風祭文庫・モラン変身の館






「転校生」
(第1話:転校生兵太)


作・風祭玲

Vol.246





「ねぇ知ってる?

 資料室の神隠し」

朝の教室に女子生徒の声が響いた。

「知ってる知ってる!!」

「5組の高柳さんが居なくなっちゃたんでしょう?」

「あたしは3年の水谷先輩が…って聞いたけど?」

そうやって囁きあう女子達の後ろを一人の女子生徒が通りかかると、

「何を言ってのよっ、

 神隠しだなんて、

 そんな昔話めいたことなんてあるわけないでしょう!!」

と茶色く染めた髪を掻き分けながら、

キツメのメイクをした敷島真由美が強い口調で彼女達に言った。

「あっ…敷島さん…でも」

最初に話を切り出した子が途中までそう言いかけたが、

「なに?」

と真由美が聞き返すと、

「いっいえ…」

と口を閉じてしまった。

そんな彼女達の視線は、

「おはようございますぅ…」

すぐに消えてしまいそうなか細い声で挨拶をしながら

おずおずと教室に入ってきた一人の男子生徒に向けられた。

青柳兵太…

ひと月ほど前このクラスに転校してきた彼は

どことなくだらしが無くそしで愚鈍なイメージから、

クラスメイトからヘータ・ヘータと常にからかわれ・いじめられている存在だった。

しかし、

さっき彼女達が噂していた神隠しには常の彼の影が付きまとっていたのだった。

そう、神隠しにあったものたちに共通しているのは、

みな姿を消す直前に彼をいじめていたのだった。


昼休み

「おいっ、ヘータっ

 何だその飯の食い方は!!」

4時間目の現国で先生から髪型を注意された鬱憤を晴らすかのように

真由美は兵太に八つ当たりをし始めた。

「なにって、どんな食べ方をしてもいいじゃないか」

呟くようにして兵太が文句を言うと、

ガッ

真由美は座っている兵太の胸倉をつかみ上げると、

「なんだ?、その態度はあたしに歯向かうのか?」

と凄むとそのまま

ドン

っと突き飛ばしてしまった。

ガタガタガターン!!

机もろとも兵太がひっくり返る。

「あっ僕のお弁当が…」

床にひっくり返った弁当箱を見た兵太は、

「なんてことをするんだよぅ」

っと泣きながら真由美に食って掛かった。

「お前…臭いぞ…

 ははーん、そうか、お前に風呂に入ってないな

 寄るな、汚いだろうが」

合気道の有段者でもある真由美はそう叫んで

飛び掛ってきた兵太を軽くあしらうと突き飛ばした。

「ねぇ…もぅその辺にしたら?」

彼女のいじめぶりにほかの女子生徒がそう言ったが、

しかし、

「いいじゃねぇかよ、

 おいっ敷島もっとやれよ」

と男子のヤジがとんだ、

そんな声に押されてか、真由美の行動はエスカレートし、

グシャッ

真由美は兵太の弁当を踏みつけると、

「お前にはコレが似合っているよっ」

と言うと何度も踏みつけた。

「あぁ…何もそこまでしなくても…」

女子達が彼女の身を案じ始めたとき、

キラリ…

兵太の目がかすかに光ると、

「…今日の獲物はお前だ…」

と呟いていた。



放課後…

「はぁぁぁ…」

真由美は大きく背伸びをすると、

「さぁて、今日は何をして遊ぼうかなぁ…」

っとこれからのことを考えながら校庭を歩いていると、

そそくさと校舎へと戻っていく兵太の姿を見つけた。

「ちょっと時間があるから、

 あいつをもぅ少しいじめて見るか」

真由美は一瞬獲物を見つけた獣の目をすると、

すかさず兵太の後を追っていく、

しかし、

どういう訳か真由美は平田に追いつくことが出来ず、

まるで彼に連れて行かれるようにして校舎の中を引き釣り回された。

「ちくしょう、どうなってんだ?」

追いつけない苛立ちに真由美の堪忍袋の尾が切れ掛かったとき、

カラララ

兵太の姿は資料室の中へと消えていった。

「ははん、

 これはまた、まるであたしに苛めてくれ!!
 
 って言っているみたいだね」

資料室のドアの前で仁王立ちになった真由美は勝ち誇ったようにそう呟くと、

一気に資料室のドアを開けた。



夕日の光が差し込む資料室の中は、

まるですべての音が遮断されたかのごとく静かだった。

そしてその中をノッシノッシと真由美は歩いていくと、

「おいっ、兵太!!

 居るんだろう!!」

と声を張り上げた。

しかし、

シーーーン…

何の返事も返っては来なかった。

その様子に真由美は

「へぇぇ、

 いい心がけだ、

 見つけたらただじゃぁ済まさないよ」

と言いながら資料室の中をくまなく歩き回ったが、

しかし、兵太の姿を見つけることは出来なかった。

「畜生、どこに隠れやがった?」

真由美が苛立ちを露にしていると、

「ふふ、僕はここにいるよ」

兵太の声が資料室の中に響き渡った。

「ほぅ…そこに居たのか」

声のした方を振り向いた真由美は教材の影から出てきた兵太の姿を見つけるなり、

「そこに居てあたしが右往左往している様子を眺めていたとは

 随分とお偉いことだね」

と言いながら拳を振り上げた。

そのとき、

「アヴァン…ナシルト」

呪文のような兵太の声が資料室に響くと、

ピクッ!!

真由美の体がまるで石像のように動かなくなってしまった。

「なっなに?、畜生、どうなってんの?」

微動だにもしなくなった体に真由美は驚きの声を上げた。

「ふふふ…

 無駄だよ、

 いまの敷島さんは指一本も動かすことが出来ないよ」

兵太は真由美にそう告げると彼女の前に立った。

「さぁ、どうしたの、僕を殴るんじゃないの?」

真由美の目の前で兵太はそう言うと、

「くおらっ兵太っ、

 お前っ」

真由美の顔は見る見る怒りに満ち溢れていく、

しかし、兵太はそんな真由美にを無視して、

「さぁてと、

 敷島さんにはお昼のお返しをしなくっちゃね」

と言いながら兵太が握っていた拳を開いた途端、

ビターン!!

真由美の体がまるで叩かれたように吹き飛ぶと

そのまま資料室の壁に大の字になって張り付いてしまった。

「………」

突然のことに真由美は何も言えずただ目を見開いて兵太を見つめる。

兵太はそんな真由美に目もくれず。

資料室の棚に置いてあった図鑑を手にするとパラパラパラと紙をめくり始めた。

そして、あるページのところで紙を止めると、

「ねぇ…敷島さん?

 敷島さんは毎日お風呂には入っているの?」

と訊ねると、

「あっあったりまえだろう、

 お前と違ってあたしは女の子なんだからねっ

 体は常に綺麗にしているのさ」

と真由美は叫んだ、

それを聞いた兵太は

「ふぅぅん…」

と頷き、

「じゃぁそういうことが出来ないところに連れて行ってあげようか」

と言うなり、真由美に近づくと、

スッ

っと右手を差し出した。

「なっ何よっ」

彼の行動に真由美が言い返すと、

「でも、その体じゃぁちょっと生きていくのは無理だと思うから、

 僕が手助けをしてあげるね…」

と告げると、その右手を真由美の股間にまるで当てるように沿わせた。

「こっこの変態っ

 それ以上変なことをしたらただじゃ済まさないぞ!!」

兵太の行為に真由美が真っ赤になって怒鳴ると、

「ふふ…

 別に君の体なんて興味はないよ」

兵太は見上げながらそう囁いた。

そして、

「ねぇ、お股のあたりがくすぐったくない?」

っと真由美に尋ねた。

「なに?」

彼に言われて真由美は自分の股間が妙にムズムズして来た事に気がついた。

…うっなに?なんなの?この感覚は…

「ふふふ…」

真由美の反応を見ながら兵太は笑みを浮かべ、

「ねぇ、敷島さん…

 もしも、オチンチンが生えてきたらどうする?」

と真由美に尋ねた。

「なに?、

 お前、頭がおかしいんじゃないか?

 女のあたしにチンコなんて生えるわけ無いだろうが!!」

と強い調子で叫ぶと、

「そうかなぁ?」

兵太は嬉しそうな表情で真由美のスカートをたくし上げると、

「なに?」

驚く真由美の視野に、

股間からムクムクと膨らんでいく物体が

下着を押し上げているテントを張っている様子が飛び込んできた。

「いっいやぁぁぁぁぁ!!」

ビン!!

それを見て悲鳴をあげる真由美をよそに

パンティを引き裂き、まるで赤ん坊の腕ような漆黒色の極太ペニスが飛び出した。

「うわぁぁ、すげぇ…

 さすがはディンガ族のオチンチンだ、

 僕のとはぜんぜん違うや」

兵太はオーバーな驚き方をしながら真由美に生えたペニスを眺めた。

「うっ嘘よ

 あたしにオチンチンなんてあるわけ無いでしょう!!」

真由美は泣きなから兵太に向かって叫ぶが、

しかし、兵太は

「ふふ…」

っと笑みを浮かべると、

「ディンガ族ってね、

 あまり雨の降らないところに住んでいるから、

 毎日のように体は洗えないんだって」

と告げると、

ミシッ!!

ミシミシ!!

真由美の体からまるで軋むような音が響きはじめた。

「なっなに?」

怯えながら真由美は首を左右に振って音の出所を探り始めた。

すると、

ミシッ!!

と言う音ともに見る見る真由美の手の色が茶色く変わっていくと、

さらにその色が濃くなり始めた。

彼女の変化は手の変色だけには留まらず、

そのままと腕の方へと広がっていく。

そして、肌の色が漆黒になったところから、

ムクムクと筋肉が張り出し始めた。

その様子を見ていた彼女は顔色を青くすると、

「いっいやぁぁ!!」

と叫び声をあげた。

「ははは…

 無駄無駄っ!!

 いくら叫んでも、誰も来やしないよ」

勝ち誇ったように兵太は真由美に告げた。

やがて変色域は肩に達すると

メキメキメキ!!

真由美の両肩が膨らみ始め、さらに胸の周りも膨らんでいった。

「痛い痛い!!」

体の急激な変化に伴う激痛に真由美と叫びながら泣き出したが、

しかし、真由美の体の変化はさらに続き、

「ブチッ」

という音と共に胸のブラがはじけ飛んでしまった。

そして、はじけ飛んだブラの下にあったボリュームのある乳房は

盛り上がって来る胸板に飲み込まれ、

その一方でピンク色の乳首は黒く萎縮し

胸板の影に小さく着くだけの存在になっていた。

そうしているうちに真由美が着ている制服がボロボロと崩れ始めると、

腰を飾る一本の紐を残して跡形もなく消えてしまった。

こうして兵太の間の前に衣服が消えてしまった真由美の裸体がさらけ出されたが、

しかし、その姿は女性のものではなく、

モリモリ!!

と筋肉を盛り上げた男の体だった。

「やめて、お願い…

 昼のことは謝るから…」

さっきまでの強気の真由美はすっかり影を失い、

ただひたすら懇願する真由美がそこに居た。

けど、兵太は

「だーめっ

 敷島さんはディンガ族の勇者となって、

 遠いアフリカの大地で生きていくんだよ

 さぁ…もぅ少し…一気に変身しちゃおうね」

と告げた途端、

ググッ

真由美の顔の輪郭が変わり始めた。

「やっやめて!!

 いやぁぁぁ!!」

喉仏が飛び出し、男の野太い声が資料室に響き渡る。

メリメリメリ!!

真由美の手足が伸び、

さらに髪の毛が抜け落ちると、

もはや、真由美の姿は裸族・ディンガ族の勇者の姿と化していた。

「ふふ…

 すっかり逞しくなって、

 これなら、その裸の姿でも十分に生きていけるね、

 おっとその前に、

 君にディンガ族の勇者の心をプレゼントしよう」

兵太は真由美にそう告げると、

彼女の股間に生えたペニスを鷲づかみにすると、

シュッシュッ

っとしごき始めた。

「あっあぁ…」

真由美は目をむいて声を上げると、

「どう?、気持良い?

 生えたばかりでちょっと刺激が強いかな?

 でも、コレが男の感覚なんだよ」

兵太はまるで真由美に言い聞かせるようにして彼女のペニスをしごき続ける。

一方真由美はコレまで味わったことのない感覚に翻弄されていた。

シュッシュッ

シュッシュッ

なおも兵太が真由美のペニスをしごき続けていくと、

「あっだめっ…

 おっオチンチンがしっしびれてきたの…

 お願い…出させて、

 出したいのよ…」

真由美が兵太に懇願し始めた。

「いいよ、出したければ出しても、

 でも、出しちゃったらもぅ真由美は心もディンガになってしまうけど

 それでいいんだね」

と兵太は真由美に念を押した。

「あぁ…いや…ディンガ族にはなりたくない

 でも、もぅ…あたし駄目、

 あぁ出ちゃう出ちゃう」

真由美がうわごとのように同じ言葉を繰り返した後、

ピュッ!!

ピュッピュッ!!

っとその漆黒のペニスから白濁した精液を高く吹き上げた。

「あ〜ぁ…出しちゃった」

兵太はそう言いながら自分の手に付着した真由美の精液をふき取ると、

気絶している真由美を眺めながら

「この様子じゃ、もぅ日本語は喋れないか…

 それじゃぁアフリカに送ってあげるね。

 向こうで立派に生きていくんだよ」

とやさしくさっきまで真由美だった裸族の勇者に別れの言葉をかけると、

兵太は両手を高く掲げた。

すると、

スゥッ…!!

彼の目の前に居た真由美の体はまるで消しゴムでかき消すかのように

兵太の前から消えうせてしまった。

「ふぅ…

 さて、この学校にも長く居すぎたか、

 そろそろ、ココから引き上げるとするか」

兵太はそう呟くと資料室から出て行った。



つづく