風祭文庫・モラン変身の館






「姉の秘密」


作・風祭玲

Vol.980






気温30℃を越す猛暑が半月以上続いたある夏の朝。

「痛たぁ!」

朝風が吹き込む寝室にこの部屋の主である夏美の声が響き渡ると、

「痛い

 痛い

 痛い」

悲鳴を挙げながら夏美は飛び起き

着ていたTシャツを剥ぎ取ると、

自分の背中を壁に掛けている鏡に映し出してみせる。

すると鏡には夏美の肩から背中にかけて日に焼け熱を帯びている肌と、

水着の下で日に焼けなかった白い肌とのコントラストがくっきりと浮かび上がり、

「あちゃぁぁ、

 真っ赤っか…」

それを見た夏美は頭を抱えるようにして俯いてみせる。

そして、

「あぁんもぅ…

 ちょっと日に当てただけなのに、

 何でこんなに赤くなるのよ」

とぼやいて見せた。



高校2年生の夏美はアルバイト先が盆休みになったのを機会に友人達と誘い合わせ、

近くにある大型レジャー施設のプールに遊びに行ったのだが、

しかし、一日中遊び倒した代償をその背中にしっかりと焼き付けてしまったのである。

「はぁ…

 痛いの痛いの飛んでけぇ」

真っ赤に腫れ上がる背中を鏡越しに恨めしそうに眺めながら、

子供の頃に聞かされたおまじないを呟いてみせるが、

だが、

そうしている間にもジンジンと日焼けは痛み出し、

「あぁん、

 もぅ、

 なんとかしてよ」

責め苦の如く痛む自分の背中に文句を言いながら、

バサッ!

っとベッドの上にうつぶせになって倒れこんで見せる。

だが、

「痛ぁぁぃ!」

その直後、再び両肩を抑えながら悲鳴を上げたのであった。



「はぁ…

 お姉ちゃんは綺麗に日焼けしているのに、

 何であたしはこうなのかな?」

洗面所から持ってきた濡れタオルで肩や背中を冷やしつつ夏美は

姉の冬美が綺麗な小麦色に焼けていることを思い出してぼやくと、

ダラリ

と夏美の頬を汗が伝って落ちてくる。

「それにしても暑いわねぇ、

 もぅ」

既に時間は朝の時間帯を過ぎ、

日当たりの良い夏美の部屋の温度計は30℃を超えようとしていた。

「とは言っても下手にエアコンを掛けると

 またママから怒られるし、

 仕方がないわね」

逃げ場所の無い暑さに向かって文句を言いつつ、

夏美はベッドの隅に置いてある扇風機のスイッチを入れると、

回る扇風機を抱き寄せてみせる。

すると、

ババババババ!!

気流の乱れから音を立てて鳴り響く扇風機が夏美の体を冷やし、

「はぁ、

 極楽ぅ〜」

夏美は静かに眼を閉じて体が冷やされていく快感に感じ入っていた。

と、そのとき、

ドタッ

ドタドタドタ!!

突然、廊下を歩く足音が響き渡り、

その足音は夏美の居る部屋へと向かって来た。

「あれぇ?

 お姉ちゃん、帰って来たんだ」

ここ数日姿が見えず、

しばらく無人だった姉・冬美の部屋から出てきた足音に夏美は驚くと

ドタドタドタ…

ドタッ

足音は夏美の部屋の直ぐ横でいったん立ち止まった後、

トタトタトタ…

少し音を軽くさせて再び歩き出すとそのまま洗面所へと向かって行き、

そして、

ザザーッ

バシャバシャ

と水の音が響き始めたのであった。

「ははーん、

 お姉ちゃんも帰ってきたものの、

 暑くてたまらなくなったか…」

水の音を聞きながら夏美はそう思うが、

だが、なかなか水の音は止まらず、

5分近く過ぎても音は流れ続けていた。

「?

 なにやっているんだろう?」

長く鳴り響く水の音に夏美が不審に思ったとき、

ようやく水の音は止まると、

ドンドンドンドン

と足音が廊下を戻ってくるが、

「あれ?

 この音…

 お姉ちゃんの足音とは違うな…

 なんか、もぅちょっと体重があるような…」

姉が鳴らす足音とは微妙に違うその音に夏美は振り返り、

引き戸になっている自室と廊下を隔てる戸へと視線を動かしてみせる。

すると、

コンッ!

夏美の部屋の戸に何かが当たる音が響くのと同時に、

カランッ!

と木の棒が落ちる音が廊下に響き渡ると、

「あっ!」

姉の声にしては野太く、男性を思わせる声が響き渡った。

「え?」

聞き覚えの無いその声に夏美は驚くと、

ドタッ

再び足音が響き渡り、

何かが当たった拍子に間口が開いてしまった戸の隙間を黒い物が横切って行く。

「だっ誰?」

黒い影が横切ったと言うより、

漆黒色をした何者かが横切って行った様子を見て夏美は慌てて扇風機を放り出し、

パンッ!

戸を思いっきり開いてみせる。

すると、

「うっ何この匂い…」

廊下に立ち込めていた奇妙な匂いに夏美は思わず鼻を塞ぐが、

それよりも、

ジャリ!

「え?!

 砂?」

廊下には赤茶けた砂粒が埃のようにして撒かれ、

さらに泥足で歩いたような足跡が洗面所から続いていたのであった。

「えぇ?

 何よ何よ

 誰がこんなことをしたの?」

廊下の惨状を見ながら夏美はあきれて見せると、

「まさか、お姉ちゃんが?

 って言うか、

 さっきのあの人が…」

と夏美はいましがたそこを通っていった漆黒色の人物のことを思いつつ、

急いで廊下の足跡を追っていくと、

足跡と砂は姉の部屋の前で終わっていたのであった。

「?

 やっぱり姉ちゃん?」

姉の部屋の前で途切れている足跡を不審に思いながら、

「お姉ちゃんいるのぉ」

と声をかけながら姉の部屋のドアを開けた途端、

「キャッ!」

ほぼ同時に冬美の悲鳴が響き渡る。

「いっ」

いきなり響いたその悲鳴に夏美は一瞬、身を硬くしてしまうと、

「なんだ、夏美か」

安心したような声と共に下着姿の姉・冬美が笑って見せた。

「なんだってなによっ」

姉の姿を見た夏美は一瞬、安堵した表情を見せるが、

スグにむくれて言い返すと、

「で、なんで下着姿なの?

 せめて何か上に着てよ」

下着姿の冬美に向かって命令をする。

「別にいいじゃないっ、

 それに上半身まっ裸のあんたに言われたくないわ」

妹のクレームに向かって冬美はそう言い返すと、

「あっ」

その指摘で夏美は自分がトップレスで姉の部屋に踏み込んできたことに気がつくが、

「お姉ちゃんしか居ないんだから、

 いいでしょっ

 ところでさ、

 廊下が砂で汚れちゃっているんだけど、

 これ、お姉ちゃんの仕業?」

と夏美は話をはぐらかせるようにして廊下のことを尋ねる。

「え?

 知らないわよ」

その問いに冬美は首を横に振ってみせると、

「でも、

 さっき洗面所に行ったでしょ?

 それに朝方あたしがトイレに行ったときは汚れて無かったわよ」

と夏美は早朝トイレに起きた際には廊下が汚れてなかったことを指摘するが、

「なによっ、

 じゃぁ、あたしが汚したとでも言うの?

 どうやって?

 ここにはそんな砂なんて無いわよ」

夏美の執拗な追及に冬美は不機嫌そうに言い返す。

「もぅ……あれ?

 なにこれ?」

議論が押され気味になり、

なんとか反論のネタを探していた夏美は

冬美の部屋の隅に立てかけられている1mほどの木の棒と、

その横に無造作に置かれている毛皮らしき物を見つけると、

それを拾い上げようとする。

その途端、

「ちょっと、

 あたしの部屋のものを勝手に弄らないでよ」

それを見た冬美は注意をしつつ、

夏美よりも先に木の棒と毛皮も拾い上げてみせる。

ところが、

「っ臭っ、

 ってなんなの、それ?」

毛皮から漂ってきたアンモニア臭に似た異臭に夏美は鼻をつまんで見せると、

「そういえば、

 それに似た臭いが廊下に漂っていたけど、

 やっぱりお姉ちゃんが犯人じゃないの?」

と鼻をつまみながら夏美は指摘するものの、

「そんなの関係ないわよ」

今度は冬美が答えをはぐらかせてみせる。

「もぅ素直じゃないんだから、

 ところでそれなぁに?

 そんなものを部屋の中に入れたらママに怒られるよ」

夏美は文句を言いつつ、

冬美が手にする毛皮を指差し、

さらに、

「あれ?

 お姉ちゃん、

 その首飾りどうしたの?」

と夏美は姉の胸元で青く輝くトンボ球の首飾りに気がつくと、

「え?」

その指摘に冬美はあわてて首元に手を置き

「あぁこれ?

 ちょっとね、

 でも、夏美には関係ないでしょ」

と誤魔化しながら冬美は手を首の後ろに廻し、

手早く首飾りをとって見せる。

「もぅ!

 それにしても変なことだらけだわ。

 お姉ちゃんが犯人じゃないとしたら、

 やっぱりあたしが見たあの黒い人影なのかな?

 まぁいいか、

 お姉ちゃん。

 あとで廊下のお掃除、

 ちゃぁんと手伝ってよね」

と夏美は廊下を汚した犯人の追及をあきらめ、

代わりに廊下の掃除の手伝いを頼むと、

「で、用件はそれで終わり?」

会話が途切れたところで冬美はそう切り出してきた。

「え?

 えぇ…まぁね」

姉の言葉に夏美は鼻の頭を掻きながら頷いて見せると、

「じゃぁ、

 さっさと部屋に戻ってよ」

と冬美は指図する。

「判っているわよ」

その言葉に夏美は不機嫌そうに返すと、

改めて冬美を眺めながら、

「あのさ、

 お姉ちゃん。

 随分と綺麗に日に焼けているけど、

 どこかのエステで焼いているの?」

と小麦色に染まる彼女の肌を指摘する。

「え?

 あぁ…そうでしょ?

 綺麗に焼けているでしょ」

それを聞いた冬美は笑って見せると、

「いいなぁ…

 あたしなんてこんなに綺麗に焼けないわよ。

 昨日、プールに行ったんだけどさ、

 ほらこんなに赤くなっちゃって、

 あーぁ、どうやったらその様に綺麗に焼けるの?」

と羨ましげに姉の肌を見つめてみせる。

そのとき冬美の目が一瞬光ると、

「ねぇ、

 夏美ちゃんもこんな肌になってみたい?」

と尋ねてみせる。

「え?

 そりゃぁもちろんよぉ

 なになに?

 姉ちゃんが行っているエステ紹介してくれるの?」

それを聞いた夏美は身を乗り出して聞き返すと、

「え?

 えぇまぁ、

 あたしの言うとおりにすれば

 夏美ちゃんでもスグに小麦色になれるわよ」

そう言いながら冬美は微笑んでみせる。

「本当?

 ねぇどこどこどこ?

 どこなの?

 もったいぶらずに教えて!」

食って掛かるように夏美は冬美に尋ねると、

「いいわよ。

 そのためにはまず、

 夏美に”勇者の精”を注いであげないといけないわね」

と呟いた。

「へ?

 ”勇者の精”って?」

冬美が呟いたその言葉の意味を夏美は尋ねると、

「スグに判るわ、

 さぁ、あたしに背中を向けてその鏡の前に立って」

と言いながら冬美は以前骨董市で買ってきたクラシカルな姿見を指差してみせる。

「え?

 なぁに?

 これでいいの?」

姉の指示に従い夏美が鏡の前に立って見せると、

「そのまま立っているのよ」

と冬美は命令しつつしゃがみ込み、

そして、

「うっ」

と言ううめき声と共に体に力を入れて見せると、

グッ!

グングングン!!!

下着が覆う股間が盛り上がり始め、

見る見る下着を引っ張っていくとテントを張り出していく。

「おっお姉ちゃん、

 大丈夫?」

尋常でない冬美のうめき声に夏美は不安になりながら尋ねるが、

「振り向いちゃぁ、

 ダメっ、

 そのまま前を向いてなさい」

と冬美は指図すると、

「でも…」

その指示に夏美は困惑しながらも前を向く、

そして、その後ろでは

フゥフゥ

フゥフゥ

肩で息をしながら冬美はゆっくりと立ち上がり、

股間ですっかり伸びきっている下着に指を掛けた後、

下に向かって一気に引き降ろして見せると

ブルンッ!

黒く光る漆黒色の肉の棒が大きく弾かれるようにして勃ち上がったのであった。

「ふふふ…」

股間から起立する肉棒を見ながら冬美は笑みを浮かべながら、

シュッシュッ

シュッシュッ

っと肉棒をしごき始め、

ビクビクビク!

やがてその刺激によって肉棒の先端についている丸い肉傘がカリを開いて見せると

ツルリとした光を放ってみせる。



「夏美…

 ちょっと痛い目に遭うかもしれないけど、

 でも、我慢するのよ、

 さぁ、腰をこっちに突き出して、

 両手を鏡に当てなさい」

股間から黒い肉棒を勃たせる冬美はそう言いながら夏美に迫り、

グッ!

と両手で夏美の腰を前に引いて見せると、

その途端、

「きゃっ!」

夏美の悲鳴が部屋に響き渡り、

思わずバランスを崩してしまった夏美は両手を鏡面につけてしまうと、

中腰になりながら丸い尻を冬美に向けてみせる。

「おっお姉ちゃん。

 何を始める気?」

姉の行動が理解できない夏美は怯えながら尋ねると、

「うふっ、

 言ったでしょう。

 ”勇者の精”を授けるって」

と冬美は答え、

夏美が穿いている下着を引き降ろした。

「やっやめて!」

無防備となった尻を露にして夏美は懇願するが、

「ふふっ

 もぅ遅いっ!」

興奮からか目を血ばらせる冬美はそう返事をすると、

グイッ

露わになっている夏美の肛門に肉棒の先端を押し当ててみせる。

「お姉ちゃん、

 それってなぁに?

 って!!っ

 そこっ!

 違う…

 そこは、お尻の…」

排泄しか知らない菊門に異物を押し当てられた感覚にまん丸に見開いて夏美は呟くが、

「ふんっ!」

メリィィィ!

こじあげるようにして肛門を押し広げ肉の棒が押し込まれてくると、

「痛ぁぁぁぃ!!!」

夏美は激痛に悲鳴を上げたのであった。



「痛い

 痛い

 痛いぁぁぃ」

肛門を漆黒の肉棒で貫かれた夏美は声をあげて泣き叫ぶと、

ヌーッ!

肉棒がゆっくりと引き抜かれ、

そして、

ズンッ!

と押し込まれる。

「ぐわぁぁ!」

内臓の中を往復するその感覚に夏美は絶叫を上げると、

「うるさいわよ、

 夏美っ

 これくらい我慢しなさい」

彼女の背後から姉の声が響き、

ペシッ

と頭が叩かれる。

「おっおねえちゃぁん、

 やめて、

 お願いだから、

 これを抜いて」

顔をぐしゃぐしゃにしながら夏美は懇願するものの

「うふっ、

 ダメよ、

 夏美は”勇者の精”を受けて、

 あたしと同じになるの。

 さぁ、気張りなさい」

懇願する夏美の背後から冬美の声が響くと、

「うぉぉっ!」

獣を思わせる声が響き、

ガシッ

夏美の腰を握る腕の力がこもった途端、

ズンズンズン!!!

激しく腰を動かし始めた。

「ぎゃぁぁぁ!

 やめて、

 やめて、

 お姉ちゃん。

 壊れちゃう。

 壊れちゃうよぉ」

まるで内臓を鷲づかみにされ、

引き出されては戻されるような感覚に夏美は悲鳴を上げるが、

「あぁ…

 締まる

 締まるぅぅ…

 気持ちいいよ、

 気持ちいいよぉ、

 夏美ぃ」

夏美を犯す冬美は徐々に声色を変えながらスピードアップしていく。

パンパンパン

パンパンパン

部屋の中に冬美と夏美が奏でる音が響き、

「あぐぅぅぅ…」

ひたすら耐え続けていた夏美は

絶え間なく襲い続ける激痛が次第に快感へと変わり始めてきたことに気づくが、

だが、夏美は既に白目を剥き意識が徐々に薄らいでいた。

そして、意識が飛ぶ寸前、

グニッ!

手を着いていた鏡の面が急に柔らかくなっていくと腕を飲み込み始めるが、

意識が消えかかっていた夏美にはどうすることも出来なく、

鏡の中へと体が飲み込まれ始め、

さらに、

「うぉぉぉぉ!!!」

冬美の雄たけびと同時に夏美の体内奥深くに熱い精が放たれたのである。

そして、

「あぁぁぁ…」

夏美は深い闇のそこへと堕ちて行ったのであった。



ズキンッ!

「うっ」

どれくらい時間が経ったのだろうか、

肛門から伝わってくる疼痛に夏美が目を覚ますと、

カサッ

カサカサ

夏美の前には青い空と黄色く枯れかけた草の原が広がっていた。

「なに…

 ここは?」

いつの間に表に連れ出されたのか。と疑問に思いながら起き上がると、

「え?

 えぇ!?」

草の原はただの原っぱではなく、

地平線の彼方まで延々と広がっていたのであった。

「なにここ?」

遠くに見える地平線を見ながら夏美は呆然としていると、

「やっと目が覚めた?」

と言う冬美の声が背後から響く。

「おっお姉ちゃ…」

その声を聞いて夏美は振り返るが

「ひっ!」

夏美の背後に立つ人影を見た途端、

彼女は声を詰まらせた。

「なによっ、

 そんな顔をしなくてもいいじゃない」

目を見開き声を失った夏美を見下ろしながら、

冬美の声色で話す者の姿は全身を覆う漆黒色の肌に痩身ながらも筋肉質。

そして、股間から垂れる男の肉棒などなど、

とても夏美が知っている姉の姿とはかけ離れたものであった。

「だっ誰?」

土人と呼んでも差し支えないであろうその容姿を見ながら夏美は怯えて見せると、

「うふっ、

 何を言っているのよ、

 あたしよ、

 冬美よ」

漆黒の男は言い、

チャラリッ!

と首に掛かる青く輝くトンボ球の首飾りを見せる。

「その…

 首飾りは…」

姉がつけていた首飾りを思い出しながら夏美は驚くと、

漆黒の男はニヤリと笑い、

「ふふっ、

 驚いた?

 ブルッサ族のズン、

 ここでは牛追い男のズンって呼ばれているわ」

厚い唇を動かし、

深い眼窩から覗く目で夏美を見つめてながらそう告げるが、

「うそっ

 うそよっ

 あなた…お姉ちゃんなわけは無い。

 お姉ちゃんはどこ?

 どこに居るの?」

目の前に立つ男を指差し夏美は聞き返す。

「もぅ、

 素直じゃないんだから」

一向に認めようとしない夏美の姿に漆黒の男は呆れて見せると、

「じゃぁ、

 このイリガでもぅ一回犯してあげようか、

 頭じゃ理解できなくても、

 イリガの味を知っているお尻なら理解できるでしょう?」

口元に手を当てながら漆黒の男はそう呟くと、

グンッ!

股間の肉棒を勃たせ、

「さぁ、

 大人しくお尻を出しなさい」

と指図しながら夏美へ迫っていったのであった。



「そんな…

 そんな…」

再び肛門から白濁した粘液を滴らせながら夏美は悔しそうに呟くと、

「うふっ、

 理解できた?」

漆黒の男、いや冬美は笑みを見せ、

「ううっ…」

その一方で夏美は悔し涙を流し泣き始める。

すると、

「そうよ、

 あたしよ。

 これがここでのあたしの姿。

 とっても逞しいでしょう。

 それとも驚いた?」

泣き続ける夏美のそばに腰を下ろして冬美は尋ねると、

「なんで、

 どうして、

 お姉ちゃん、

 どうして…土人になんてなっているの?」

顔を上げて夏美は聞き返すが、

「さぁ?

 なんでかなぁ…

 あの鏡にここに連れてこられてかなぁ」

としらばっくれるようにして言うと、

「夏美ぃ、

 よぉくお聞き、

 ここはあたし達がいる世界からずっと昔の世界なの。

 だから、助けを呼ぼうとしても誰も理解できないわ、

 そしてこのサバンナに来た以上、

 あなたもあたしと同じブルッサ族になるのよ。

 うふふっ

 素敵でしょう。

 もっ日焼けで悩むことは無いわ。

 このサバンナで素っ裸になって生きるのよ」

と囁いて見せる。

「え?

 過去の世界?

 ブルッサ族?」

姉の言葉に夏美は驚くと、

「そうよ、ここはブルッサの地、

 ブルッサ族の勇者にならないと生きてはいけないわ。

 それに夏美はあたしから”勇者の精”を既に受けているから、

 簡単になれるわよ」

と説明する。

「勇者の精?

 それって、

 まさか、あたしの体をお姉ちゃんみたいにしてしまうの?」

それを聞いた夏美は目を見開いて聞き返すと、

「決まっているでしょう」

ニヤッ

っと笑いながら冬美は答え、

「足掻いても無駄よ、

 しかも2度も”勇者の精”を受けたのだから、

 あたしよりも進行は早いわ、

 だって、ほらっ、

 もぅイリガが顔を出しているじゃない」

そう言いながら夏美の股間から顔を出している肉の塊を指差してみせる。

「ひっ!

 そんな!!!」

股間を覆う飾り毛を押し分け、

グンッ!

と突き出している赤黒い肉塊の姿に夏美は恐れ戦くと、

漆黒の手がそっと夏美の肩を抱き、

「別に怖がることは無いわ、

 ブルッサ族になっても夏美は夏美。

 ただ、オチンチンが生えて、

 黒い肌の男の子になるだけ」

と囁く。

「やめて!

 お願いっ

 そんなことを言わないで」

冬美を突き飛ばして夏美は声を上げると、

「何を言っているの?

 さっさとブルッサ族になりなさい。

 あなたもあたしと同じ牛追いの男になるのよ」

起き上がりながら冬美は怒鳴り声を上げ、

そのまま一気に夏美を押し倒して見せると、

「ふふっ、

 どんなに嫌がっても

 ほら、あなたの肌。

 さっきよりもだいぶ色が濃くなっているわ」
 
そう指摘しながら冬美は夏美の腕を掴み上げ、

褐色に染まりつつある腕を見せつけてみせる。

「うぅっ、

 いやっ、

 土人なんてなりたくないよぉ…」

涙を流しながら夏美はそう呟くが、

「さぁこれをあげるわ、

 あたしはこれに包まってブルッサ族になったのよ、

 夏美も同じように包まりなさい」

そんな夏美を見下ろしながら冬美はあの毛皮を広げみせると、

「変身はちょっと辛いかもしれないけど、

 それが終われば楽になるわ」

と夏美の頬にキスをしながら、

バサッ!

毛皮を夏美の体に巻きつけてみせる。



その日から夏美の肌の色は濃さを増し次第に漆黒色へと染まっていくと、

体つきもまた少女のスタイルから

脂肪が薄く筋肉質の少年のスタイルへと変わっていく。

そして、

「むっ無理よぉ、

 できるわけないよぉ」

縮れ毛が覆う頭を振りながら夏美は拒否をしてみせると、

「ほらっ、

 あたしがすることと同じことをすればいいの、

 はいっ

 しっかりと握って、

 そしてそれを動かすのよ」

漆黒の少年と化してしまった夏美の股間に手を居れ、

そこでいきり立つペニスを握り締めながら冬美が指図すると、

シュッ

シュッ

シュッ

とその手を動かし、

そして、

「あふんっ、

 んくっ」

夏美もまた握り締めさせられている手を動かし始めた。

「あふんっ」

「んんっ、

 そうよ、

 その調子」

お互いに胸元を飾るトンボ球を青く輝かせながら、

夏美は冬美のを、

冬美は夏美のペニスを互いにシゴキ合い、

鼻息を荒くしていく。

「はぁはぁ、

 おっお姉ちゃん…

 あっあたし、

 あぁ…

 出そう」

厚くなった唇を動かしながら夏美は限界が来たことを囁くと、

「まだまだ、

 我慢して、

 イク時はあたし達一緒よぉ」

と冬美はハッパを掛ける。

そして、

「あふんふん」

「んっくっ

 はぁん」

互いに股間を扱き合う二人の人影はやがて

抱き合い一つになると、

「あっ

 あっ

 あぁぁぁ!!」

の声と共に、

シュッ!

シュシュシュッ!

二人は赤茶けたサバンナの大地に白濁した精液を飛ばし合い、

それと同時に夏美の心の底で何かが弾け飛んでしまったのであった。

その余韻を感じながら、

「あぁ…

 気持ちいい…」

射精の快感を感じるようになっていた。



「はぁはぁはぁ

 おっお姉ちゃん。

 あたし…」

初めての射精を終えた夏美はその余韻に浸りながら声を掛けると、

「なぁに?」

額から流れる汗をぬぐいながら冬美は笑みを見せる。

「あたし…

 ううん、

 ぼくはもぅブルッサ族の男の子なの?」

そんな姉に向かって夏美は尋ねると、

「えぇ、

 そうよ。

 夏美はブルッサ族の立派な勇者になったばっかり、

 さぁ、立てるでしょ?

 ブルッサのみんなのところに行こう」

夏美にキスをしながら冬美はそう告げると、

二人は立ち上がり、

サバンナの彼方へと姿を消して行く。



おわり