだろ?」

ペニスを握りしめながら俺はそう尋ねると、

「え…う、ううん。

 でも、実は二回目」

由紀はちょっと困った顔をした後、そう答えた。

「え?最初は誰だったんだ?」

その答えに俺は思わず手を離して由紀に尋ねると、

「呪術師かな…

 初めて変身したときにちょっとね…

 全く変身したてのあたしにあんなこといきなりするんだもん。

 少しは気遣って欲しかったわよ。

 あのね、智弘。

 あいつ、何ていいながら扱いてきたと思う?

 『お前はもうルンガなのだ。さあ、感じるがいい。

  お前の感じているその感覚はルンガと全く同じものだ。

  どうだ、感じてきただろう?

  それがお前の勇者の象徴だ。

  不思議か?

  ははは…それがルンガの象徴と同じものなのだぞ。

  すごいだろう、お前は死んだはずのルンガの感覚を味わっているのだ。

  さぁ、どんどん味わうがいい。

  お前の肉体はもう既にルンガとなった。

  後はお前次第だ。

  ルンガの肉体に目覚め、その魂をルンガに根ざすのだ。

  ふふふ…興奮してきたようだな。

  さぁ勇者の証を立てるのだ。

  その男根から男の精を出してな。

  さすれば、お前の肉体はルンガとして生まれ変わろう。

  完全にな。わっはっはっはは』

 だって」

由紀の長いその言葉と迫力に俺は思わず引き下がってしまった。

そして、ふと由紀の股間に視線を移すと

ペニスが勃起し硬く火照っていること気付いた。

「お前、よくそんなの覚えられたな?」

「忘れるわけないでしょ?

 あたしの体の呪いが焼き付けられたときのことなのよ。

 しかも、あたしなんでかしらないけど興奮しちゃってたし…

 言葉でいたぶられてたのよね。

 なのに、後であたし、その言葉でオナニーまでするようになっちゃった」

確かに由紀のペニスは当に興奮状態にあった。

浮き出る血管。

硬く太くなり立ち上がっていく黒々としたペニス。

それは由紀の興奮を物語っていた。

「そうか、由紀の感じてる感覚って、

 ルンガってやつが感じてたものと同じってことなのか…」

「そうなのよっ。

 あたし、死んだルンガの感覚を今味わってるのよ。

 このオチンチンの感覚も、逞しい肢体の感覚も、

 あたし、他人の感覚を味わってるんだわ。

 そう思ったら、もう興奮せずにはいられなくって。

 あたし、ルンガのオチンチンを握ってオナニーしてた。

 これが男の感覚なんだっ、ルンガの感覚なんだって

 だって、こんなことあり得ないはずなのに

 いま現にあたしは感じてるんだって、

 なぜか喜んでいたのよ。

 イヤなはずなのに…

 そして、あたし、射精してた。

 信じられないでしょ?

 あたし、女なのにオチンチンから精液が噴出していく感覚を知っちゃったのよ。

 それで、あたし精液を手に取って匂いを嗅いだの。

 これがあたしの精液。

 そして、ルンガって男の精液。

 あたしの体からルンガって男の精が出てるって。

 そう、あたしはルンガなのさって。

 なんか、おかしいでしょ?

 もうあたし止められなくって、射精の虜になってたわ。

 毎夜毎夜小屋の裏でオナニーするの。

 そしたら、長の野郎、喜んでるのよ。

 あたしの体からルンガの精が出ることにね。

 そして、あたしがさっさと女と交われるようにと裏で何かやってるのよ。

 最近、夜出てたら女の子がよって来るんだもん。

 あたしだって、男の肉体してるんだから、誘われたら興奮しちゃう。

 でもしちゃいけないのよっ。

 だから、あたし慌ててブッシュに隠れてオナニーするの。

 そうなのよっ、最近あたしも女の子としたいのっ。

 そう…あたし、長の思う壺にはまってきてるんだわっ。

 あたし、自分のオチンチンを女のアソコに突き立てて
 
 自分の精を入れてやりたいって思うようになっちゃったんだもん」

はぁはぁはぁ

由紀は信じられないようなことを次々と捲くし立てて、

荒い呼吸していた。

「それにね、

 あたし、時々自分の体を眺め回してなんか満足感感じるようになってきちゃったの。

 最初は見るのもイヤだった、ルンガの肉体よ。

 なのに、逞しい肉体生まれ変わった自分に興奮するの。

 ああ…あたしの女の子の体がルンガという男の子の体に変身しちゃったんだって。

 そして、

 オチンチン眺めてぼうっとするの。

 黒くてぶっといこのオチンチンがあたしのものなんだって。

 そう思うの。

 触って感じるの。

 ほんとはあたしには付いていなかったはずのオチンチンを…

 そう呪いよ。呪術であたしのこのオチンチンが生えてしまったのよ。

 そう思ったらたまらなくなって、

 自分が自分でなくなっていくことに興奮してるのよっ」

ビクン

ビクン

由紀の興奮状態に呼応するかのように

由紀のペニスは最大体勢になっていた。

子供の腕くらいあるペニスには俺でも畏怖感を感じる。

なのに、それを元女の子の由紀が当たり前のように扱っているのがどきどきした。

「んはぁ、駄目。

 もう我慢できないっ!」

とろ〜んとした目つきになった由紀は

シュッ

シュッ

と逞しいその腕にオナニーを始めた。

「ああっ、あたし、感じてる、また感じてる…

 ルンガのオチンチンを…

 あたしにルンガのオチンチンが生えてるんだ…」

由紀は陶酔しているような表情で手を上下に激しく動かしだした。

既に出した精液や我慢汁で濡れているせいか

クチュクチュ

といやらしい音が響く。

そして、たまらなさそうな顔で男のオナニーに耽る由紀を見ていると

俺まで興奮してしまいそうだ。

「ああっ、駄目なのにあたしまたしてるぅ。

 ルンガの肉体に溶け込んじゃう〜」

由紀はわけのわからないことを呟きながら、

更に激しいオナニーショーを繰り広げていた。

「ああっ、んんっ、くぅ〜」

今にも射精しそうなのに

慣れてしまったせいなのか、

由紀は微妙にコントロールして射精を塞ぎながらまた激しい手淫を繰り返す。

「はぁはぁはぁはぁ」

どんどん激しくなる息の根。

漆黒の肌を流れる汗。

分厚くなる唇。

横に膨らんでいく鼻の穴。

飛び出しいく目元。

パサパサと落ちていく長く綺麗な由紀の髪。

シュワシュワと徐々に湧き上がる縮れた毛。

由紀の最後の砦であった顔も、

もはやマサイの精悍な造りのものに変わっていく。

「ああ〜っ、駄目ぇ!!」

そう叫んだとき、

由紀のぶっといペニスが痙攣した。

プシャッ

ジュッ

ジョッ

ジョッ

白濁した精液がまた宙を飛ぶ。

先ほどもしたばかりなのに、さっきより激しく射精された。

「あぁぁぁぁ〜っ!!」

由紀はルンガのものに生まれ変わった顔で満足そうな笑みを浮かべていた。




つづく



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。