風祭文庫・モラン変身の館






「サバンナの奥地」
(前編)


作・風祭玲

Vol.932





私の名前は本城隆。

強い者を求めて世界をさすらう格闘家である。

”格闘家とはなにか”

長い旅の間にはこのような基本的なことを尋ねてくる不届き者がいる。

その問いに対する答えは実に単純である。

そう…格闘家とは…

ガサガサ!!

ガバッ!

例え目の前の藪の中より突然黒い影が現れたとしても、

決してそれから逃れようと怯まず、

声をあげて騒がず、

そして、気持ちを動揺させずに冷静に出てきたものを分析するのである。

その分析の結果、

ゴワァァァ!!!

出てきたものが極めて獰猛であり危険な猛獣だとしても、

フンッ!

格闘家は鼻で笑い、

次の瞬間、

自分がなすべきことの準備を始めるのである。

そう、私がすることは…

バッ!

キュッ!

ビシッ!

「最初に言っておく、

 私はかぁなぁりぃ強い!

 どこからでも、

 かかってきなさぁいっ!」

素早くトレードマークとなっている漆黒の空手着に袖を通し、

牙を剥き爪を光らせ威嚇してくる猛獣を指差し対峙することなのである。

ルルルルル…

そんな私を見据え

喉を鳴らし威嚇すす猛獣はその爪と牙で私を倒し、

この鍛えぬいた血肉をむざぼるつもりであろう。

だが、私は負けるわけには行かないのだ。

なぜなら私は格闘家なのだから…



ひゅぉぉぉ…

ぉぉぉぉぉ………(ぴたっ)



私と猛獣との間を吹き抜けていた風が一瞬止んだとき見逃さず、

「うりゃぁぁぁぁ!!!」

ゴワァァァ!!

私はダッシュで猛獣の懐に向かって突進し、

バッ!

現地野生部族の戦士達を驚かせた驚異的な跳躍力で飛び上がる。

そして、

キッ!

金色に輝く猛獣の眼と眼の間を見据えた私は

ズゴォォン!

渾身の力を込めて猛獣の眉間に強烈なキックをお見舞いする。

ゴワァァァォォォン!

ズザァァァァァァァ!!!

私のキックを受けた猛獣は悲鳴に近い雄叫びを上げつつ

濛々と砂埃を舞い上げながら後ろへとバックし、

ズガァァァン!

突き出している小山のような岩に激突する。

その直後、

ビシッ!

猛獣を受け止めた岩山に

私がこよなく愛する文字である”武”の字がしっかりと刻まれると、



キャイィィィィィンンンンンンン!!!



再び風が吹き赤土が舞い始めたサバンナの大地に猛獣の悲鳴が響き渡ったのであった。

キャインキャインキャイン!

これまで無敗を誇っていたであろう猛獣は目をより涙を溢れさせ、

フサフサの尻尾を”これでもか”言うくらいに巻き上げてしまうと

赤く腫れ上がる額を前足で押さえながら、

一目散に私の前から逃げ出して行ったのである。

「ふっ、

 なかなか骨があったぞ、猛獣君。

 機会があったらまた会おう」

見る見る小さくなっていく猛獣の姿を見送りつつ、

私は岩に刻まれた”武”の文字に手を当て勝利の空しさを感じる。

この感覚。

そうこの空しさこそが格闘家たる私への褒美なのである。

私自身は決して戦いの望んではいない。

”専守防衛”

それが私の是であり、

それを突き通すために私は己に磨きを掛けているのである。

「どっこいしょっ」

空しさの余韻を感じながら私はその岩の上に腰を下ろすと、

「文子へ…」

と遠く日本に置いてきた最愛の妻へ手紙をしたため始める。

どんなに遠くに離れていても私は手紙を欠かせない。

それは、無理を言って旅立った私のせめてもの愛の証であり、

文子もまた私から便りを心待ちにして居るはずである。

実は珍しく先月、文子からの便りが私の元に届き、

私と結婚をしたことへの後悔が書き綴られ、

同封されていた離婚届にさっさと判を押すように。と書かれていたが、

だが、このようなものは不要である。

なぜなら、私の文子への愛は永遠に不滅なのだからである。

赤土が舞い上がるサバンナで私は文子への愛を確かめた後、

「ポストはどこだ?」

と私は手紙を投函するポストを求め歩き始める。

最後の街で馴染みの運び屋に手紙を委託してから既にひと月以上が過ぎている。

「こんなことなら奴にケータイを持たせておくべきだった」

”どんなところにも配達をするよ”

それがキャッチフレーズの運び屋は私にとって頼もしい存在である。

だが、

”ナントカとか言う少女宛ての手紙を預かっている。”

そう言って私の元を飛び立っていったまま運び屋はそれっきりなのである。

「全く、贔屓の客をほっぽらかしにするとは、なっておらんっ」

人っ子一人居ない台地を歩きながら私は文句を言うが、

とにかくポストを見つけなければこの手紙を愛する妻へ出すことができない。

日頃、沈着冷静を売り文句にしている私の顔に焦りの色が出ているであろう。

「ポストがどこか知らないか?

 いま私がそういう顔をしているのが判っているであろう」

途中、出会った立ち木に向かって私はそう問い尋ねる。

無理も無い。

話がわかる文明人の姿はとっくに消え、

たまに姿を見せていた朱染めの衣を巻いた野生部族の戦士の姿もここ3日ほど見かけないのだ。

同じ地球の生物である立ち木以外に誰に話しかけるというのだ。

「全く、無口な奴めっ、

 それだから君は立ち木なのだ」

話しかけても返事をしない立ち木の根元を私は不愉快そうに蹴り上げると、

ドッカ

とその場に腰を下ろし、

「困った。

 一体、私はどの辺りに居るのだろうか?」

と言いつつ私は中学校時代に散々落書きをしていた地図帳を取り出す。

そしていまどの辺りに居るのだろうかと調べようとしたが、

残念ながらアフリカ大陸の部分は真っ黒に塗りつぶされていて、

2007年征服完了というポストイットが張られているだけだった。

「むーっ、

 去年のうちに征服をするはずなのに…

 いかんなぁ、

 予定より遅れている」

ポストイットに書かれている文字に私は焦りを感じたとき、

「きゃぁぁぁぁっ!!!」

突然、女性を思わせる甲高い悲鳴が赤土の大地に響き渡ったのであった。

「!!!っ

 サバンナを切り裂く乙女の悲鳴!!」

久方ぶりに聞く人の声に私の体はすぐに反応し、

「待ってろ、

 いま助けに行く!」

の声が響く前に、

バッ!

私が着ていた服は空を舞い、

ビシッ!

トレードマークになっている空手着に袖を通した私は、

スタタタタタタッ!

声が響いた方角へとダッシュで駆け出していたのであった。

耳元を風が切り、

私は一陣の風になる。

そして、

「先ほどの悲鳴、

 間違いない…戦いの響きだ」

胸の奥からこみ上げてくるカクワク感を感じつつ草を掛けわけ、

ブッシュをすり抜け、

もぅ何日も洗っていない空手着を靡かせて駆けつけると、

ゴワァァァァァ!!!

いかにも獰猛そうな猛獣が

黒く光る肌を晒し、

怯えきっている女性を威嚇している場面に出くわしたのであった。

「待ていっ

 待ていっ

 待ていっ!

 猛獣君っ、

 この私が相手だ!」

そう声を張り上げて私は女性と猛獣の間に割り込むと、

バッ!

身に着けていた漆黒の空手着を剥ぎ取り、

ムンッ!

鍛え抜いた体中の筋肉を大きく膨らませて私は猛獣に威嚇してみせる。

すると、

ゴワァァ…

私の威嚇が効いたのか、

猛獣はジリ、ジリと後ずさりをし始めたのであった。

「ふっ、

 おろかな奴…」

本来ならば見逃す私なのだが、

腰を抜かし震えている女性の手前ではそれは出来ぬ相談である。

「間が悪かった己を呪うのだな。

 いくぞ」

すかさず私の目はターゲットをロックオンすると、

「でやぁぁぁぁ!」

の掛け声と共に、

ズガンッ!

猛獣の後頭部に見事な回し蹴りを決めて見せたのであった。

「決まった。

 見事なくらいに決まった」

あまりにも理想的な展開に私は爽快感を感じていると、

ゴワァァァ…

廻し蹴りを喰らった猛獣は白目を剥き、

ズシーン!!

っと横に倒れてしまうと、

そのままピクリとも動かなくなる。

「むっ、しまった。

 手加減をするのを忘れていた。

 すまぬ猛獣君、

 迷わず成仏したまえ」

動かなってしまった猛獣の姿に私は後悔をしながら手を合わせると、

いまだ震えている女性へと視線を動かしてみる。

女性の体には布地と呼べるものは一切なく、

日を受けて光り輝く漆黒の肌を幾本ものビーズの紐が飾り立てているが、

その色の組み合わせはこれまでに会ったどの野生部族のものとは違っていたのであった。

「ふむ、

 見たことが無い装飾だな。

 君はどこの部族の子だ?」

女性ゆえにこの近所に住むと思いながらそう話しかけると、

「・・・・・・・・」

彼女は私に向かって何かを話しかけてくる。

だが、彼女の口から出た言葉を私は理解できず。

「うーん」

私は唸りながらアンチョコを取り出すと、

このサバンナに来て教えてもらった様々な部族の言葉で話しかけてみた。

すると、とある部族の言葉なら判るみたいで

私の質問に反応をしてみせたのであった。

「なるほど、

 この部族の言葉なら判るみたいだな…

 よかろう。

 えぇっと…」

何とか会話のきっかけを掴んだ私は少しうれしそうに話しかけたとき。

ヒュンッ!

サクッ!

突然、足元に空から飛んできたのであろうか一本の槍が突き刺ささる。

「槍?」

血の香りをほのかに漂わせ、

鈍く光る矛先を私はただ眺めていると、

「!!っ」

黒肌の女性は槍を指差し震え上がった。

「ん?」

先ほどの猛獣との遭遇時よりも怯えてみせる女性の姿に私は小首を捻ると、

ヒュンヒュンヒュン!

青い空に幾本もの槍が姿を見せ、

それが見る見る近づいてくると、

「おぉっ!」

サクサクサクサク!!

私の動きを封じ込めるかのように地面に突き刺さり、

私は一歩も動けなくなってしまったのであった。

「ひぃ!!!」

その途端、女性は頭を庇い地面に蹲ると体中をガタガタ振るわせるが、

「ふっ、

 相当な腕前のようだな」

冷や汗を流しつつも私は余裕の表情を見せながら立ち上がり、

こっちに迫ってくる気配を感じつつ待ち構える。

やがて、

ザザッ

ザザザザッ!

近くのブッシュが大きくゆれ、

『見つけたぞ!!!!っ』

『ここにいたぞ!!!!っ』

の声と共に女性と同じ黒い肌を輝かせた人間が次々と姿を見せる。

一人、

二人、

三人、

四人…

次々と姿を見せる者達の人数は増え、

合計八人もの者達が私と女性の前に立ちはだかる。

すると、

『ひぃぃぃぃぃ!!!

 助けてください。

 お願いです。

 わたしは道に迷っただけです』

私が助けた女性は泣き喚きながら、

立ちはだかる者達の足元に縋り寄り、

必死になって許しを請い始めるが、

『嘘をつけっ』

『お前、逃げようとしたろう』

『逃げたものは串刺しにも良いと言われてきた』

と取り囲む者たちは声をあげ、

2・3人が地面に突き刺さった槍を引き抜くと、

その矛先で女性を突付き始めた。

『やめて、

 殺さないで』

豊満な乳房を揺らして女性はなおも許しを請うと、

『おいっ、

 許してやったらどうだ?』

見かねた私は話しかける。

『!!っ』

私のその声でようやく私の存在に気づいたのか、

取り囲む者たちは私を見るが、

「なっなんだぁ?!」

振り返った者達の身体を見て今度は私が驚いたのであった。

女性と同じ布と呼べるものは一切纏わず漆黒の裸体を露にし、

てっきりこの女性の部族の戦士と思っていたが、

しかし、顔は戦士の如く精悍な顔つきだが、

胸にはプルンと震える乳房があり、

括れたウェスト、

張り出したヒップなどから見ただけなら女性のようにも思える。

だが、まるで野獣のような筋肉がその体を内より盛り上げ、

股間からは黒い肉の棒が太く長く突き出ているのを見た時、

”男?”とも思えたのであった。

「女か?

 それとも男か?」

これまで会ったどの原始部族の戦士とも一線を画す彼らの姿に私は驚いていると、

『!っ』

そのうちのリーダー格と思える戦士がさっき私が倒した猛獣に気づき、

『これは、お前が倒したのか?』

と尋ねてきた。

ザワッ

その途端、

ほかの戦士達も猛獣に気づくと、

驚きながら猛獣に近づき、

そして、恐る恐る槍の先で突いてみせ、

『死んでいる…ぞ』

『ばっ馬鹿な…』

『だってこいつは…』

と猛獣の死を確認するや否やみな青ざめた顔をしてみせる。

『ふんっ、

 あぁそうだ、

 この私が蹴り殺した』

戦士達を鼻で笑いながら私は胸を張ってみせると、

その途端、

『嘘をつけ』

『その猛獣は我らの仲間を10人も食い殺したんだぞ』

『お前のような白い奴が蹴っただけで死ぬはずがない』

と戦士達から非難の声が上がったのであった。

『ふんっ、

 じゃぁどうやって死んだんだよ、

 そいつは』

その非難をものともせずに私は反論して見せると、

『うっ』

私の言葉に皆は黙り込んでしまった。

すると、

『あはははは…』

リーダーは盛大に笑い始めると、

『面白い、

 お前、自分は強いと言いたいんだな。

 我々は本当に強い奴を欲している。

 お前がどれだけ強いのか見せてもらおうじゃないか』

そう私に話しかけ、

『この者とミミを連れて行け』

と私と助けた女性を指差し他の者に命じたのであった。



『うっほっ』

『うっほっ』

性別不明の奇妙な裸族戦士たちに伴われ、

私と野生部族の女性は歩き始めた。

「なんか変な事になったな…」

そう思いながら私は未だに泣き続ける女性と共に歩き、

やがて高かった陽が西に傾いた頃、

とある集落へと連れ込まれたのであった。

「ここが連中の村か?」

そう思いながら私は集落を照らし出すように焚かれた篝火の中を進み、

粗末な小屋が立ち並ぶ一角を抜けていくと、

私たちは広大な広場へと到着する。

すると、

ザッ!

『♪〜っ!!!』

私達の目の前に30人以上はいるだろうか、

性別不明の裸体の戦士達が並び揃うと、

まるで私たちを歓迎するかのように謳い、飛び跳ね初めだしたのだ。

「ほほぉ、

 私の到着を歓迎してくれのか?」

漆黒の乳房を揺らし、

股間の肉棒をペチペチと鳴らしながら戦士達は謳い飛び跳ねるのを見ながら

私は悠然とするものの、

しかし、その歌声は歓迎というより、

誰かを称えるものの様に聞こえたのであった。

程なくして、

『やめいっ!』

戦士達の背後から響いたその声と共に、

ピタッ!

戦士たちは撥ねるのを止めると左右に分かれる。

その左右に分かれた戦士達奥から屈強の肉体を見せつける老人が姿を見せると、

「ふーん、

 やっぱり歓迎…とは違うみたいだな」

と私はそう思うや否や

スーッ!

これから始まるであろう戦いに備えて体を絞り始めた。

「さぁ…いつでも掛かってきなさい」

ジロッ

老人を見据えながら私は心の中でそう呟くと、

ススッ

その私を遮るように

私はこの集落に連れて行くように命じたリーダーが進み出るなり、

『長っ、

 ミミをマシュバの樹にて捕らえました』

と老人に向かって報告をする。

すると、

ドンッ!

私の後ろに居たあの女性が突き飛ばされると、

リーダーの前に倒れ込んだのであった。

そして、

『おっお願いです、

 助けてください』

と命乞いを始めだすと、

「やれやれ、

 水入りをされてしまったか」

命乞いをする女性の姿に見かねた私は前に進み出て、

『私はこの女性を猛獣から助けた者だ。

 この女性は猛獣に追い掛け回されて逃げ回っていたのだが、

 私が見るにそれは意図的てはなく、

 事故だと思うので許してあげて欲しい…』

と老人に事情を話し始めたのであった。

その途端、

『おっ長に申し上げます。

 この者…そのマシュバの樹にて、

 我らの敵・ザザントをこともあろうか蹴り殺したと申しております』

とリーダーは告げたのであった。

すると、

ザワッ!

左右に勢ぞろいしている戦士たちは一様に驚き、

そしてザワメキだすと、

ドンッ!

老人は手にした杖で地面を叩き、

『お前…サザントを倒したと言うのは本当か?』

と威厳を持った声で尋ねる。

『む?

 まぁ、あの猛獣をあなた方がそう呼んでいるというのなら、

 倒したことは倒したが』

その問いに私は空手着の帯を締めなおして私は返事をすると、

『嘘をつくなっ』

『奴は我々の仲間を幾人も食い殺しているんだ』

『お前のような白い奴が倒せるはずは無い』

とあの時と同じ罵声が響き渡ったのであった。

「そんなに凄い奴だったのか?

 アイツは…」

屈強の戦士たちが興奮しながら声を上げる様子を見て、

私はそう思っていると、

『よかろう』

老人の声が響き。

『ならば、お前のその実力を見せてもらおう』

というなり、

『本日捕らえたムブカンドをこれに』

と声を上げた。

「え?

 なんだ?」

老人の声を共に私はキョロキョロしていると、

『おいっ』

戦士のリーダーが私に話しかけ、

『ムブカンドはこの世で一番、獰猛な獣だ。

 我々の仲間を数え切れないくらい食い殺している。

 今日、大きな犠牲を払いながらついに捕らえたのだ。

 ふふっ、

 こいつに勝てるか?』

と笑みを浮かべ囁いてきた。

だが、

「なに?」

その囁きに私は目を輝かせると、

『ふっ、

 そうか、

 骨のある奴と戦えるのか。

 それは光栄だ』

と返すと、

ギュッ!

いきなり私の股間が握り締められ、

『お前、男か、

 ならこのイリガに期待しているよ』

と言い残して去って行ったのであった。

「なっなんだ、

 いまのは…」

リーダーが取った行動が理解できないまま

私は村はずれに樹の柵で作られている檻へと連れて行かれると、

ルルルルルル…

不気味に目を輝かせて中の猛獣がゆっくりと顔を上げる。

「ほぉ、

 確かに骨がありそうだ」

ボキボキと指の関節を鳴らしつつ

私はこれから始まるであろう戦いに胸震わせながら

自ら戸を開け中へと入ると、

ビシッ!

猛獣を指差し、

「最初に言っておく!

 私はかぁなぁりぃ、強い!

 さぁどこからでも掛かってきたまえ!」

と声を張り上げたのであった。



つづく