風祭文庫・モラン変身の館






「尚子」
(第4話:尚子と健一)


作・風祭玲

Vol.611





「なっ日本に戻ろう

 みんな待っているよ」

立てた膝の間に顔を埋める尚子に向かって

僕はそう促すが、

尚子は首を横に振り、

「アアア…アイタイ

 ミミッ…ミンナ

 デッデ…デモ

 イイイ…イケ・ない

 ワワゥ…わたし

 ヌバッ…

 ユッ…ゆうしゃ…

 ヌバッ…」

と声を絞り出すようにして呟く。

「行けないって…

 そんなことない。

 大丈夫だよ、
 
 君が尚子だって僕は保証するよ」

僕の提案を拒否する尚子に諦めずに説得をするものの、

尚子はただ首を横に振るだけだった。

確かに巨大なペニスを持ち、

トンボ球の紐しか身に着けていないヌバ族の男の姿になり、

さらには言葉さえも不自由になってしまった尚子を

このまま日本に連れて行っても、

誰も尚子であるだなんて信じてくれるはずもなく、

また、信じさせる妙案もあるわけはなく、

僕はそれ以上何も言えずに夜は更けていった。



そして、一夜が明けた早朝。

ザワザワ

ザワザワ

外から響いてくる喧噪に僕は起こされると、

隣で寝ていたはずの尚子の姿はすでに無く、

無人の敷物が僕の隣に広がっていた。

「尚子?

 尚子、どこだ?」

小屋の中を右往左往しながら尚子の名を呼び、

そして、彼女の姿を求めて僕は小屋から出ると、

ザワ…

集落の界隈は裸のヌバ族たちで溢れていた。

「なっなんだ?

 お祭りか?」

近隣の集落からも集まってきたのか、

この集落の通りと言う通りを埋め尽くす

黒い肌の群れに目をぱちくりさせていると、

「ケケッ…けん

 イイッ…いち」

と一人のヌバの男が抜け出てるなり僕の名を呼んだ。

「え?

 だっだれ?」

長身の裸体の左半分と右腕を

脂で練り込んだ黄土色の土でペインティングをし、

さらに顔には相手を威嚇するような鋭いメイク、

そして頭の毛は赤い粘土で固め、

鼻筋の延長線に沿うように白い鳥の羽毛を埋め込んだその姿に

僕は思わず恐れおののいてしまうと、

男は僕に近づきながら自分を指さし、

「アア…あたし…

 ンナナッ…なおこ…」

と僕に告げた。

   
「え?

 なっ尚子なのか?」

彼の口からでたその言葉に僕は呆気にとられると、

「ッタタ…たたかい、

 ジジジ…じゅんび…」

と尚子は嬉しそうに言い、

赤茶けた皮のようなモノを巻き付けている右腕を掲げて見せる。

「なんだそれは?」

尚子の言葉の意味が判らないで居ると、

ニッ

尚子の顔が少しテレ笑いをし、

スッ

素早い動きで腰を落とすと、

ジッ

と僕を見つめる。

そして、

「ヤッ!!」

虚をついてかけ声をあげると、

ザッ!

あっという間に僕の腰につかみかかってきた。

「え?

 え?
 
 えぇ?

 うわっ!」

尚子の長い足が僕の足にからみつき、

瞬く間に僕の身体が宙に浮き上がってしまうと、

クルッ!

周囲の風景が一回転をしたと思った瞬間、

ドォッ!

砂埃が舞う地面に僕はたたきつけられてしまった。

そして、

グィ!!

間髪入れずに尚子の腕が僕ののど元を押さえつけると、

その顔が目の前に迫り、

「マママ…まけ…」

と僕に告げる。

「あっ負けって、

 これって、

 あっ、ヌバの格闘技か?」

と僕はいま尚子がしてみせたのは

ヌバ族達が実際の戦いの代わりとして行われる格闘技かと尋ねると、

「ンンンン…?」

僕が言った言葉の意味が判らないのか、

尚子は考える素振りをしてみせる。

そして、

プォォォォォッ…

広場の方から角笛の音が響き渡ると、

「アァ…あっ

 ヨヨッ…呼んでる」

尚子は僕の手を強く握り締めると、

一気に引き起こして広場へと向かって行くが、

その時、

ムクッ

尚子の股間から巨大ペニスが勃起し始めていることを僕は見逃さなかった。

「戦うことに興奮をしているんだ…尚子は…」

尚子が見せたヌバの勇者としての一面に、

僕は改めてショックを受けると、

「もぅ…尚子を連れて帰ることは出来ないのか…」

と臍を噛んだ。



集落の広場には老若男女を含めたヌバ族達が続々と集まり、

大きな輪が作り始めていた。

そして、尚子と僕が輪にはいると、

グッ

最前列当たりで尚子は僕を押しとどめ、

そこから先は一人で広場の中央部へと向かって行く。

「尚子…」

尚子の名前を呼びながら僕はその背中を視線で追っていくと、

ニコッ…

股間から長く伸びたペニスを直立させつつ

尚子は僕に向かって笑みを浮かべ、

立ち止まることなく進んで行く。

広場の中央部では

この日のために集まっていたヌバ族の勇者たちが、

尚子と同じような装飾を身体に施し、

盛んに身体を動かしていた。

そして、

一人、また一人と列を組み始めると、

やがてそれは隊列となって広場の中を練り歩き始めた。

「オッホッ

 オッホッ」

勇者たちの掛け声が集落に響き、

尚子もその隊列に合流すると、

勃起したペニスを見せ付けるように練り歩き始める。

と、そのとき、

プォォォォッ!

再び角笛が鳴り響くと、

「ウオォォォォ!!!」

それを合図に周囲を固めているヌバ達から一斉に歓声が上がった。

すると、

「ウゥオォォッ!」

さっきまで隊列を組み、

練り歩いていた勇者達からも声が上がると、

たちまち列は崩れ、

近くにいるもの同士が互いに組み合った。

「すごい…」

ズサザ…

ズザザ…

誰が試合開始を告げたわけでもなく、

唐突にヌバの勇者達による”闘い”が始まり、

僕は彼らが見せる戦いぶりに目を見張っていた。

「ヤーッ」

「オーッ」

掛け声と共に砂埃をあげ、

汗で身体をテカらせながら勇者達は取っ組み合い、

足をかけると相手を地面へと倒し込む、

そして、

「アーッ!」

戦いに勝利を収めたのか、

最初の勇者が雄叫びを上げながら身体を起こすが、

だが、負けたと思った側もスグに飛び起きると、

再び取っ組み合いを始めだした。

どうやら、相手が戦意を消失するまで戦うのが

ここのルールらしい。

やがて、

「ヤーッ」

「オーッ」

長い勝負がついたのか他の勇者達も続いて身体を挙げ、

その中で尚子もまた雄叫びを上げながら身体を起こした。

「勝ったのか、

 良かった」

いつの間にか手に汗を握っていた僕は

尚子の勝利にホッとしていると、

程なくして第1回戦の決着がつき、

戦意を失った敗者が広場から去り、

続いて角笛の音が鳴り響きくと、

第2回戦が始まった。

こうして3回戦、4回戦と戦いは行われ、

そのたびに人数は半分ずつ減っていった。

そして迎えた最終戦…

日が西に傾いた中

百戦錬磨を思わせる一人の勇者の前に立ちはだかったのは

他ならない尚子であった。

「尚子…お前…」

コレまでの戦いで傷ついたのであろうか、

顔から血を流し、

体中に擦り傷を作っているその姿に僕は驚くが、

さらに驚かされたのはこんなに傷ついているにも関わらず、

いまだ股間からは漆黒の棍棒が猛々しく勃起していたのであった。

「まだ興奮しているのか、あいつ」

そんな尚子の姿に僕は驚いていると、

プォォォォッ!!

角笛が鳴り響くと、

「ウォッ!」

尚子と相手の声が広場に響き、

最後の戦が始まった。

ザザザザッ

ズザザザザッ

広場を埋め尽くすヌバ達の注目を一心に浴び、

二人の男は組み合い、引き倒そうとする。

しかし、互いの力は互角なのか、

なかなか引き倒すことが出来なく長い戦いが続く、

だが、

「あっ」

相手の攻勢に一瞬、尚子が怯むと、

相手はそれを見逃さず即座にその隙を突いた。

ズザッ

汗と脂、

そして血まみれの尚子の身体は瞬く間に引き倒されると、

すかさず相手が押さえ込みに入った。

「尚子っ!」

その時僕は思わず名前を叫ぶが、

しかし、

「ウォォォッ」

尚子を引き倒した勇者が雄叫びを上げながら起きあがると、

「オォォォォ!!!」

広場を埋め尽くしているヌバ達から歓声が高く響き渡った。

やがて、尚子を倒した男が担がれヌバ達から祝福を受けている中、

広場に倒れたままの尚子がゆっくりと起きあがると、

グルリと辺りを見回して僕のいる場所を確かめ、

こっちに向かって歩いてきた。

「尚子…」

「マママ…まけ…」

闘いの匂いをまき散らしながら尚子は僕の傍に来ると、

片言の言葉と共にそっと手を差し出した。

「あぁ

 頑張ったよ
 
 尚子、頑張った…」

闘いが終わり巨大ペニスもすっかり萎えてしまった尚子に向かって

僕は手を差し出すと、

「行こうか」

と言うとその場を離れた。




あのあと尚子は川で身体に施されたボディメイクを洗い流し、

”すっぴん”に戻ったが、

しかし、戦いの疲れもあってか、

小屋につくなり食事も取らずに

寝床の上で寝息を立ててしまった。

「……」

僕はそんな尚子を見つめ、

昼間の戦いのことを思い出していた。

身体に勇者のボディメイクを施し、

髪を粘土で固め、

そしてなにより戦うことを喜ぶかのように

ペニスを勃起させて戦う尚子の姿と、

喧嘩といえば口げんか程度の頃の姿を重ね、

僕は尚子は心の底からヌバになってしまったことを実感すると同時に、

ヌバとなってしまった尚子を日本に連れ戻すことは

もはや無理であることを僕は悟った。

そして、翌朝、

「ンンッ」

ようやく目が覚めたのか、

尚子が黒々としたその身体を起こすと、

「目が覚めた?」

一睡も出来なかった僕は話しかける。

「ン?

 ン?
 
 オオオ…おはよ…」

周囲がすっかり明るくなっていることに

尚子は一晩眠り続けてしまったことに気づいたのか、

ややばつの悪い顔をしながら返事をすると、

「昨日は残念だったね、

 てっきり優勝するのかと思ったのに…」

と僕は昨日の戦いぶりを褒める。

「ン…

 ダ…ダメ

 カ…かつ・ない…

 スムンジ
 
 ツ…つよい」

僕の言葉に尚子はそう返事をすると、

昨日負けたことがよほど悔しかったのか

そう呟き顔を伏せた。

「そうか、

 昨日の相手はスムンジっていうのか」

「スムンジ…

 イ…いちばん
 
 ツ…つよい」

「そうか、

 でも、頑張ったよ」

そう言いながら顔を上げようとしない尚子の肩を

僕は励ますように叩くと、

「尚子…

 僕、帰るよ」

と尚子に帰国することを告げた。

「え?」

僕のその言葉に尚子は驚きながら顔を上げると、

「ア…あたし、

 カ・かえる

 ンナ・ない

 アァ・あたし

 ヌバッ」

と僕に向かって帰国できないことを改めて告げた。

「うん、

 判っている。

 尚子はヌバだ。

 立派なヌバの勇者だ。
 
 昨日の戦いを見て判ったよ、

 尚子という女の子はもぅ居ないんだ。

 いま僕の前にいる君はヌバ族の勇者なんだよ」

と言った。

その瞬間、

「!!」

尚子の顔に驚きとそして悲しみが入り交じった表情が走り、

そして次第に顔を下げると、蹲りながら

コクリ

と小さく頷いた。

「うっ」

その姿に僕は言ってはいけないことを言ってしまったのかと後悔するが、

しかし、ここまでヌバになってしまった尚子を無理矢理日本に連れ帰り

そして女の子としての生活をさせるなど出来るわけ無く、

ギュッ

改めて僕は手を握りしめると、

「だから…

 だから、

 尚子はヌバとしてここで強く逞しく生きていってほしい」

と告げた。

すると、

「…ワ・わかる…

 ア・あたし…
 
 ヌバッ
 
 ヌバ・ンガニ
 
 ヌバ・ユ・ユウシャ・ンガニ…
 
 ヌバ…」

まるで自分に言い聞かせるように

尚子は繰り返し同じ言葉を呟いていたが、

その時になって僕は尚子に

”ンガニ”

と言うヌバとしての名前が付けられていることに気づいた。

「尚子…

 お前、ンガニ…って呼ばれているのか…」

身体や心だけではなく、

尚子が尚子として生きていくためのもぅ一つ大切なものが奪われ、

そして、ヌバのものに変えさせられていることに

僕はもっと早く来れば…と後悔するが、

しかし、もはやどうすることも出来ないところまで来ていることに

僕は悔やんでも悔やみきれなかった。



去ると決めたら行動は早かった。

その日に川を下る船に間に合わせるために僕は支度をすると、

「尚子…」

蹲ったままの尚子に声を掛けた。

すると、

スッ

微動だにしなかった尚子が立ち上がると、

「オ・おくる…」

と言いながら僕の荷物を手に持ち、

「フ・ふね

 と・とおい
 
 そ・そこまで
 
 いく」

と呟くと尚子は小屋から出て行ってしまった。



高くなった日の光が僕と尚子を照らし出し、

前を歩く尚子の黒い肌が強く引き立たせられる。

そして、

ムリッ

ムリッ

歩みを進めるごとに筋肉繊維の一本一本が動く様を見つめながら、

前を行く尚子が完全にヌバ族になってしまったことを改めて実感していた。

村の長に別れの挨拶をした後

熱い日差しの下、僕たちは川の畔を歩き続け、

ここに来るときにトラックに乗って通ってきた道へと進み出ると、

さらに歩き続けた。

ハァ

ハァ

容赦ない日光が僕と尚子を照りつけ、

次第に僕の息が上がりはじめだすが、

しかし、前を歩く尚子は息一つ乱さずに歩き続けていた。

やがて、遙か先に光る大河が見えてくると、

同時に街が見えてきた。

そして、その街が次第に迫り、

家々がハッキリ見える位置まで来たとき、

そこで、尚子の足が止まった。

「コ・ここ

 まで…

 ワワわかれ」

足を止めた尚子は振り向かずにそう呟くと、

スッ

長い腕を伸ばし持っていた荷物を差し出しす。

「そ・そうか…」

尚子のその言葉に僕は頷きながら荷物を受け取ると、

「じゃっ

 元気でな」

と言いながら尚子の肩を叩いたとき、

「けんいち…」

どもることなく尚子は僕の名を呼んだ。

「ん?」

名前を呼ばれたことに僕が振り向くと、

ンックッ

別れが嫌なのか尚子は眉間に眉を寄せ、

いまにも泣き出しそうな顔をする。

そして、

「あたし…

 かえる…

 い・いっしょにかえる…」
 
と泣き出しながらそう訴えた。

「尚子…」

一晩とは言え僕と一緒にいたためか

尚子は言葉からはヌバの訛りが弱くなり、

聞き取れる言葉をしゃべり始めていた。

でも、そんな尚子に僕はなにも言ってあげられないでいると、

ムクッ

ムクムク

尚子の股間から漆黒の巨大ペニスが鎌首を持ち上げ始めだした。

すると、

「うっくっ

 うぅっ」

尚子の表情が変化し、

そして手がペニスへと動くと、

シュッ

シュッ

大木のように突き出たペニスを扱き始めた。

「尚子…

 待てよ、尚子っ

 ここんなことでオナニーし始める奴があるか」

股間より固く突きだしているペニスを扱く尚子に

その行為をやめるように言うが、

しかし、

「うっうっ」

シュッシュッ

シュッシュッ

尚子はオナニーをやめることなく、

ギュッ!

と胸のペンダントを握り締めながら、

「みて…

 あたしが…
 
 あかしを…
 
 たてるのを…」

尚子は訴えた。

「まったく…」

オナニーを続ける尚子の姿に僕は呆れると、

グッ

尚子の手を引くと、

道路脇の草むらへと連れ込み、

そして、

「尚子、

 僕も別れたくないよ」

と囁くと、

その厚い唇に自分の唇を重ね合わせた。

「…んんっ」

「…んんっ」

僕と尚子は互いに抱き合い、

そしてそのままの状態で草の上に倒れ込む。

「くはぁ

 はぁはぁ」

「なっ尚子…」

「けんいち…」

「あぁ好きだよ、尚子」

「あ・あたしも」

お互いにそう言い合っているうちに、

尚子の手で僕の服が脱がされ裸にされる。

「けんいち…

 あたしといっしょ」

素っ裸になってしまった僕を指さし、

尚子はそう言うと、

「そうだよ、尚子。

 僕たちは同じ姿さ」

そう言いながら僕は尚子を抱き寄せる。

「けんいち…」

「尚子…」

互いに名前を呼び合いながら僕たちは再び抱き合うと、

チュッ

きつく唇を重ねた。

と同時に

ムッワッ!

ヌバ族となった尚子の身体から体臭がわき上がり、

汗と土と様々なものが混じり合ったその臭いを嗅ぎながら、

僕は抱きしめていると、

ムクムクムク!!!

下腹に膨れ突き出す肉の感覚がせり上がってきた。

「尚子…

 硬くなっているよ」

巨大ペニスを触りながら

僕はそう指摘すると、

「アァァ…

 けんいちのも
 
 硬くなっている…」

尚子も僕の勃起しているペニスを握りしめ指摘する。

そして、互いにペニスを握りしめ合うと、

クスクス

クスクス

相手を見つめ小さく笑うと、

シュッ

シュッ

僕と尚子の手が動き始める。

シュッシュッ

シュッシュッ

白い手と黒い手が互いに動き合い。

そしてその手の色とは反対の色をもつペニスを扱く。

「あぁっ」

「おぉ」

次第に手の動きを早めながら

僕たちは自然と顎を突き出してしまうと、

「けんいち」

「尚子…」

互いに目で合図をした後、

クルリ

体勢を変え、

僕は尚子の股間に、

尚子は僕の股間に顔を埋め、

ジュブッ

ジュブジュブ

相手のペニスをしゃぶりはじめた。

「うごっ

 でっデカイ…」

体臭と砂の味が入り交じる亀頭の先っぽだけで

口の中かいっぱいになってしまう尚子の大きさに驚くと、

ヌプッヌプッ

尚子は縮れ毛の頭を振り回しながら首を上下に動かしはじめた。

「うっ

 あぁぁ…」

舌を巧みに使い分け責めてくる尚子の技に僕は思わず声を上げると、

グリ

グリ

いつの間にか尚子の手が僕の陰嚢を弄び始め、

そして、その両方の責めを受けたとき、

「うっ

 あぁっ!」

僕の中で何かが弾けてしまうと、

ビュッ!!

尚子の口の中に思いっきり射精をしてしまった。

「くはぁはぁ」

射精後、荒い息をしていると、

「クス…

 けんいち
 
 はやいよ」

尚子は僕の射精を指摘すると、

「わたし

 まだまだ」

そう告げながら、

グィ!

棍棒の如く硬くなっている巨大ペニスを

僕の口の奥深くに押し込もうとする。

だが、

「くっ、

 こんなデカイのを突っ込まれたら窒息してしまう」

命の危険を感じた途端、

僕はありったけの力で尚子を押し倒すと。

シュッシュッ

シュッシュッ

いまだ、硬さを失わない尚子のペニスを責め立てるが、

「うぉっ

 うぉっ」

尚子はうめき声を上げるだけでなかなか射精には至らなかった。

「くそっ

 さっさと射精しろよ」

そんな尚子のペニスを僕はさらに扱いていると、

「くふっ

 そんなの

 ダメ

 もっとつよく、

 もっとつよくするのよ」

と言うなりペニスを握る僕の手に自分の手を重ね、

ギュッ!

っと僕の手ごと握りしめると、

シュッシュッ

シュッシュッ

まるでペニスを引きちぎらんばかりに扱き始めた。

「おっおっおっ

 おごぉぉぉ!!」

「すっすごい…」

身体を揺らし、

声を張り上げる尚子のオナニーに僕は驚いていると、

「コ・これがヌバのやりかた…」

と尚子は僕に言い、

さらに強く扱いていく、

そして、

「おぉ

 おぉ…
 
 おぉ…」

ようやく感じ始めたのか、

尚子の口が開き顎があがると、

「でる…」

と口走った。

そして、その直後、

「うっ」

尚子のその表情が大きく変わると、

ブッ

ブシャッ!!!

空に向けられた亀頭の先より白い固まりが飛び出しすと、

ビュッ!!!

長い尾を引かせながら、

尚子が放つ精液はアフリカの大空へと吹き上がっていった。



「すごい…」

自分のとのスケールの違いに僕はしばし見とれていると、

「クスッ」

尚子は小さく笑い、

「まだでるよ」

と呟くと再び扱き始めた。

こうして日が暮れるまで

僕と尚子の体臭に包まれながら草むらの中で互いに愛し合い、

そして、果てていった。



「尚子…」

夕焼けが美しい空を眺めつつ、名前を呼ぶと、

「なに?」

隣で空を眺めている尚子が聞き返す。

「……僕が帰るときは君も一緒だよ」

少しの間を開け、そう僕は切り出すと、

「うん

 でも…

 あたし

 ヌバ…」

尚子は自分の身体のことを指摘する。

「大丈夫だよ、

 尚子がヌバになったと言う事実は事実だ。

 でも、ヌバになったと言うことは

 逆に元に戻れるということでもある」

そう僕は力説すると、

「だいじょうぶ?」

尚子は聞き返す。

すると、

「大丈夫だよ、

 それに、いざとなったら…」

と僕は含みを持たせると、

「うん…

 し…しんじている…

 でも、

 ひ…ひがくれたわ。

 どうする?」

尚子は僕の言葉を信じることを告げ、

その一方で、暗みを増してきた空を指さし尋ねた。

「そうだな、

 船は行っただろうし、

 仕方がない、
 
 村に戻ろうか…」

そう尚子に告げると、

「ふふっ」

「ふふ」

お互いに裸の姿でヌバの集落へと向かい始めた。

それからがいろいろ大変だったが、

でも、僕と尚子はお互いを信じてそれに立ち向かっていった。



そして、再び3年が過ぎた。

プワン…

タタンタタン…

「ふぅ」

大学を卒業した僕はとある商社へと入社し、

毎日お忙しい日々を過ごしていた。

「さぁて、

 明日までこの書類を修正しないと…」

学生時代の繋がりからか、

アフリカ担当となった僕は、

ある輸入品を手がけることになり、

明日までにそれに関する書類を完成させることなっていた。

カシャン…

「いま帰ったぞぉ」

35年ローンで買ったマンションの玄関を開けつつ、

僕はそう声を上げると、

「お帰りなさい、

 あなた」

と妻が三つ指をついて僕を出迎える。

「おっおいっ

 何のまねだよ」

彼女のその仰々しい出迎えに僕は驚くと、

「うふっ」

と妻は笑顔を見せ、

「お食事になさいますか、

 それともお風呂になさいますか?」

と僕に尋ねてきた。

「え?

 あっいや…」

その質問に僕は答えを窮するが、

コロッ

妻の足元に木彫りの人形が置かれていることにピンと来ると、

「そうだなぁ…」

と妻を見下ろしながら考えるフリをする。

そう、今日は”あの日”だった。

すると、

僕が悟っていることに気付きながらも、

「それとも…」

と彼女は言うと、

ピシッ!

妻の顔の真ん中に縦にヒビが入る。

それと同時に、

ムワッ

強烈な体臭が妻の身体からわき上がると、

「”ヌバ”になさいますか?」

と言いながらゆっくりと立ち上った。

その途端、

ピシピシピシッ

妻の身体が二つに割れ、

そして、その中より漆黒色の肌が姿を見せると、

「ウウウウ…」

うめき声を上げながら彼女は

まるで昆虫が蛹から成虫へと変態するように、

皮膚を引き裂き、

さらには着ている服までも引き裂いてしまうと、

メリメリメリッ!

股間から勃起してくる

漆黒色の巨大ペニスを見せつけた。

「ふっ

 まったく…

 また服を無駄にして…」

野生部族ヌバの勇者へと姿を変えた妻・尚子の姿に

僕は呆れながらそう言うと、

「その様子じゃぁ、

 今夜は徹夜でやりまくる気か?

 俺、書類を作らなくてはいけないんだぞ」

とネクタイを緩めながら小言を言う。

だが、

「なにを言うの?

 今夜ハ

 タ・タタカイ・ヨ…」

尚子はヌバ訛りがきつい日本語でそういうと、

クルリと背を向け、

風呂場の中で黒く輝く肉体に

あの黄土色のペインティングを、

縮れ毛が多う頭を赤粘土で固める。

そして、顔に威嚇するようなペイントを施すと、

アフリカからもて来た角笛を手に取り、

プォォォォッ!

と高らかに響かせた。



結局、尚子を元の女性の姿に戻すことは出来なかった。

でも、長が突きつけた試練を尚子と二人で乗り越えたとき、

僕達はヌバの秘術の一つを手に入れていた。

そして、その秘術を尚子に施すことで

仮の姿ながらも尚子を元の姿に戻すことに成功したのあった。

でも、永遠と言うわけには行かなかった。

月に一度、秘術の力が衰えたとき、

尚子は女性という仮の姿を解き、

本来のヌバの勇者となると、

勇者の名誉をかけて戦いを挑むのである。 

そして、服を脱ぎ、

ヌバのトンボ球の紐を腰に巻いた僕は、

尚子は組み合うと闘いを始める。

シュッシュッ

「尚子…ほらっ

 これでどうだ」

「ンアッ、

 マダマダ

 ソノヨウナセメデハ

 ユウシャハ

 ダサナイ!」

「そうか、

 大分感じているみたいだけど」

「チガウッ!」

「ふふっ

 今日はたっぷりと搾り取ってやるからな…」

僕と尚子は69の姿勢になると互いのペニスを扱きあう。

先に射精をしたほうが負け、

でも、早く勝って尚子を女に戻さないと、

子作りまでスタミナが持たないぞ…



おわり